●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2008年12月19日)                           No.190 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●「レビュー勉強会」に参加して ●「第11回やまねこ賞」発表! ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ 「レビュー勉強会」に参加して ------------------------------------------------------------------------    当誌恒例となった、クラブ勉強会参加者の声をお届けするコーナー。   今回は、2005年、2006年に続き、今年3回目が開催された「レビュー勉   強会」を取り上げる。   「レビュー勉強会」とは、クラブ発行のメールマガジンへの掲載を最終   目標として、好きな作品のレビューを書くことで、「限られた文字数の   中で、作品の魅力を最大限に伝える」技術を身につけようというものだ。   10月に1か月間の日程で行われた上記勉強会の参加者から、感想を語っ   てもらった。    なお、この会員のレビューは、先月11月号の「月刊児童文学翻訳」に   掲載されている。(t)  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  総勢8名で行われた今回の勉強会は、課題本を各自で選ぶところから始まりま した。わたしはレビュー初執筆でしたので、文章の整形方法も学びながら初稿を 作成。お互いにコメントをつけあい、2度の改稿を経て完成させました。辛口発 言が飛び交うなか、やまねこ会員の訳書を選んだ参加者のレビューに、訳者じき じきのコメントがつく場面もあり、大いに盛り上がりました。  2回目の勉強会挑戦だったわたしは、あっという間に枝葉を広げる発言ツリー にも覚悟ができていたつもりでしたが、始まってみれば、やはり今回もついてい くのに必死。鋭いコメントに自分の考えの甘さを痛感しながらも、反論すべきは きちんと反論することで、レビューに込めたかった思いがより明確になりました。 こうして率直に意見交換できる相手がいるありがたさを、つくづく感じています。 何より、参加したメンバーの熱意と旺盛な学習意欲は相当な刺激になりました。 こういうところが、独学では味わえない勉強会のおもしろさだと思います。  仕上がったレビューは、メールマガジン「月刊児童文学翻訳」で発表。その過 程で、メールマガジン編集にも参加できました。妥協を許さない編集作業はたい へんでしたが、文章と真摯に向き合うことの大切さを学ぶよい経験となりました。                                 (muzu) ▽勉強会に興味のある方は「学習室」をご覧ください。 http://www.yamaneko.org/gakushu/index.htm ▽「月刊児童文学翻訳」11月号(バックナンバー) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2008/11.htm ------------------------------------------------------------------------ 「第11回やまねこ賞」発表! ------------------------------------------------------------------------  本誌11月号で舞台裏の動きを紹介した「やまねこ賞」。その待ちに待った投票 結果が、15日発行のメールマガジン「月刊児童文学翻訳」12月号誌上で発表され た。注目の大賞受賞作は、読み物部門が『夢の彼方への旅』(エヴァ・イボット ソン作/三辺律子訳/偕成社)、絵本部門が『みーんないすのすきまから』(マ ーガレット・マーヒー文/ポリー・ダンバー絵/もとしたいづみ訳/フレーベル 館)。「月刊児童文学翻訳」の特集記事では、大賞受賞作の翻訳者おふたりから いただいた「受賞のことば」や、各部門受賞作品への投票者のコメントも紹介し ている。作品に寄せられた熱いコメントに刺激され、「あれを読みたい!」「こ れも読まなきゃ!」と、うずうずしている読者も多いことだろう。  さて、受賞作品発表後も、投票者にはもうひとつお楽しみが残っている。今月 25日発行の会報「やまねこ通信」で発表される、投票者プレゼントだ。翻訳者の サインの入った受賞作品など豪華賞品が、やまねこ賞投票者に抽選で贈られる。 25日といえば、ちょうどクリスマス。今年、やまねこサンタからの贈り物を手に する幸運な会員は、だれだろう? ▽やまねこ賞の舞台裏(「やまねこアクチベーター」11月号) http://www.yamaneko.org/mgzn/acti/acti_bn2/20081120.txt ▽「やまねこ賞受賞作品リスト」(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/yn/index.htm ▽やまねこ賞投票所(現在閲覧のみ可能) http://www.yamaneko.org/yn_award/index.htm ▽「月刊児童文学翻訳」12月号 http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2008/12.htm                               (えみりい) ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #2097〜 全米図書賞児童書部門発表! #2102〜 『しあわせの子犬たち』読みました(続き) #2107〜 フィンランディア・ジュニア賞発表! #2111〜 「やまねこ10周年記念ラリー」レビュー集、第10弾公開! #2116〜 アウグスト賞児童書・YA部門発表! #2117〜 やまねこ賞発表! #2121〜 ラサリーリョ賞発表!  賞関連の情報は、速報掲示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award 【新刊読み物】 #2105〜『ムーン・ランナー ほんとの友だちのしるし』(キャロリン・マーズ デン作/宮坂宏美訳/ポプラ社):小学校4年生で今の学校に転校してきたミー ナ。すぐに仲良しの友だちができたが、ミーナが走ることに魅力を見出してから、 そのなかのひとりとの間に微妙な空気が流れはじめ……。 ▽このほかにも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り 上がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                               (えみりい) ★喫茶室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #536〜 「月刊児童文学翻訳」12月号 html 版公開 ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★お菓子掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi ★おはなし小部屋掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=ohanashi #196〜 『おかあさんの おっぱい』おすすめです ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?cmd=tre;id=hiroba #3341〜 ミニオフ会(東京)→ありがとうございました #3350〜 【ラリー】(2年目)新規参加表明 #3354〜 『大人のファンタジー読本』が紹介されます #3355〜 新会員の挨拶 #3363〜 新会員の挨拶 #3367〜 コンテスト事後勉強会のお誘い #3372〜 会員の訳書50冊到達 #3376〜 新会長・副会長の紹介 #3403〜 新会員の挨拶 #3421〜 【ラリー】レビュー集のお知らせ&参加勧誘 #3471〜 画家、中釜浩一郎さんの挿絵が教科書に ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm                                 (tommy) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <desmo〈デスモ〉>new! http://www.litrans.net/maplestreet/p/desmo/index.htm 『COCOはとびきりかわったコ』(エリザベス・マシューズ作/佐伯誠訳): ココ・シャネル。彼女の名前はだれもが知っているけれど、その生い立ちを知る 人は、意外に少ないのではないだろうか。そして、彼女が当時のファッション界 にどれだけ旋風を巻きおこしたのかも……。逆境にありながら、自分の信念をと おし、あくまで気高く生きた人。などと書くと、つまらない伝記に思われてしま いそうだが、本書はCOCOらしいとびきりおしゃれな絵本に仕上がっている。 もし本人が見たとしても、きっと満足するに違いない。 <求龍堂> http://www.litrans.net/maplestreet/p/kyuryudo/index.htm 『青いトラ』(テレザ・ホルヴァートヴァー文/ユライ・ホルヴァート絵/関沢 明子訳):青いトラと聞いただけで、すでに不思議な空気が漂ってくる。舞台は 普通の街中で、冒頭は渋滞でいらいらするドライバーの怒鳴り合いだったりする のだが、それでもトラのひっそりとした存在感が、くゆる煙のようにたちのぼる。 トラの他の主人公は、さびれた植物園のかたすみで暮らす女の子と友達の男の子。 大人の陰謀で潰されそうな植物園に、全市民から追われる身となった青いトラが やってきて……。人間の汚さ、醜さをきちんと見つめ、人生の理不尽さから逃げ ず、それでいて心の中に無限大に広がるファンタジーを描く。ホルヴァートヴァ ー氏は極上の空想物語の語り手だ。 <光村教育図書> http://www.litrans.net/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『どうして?』(サラ・ヴェルロークン作/野坂悦子訳):赤いぬいぐるみをつ れたアヒルが、暗闇をあるく。色をさがしてあるくアヒル。どうして? 物語の 背景はわからない。ただぼんやりとした不安と物悲しさがただようだけ。どうし て? でも、わからなくても伝わることはある。アヒルと同じ空気を感じながら、 想像の羽をひろげてみてほしい。そして光のまぶしさを感じてほしい。 <朔北社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/sakuhoku/index.htm 『ミスター・ベンとあかいよろい』、『ミスター・ベンとはいいろのかべ』(デ ビッド・マッキー作/まえざわあきえ訳):「ぞうのエルマー」シリーズのマッ キーによるなつかしい雰囲気のこのシリーズは、BBCでアニメ化され、長い間 たくさんの人々に愛されてきた。ミスター・ベンがふとたちよった衣装屋。着替 え部屋にはたくさんの衣装があって、その衣装に着かえるとミスター・ベンの冒 険が始まる。赤い鎧やしましま模様の服は、ミスター・ベンと読者を、どんな世 界にいざなってくれるのだろう。 <鈴木出版> http://www.litrans.net/maplestreet/p/suzukipub/index.html 『ヘンリー・ブラウンの誕生日』(エレン・レヴァイン作/カディール・ネルソ ン絵/千葉茂樹訳):年にいちどやってくる誕生日。また年をとると思いながら も、いくつになってもうれしいものだ。昨今はペットだって誕生日を祝ってもら う。でも、彼らには誕生日がなかった。家族がそろって暮らす権利もなかった。 モノと同じあつかいを受けていたヘンリーは、ついに決心する。人間として生き ることを。誕生日があるのはあたりまえという暮らしをすることを。いつまでも とだえることなく考えていきたい奴隷問題に、真正面から取り組んだどっしりし た内容の絵本。                                  (NON) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行人 大原慈省(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編 集 えみりい/ち〜ず/tommy/NON/ラッテ 協 力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内(http://www.litrans.net/)     muzu  初めての編集後記です。クリスマスを目前に、フンケの『魔法の声』の映画が ヨーロッパ各地で封切りになりました。一足早く公開されている『クラバート』 とともに話題を集めていますが、地元ファンの反応が気になるところ。これを機 会に、本を読み返してみるのもいいですね。  みなさま、よい年末年始をお迎えください。2009年もやまねこ翻訳クラブを、 どうぞよろしくお願いします。(ラ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●