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 ▼【カ】 Ruby Tanya  hanemi(WYN-1036) 05/4/24(日) 23:34

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 ■題名 : 【カ】 Ruby Tanya
 ■名前 : hanemi(WYN-1036)
 ■日付 : 05/4/24(日) 23:34
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   "Ruby Tanya" by Robert Swindells
Heinemann Educational Publishers,
ISBN: 0435119990, 2005, 215pp.
(First published by Doubleday in 2004)

 ルビー・タニアはイギリスの田舎の村で暮らす、12歳の少女。同級生で親友のアスラは、故国で民族差別と迫害を受け、家族でイギリスへ逃れてきた。ルビー・タニアの父親は極端な愛国主義者で、娘が難民の少女と親しくするのを快く思っていない。
 2人の通う学校で爆破事件が起きた。教師1名が死亡し、生徒2名が鼓膜を破る重傷を負った。事件当時、難民キャンプを皇太子が訪問中で、難民キャンプで暮らす子どもたちは全員キャンプにいたため、テロリストが狙ったのは、それ以外の子どもたち――つまり、テロリストはキャンプの人間ではないかといううわさが流れ始めた。
 この事件をきっかけに、ルビー・タニアの父はキャンプの人たちをイギリスから追い出そうとする運動にさらに力を入れるようになった。極右主義者として有名なロンドン在住のテレビレポーターなど、何だか危ない連中と関わっていると知り、ルビー・タニアは父への嫌悪感を募らせる。
 学校でも子どもたちの間にいさかいが始まった。難民キャンプで暮らす少年、アシップがロッカールームで暴行を受け、重傷を負った。いじめっ子のキースが犯人だとわかっているが、報復が怖いアシップは口を閉ざしている。そして、何者かがキースの靴にナイフを入れ、大怪我をしたキースは病院に運ばれた。
 一方、警察からテロリストの疑いをかけられたアスラの父親は、国外追放処分を受けることになる……。

 ルビー・タニアとアスラが、ほぼ交互に語り手となり、2人の1人称で進行する。アスラの出身国は、イスラム圏であること以外は特に明記していない。現実に起こりそうな設定なので、どういうふうな結末を迎えるのだろうかと、興味を持って読んだ。
 個人的には、主人公の少女たち2人の物語より、アシップとキースのエピソードが心に残った。隣人がどういう人か個人的に知ってしまえば、いさかいなんて起こらないのかもしれない……。

 少し前に読み終わっていたのですが、体調を崩したのとカタルシスがあまり感じられたなかったのとで、ちょっとアップが遅れました。


** hanemi (WYN-1036) **

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