●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2009年2月20日)                           No.192 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●「月刊児童文学翻訳」インタビューコーナーにシアラーさん登場! ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ 「月刊児童文学翻訳」インタビューコーナーにシアラーさん登場! ------------------------------------------------------------------------ 『青空のむこう』、『13カ月と13週と13日と満月の夜』などの話題作で知られる アレックス・シアラーさんが、『チョコレート・アンダーグラウンド』(以上、 金原瑞人訳/求龍堂)の日本でのアニメーション映画化にあたり、来日。やまね こ翻訳クラブは、多数のシアラー作品を訳された翻訳家金原瑞人さんにも同席い ただき、シアラーさんにお話をうかがう機会を得た。インタビュアーの3人は、 いずれもシアラー作品の翻訳に関わった会員である。映画の感想や、作品の生ま れたいきさつなど、インタビューの内容は、先日発行されたメールマガジン「月 刊児童文学翻訳」2月号記事をご覧いただきたい。  やまねこ翻訳クラブでは、これまでにも作家や翻訳家、画家など海外児童書と その翻訳書に関わる多くの方々にインタビューを行ってきた。過去のインタビュ ーの内容は、当クラブ資料室の「インタビューと訳書リスト」コーナーで閲覧い ただける。また、翻訳家をめざす方には「月刊児童文学翻訳」の「新人応援!」 「出版社研究」のインタビューコーナーも大いに参考になるはずだ。  もちろん、当クラブでは、今後もさまざまな方々に積極的にお話をうかがって いきたいと考えている。「月刊児童文学翻訳」3月号では、菱木晃子さんへのイ ンタビューを掲載予定。スウェーデン語作品を中心に数多くの翻訳を手がける菱 木さんに、翻訳者になるまでの道のりや翻訳に対する思いなどをたっぷりと語っ ていただいた。どうぞお楽しみに! ▽「月刊児童文学翻訳」2009年2月号 http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2009/02.htm ▽「インタビューと訳書リスト」(資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/int/index.htm ▽「新人応援!」(「月刊児童文学翻訳」) http://www.yamaneko.org/mgzn/corner/newface.htm ▽「出版社研究」(「月刊児童文学翻訳」) http://www.yamaneko.org/mgzn/corner/press.htm                               (えみりい) ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #2140〜 『三つ穴山へ、秘密の探検』読みました(続き) #2144〜 スコット・オデール賞発表! #2147〜 「世界の児童文学賞ラリー」レビュー集、第11弾公開! #2160〜 ニューベリー賞発表! #2161〜 コールデコット賞発表! #2162〜 マイケル・L・プリンツ賞発表! #2163〜 ロバート・F・サイバート知識の本賞発表! #2167〜 プーラ・ベルプレ賞発表! #2178〜 1月に読んだ本 #2190〜 『しあわせの子犬たち』読みました(続き) #2195〜 『お医者さんのながいながい話』読みました(続き) #2196〜 『夜のスイッチ』読みました(続き)  ほかに、コレッタ・スコット・キング賞、ローラ・インガルス・ワイルダー賞、 セオドア・スース・ガイゼル賞、ローカス賞の話題も。賞関連の情報は、速報掲 示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award 【新刊読み物】 #2145〜『ウェディング・ウェブ サムがつむいだ夢』(ネット・ヒルトン作/ 小松原宏子訳/くもん出版):少女と89歳の曾祖母の、世代を超えたほんわり温 かい友情の物語。子どもの目から見た「老い」を淡々と描いた作品でもある。 ▽『ウェディング・ウェブ サムがつむいだ夢』のレビュー                      (「月刊児童文学翻訳」2月号) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2009/02.htm#hyomi #2156〜『永遠に生きるために』(サリー・ニコルズ作/野の水生訳/偕成社): 11歳のサムは白血病に冒されている。新しい薬で、あと1年くらいは生きられる かもしれない。そんなサムが、先生のすすめで自分の物語をつづりはじめる。 #2168〜『ラッセとマヤのたんていじむしょ ダイヤモンドのなぞ』(マッティ ン・ビードマルク作/枇谷玲子訳/主婦の友社):「たんていじむしょ」を開い た仲良し2人組、ラッセとマヤ。ふたりのもとに飛びこんできたのは、高級ダイ ヤの連続盗難事件! はたして犯人は? #2168〜『ラッセとマヤのたんていじむしょ ミステリーホテルの怪』(マッテ ィン・ビードマルク作/枇谷玲子訳/主婦の友社):冬休みのあいだ、ラッセと マヤはホテルの仕事の手伝いをすることになった。そこにやってきたのは、お金 持ちの一家。ところが、一家の飼い犬が行方不明になり……。 #2169〜『モンタギューおじさんの怖い話』(クリス・プリーストリー作/三辺 律子訳/理論社):エドガーは、森の向こうのモンタギューおじさんの家へお話 を聞きに行く。おじさんのする物語は、世にも恐ろしい話ばかり。じわじわと効 いてくる怖い怖〜いお話集。 #2177〜『リンゴの丘のベッツィー』(ドロシー・キャンフィールド・フィッシ ャー作/多賀京子訳/徳間書店):ベッツィーは9歳。両親を亡くし、町に住む おばさんに大切に育てられてきたが、とある事情から、別のおばさんのもとに預 けられることになる。その人は「ひどい親戚」だと聞かされていたが……。 #2181〜『なにをやるつもり!? クレメンタイン』(サラ・ペニーパッカー作 /前沢明枝訳/ほるぷ出版):「クレメンタイン」シリーズの第3巻。大好きな 担任の先生が1年間の研修に行くかもしれない。それを聞いたクレメンタインは、 なんとか先生を行かせまいと知恵をしぼる。 #2182〜『リストとゆかいなラウハおばさん2 ぶつぶつソーセージの巻』(シ ニッカ・ノポラ、ティーナ・ノポラ作/末延弘子訳/小峰書店):リストはママ の仕事の都合で、ラウハおばさんと暮らしている。セールスレディのラウハおば さんは、新商品にするソーセージの買いつけに行くが、とんだ大騒動に! #2194〜『ウィロビー・チェースのオオカミ』(ジョーン・エイキン作/こだま ともこ訳/冨山房):舞台は架空の時代のイギリス。主人公のボニーは、広大な 屋敷、ウィロビー・チェースに暮らしていた。しかし、両親が長旅に出ている間 に遠縁の女が屋敷を自分のものにしようとする。 【新刊絵本】 #2187〜『おばけのめをみて おとうとうさぎ!』(ヨンナ・ビョルンシェーナ 文・絵/菱木晃子訳/クレヨンハウス):おとぎの森に、うさぎの家族が住んで いる。森には「すてきなところ」も「こわいところ」もあるが、その「こわいと ころ」に迷いこんでしまったおとうとうさぎは、おばけに遭遇! 【邦訳絵本】 #2152〜『ミラクル・ボーイ』(ウルフ・スタルク文/マルクス・マヤルオマ絵 /菱木晃子訳/ほるぷ出版):兄たちと自転車レースを見に行きたかったのに、 まだ小さいからとおいてきぼりにされたウルフ。空想の中で〈ミラクル・ボーイ〉 に変身したウルフは、自転車にまたがり、外へ飛び出した。 【新刊未訳絵本】 #2206〜 "Sylvia and Bird"(by Catherine Rayner, Little Tiger Press):シ ルヴィアは孤独なドラゴン。ある日、1羽の小鳥と出会い、友だちになるが……。 絵もストーリーもいちだんと叙情性に優れた、レイナーの美しい新作。 【新刊絵本(原書)】 #2208〜 "The Foggy, Foggy, Forest"(by Nick Sharratt, Candlewick Press): 霧深い森の中、何かの黒いシルエットが見える。ページをめくると、隠れていた ものがカラーで現れる。半透明の薄紙で霧を表現したアイデア絵本。『きりのも りのもりのおく』(木坂涼訳/フレーベル館)として邦訳も刊行されている。 【未訳絵本】 #2207〜 "Never Take a Shark to the Dentist (and Other Things Not to Do)" (text by Judi Barrett, illustrations by John Nickle, Atheneum Books for Young Readers):Never で始まるシンプルでちょっとナンセンスな1文に、 ユーモアたっぷりの絵。くすっと笑いがもれる楽しい作品。 ▽このほかにも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り 上がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                               (えみりい) ★喫茶室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #538〜 【HP】(更新のお知らせ)映画になった児童文学 #540〜 「月刊児童文学翻訳」1月号号外 html 版公開 #541〜 【映画】ナルニア国物語 第2章(続き) #542〜 架空の絵本展@東京・長野 #544〜 「月刊児童文学翻訳」2月号 html 