日本図書センター 新刊情報

 

2005年6月刊行

翻訳絵本シリーズ
世界子ども平和図書館

 

ぼくの犬:表紙 ぼくの犬
My Dog

ジョン・へファナン 文
アンドリュー・マクレーン 絵
福本友美子 訳

ISBN 4-8205-9843-0
定価2520円(2400円+税)
つる:表紙 つる
サダコの願い

Sadako

エリナー・コア 文
エド・ヤング 絵
こだまともこ 訳

ISBN 4-8205-9844-9
定価2940円(2800円+税)
 少年アリージャは、ボスニア・ヘルツェゴビナの海に近いしずかな村で暮らしていました。ある日行き倒れた老人が残した犬を飼うことに。やがて村は戦争に巻き込まれ、おとうさんを残して、おかあさんと少年はマグダおばさんのもとへ向うことになりました。ところがおかあさんは途中で銃を持った男たちに連れ去られてしまいます。

 ボスニア・ヘルツェゴビナの内戦を背景に、家族への思いを少年が語ります。平和を願う気持ちがしずかに伝わってきます。
  12歳のサダコは走るのが大好きな元気な女の子。リレー選手になるのが夢で、毎日学校での練習はもちろん、家まで走って帰ってくることもよくありました。ところが、2月のよく晴れた日、運動場で走っていると、目の前がぐるぐるまわりはじめて、そのままサダコは倒れてしまいました。

 「原爆の子の像」のモデル佐々木禎子さんの物語。白血病にたおれたサダコは、千羽鶴と出会い、希望をたくしてつるを折りつづけます。
【文】ジョン・へファナン John Heffernan オーストラリア、ニューサウスウェールズ州北部の農場に、妻と2人の娘、3匹の猫、8匹の犬、多数の馬や羊と暮らす。農場経営のかたわら、犬や馬を主人公にした物語やSFなどを書く。本書ははじめての絵本で、2002年度オーストラリア児童図書賞(低学年部門)を受賞した。

【絵】アンドリュー・マクレーン Andrew McLean オーストラリア、メルボルン在住の画家、イラストレーター。幼稚園教師のジャネットと結婚後、夫婦共作で『それいけ!あかいきかんしゃ』(徳間書店)、『しっぽをパタパタ』(瑞雲舎)など主に幼児向きの絵本をつくりはじめ、人気を得る。他の作家の作品に絵をつけたものも多い。

【訳】福本友美子 ふくもと ゆみこ 慶応義塾大学文学部卒業。公共図書館勤務を経て、現在はフリーで児童書の研究、評論、翻訳、書誌作成などをする。訳書に『ヌードル』(岩波書店)、『むしゃくしゃかぞく』(あすなろ書房)、『子どもの本の歴史』(共訳、柏書房)などがある。立教大学講師。
【文】エリナー・コア Eleanor Coerr カナダに生まれ、育つ。1949年、戦後の日本を取材するため、「オタワ・ジャーナル」紙の記者として来日。その後3年間日本各地を旅行するが、原爆後の惨状にショックを受け、新聞記事や子どものための本を書く。60年代に再び来日し、千羽鶴で飾られた原爆の子の像を見て感動し、本書の原作となる『サダコと千羽鶴』を書き、1977年にアメリカで出版する。

【絵】エド・ヤング Ed Young 中国の天津に生まれる。十代後半で渡米し、ロサンゼルスのアート・センター・カレッジを卒業。子どものための優れた本を数多く制作している。『ロンポポ オオカミと三人のむすめ』(古今社)でコールデコット賞を受賞した。そのほか邦訳されている絵本に『兎あにいおてがら話』(BL出版)などがある。

【訳】こだまともこ 小玉 知子 早稲田大学卒業。出版社勤務ののち児童文学の創作と翻訳をはじめる。創作に『3じのおちゃにきてください』(福音館書店)など。翻訳に『レモネードを作ろう』(徳間書店)、『いつもお兄ちゃんがいた』(講談社)、『みんなで話そう、本のこと』『読む力を育てる―マーガレット・ミークの読書教育論』(共に柏書房)など。白百合女子大学講師。
9月のバラ:表紙 9月のバラ
September Rose

