R.I.C.出版株式会社

2007.02 『ネコとサカナ』  2007.03 『アーサー』  2007.04 『こんにちは マクダフ』 
2007.05 『はしれ ワニくん』  2007.06 『おもいではチョコレートのにおい』
2007.08 『いぬのおやくそく』 『ゆめみるリジー』

2007年11月刊行

オーガスタスのたび:表紙 しにがみと木の実:表紙
オーガスタスのたび

キャサリン・レイナー 作/絵
すぎもと えみ 訳

ISBN 978-4-903924-04-5
定価 1575円(税込)
しにがみと木の実

エリック・マッダーン 再話
ポール・ヘス 絵
しみず ようこ 訳

ISBN 978-4-903924-03-8
定価 1575円(税込)
☆2006年ブックトラスト絵本新人賞受賞作品
☆2006年度ケイト・グリーナウェイ賞最終候補作

トラのオーガスタスは笑顔をなくしてしまいました。
なくしものは探さなくては。
オーガスタスは笑顔をみつけるために旅に出ます。
藪の中、高い木のてっぺん、山々やいただき、深い海の中まで、オーガスタスは探す、探す……。

 水墨画を思わせるような黒い線がオーガスタスの特徴をよくあらわしています。あちらこちら旅しているオーガスタスが、目の前で動いているかのように見えるほど、黒い線が優雅に泳いでいます。余白の白さも、オーガスタスの輪郭をくっきりさせ、とにかく物語と絵が美しくとけあった絵本。
 さて、オーガスタスの笑顔はどこにあったと思いますか?
このお話は、スコットランドの旅人による伝承がもとになり、それを再話したものです。

少年ジャックは母親とふたり暮らし。ある時、急に母親の具合が悪くなりふせってしまう。母親はもう少しで死神のお迎えがあるかもと力なく言う。ジャックが外に出て悲しみながら歩いていると、死神らしき老人に出会い……。

 大好きな母さんを死神に連れて行かれたくない! そう願うジャックの気持ちはごく自然なもの。でも、死神がいなくなると、世の中はどうなってしまうのか。この話のおもしろさは、いなくなったらどうなるかにある。生きているものがいつか出合う死。死のない生もあり得ない。
 明るいパステル調の色彩で、重たくなく、からりと生と死を描いている。
作】キャサリン・レイナー(Catherine Rayner) 英国ヨークシャー生まれ、エディンバラ在住。本書がデビュー作。エディンバラ・カレッジ・オブ・アート在学中に、この作品のもとになった"Dreaming of Augustus"を制作。それが卒業制作展で出版社の目にとまり、一部手直しの上、翌年出版の運びとなった。犬のエリー、猫のエナ、馬のシャノンをはじめ、多くの動物たちと暮らしている。

【訳】すぎもと えみ(杉本詠美) 広島県出身。訳書に絵本シリーズ「ガラスのうしモリーのおはなし」(少年写真新聞社)、『おもいではチョコレートのにおい』(アールアイシー出版)などがある。やまねこ翻訳クラブ会員。夫と3人の子ども、猫のメリーと東京都在住。
【再話】エリック・マッダーン(Eric Maddern) オーストラリア出身。現在は、英国内で昔話の語りと歌手活動を行いながら、絵本の執筆も多数手がけている。ポール・ヘスとのコンビによる初めての絵本は"The King with Horse's Ear"。今作品が初の邦訳となる。英国の北ウェールズ在住。

【絵】ポール・ヘス(Paul Hess) オーストラリア出身。グラフィックデザイナーやアートディレクターの職を経て、イラストレーターとなる。『時間のない国で(上・下)』(ケイト・トンプソン作/東京創元社)の表紙絵など、児童書の挿絵や絵本の画家としても活躍中。英国のサマセット在住。

【訳】しみず ようこ(清水陽子) 神奈川県出身。製薬会社勤務の後、児童文学翻訳家を志す。やまねこ翻訳クラブ会員。『大人のファンタジー読本 未知なる扉をひらく 180選』(やまねこ翻訳クラブ編/マックガーデン)の執筆に参加。地元の小学校で絵本の読み聞かせ活動を続けている。山形県在住。


