●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      週刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2004年2月13日)                           No.128 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ mail……m_acti@yamaneko.org ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●バイリンガルウェブマガジン "Japanese Children's Books" ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ バイリンガルウェブマガジン "Japanese Children's Books" ------------------------------------------------------------------------  やまねこ翻訳クラブが手がけるウェブマガジン "Japanese Children's Books" をご存知だろうか? 当クラブが海外に向けて情報を発信している、英日バイリ ンガル誌だ。  創刊は2003年春。日本の児童文学を海外に紹介することを主な目的として、年 に4回季刊で発行している。季刊誌らしく、日本の四季にまつわる風物案内も織 り交ぜての充実した内容だ。英日のバイリンガル構成なので、日本児童文学の英 訳に興味がある人や、外国(英語圏)の友人などに日本の児童書を紹介したい人、 創作児童文学に興味がある人などにも役に立つに違いない。今まで欲しかったが、 なかなか見つからなかったこのような情報源は、大変貴重な存在である。  1月1日発行の冬号では、『旅の絵本』(福音館書店)の作者、安野光雅さん のインタビューをはじめ、おせち料理にちなんだ本や話題、『こんとあき』(林 明子作/福音館書店)と『はじめてのおつかい』(筒井頼子作/林明子絵/福音 館書店)の英訳絵本などを紹介。現在準備中の春号も待ち遠しい。ウェブマガジ ンという形式をとっているので、当クラブからの配信は行っていないが、各自が サイト上で英日両方のページを自由に閲覧できる。季節ごとに当クラブ掲示板に 出される発行案内をお見逃しなく! ▽"Japanese Children's Books" http://www.yamaneko.org/mgzn/eng/index.htm ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------ @読書室掲示板@ http://www.yamaneko.org/cgi-bin/c-board/c-board.cgi?cmd=;id=22 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/c-board/c-board.cgi?id=12(旧掲示板) ・1月20日より、読書室掲示板のURLが変わった。旧掲示板は、1か月間限定 で閲覧のみ可能。 ・Whitbread Book of the Year Award に、マーク・ハッドンの "The Curious Incident of the Dog in the Night-time"(『夜中に犬に起こった奇妙な事件』 /小尾芙佐訳/早川書房)が選ばれた。本作は児童書だが、一般向けの装丁でも 出版されており、今回は小説部門(一般書)でのノミネートから受賞にいたった。 ・エドガー賞(MWA賞)の候補作が発表された。受賞作の発表は4月29日。 http://www.mysterywriters.org/awards/2004_edgar_nominees.htm ・世界の児童文学賞カレンダーにMWA賞を追加。 http://www.yamaneko.org/bookdb/award/calendar.htm ・1月に読んだ本を報告します! 掲示板に感想を書くのはちょっと、という方、 タイトルだけでも書き込んでみては? ・メープルストリート新刊情報で紹介された『ゆきのおしろへ』(ジビュレ・フ ォン・オルファース作/秦理恵子訳/平凡社)を読みました。 ・New Zealand Post Children's Book Awards の最終候補作が発表された。昨年 までの〈Senior Fiction〉部門が今年から〈Young-Adult Fiction〉部門に名称 変更。受賞作の発表は5月13日。 http://www.booksellers.co.nz/nzpfinf.htm ・アメリカでの教科書事情と伝記絵本の関係→バイリンガル教育の難しさ。 ・「千葉茂樹レビュー集」を更新。北海道新聞に掲載された1月分の書評を追加。 http://www.yamaneko.org/dokusho/shohyo/chiba/index.htm ・ミリアム・プレスラーが、作家活動に対して、ドイツ書籍賞の特別賞を受賞。 授賞式は、ブック・フェアの3月25日に行われる予定。ドイツ書籍賞の発表はこ れから。児童文学部門にはヤノッシュなどがノミネートされている。 http://www.deutscher-buecherpreis.de/ 【新刊絵本】 ・『ウィルフきをつけて!』(ジャン・ファーンリー作/金原瑞人訳/小峰書店): 元気いっぱいのネズミのウィルフに、お母さんはハラハラしどおし。1日が終わ るともうぐったり。そんなお母さんを見たウィルフは、すてきなことを思いつい た……。 【新刊読み物】 ・『(ふつうじゃない人をめざした)シーダー・B・ハートリーのまるきり嘘で はない話』(マータイン・マレイ作/斎藤倫子訳/主婦の友社):家族との別れ があり、犬のスティンキーまで行方不明なって、落ちこむシーダー。