ジャネット・ウィンター 文・絵
福本友美子 訳

ISBN 4-8205-9845-7
定価1680円(1600円+税)
ローラ:表紙 心の国境
The Border in the Heart

デボラ・オメル 著
ヨナ・マフ 挿絵
母袋夏生 訳

ISBN 4-8205-9846-5
定価 2310円(2200円+税)
 南アフリカに、バラを作っている姉妹がいました。ニューヨークのフラワーショーに出品するために、姉妹は2,400本のバラとともにニューヨークへ向います。ところが、飛行機をおりるとそこは悲しみとなみだでいっぱいでした。バラとともに空港で途方にくれたふたりに声をかけてきたのは……。

 2001年9月11日。全世界に大きな衝撃を与えた事件がおきました。作者ジャネット・ウィンターは、バラの花をもってアフリカからやってきたふたりの女の人のことを聞いて、この絵本を作りました。
 ユダヤ人のハナは、ヨルダン渓谷の開拓村にやってきました。そこでアラブの少年、アブダッラーと出会います。心ひかれながらも、お互いにわかりあえる言葉がありませんでした。近くにいるのにユダヤ人とアラブ人はよそよそしいつきあいを続け、ハナとアブダッラーも歴史のうずに翻弄されていきます。

 故郷のヨルダン川を見下ろす丘は、今では花が咲き乱れる丘ではありませんでした。幼い日々や初恋の思い出を回想する主人公は、なぜお互いが理解しあえなかったのか、なぜ戦いつづけなければならないのかを思いめぐらします。平和を望む主人公の思いが胸にせまる物語。
【文・絵】ジャネット・ウィンター Jeanette Winter ニューヨーク在住の絵本作家、イラストレーター。50を越す作品の中には、メキシコの文化やフォーク・アートへの関心を示すものや、ジョージア・オキーフ(『私、ジョージア』みすず書房)、エミリー・ディッキンソン、バッハ、ビアトリクス・ポタ-など実在の芸術家の伝記絵本などがある。

【訳】福本友美子 ふくもと ゆみこ 慶応義塾大学文学部卒業。公共図書館勤務を経て、現在はフリーで児童書の研究、評論。翻訳、書誌作成などをする。訳書に『ヌードル』(岩波書店)、『むしゃくしゃかぞく』(あすなろ書房)、『子どもの本の歴史』(共訳、柏書房)などがある。立教大学講師。
【文】デボラ・オメル Devorah Omer 1932年イスラエルのキブツ(集団農場)生まれ。15歳から執筆をはじめ、児童・ヤングアダルト向けの他、戯曲や雑誌のコラムも担当している。イスラエルで最も人気のある作家の一人で、教育賞ほか国内外の賞、ヤヌシュ・コルチャック・メダルなど数多くを受賞。邦訳に『ベン・イェフダ家に生まれて』(福武文庫)がある。

【絵】ヨナ・マフ Yona Mach 1917年ドイツ生まれ。ユダヤ人国外追放令で、18歳のときイスラエルにわたり、デボラ・オメルと同じキブツで暮らす。その後エルサレムに移って、画家協会の運営にたずさわりながら、ロンドン、フランクフルト、アメリカ各地で個展を開催。挿絵作品は本書のみ。1999年死去。

【訳】母袋夏生 もたい なつう 長野県生まれ。ヘブライ大学文学部修士課程ディプロマ・コース終了。出版社勤務ののち、ヘブライ文学翻訳に専念。主な訳書に『ブルーリア』(国書刊行会)、『心の国境をこえて』(さ・え・ら書房)、『羽がはえたら』(小峰書店)、『砂のゲーム』(岩崎書店)、『壁のむこうから来た男』『走れ、走って逃げろ』(岩波書店)など。


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メープル・ストリート

Last Modified: 2005/6/25
担当:蒼子

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