2007年8月刊行

いぬのおやくそく:表紙 ゆめみるリジー:表紙
いぬのおやくそく

クリス・ホーンゼイ 作
グゥイン・パーキンス 絵
みま しょうこ 訳

ISBN 978-4-902216-98-1
定価 1365円(税込)
ゆめみるリジー

ジャン・オーメロッド 作/絵
はやかわ ゆか 訳


ISBN 978-4-902216-28-8
定価 1365円(税込)
世の中には、たいていお約束ゴトがあります。
それは犬の世界でも同じようです。

どうして どろんこあそびをしたら、お風呂に入らなくちゃいけないのか。どうして、ずっと遊んでちゃだめなのか。どうして、お客様がいらした時はいいこにしてなきゃいけないのか。

さて、どんなこたえが書かれているでしょう。

ふふふ、クスクスと、どのページを繰っても笑顔がこぼれる、やさしい気持ちが自然とわきあがってくる絵本。
どうぞ、ゆっくりながめてくつろいでください。
舞台はオーストラリア、時は開拓時代にさかのぼります。

森の奥の小さな家で暮らすのは、リジーと赤ちゃんと父さん、母さんの4人家族。周りは一面、小麦畑。家族のご近所さんは、誰もいません。そして、父さんの仕事は木を町へ運ぶ仕事。出かけると、しばらくもどってこれません。それはとても寂しいけれど、リジーは持ち前の想像をいかし、3人で留守番する日々を明るく彩ります。

大判の絵本に水彩の淡い独特の色づかいで描かれるリジーの生活は、やさしく素敵にみえます。でも、それでいて地の匂いがするような生活もしっかりそこにあるのです。

★2005年オーストラリア児童図書賞 絵本部門ショートリスト選出
★2006年IBBYオナーリスト作品
【作】 クリス・ホーンゼイ Chris Hornsey オーストラリア、メルボルン在住。ジャーナリスト兼広報アドバイザー。愛らしくて、従順だけど、自分のことをまったく犬だと思っていないマーフィーの飼い主でもある。

【絵】グゥイン・パーキンス Gwyn Perkins オーストラリア、シドニー在住。絵を独学で勉強し、30年以上も広告やアニメーションの分野で活躍している。アニメーションでは、いろいろな賞を受賞している。

【訳】みま しょうこ 名古屋在住。関西外国語大学外国語学部スペイン語学科卒業。やまねこ翻訳クラブ会員。「ワタシ、女の子」と思っている犬のまみが、実家にいる。
【作・絵】ジャン・オーメロッド Jan Ormerod オーストラリア出身。子どものころから絵を描きつづけ、美術学校を卒業した後、中学校や高校で美術を教える。出産を機に、絵本作家に転向。1981年、初めての絵本"Sunshine"で、英国マザーグース賞をはじめ、数々の賞を受賞した。現在までに、『サンタクロースのおくりもの』(E・クラーク文/金の星社)ほか、50冊以上の本が出版されている。英国ケンブリッジ在住。

【訳】はやかわ ゆか 東京都生まれ。大学卒業後、医療関係の仕事を経て翻訳の世界へ。「やまねこ翻訳クラブ」会員。子どものころは、リジーと同じように空想好きだった。

2007年6月刊行

おもいではチョコレートのにおい:表紙  おもいではチョコレートのにおい

バーバラ・マクガイア 作・絵
杉本詠美 訳

ISBN 978-4-902216-95-0
定価 1365円(税込)

この絵本はアルハイマー病を子どもたちに理解してもらおうと描かれたものです。

前半では、ぼくとおじいちゃんがチョコレートと一緒にあるおいしい思い出を。
後半では、アルツハイマー病がどんな病気なのか、コミュニケーションのとりかたなど、具体的な知識とアドバイスを、読者にあたえてくれます。

思い出、記憶についても考えられるよう、わかりやすい言葉で記されている後半はもちろんのこと、ぼくとおじいちゃんが、どんなチョコレートの思い出があるか、ぜひ読んでみてください。表紙の絵もとってもすてき! なんてしあわせそうな、おじいちゃんの顔でしょうか

【作・絵】バーバラ・マクガイア Barbara McGuire
南アフリカ共和国に生まれ、同国とイギリスの美術学校で学ぶ。20年間ジンバブエに住み、現在は家族とともにオーストラリアのパースで暮らしている。長年、ジンバブエ、イギリス、南アフリカ、ニュージーランド、日本、オーストラリアの子どもの本のイラストを手がけるほか、ファブリック・ペイントや漫画作品もあり、美術教師、デザイナーとしても活動。現在は、美術講師をしながら、挿絵や壁画制作の仕事を行っている。

【訳】杉本詠美 すぎもと えみ

広島大学文学部卒業。訳書に絵本シリーズ「ガラスのうしのモリーのおはなし」(少年写真新聞社)、『記憶脳』(PHP研究所)などがある。やまねこ翻訳クラブ会員。


2007年5月刊行

はしれワニくん!:表紙  はしれ ワニくん!

