清流出版 新刊情報


2003年12月刊行

歴史に残る女性たちの、10代から60代までの恋の形

恋に死す:表紙

恋に死す

中野京子


ISBN 4-86029-058-5
定価 1680円

ドイツ語の児童書翻訳者としても知られる中野京子さんの著作。
中野京子さんは、こういう恋の本を書きたいと長く心にあたためてきたと「あとがき」で記しています。
その恋とは……。

年代順に恋が語られていく。紹介されている23人の女性のうち日本人は3人。
ひとりは、最初に紹介される14歳の、大納言久我雅忠の女二条。『とはずがたり』の作者である二条の恋は激しく奔放。あこがれの君から恋歌と着物の贈り物が届いたその年に、15歳年上の後深草院の後宮入りをしなくてはいけなくなる。しかし忘れられない初恋の君とは……。
すごい、これすべて10代のことだとは!
31歳のディアーヌ・ド・ポワチエ(ヴァランティノワ公妃)は未亡人の時、後のアンリ二世(11歳)と出会う。アンリはその後、年齢差にもかかわらず、ディアーヌを生涯愛するようになるのだ。14歳で妻をもつ身になってからも……。
すごい、という言葉しかでてこなくなるほど、エネルギーある恋話がつづく。

小さい本だが、大きなエネルギーを感じる1冊。
人生に恋というサプライズが加わったばあいの燦(きら)めきたるや!

中野京子 あとがきより


【著者】中野京子 北海道生まれ。早稲田大学大学院修士課程修了。独文学専攻。早稲田大学、明治大学、洗足学園大学で非常勤講師を務める。著書に『情熱の女流昆虫画家――メーリアン』(講談社)、『紙幣は語る』『かくも罪深きオペラ』(以上洋泉社)、『映画の中のオペラ』(未来社)、『オペラでたのしむ名作文学』(さ・え・ら書房)。訳書には『訴えてやる!』(未来社)、『巨匠のデッサン・シリーズ、ゴヤ』(岩崎美術社)、「タイガーチーム事件簿」シリーズ(トーマス・ブレツィナ作)、『ソンボ』(ナスリーン・ジーゲ作)、『ビターチョコレート』(ミリアム・プレスラー作)(以上、さ・え・ら書房)など。


2003年12月刊行

1931年ニューベリー賞受賞作品!

極楽にいった猫:表紙

極楽にいった猫

The cat who went to heaven

エリザベス・コーツワース
Elizabeth Coatsworth
古屋美登里 訳

ISBN 4-86029-063-1
本体 1200円+税

2004年ニューベリー賞が1月12日に発表されたばかりですが、こちらは73年前の受賞作品。

物語の舞台は日本。
まずしい絵師は、世話をしてくれる婆やとの2人暮らし。その日の食べ物にも事欠く中、婆やが、猫をつれてきたのです。
はじめ、猫は疫病神だといっていた絵師も、愛らしい三毛猫をみて、三毛は縁起がいいんだよと、一緒に暮らすことに。
福と名づけられた猫と暮らすうち、絵師はお寺から涅槃図の依頼という幸運が舞い込みました。
仕事に没頭する絵師。静かに見守る福。
涅槃図にさまざまな生き物が描きこまれるうち、福は猫のいない涅槃図をじっと見つめ……。

物語を書いた、コーツワースは20代の頃に、ひとりで日本を訪れたことがあるそうです。
大正時代の日本を見て、その何かがこの作品を書かせたのでしょうか。
アメリカの作品とはいえ、舞台は私たちのよく知っている世界です。
福のいじらしさが、読後、しずかに残ります。


【作者】エリザベス・コーツワース 詩人、児童文学者。1893年生まれ、1986年に死去。幼いころから両親とともにアルプスやエジプトを旅する。ヴァッサー女子大学卒業後、コロンビア大学で博士号を獲得。その後ひとりで東洋の国々をまわる。1931年に本作品でニューベリー賞の大賞を受賞。動物をテーマにした児童文学のほかにも、小説、エッセイなど多くの作品を残した。その業績に対して、1968年にはハンス・クリスチャン・アンデルセン賞の最終候補者となる。

【訳者】古屋美登里 翻訳家、エッセイスト。1956年神奈川県生まれ。早稲田大学卒業。著書に『女優 オードリー・ヘップバーン』(理論社)。主な訳書に『ブロンド――マリリン・モンローの生涯』(ジョイス・キャロル・オーツ/講談社)、『望楼館追想』(エドワード・ケアリー/文藝春秋)、『サンタクロースの忘れ物』(ローリー・ムーア/新潮社)、『レナの約束』(レナ・K・ゲリッセン ヘザー・D・マカダム 清流出版)、『魂の叫び――11歳の殺人者、メアリー・ベルの告白』(ジッタ・セレニー/清流出版)ほか多数。


バートの旅:表紙

好評既刊発売中!

『バートの旅 
オーストラリアの大地をゆく』

アルバート・フェイシー 
大坪眞子 訳

ISBN 4-86029-001-1
本体1500円+税
2001年11月刊
著者、アルバート・フェイシーの自叙伝。

1894年、7人きょうだいの末っ子として、アルバート、通称バートはオーストラリアのヴィクトリアに生まれた。2歳の時に、父親が病気で亡くなり、アルバートら子どもたちは、祖父母に預けられる。母親はその後再婚したが、子どもたちをよびもどさず、祖父母たちとの暮らしが続いていた。しかし、祖父が亡くなり、祖母だけでは暮らしがなりたたず、バートたちは働くために、祖母のもとも離れる。8歳の時だった。それから幾多もの苛酷な試練を乗り越え、人生を力強く生き抜いていくバート。

独学で読み書きを覚え、この本の最後をこう結ぶ。
「わたしはすばらしい人生を生きた。本当に幸運だった。今思い出しても胸が躍る。」


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Last Modified: 2004/03/25
担当:さかな
HTML編集: 出版翻訳ネットワークやまねこ翻訳クラブ