●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2006年6月20日)                           No.163 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●ジュンク堂書店(新宿店)でのイベントのご案内 ●第2次ファンタジーマラソン、盛況! ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ ジュンク堂書店(新宿店)でのイベントのご案内 ------------------------------------------------------------------------  7月1日(土)〜8月31日(木)の2か月間、ジュンク堂書店新宿店内に、翻 訳家の金原瑞人氏プロデュースによる「金原書店」が設けられる。この期間中の 7月2日(日)に、金原氏と、翻訳家として活躍中の当クラブ会員による鼎談 「ファンタジーって、なんだよ?」が行われることになった。すでに定員を上回 る申し込みがあり、参加受け付けは締め切られたが、鼎談の模様はメールマガジ ン「月刊児童文学翻訳」10月号に掲載の予定なので、残念ながら参加のかなわな かった方は、こちらを楽しみにしていただきたい。  また、期間中「金原書店」には、やまねこ翻訳クラブ会員の訳書の一部が展示 される。ぜひ、会員の汗と涙と努力と夢の結晶が仲良く並んだところをご覧の上、 日々精進を重ねる全国、いや世界中の会員に熱いエールを! ▽「金原書店」案内(イベント情報掲示板) http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?cmd=one;no=38;id=event ▽やまねこ会員実績紹介作品リスト http://www.yamaneko.org/honyaku/jisseki/kaiin.htm ▽メールマガジン「月刊児童文学翻訳」 http://www.yamaneko.org/mgzn/index.htm                               (えみりい) ------------------------------------------------------------------------ 第2次ファンタジーマラソン、盛況! ------------------------------------------------------------------------  5月から開催されている会員限定企画「第2次ファンタジーマラソン」の様子 をお知らせする。  梅雨のうっとうしい天気をものともせず、ランナーたちはそれぞれのペースで 楽しく走っている。スタート以来1か月半、D・W・ジョーンズの人気は高く、 『わたしが幽霊だった時』(浅羽莢子訳/東京創元社/1993年)や、発行から30 年の時を経て邦訳された『ウィルキンズの歯と呪いの魔法』(原島文世訳/早川 書房/2006年)をはじめ、たくさんの作品が読まれている。  シリーズものでは「いたずら魔女のノシーとマーム」(ケイト・ソーンダズ作 /相良倫子・陶浪亜希訳/小峰書店/2006年)、「大魔法使いクレストマンシー」 (D・W・ジョーンズ作/野口絵美・田中薫子訳/2001〜2003年)に全巻読破者 が出た。映画化で話題の「ゲド戦記」(ル=グィン作/清水真砂子訳/岩波書店 /1976〜2004年)や「チャーリー・ボーンの冒険」(ジェニー・ニモ作/田中薫 子訳/徳間書店/2006年)も全巻読破まであと一歩。  その他、『パーシー・ジャクソンとオリンポスの神々』(リック・リオーダン 作/金原瑞人訳/ほるぷ出版/2006年)、『ハリー・ポッターと謎のプリンス』 (J・K・ローリング作/松岡佑子訳/静山社/2006年)などのレビューもアッ プされている。  これからどんな本が紹介されるのか、ますます楽しみだ。 ▽学習室「ファンタジー・マラソン」案内 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/fm_guide.htm ▽「ファンタジー・マラソン」特設掲示板(会員限定) http://yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?id=fanta2                    (ぎねびあ/おちゃわん/はるはな) ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #514〜 『ミシシッピがくれたもの』(続き) #530〜 5月に読んだ本 #535〜 "The Happy Prince" を読む #540〜 チルドレンズ・ブック賞発表! "Spy Dog" などが受賞 #548〜 ボストングローブ・ホーンブック賞! "Leaf Man" が受賞  このほか、アンデルセン賞など各賞の受賞作や、ガーディアン賞ロングリスト 発表の話題も。賞関連の情報は、速報掲示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award @カーネギー賞/ケイト・グリーナウェイ賞候補作を読もう会@ *【S】はショートリスト作品、【L】はロングリスト作品を表します。 〈カーネギー賞〉 #496〜【S】"Turbulence"(by Jan Mark, Hodders Childrens Books):ある日 近所に引っ越してきた変わり者のハーカー夫妻。このふたりの言動に大人たちが 振り回されていく様子を、16歳の少女の視線で語る。日常を切り取りながら、大 切な根っこの部分を描くところが、ジャン・マークらしい。 #499〜【L】"The Extraordinary Adventures of Alfred Kropp"(by Rick Yancey, Bloomsbury):落ちこぼれの少年アルフレッドが、自分で盗み出し、悪 の手に渡してしまった伝説の剣エクスカリバーを、再び取り戻すために大活躍! カーチェイスに銃撃戦――手に汗握る、見どころ満載のエンターテインメント。 #568〜【L】"The Other Alice"(by Jilia Clarke, Oxford University Press): 双子の兄と姉の誕生パーティーにやってきた見知らぬ女性を、ふざけて自分の友 人と紹介したアリス。アリーと名乗るその女性は、翌日からまるで本当に昔から の友だちのように訪ねてくるようになった。アリーはいったい何者なのか……? 〈ケイト・グリーナウェイ賞〉 #507〜【S】"Little Red: A Fizzingly Good Yarn"(text by Lynn Roberts, illustrations by David Roberts, Harry N. Abrams):赤いコートを着た男の 子が主人公の「赤ずきん」。祖母の家に届け物に行く途中、男の子はりんごの木 を見つけて道草を。その隙に、オオカミはコートを奪って祖母の家へと先回りす る。さて、不滅の「赤ずきん」に作者はどんな新解釈を!? #519〜【S】"Jinnie Ghost"(text by Berlie Doherty, illustrations by Jane Ray, Frances Lincoln Childrens Books):ジニー・ゴーストは、満月の 夜にやってくる。寝静まった子どもたちにすてきな夢を見させてくれる……。落 ち着いた雰囲気の幻想的な絵は、ついうっとり見入ってしまうほどすばらしい。 @その他の作品レビュー@ 【新刊読み物】 #493〜『アイアンマン』(クリス・クラッチャー作/金原瑞人・西田登訳/ポプ ラ社):17歳の少年ボーリガードは、父親に対しても教師に対してもうまく怒り をコントロールすることができない。だが、「短気矯正クラス」でのある教師と の出会いが、ボーリガードとワル仲間たちを変えていく。 #505〜『ペリー・Dの日記』(L・J・アドリントン作/菊池由美訳/ポプラ社): 戦争で壊滅状態になった未来都市に生きる少年トニ・Vがある日手にしたのは、 1冊の日記帳だった。トニ・Vは、そこに綴られたペリー・Dという少女の恵ま れた生活にひきつけられていく。だが、読み進めていくうちにわかったのは……。 ▽『ペリー・Dの日記』のレビュー(「月刊児童文学翻訳」6月号) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2006/06.htm#hyomi1 #506〜『クロニクル 千古の闇2 生霊わたり』(ミシェル・ペイヴァー作/さ くまゆみこ訳/評論社):今回の舞台は海。正体不明の疫病を治す薬を求めて旅 に出た主人公の少年トラクを待っているものは? 第2作では前作で残された多 くの謎が解き明かされ、これを読むことでまた続編への期待が高まる。 #515〜『ハリー・ポッターと謎のプリンス』(J・K・ローリング作/松岡佑子 訳/静山社):6年生に進級したハリーは、苦手だった魔法薬学のクラスで突如 優等生に。だが、実はそれは、偶然手にした昔の教科書に書きこまれたさまざま なアドバイスのおかげだった。その教科書のかつての持ち主、「半純血のプリン ス」とはいったい何者? 最終巻に向け、謎はさらに深まる。 #516〜『大吸血時代』(デイヴィッド・ソズノウスキ作/金原瑞人・大谷真弓訳 /求龍堂):人間よりもバンパイアの数が多くなった時代、中年バンパイアのマ ーティンは「人間牧場」から逃げてきた女の子を見つけた。女の子を守ろうと涙 ぐましい努力を重ねるマーティンの、切なくも可笑しな物語。 #528〜『FLUSH』(カール・ハイアセン作/千葉茂樹訳/理論社):ノアと アビーの父親は、正義感にあふれ、他人の不正が許せなくて、つい「行きすぎた」 行動を取ってしまう。カジノ船を沈めて留置場に入れられた父親の汚名を晴らす べく、兄妹は証拠集めに奔走する。はたして、ふたりは成功するだろうか? #529〜『イングリットの謎解き大冒険 不思議の穴に落ちて』(ピーター・エイ ブラハムズ作/奥村章子訳/ソフトバンク クリエイティブ):ふとしたことで 殺人事件に関わりをもってしまったイングリットが、中学生の少女らしからぬ大 胆な行動で、真犯人探しの冒険をする。2005年度アガサ賞児童書及びヤングアダ ルト部門受賞作。 #544〜『ダイヤモンド・ガールズ』(ジャクリーン・ウィルソン作/尾高薫訳/ 理論社):ディクシーと3人の姉はみんな父親が違う。5人目の子どもを妊娠中 の母親は、生まれてくるのは男の子と決め、みんなの大反対を押し切って、広い 家への引越しを強行した。家族全員女ばかりの「ダイヤモンド・ガールズ」は、 引越し先で幸せになれるのか? #558〜『ひとりぼっちのスーパーヒーロー』(マーティン・リーヴィット作/神 戸万知訳/鈴木出版):13歳のヘックはママと2人暮らし。うつ状態になったマ マはヘックを置いて姿を消してしまった。「ママを救えるのはぼくしかいない」 ヘックはスーパーヒーローになった気持ちで、たったひとりママを探そうとする。 #559〜『ヘブンショップ』(デボラ・エリス作/さくまゆみこ訳/鈴木出版): マラウイのとある町。ここでは、人々が次々にエイズで亡くなっている。ビンテ ィたちきょうだいもエイズで父を亡くし、親戚に引き取られたが、そこでの扱い はひどいものだった……。 #579〜『いつか、星にほほえみを』(シルヴィア・ウォー作/金子ゆき子訳/ラ ンダムハウス講談社):平和のために地球に派遣されているオーミンガット星人 の家族の葛藤を描いた、オーミンガット3部作の完結編。物語は、シリーズ全編 を通じ、とにかく切ない。しかし、家族の絆をしっかりと感じることができる。 【未訳読み物】 #500〜 "Once"(by Morris Gleitzman, Puffin):ナチス占領下のポーランドで 生きる子どもたち。想像を絶する悲惨な歴史の1ページがリアルに伝わり、衝撃 が心に残る。本年度オーストラリア児童図書賞ヤングリーダーズ部門ショートリ ストに選ばれている力強い作品。 ▽"Once" のレビュー(「月刊児童文学翻訳」6月号) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2006/06.htm#myomi ▽このほかにも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り 上がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                               (えみりい) ★喫茶室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #140〜 ドラマ「ディロン〜運命の犬」 #141〜 うれしかった事 #142〜 アーサー・ビナード氏の講演会 #144〜 『七人の魔法使い』 #146〜 「月刊児童文学翻訳」6月号 html 版・text 版公開 ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★お菓子掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi ★おはなし小部屋掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=ohanashi #37〜 ネットで聞く昔話 ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?cmd=tre;id=hiroba #830〜 第2次ファンタジーマラソン、盛況です #841〜 関東オフのお礼 #850〜 上京します!→ありがとうございました #857〜 【やまねこ翻訳クラブ会則改正のお知らせ】 #869〜 『ゲド戦記』訳者:清水真砂子さんの講演会 #881〜 CLCD ニュースレター6月号 #918〜 7月の定例チャット ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm ★子どもの本のページ★ http://www.litrans.net/c-board/c-board.cgi?id=05                                (ラッテ) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <光村教育図書> http://www.litrans.net/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『いやはや』(メアリー=ルイーズ・ゲイ作/江國香織訳):「いやはや」とい う変わった名前の猫が主人公。肩の力を抜いたほんわかした絵に見覚えがあると 思ったら、もう日本でもおなじみの「ステラとサム」シリーズを描いたゲイ氏の 作品だった。今回は、さらにタッチをやわらかくして、たくさんの動物たちを描 いている。「人ができることができなくたっていいじゃない。だって、きみにし かできないことだってあるんだから」というメッセージをこめたストーリーにも 思わずほっと一息。ちなみに気になる原題は "Caramba"。いやはや、これは江國 氏に一本取られた。 <朔北社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/sakuhoku/index.htm 『ボヨンボヨンだいおうのおはなし』(ヘルメ・ハイネ作/ふしみみさを訳): ベッドと子どもといったら、トランポリンごっこはお約束の展開。だけど大人、 しかも王様がこんなことを! これはよほどの「ボヨンボヨン」フリークに違い ない。ところがこれを大臣に覗き見されたことから、困った事態になってしまう。 独特の筆致で表情のある絵を描くハイネ氏だが、この絵本はコラージュ。切り張 りの美しさもまた嬉しい。 <偕成社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/kaisei/index.htm 『ナツメグとまほうのスプーン』(デイヴィッド・ルーカス/なかがわちひろ訳): 毎日まいにち、何の変哲もない味気ない時をすごすナツメグ。食べるものだって 味がない(メニューを聞いたらびっくりすること請け合いだ)。ところが、ある とき魔法のスプーンをひろうと、ナツメグの生活は一気にスパイシーになる。そ れも戸惑うほどに強烈に。『カクレンボ・ジャクソン』で独特の世界を見せてく れたルーカス氏。今回はさらに不思議度が増した感がある。ルーカスマジックは クセになりそうだ。 『スーザンのかくれんぼ』(ルイス・スロボドキン作/やまぬしとしこ訳):嫌 な兄たちからにげようと、スーザンは隠れ場所を探す。たくさんの大人に手伝っ てもらって隠れるが、どうしてもみつかってしまう。スーザンがほっとできる場 所はみつかるのか? 1970年に読み物として出たものを、今回は原書と同じ絵本 の形で出版し直した。 『幽霊派遣会社』(エヴァ・イボットソン作/三辺律子訳):ウィルキンソン一 家は幽霊一家。リハウスしたいと思い、幽霊派遣会社をたずねる。これは、家を 探す幽霊と、幽霊が必要な人間の間を取り持つ会社なのだ。ウィルキンソン一家 の引越し先は、孤児オリヴァーが相続した屋敷だった。一家は遺産相続を巡るお 家騒動に巻き込まれてしまい……。ユーモアたっぷりのファンタジーをお楽しみ あれ!                                  (NON) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行人 笹山裕子(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編 集 えみりい/ち〜ず/NON/ラッテ 協 力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内     おちゃわん/ぎねびあ/はるはな  夏休みに上京した際には、私もぜひ「金原書店」にお邪魔したいと思います! (ち) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● ・このメールマガジンは「まぐまぐ!」(http://www.mag2.com/)を利用して 配信しています。 ・購読のお申し込みと解除は http://www.yamaneko.org/mgzn/acti/index.htm でどうぞ。バックナンバーもご覧いただけます。 ・ご意見、ご感想は、このメールマガジン宛てに、お気軽にご返信ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●