うすいかなこ

ISBN 978-4-902216-96-7
定価 1575円(税込)

ワニくんは、その日パーティに行くことになっていました。
それなのに、ああ、ねぼうしてしまったワニくん。
これは走るっきゃない。

しかし急いでいる時に、コトがおきるのはお約束。
ワニくんの走る先々で、ばったん! どったん! トラブル続出!
ワニくん、パーティにまにあうかな――。

横長の画面いっぱいに、ワニくんが走る様子、時にそれを縦長な画面にもなり、ダイナミックに絵を楽しめます。ワニくんが見開きいっぱいにビューンとすごいスピードを出している文字なしページは圧巻!
子どもが笑顔で聞く様子がみえてくるような絵本です。


【作・絵】うすいかなこ
1978年岐阜県生まれ。1999年単身渡英。大学在学中にイギリスの出版社と仕事を始める。『はしれ ワニくん!』は世界数カ国で出版され、2005年にイギリスのブックトラスト絵本新人賞を受賞、他2つの絵本賞にノミネートされた。他、日本語絵本に『ぐうたらサンタとはたらきもののひつじ』(にいるぶっくす)がある。いろいろな国の小学校で子どもたちにお話会を開くのが夢。
オフィシャルHP http://kanakousui.com

ブックトラストとは・・・
様々な文化、年齢の人々に本のすばらしさを伝えることを目的としているイギリスの組織。毎年、その年に活躍した絵本作家や小説家などを表彰したり、イギリス中の子どもに無料で絵本を贈るブックスタートと呼ばれる活動をしている。


2007年4月刊行

こんにちはマクダフ:表紙  こんにちは マクダフ

ローズマリー・ウェルズ 作
スーザン・ジェファーズ 絵
ささやま ゆうこ 訳

ISBN 978-4-902216-97-4
定価 1365円(税込)

飼い主のいないトラックに乗っている白いこいぬ。ふわふわの毛をもつかわいいこいぬ。
自分がどうしてトラックに乗っているのかわかったのかな。
ぴょんと車から飛びおりて、おなかがすいたと歩き始めました。
家が見つかるとドアに向かって「ワン!」とほえてみます。
ところが、行けども行けども、やさしい声が聞こえません。
そこへ、ようやくドアが開いた家がありました!

こいぬの低い視点で描かれた夜の町。花がクローズアップされていたり、雨がふったときの水たまりも目のまえのできごとのよう。リアルだけれどあたたかい絵で、こいぬの長い夜を描いていきます。


【作】ローズマリー・ウェルズ Rosemary Wells
作家・画家。米国ニューヨーク市で生まれ、ニュージャージー州で育つ。小さな頃から絵を描くのが好きで、ボストン美術学校を卒業後、児童書の仕事にたずさわる。「マックスとルビーのえほん」シリーズ(光村教育図書)をはじめ、これまでに60以上の作品を発表し、ゴールデン・カイト賞ほか数々の賞を受けるなど、高く評価されている。

【絵】スーザン・ジェファーズ Susan Jeffers
作家・画家。米国ニュージャージー州生まれ。プラット・インスティテュートを卒業。出版社勤務の後、フリーの作家・画家として数多くの児童書を出版する。『マザー・グースのうた のんきなかりゅうど』(アリス館)で1974年コールデコット・オナー賞、ローズマリー・ウェルズとコンビを組んだ"Forest of Dreams"で1988年ゴールデン・カイト賞を受けている。

【訳】ささやまゆうこ
名古屋生まれの東京育ち。上智大学外国語学部英語学科卒業。新聞社で英訳の仕事をしながら坂崎麻子氏のもとで児童文学翻訳を学び、現在も「やまねこ翻訳クラブ」で勉強を続けている。訳書に『エミリーときんのどんぐり』(徳間書店)、『サンタクロースがかぜひいた!』(文溪堂)がある。


2007年3月刊行

アーサー:表紙  アーサー

アマンダ・グレアム 作
ドナ・ガイネル 絵
きくち ゆみ 訳

ISBN 978-4-902216-93-6
定価 1365円(税込)