けれども 〈たずね犬〉の張り紙をしたところ、カイトという男の子から電話がきて、いろ いろなことが変わりはじめる。 【未訳絵本】 ・"What Do You Do With a Tail Like This ?"(by Steve Jenkins & Robin Page, Houghton Mifflin):2004年コールデコット賞オナー(次点)。動物や昆 虫のさまざまな器官について、謎解きをしながら楽しく知ることができる科学絵 本。ペーパー・コラージュが美しい。 ・"The Day the Babies Crawled Away"(by Peggy Rathmann, G. P. Putnam's Sons):お祭りに夢中な大人たちをよそに、赤ちゃんたちはチョウチョを追いか けて森の中へ! さあ大変、連れ戻さなくちゃ――読んでもらう子が主人公にな れる設定。影絵を用いた手法は、今までのラスマン絵本とはがらりと趣が異なる。 ・"Cool Melons - Turn to Frogs!: The Life and Poems of Issa"(by Matthew Gollub, illustrated by Kazuko G. Stone, Calligraphy by Keiko Smith, Lee & Low Books):伝記を兼ねて、小林一茶の俳句を英訳で紹介する。流れるよう な毛筆で書かれた名句と、彩り美しい絵が添えられている。 ・"Lilly's Chocolate Heart"(by Kevin Henkes, HarperFestival):ヘンクス の最新作。バレンタインデーの夜、ネズミのリリーは、一粒だけ余ったチョコレ ートをどこにしまおうかと悩んだ末、とびきりの場所を思いついた! ▼ケヴィン・ヘンクスのホームページ(レシピの紹介) http://www.kevinhenkes.com/meet/fun.asp ・"Pascual and the Kitchen Angels"(by Tomie De Paola, G.P. Putnam's Sons):台所の聖人パスクアルの伝記的物語。托鉢修道士になろうとフランシス コ会に入ったパスクアルは、料理係を任せられるも、料理のしかたをまったく知 らない。そこで……。 ・"M is for Music"(by Kathleen Krull, illustrated by Stacy Innerst, Harcourt Children's Books):音楽好きの作家によるABC絵本。大判で、マ ットな画風がおしゃれ。アート絵本としても楽しめる。ロック好きな方には、同 じ作家による "The Book of Rock Stars: 24 Musical Icons that Shine through History"(illustrated by Stephen Alcorn, Edited by Alessandra Balzer, Hyperion Press)もおすすめ。 ・"The Boy on Fairfield Street: How Ted Geisel Grew Up to Become Dr. Seuss"(by Kathleen Krull, illustrated by Steve Johnson and Lou Fancher, Random House):ドクター・スースの伝記絵本。イラストレーターとしてのキャ リアを確立する20代前半までが描かれる。 〜資料室〜 【更新リスト】 ▽金原瑞人訳書リスト http://www.yamaneko.org/bookdb/int/ls/mkaneha4.htm ▽木坂涼作品リスト http://www.yamaneko.org/bookdb/int/ls/rkisaka.htm ▽フィリス・レイノルズ(レノルズ)・ネイラー主要作品リスト http://www.yamaneko.org/bookdb/author/n/pnaylor.htm ▽千葉茂樹訳書リスト http://www.yamaneko.org/bookdb/int/ls/schiba.htm 【新規公開リスト】 ▽マーガレット・マーヒー邦訳作品リスト http://www.yamaneko.org/bookdb/author/m/mmahy_j.htm ▽マーガレット・マーヒー作品リスト http://www.yamaneko.org/bookdb/author/m/mmahy.htm ▽ジェニファー・ドネリー作品リスト http://www.yamaneko.org/bookdb/author/d/jdonnell.htm ▽ケヴィン(ケビン)・ヘンクス邦訳作品リスト http://www.yamaneko.org/bookdb/author/h/khenke_j.htm ▽ケヴィン(ケビン)・ヘンクス作品リスト http://www.yamaneko.org/bookdb/author/h/khenkes.htm @喫茶室掲示板@ http://www.yamaneko.org/cgi-bin/c-board/c-board.cgi?id=13 ・タンタン、75回目の誕生日。今年は記念イベントも催されるらしい。 ・「ナルニア国」シリーズのDVDは安いか?高いか? @お菓子掲示板@ http://www.yamaneko.org/cgi-bin/c-board/c-board.cgi?id=15 ・『ブリット-マリはただいま幸せ』(アストリッド・リンドグレーン作/石井 登志子訳/徳間書店)を読んで、ごちそうの話題に参加する人が増えた。 @おはなし小部屋掲示板@ http://www.yamaneko.org/cgi-bin/c-board/c-board.cgi?id=14 ・『クリスマス人形のねがい』(ルーマー・ゴッデン文/バーバラ・クーニー絵 /掛川恭子訳/岩波書店)に聞き入る娘の反応とは? ・「おはなしこねこの会」のおはなし会が3月6日(土)13時30分から東京、早 稲田の早稲田奉仕園(キリスト教会館11号室)で催される。詳しくは掲示板で。 @広場掲示板@(会員限定) http://www.yamaneko.org/cgi-bin/l2/c-board/c-board.cgi?id=212 ・1月入会の新会員が早速書き込みをしてくれた。 ・次回の定例チャットの予定:夜の部 2月20日(金)22:00-23:00。 @学習室掲示板@(会員限定) http://www.yamaneko.org/cgi-bin/l2/c-board/c-board.cgi?id=211 ・いよいよ「春の勉強会」がはじまる。 ・中級シノプシス勉強会:2月15日より参加者の受け付けを開始、3月スタート 予定。参加希望者は案内ページと学習室の#687を参照のうえ、申し込む。  http://www.yamaneko.org/member/room/rm02.htm ・短篇全訳勉強会:学習室#677で開始時期や課題本を検討中。 ・初級シノプシス勉強会:学習室#676で開始時期や課題本を検討中。 ・作品リスト作成勉強会(http://www.yamaneko.org/gakushu/open/rm03.htm) 参加者の力作、3つの作品リストが追加された。 ★現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ★ http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm @子どもの本のページ@ http://www.litrans.net/c-board/c-board.cgi?id=05 ・メルマガ「子どもの本だより」を執筆されている吉田真澄さんの講演録「楽し みの質をみきわめた読書」の冊子が完成! リサイクル用紙、大豆インクで仕上 げた冊子には書誌情報も満載。 ・オンライン読書会はいかが? ・「子どもの本だより 35号」で紹介された『エミリー』(マイケル・ビダード 作/バーバラ・クーニー絵/掛川恭子訳/ほるぷ出版)の html 版がアップされ た。 http://www.litrans.net/maplestreet/kodomo/index.htm ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <徳間書店> http://www.litrans.net/maplestreet/p/tokuma/index.htm 『ワニてんやわんや』(ロレンス・イェップ作/ないとうふみこ訳/ワタナベユ ーコ絵):テディの弟のボビーは、いつもだれに対してもいい子。それが憎らし くてたまらないテディは、ボビーの誕生日にとんでもないものを贈ってやろうと 考える。ペットショップの広告を見ていると、いいものがセールになっているの が目にはいった。これだ!とよろこんでかってきたのは、ワニ(の赤ちゃん)! ところが、いい子のボビーったら、こんな贈り物にも大喜びしてしまう。おまけ にこのワニに、しょっちゅう家に出入りする親戚と、情に厚いチャイナタウンの ご近所さんが絡んだ日には、それはてんやわんやの大騒ぎとなる。こってりとし た人の温かさがつたわってくる、元気になれる一冊だ。 <福音館書店> http://www.litrans.net/maplestreet/p/fukuinkn/index.htm 『ノルウェーの昔話』(アスビョルンセンとモー編から/エーリク・ヴェーレン シオル絵/テオドル・ヒッテルセン絵/大塚勇三訳):友人であるアスビョルン センとモーがグリム兄弟に勧められ、ノルウェー各地から昔話を収集したのは、 19世紀中頃から末にかけてのこと。この昔話集にはその中から34編が選ばれ、収 めてある。画家は、話にあう絵をかく者を選者自らが捜し求めたという。この邦 訳では、その挿絵からも多数が復刻されている。 ↓福音館書店のサイトでは、サンプルの見開きをみることができる。 http://www.fukuinkan.co.jp/detail_page/4-8340-0828-2.html <カワイ出版> http://www.litrans.net/maplestreet/p/kawai/index.htm 『子供美術館』(カロリーヌ・デノエット著/諸川春樹訳・解説):有名な絵画 からテーマにあう部分をクローズアップしていくという、ユニークな美術館シリ ーズ第6弾。今回のテーマは、“幼児”、“感情”、“遊び”、“遊び道具”、 “活動”。子どもが誕生して成長していく姿を追う。 <白水社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/hakusui/index.htm 『チボー家のジャック』(マルタン・デュ・ガール作/山内義雄訳/高野文子装 幀):大作かつ名作である『チボー家の人々』の次男ジャックに焦点を当て、よ り年齢の低い層に向けて書かれた、デュ・ガールによる作品。装丁を手がけた高 野文子氏によるチボー家をテーマとした漫画も興味をそそられる。詳しくは、メ ープルストリート「白水社」のページ掲載の鈴木宏枝氏の書評(児童文学評論よ り引用)をお読みいただきたい。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ 執筆 りんたん/ち〜ず/NON 編集 hanemi/ち〜ず/りんたん 明日はバレンタインデーですね。息子さんがいるお母様は、ちょっぴりドキド キしながら帰りを待つのかな?(ち) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●