アートン 新刊絵本情報


2004年3月刊行

韓国の絵本10選スタート! 毎月20日刊行!

うしとトッケビ:表紙

うしとトッケビ

イ・サン 文
ハン・ビョンホ 絵
おおたけ きよみ 訳

ISBN 4-901006-67-3
定価 1575円(税込)
 

トッケビをご存知ですか?
日本でいう、鬼や天狗のような存在――そのトッケビがこの絵本に登場します。
この物語は作者によるものですが、下敷きとなっているのは、日本でもどこか聞いたことのある伝承昔話です。

あるところに、トルセという薪売りが一人で暮らしていました。いえ正確には、大事にしている牛と暮らしていますのでまったくの一人というわけではありません。ふたりは、ある夜にトッケビと出会いました。トッケビは仲間とはぐれてしまい、困っているところでした。トルセに、ふたつきの間だけ、牛のおなかで過ごさせてもらえないかとお願いします。お礼もしますから、と。トルセは了承し、トッケビは牛の口からおなかに入っていきました、さてさて、どうなるでしょう。

お隣の国、韓国の選りすぐりの絵本を10作、毎月刊行するという素敵な企画です。
その1冊目が、『うしとトッケビ』

すこしなまけもの、牛を大事にしているトルセの表情、いたずらっこのようなトッケビの顔、目で気持ちを出している牛。それぞれが、多くの色を重ね合わせた暖色系の絵となり、美しく描かれています。耳をすませて物語を、目をこらして絵を堪能してください。

これから毎月、たのしい絵本が届きます。


【作者】イ・サン 1910年ソウル生まれ。本名キム・ヘギョン。詩・小説・随筆などのジャンルで作品を残した近代韓国の代表的作家。1937年、27歳の若さで短い人生を追えた。『うしとトッケビ』は、1937年3月『毎日新報』に発表されたあと全集に収録され、イ・サンが子どものために書いた唯一の童話といわれているが、最近それを否定する論も発表されている。
*『うしとトッケビ』は、日本の作家、豊島与雄(1890-1955)の『天下一の馬』(「赤い鳥」1924年3月)の翻案であることが指摘されています。

【画家】ハン・ビョンホ 1962年ソウル生まれ。チュゲ芸術大学校東洋画科卒。日本に紹介されている絵本に、『トッケビのこんぼう』(平凡社)があるほか、現代韓国を代表するイラストレーターの一人として、絵本や子どもの本の挿し絵などを多く手がけている。第16回オリニ文化大賞美術賞受賞。ソウル・テヘラン国際原画展出展。2000年国際子ども図書館開館記念・韓国絵本原画展出展。韓国出版美術家協会会員、虹イラストレーション会員。

【訳者】おおたけ きよみ 大竹聖美 1969年埼玉県生まれ。白百合女子大学大学院修士課程修了(児童文学専攻)。1999年日韓文化交流基金訪韓研究員として渡韓。2001年韓国児童文学学会新人賞受賞。2002年延世大学校大学院で教育学博士(近代韓日児童文化教育関係史研究)。ソウル大学講師、誠信女子大学校専任講師などを経て、現在、白百合女子大学兼任講師(韓国児童文学講義)。日本児童文学学会会員。韓国児童文学学会研究幹事。韓国絵本の翻訳に『イングンニムのみみ』、『韓国子守唄チャジャン歌』(ともに古今社)がある。

アートン刊行物の売り上げ1冊につき5円が、武蔵野佐山丘陵の豊かなる自然を残すナショナルトラスト運動「トトロのふるさと財団」に提供されています。

株式会社アートン
〒150-0043東京都渋谷区道玄坂1-19-9 第一暁ビル9F

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Last Modified: 2004/05/12
担当:さかな

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