ハンバーさんはペットショップを営んでいます。
ウサギやヘビや金魚やネコ、ハムスターにハツカネズミ、カナリアにセキセイインコ、トカゲやカエルなど動物がたっくさんいるペットショップに、犬はアーサー1匹だけでした。
アーサーの願いは自分のいえをもち、古いくつをもらって思う存分かんでみること。
誰がぼくを選んでくれるのだろうと毎日待っているのに、ハンバーさんは、アーサーをなかなかショーウィンドウに出してくれない。ショーウィンドウに出した動物たちは次々と飼い主が決まっていくのに。
ぼくはどうしたら気に入ってもらえるのだろう……。

人生経験豊富で、たっぷりした体型のハンバーさんは真っ赤な口紅がよく似合っています。
毎朝、ショーウィンドウに出す動物を独特の顔つきで選んでいます。いったいどんな基準なのでしょう。
アーサーが選ばれることはあるのでしょうか。

アーサーのキャラクターと共にハンバーさんの表情にくぎづけになってしまいます。
ハンバーさんのペットショップをどうぞ訪れてくださいね。

【作】アマンダ・グレアム Amanda Graham
オーストラリアの作家。子どものころから文を書いたり絵を描いたりするのが好きだった。大学卒業後は、小学校教師やイラストレーターなどとして働く。1984年に初めての絵本『アーサー』を出版。以来、多くの絵本や幼年向け読み物を発表し、文章だけでなく絵も手がけている。2006年には挿絵を担当した"Bushranger Bill"が出版された。

【絵】ドナ・ガイネル Donna Gynell
オーストラリアの画家。南オーストラリア大学でイラストレーションを学ぶ。在学中に絵本の挿絵に興味を持ち、最初の作品を出版した。その後、いぬのアーサーを主人公にした三部作のほか、同じアマンダ・グレアムと組んだ作品などを発表している。

【訳】きくちゆみ
大阪生まれ。旅行会社などに勤務の後、ネット上の集まり「やまねこ翻訳クラブ」を通して翻訳を学び、英日翻訳の仕事を始める。訳書に『恋愛市場』、『ペリー・Dの日記』(いずれもポプラ社)、『ジョニー・デップ フォトバイオグラフィ』(小学館プロダクション)など。犬を飼うのが子どものころからの夢。


2007年2月刊行

ネコとサカナ:表紙  ネコとサカナ

ニール・カーティス 絵
ジョーン・グラント 作
辻 信一 訳

ISBN 978-4-902216-91-2
定価 1365円(税込)

ネコとサカナが迷路で出会い、友情をはぐくむ。
夜には一緒に雨やどりをし、
高いところも一緒にのぼる。
最初はサカナはネコと暮らしたが、どうにも水が恋しくてしかたない。
大好きなサカナの望むことをネコもかなえてあげようとする。
さてネコとサカナの未来は……。

黒と白、きっぱりと2色のみでスタイリッシュにネコとサカナが描かれる。
遊び心ある文字の配列に目をまわしながら、どうぞ彼らの世界をみてほしい。

【絵】ニール・カーティス Neil Curtis
数々の章を受賞してきた画家、イラストレーター。オーストラリアをはじめ世界各国で頻繁に展覧会を開催、子ども向け、大人向けを問わず多くの本のイラストを手がけた。『ネコとサカナ』での、版画の伝統を意識した大胆なイラストが、子どもたちの想像力をかき立てて、不思議なくにへとつれていってくれることだろう。

【作】ジョーン・グラント Joan Grant
オーストラリアの建国200年記念公式ブック『オーストラロペディア』の編著者。モナシュ大学アジア学部講師。

【訳】辻 信一
文化人類学者、環境運動家。明治学院大学国際学部教授。「100万人のキャンドルナイト」の呼びかけ人代表、NGO「ナマケモノ倶楽部」世話人。「スロー」というコンセプトを軸に環境=文化運動を展開。『ハチドリのひとしずく』(監修、光文社)、『「ゆっくり」でいいんだよ』(ちくまプリマー新書)、『地球をまもる絵事典』(監修、PHP研究所)など、著書多数。

2003年までに出た英訳絵本はこちら


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Last Modified: 2007/11/27
担当:さかな
HTML編集: 出版翻訳ネットワークやまねこ翻訳クラブ