2008年11月刊行
原書は2007年６月に刊行され、ニューヨークタイムズのレビューでも絶賛された絵本です。他の書評でも好評を博し、邦訳を待たれていた方も多いのではないでしょうか。 ココ・シャネル――20世紀初頭の女性ファッション界に革命を起こしたデザイナー。 この絵本では、そのココの生い立ちを描いています。行商の娘として育ち、母を早くに亡くしたため、きょうだいバラバラに生活をせざるを得なくなり、ココは修道院に入ります。その後、フィニッシング・スクールを経てお針子に。他人（ひと）と違っていることを大事にするココの才能が活かされはじめます。オリジナルの帽子をつくることから、洋服のデザインへ。シンプルなココのデザインは、まだまだコルセットをつけることが主流だった時代に、実用的でほっそりとしたデザインの洋服をつくったのです。 当時の流行を大きく変えていったココは、聡明でまた強い女性だったのでしょう。本書では、シンプルなココのデザインのように、大判の絵本に絵をゆったりと配置し、個性をチャーミングな力に変えて生きてきたひとりの女性を、いきいきと素敵に表現し、美しい一冊に仕上がっています。 本のつくりもすてきです。この書影だと、英文字が赤色にみえますが、実際は少し赤みのある金色で、表紙の質感、帯のデザインも丁寧で上質。ココ・シャネルの絵本らしいものとなっています。ぜひ、手にとってみてください。 エリザベス・マシューズ Elizabeth Mattthews
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