●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2008年4月18日)                           No.183 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●「いたばし国際絵本翻訳大賞事後勉強会」に参加して ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ 「いたばし国際絵本翻訳大賞事後勉強会」に参加して ------------------------------------------------------------------------    当誌で恒例となりつつある、勉強会参加者の声をお届けするコーナー。   今回は、今年度新入会にして、すでに当クラブの自主勉強会に2度参加   している精力的な会員に感想を語ってもらった。(ち)  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  今回の課題は "Lucia and the Light" という小さな女の子が主人公の、北欧 の伝承に基づいた物語でした。勉強会は訳文をアップしたあとに疑問点をあげて コメントしあう形式でおこなわれ、オブザーバーに、大賞受賞歴があり、すでに プロとして活動されている会員の方も加わってくださり総勢9名が参加しました。 まだ勉強会に不慣れな私は、みなさんの様子をうかがいながら参加しよう、など と、のん気に構えていたのですが、開始早々から矢継ぎ早にあがる疑問点や、目 まぐるしいコメントの応酬に早くもたじたじ状態。でも、みなさんから伝わって くる熱意や翻訳を楽しんでいる様子に、いつの間にかパソコンから離れたくなく なるほどすっかり勉強会にはまってしまいました。オブザーバーの方も気さくに、 プロの視点、大賞受賞者の視点からコメントをくださって、和気あいあいとした 雰囲気でした。議論の内容は、原文の解釈から作品全体の解釈、絵本を訳すとは?  と考えさせられるようなことまで多岐にわたって、翻訳のおもしろさ、奥深さを 改めて感じました。2次審査通過者は、今年は参加者の中から3名も。どうりで、 と思わず納得してしまったくらい内容の濃い勉強会でした。参加者のみなさん、 どうもありがとうございました。                              (marketmeat) ▽勉強会に興味のある方は「学習室」をご覧ください。 http://www.yamaneko.org/gakushu/index.htm ※なお、オブザーバーは毎回参加するとは限りません。 ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #1800〜 『バージャック』読みました(続き) #1802〜 日本絵本賞発表! #1806〜 ビスト最優秀児童図書賞ショートリスト発表! #1808〜 『ユゴーの不思議な発明』読みました(続き) #1811〜 「やまねこ10周年記念ラリー」レビュー集、第2弾公開! #1816〜 訃報・石井桃子さん #1819〜 3月に読んだ本 #1825〜 「カーネギー賞&ケイト・グリーナウェイ賞候補作を読もう会」レビ      ュー集公開  賞関連の情報は、速報掲示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award 【新刊読み物】 #1804〜『タイムトラベラー 消えた反重力マシン』(リンダ・バックリー・ア ーチャー作/小原亜美訳/ソフトバンククリエイティブ):出会ったばかりの少 年と少女が18世紀の英国にタイムスリップ! 何もかもが21世紀とはまるで違う 世界で、ふたりは運命と闘う。2007年ブランフォード・ボウズ賞特別推薦作品。 #1820〜『フィッシュ』(L・S・マシューズ作/三辺律子訳/鈴木出版):干 ばつに苦しみ、紛争の絶えないある国に、国外から救援にやってきた一家。やが て、一家のいる村にも戦火が及び、「タイガー」と呼ばれる少年と両親は、老練 のガイドと彼のロバに導かれ、国境を目指す長い旅に出る。 【未訳読み物】 #1830〜 "Un Lun Dun"(by China Mieville, Macmillan Children's Books): ある日、ロンドンに住む仲良しのザンナとデーバの周囲でおかしなことが起こり 始め、ふたりは奇妙な別世界に入り込んだ。ドーナツ型の太陽、動き回るゴミた ち。びっくり仰天の世界にグロテスクな挿絵、言葉遊びも面白いファンタジー。 #1831〜 "The Winner's Walk"(by Nancy Ruth Patterson, Farrar Straus & Giroux):優秀な両親や姉と何の特技もない自分を比較して劣等感を感じている 少年が、ある日迷子の子犬と出会い、友情を深めていく。少年の心の変化をゆっ くり丁寧に描いた作品。 【新刊未訳絵本】 #1824〜 "Harris Finds His Feet"(by Catherine Rayner, Little Tiger Press): 「ぼくの足はどうしてこんなにでっかいの?」ノウサギの男の子の疑問におじい ちゃんは答え、その大きな足がどんなにすてきか教えてくれた。色彩の美しい、 春にぴったりの絵本。 #1824〜 "Posy"(text by Linda Newbery, illustrations by Catherine Rayner, Franklin Watts Ltd):毛糸玉で遊んだり、ソファーをひっかいたり。いたずら 子猫の愛らしさがつまった、リンダ・ニューベリー初の絵本作品。 ▽このほかにも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り 上がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                               (えみりい) ★喫茶室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #399〜 映画になった児童文学(続き)  #464〜 2008年国際アンデルセン賞作家賞 #465〜 オランダ絵本作家の来日イベント(5月・東京) #467〜 新聞記事のお知らせ(赤毛のアン) #468〜 「月刊児童文学翻訳」4月号予告 ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★お菓子掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi #142〜 アップル・クランブル ★おはなし小部屋掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=ohanashi #167〜 4月・新宿・ジュンク堂 おはなし会 ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?cmd=tre;id=hiroba #2733〜 オフのお誘い(東京)→ありがとうございました #2739〜 オフのお誘い(名古屋) #2758〜 【ラリー】レビュー集第2弾、公開しました #2759〜 新会長・副会長の紹介 #2765〜 新入会員の挨拶 #2769〜 CLCDニュースレター2008年4月号 #2772〜 【訃報】石井桃子先生 #2775〜 絵本作家の講演会(5月・東京) #2776〜 【ラリー】レビュー集第3弾(5月公開予定)について #2778〜 絵本イベント開催のお知らせ(GW・東京) ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm                                 (tommy) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <光村教育図書> http://www.litrans.net/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『とんがりぼうしのクロチルダ』(エヴァ・モンタナーリ作/井辻朱美訳):ク ロチルダの住む森には、魔女と妖精がいる。当然ながら、ふたつのグループは正 反対。一方は悪いことをしたがるし、一方はいいことをしたがる。では、クロチ ルダは? それがどちらにも属さない。だからいつも魔女 vs 妖精対決の審判役 などをしてあげている。ある日、クロチルダはいつものように、魔女と妖精のた めに審判をしたのだが……。ものにはいろいろな見方がある。中立のコウモリを 悪者ととるか、付き合いのいいやつととるかは見る人しだい。さて、クロチルダ の微妙な立場は果たして功をなしたのか、嫌われたのか? <フェリシモ出版> http://www.litrans.net/maplestreet/p/felisimo/index.htm 『郵便屋さんの話』(カレル・チャペック作/関沢明子訳/藤本将画):チャペ ックのあの短編童話が一冊の絵本になった! 童話集の中の一作として、この郵 便屋さんの心温まる話を印象深くおぼえている方は多いのでは? 真夜中に郵便 局ではたらく小人たちのようすをそっとのぞいたことが発端となり、コルババさ んは、ある重要な任務についたのだった。藤本氏の描きおろしによるイラストは、 この物語にぴったりで、当時の温かい雰囲気も感じさせる。訳者の関沢氏はプラ ハで暮らした経験があり、現在チェコおよびスロヴァキアの子どもの本を日本に 紹介する仕事に従事している。 <青山出版社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/aoyamapb/index.htm 『えのはなし』(ポール・コックス作/ふしみみさを訳):貧乏画家とお姫様の かなわぬ恋をかなえるため、画家が手に入れた魔法の筆が、はちゃめちゃなこと をひきおこす。ところがはちゃめちゃはストーリーだけでないらしい。縦書きの 邦訳版を出すために、作者が自らレイアウトを手直ししたり、訳者が文字を全部 手で書いたり、うれしいはちゃめちゃがいっぱいの、奇想天外絵本。さあさ、み なさん手にとって、作者と訳者といっしょに楽しもう。 <偕成社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/kaisei/index.htm 『漂泊の王の伝説』(ラウラ・ガジェゴ・ガルシア作/松下直弘訳):生まれな がらに何もかももっている、もうしぶんのない王子ワリード。だが、自分にとっ て最も大切なものである〈詩〉によって希望を打ち砕かれる。どこをとっても非 の打ちどころのない王子に屈辱を味わわせたのは、貧しい絨毯織りだった。スペ インの人気作家による、アラビア半島を舞台にした深く美しいファンタジー。                                  (NON) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行人 植村わらび(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編 集 えみりい/ち〜ず/tommy/NON/ラッテ 協 力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内(http://www.litrans.net/)     marketmeat 「世界の児童文学賞ラリー」レビュー集第2弾が公開されました! また当誌 でも詳しくご紹介する予定ですので、どうぞお楽しみに。(ち) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●