版公開 ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★お菓子掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi #144〜 「お菓子の旅」画像集公開のお知らせ #145〜 フラップジャック ★おはなし小部屋掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=ohanashi #197〜 リスとはじめての雪 #200〜 2月・新宿・ジュンク堂 ミニおはなし会 ☆明日21日☆ ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?cmd=tre;id=hiroba #3550〜 【いたばし事後勉強会】参加表明ツリー(続き) #3566〜 いたばし事後勉強会やりませんか?(続き) #3570〜 CLCDニュースレター2009年1月号 #3588〜 やまねこ賞:感想募集(続き) #3594〜 オリジナルグッズ無料ダウンロードについて #3612〜 新会員の挨拶 #3619〜 ミニオフのお誘い@東京 ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm                                 (tommy) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <光村教育図書> http://www.litrans.net/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『天のおくりもの』(グスターボ・マルティン=ガルソ文/エレナ・オドリオゾ ーラ絵/宇野和美訳):人間と羊。どちらもお母さんだ。そしてどちらも赤ちゃ んを見失った。運命のいたずらか、人間の赤ちゃんは羊のお母さんに、羊の赤ち ゃんは人間のお母さんにゆだねられることになる。互いに別な赤ちゃんの面倒を みる母たちは、やがてぶじわが子をみつけるのだが……。赤ちゃんが入れかわっ たのは、確かに運命のいたずらだろう。では、もともとその赤ちゃんたちをさず かったのは、それは「いたずら」でなく必然だったといいきれる? そんな疑問 がわいてくる。『おはなしのもうふ』のオドリオゾーラ氏の、やわらかな水彩画 が美しい。 <セーラー出版> http://www.litrans.net/maplestreet/p/sailor/index.htm 『かえる ごようじん』(ウィリアム・ビーさく/たなかなおとやく):表紙タ イトルの「ごようじん」の文字の下で、なんともいえない不敵なツラがまえをす るカエル。ところが表紙とうらはらに、物語はきれいな色の花にかこまれた、す てきな家の前にたつ、かわいいおばあさんの絵の見開きではじまっている。ただ、 ぽちっと見えるカエルはなんだかやっぱり不気味だ。ページをくるうち、予感は 的中し……。ナンセンスはいいなあと思えない人は、ほんとうにごようじん。あ まりの強烈さに、ひっくりカエルといけないから。 <徳間書店> http://www.litrans.net/maplestreet/p/tokuma/index.htm 『ねむい ねむい ちいさな ライオン』(マーガレット・ワイズ・ブラウン文 /イーラ写真/ふしみみさを訳):赤ちゃんはほんとうによくねむる。なにがあ ってもねむたい。いつでもねむたくて、いつでもかわいい。そんなかわいさ全開 の赤ちゃんライオンのすがたが堪能できる。見る者に語りかけてくる数々の写真、 そしてその語りかけにきちんと耳を傾けてできた文章。写真も文も満点をあげた くなる写真絵本だ。見ているうちにいっしょにねむってしまいそう……。 <河出書房新社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/kawade/index.htm 『サレンダー』(ソーニャ・ハートネット作/金原瑞人・田中亜希子訳):「チ ェロの……ため息のよう」にゆっくり死にかけているアンウェル。そのアンウェ ルと、「水辺に立ったときみたいに……そっくりだけど、ちがう者同士」の関係 にあるフィニガン。ふたりの話が交互に語られ、しだいに過去のパズルがうまり 謎がとけていく。重たいものをたくさん背負わされたアンウェルの話は、読む者 にとって苦しすぎる。それでも、静かに物語はすすんでいく。息苦しいほど胸が しめつけられるのに、本をおくことができない。そんな本書の魅力のひとつは、 ハートネット氏の繊細な筆で描かれる、オーストラリアの自然。加えてその独特 の比喩も、読者の心をとらえてはなさない。 <ほるぷ出版> http://www.litrans.net/maplestreet/p/holp/index.htm 『しかめっつらあかちゃん』(ケイト・ペティ文/ジョージー・バーケット絵/ 木坂涼訳):存在感のあるあかちゃんだ。表紙でも、ページをくったあとも。し かも笑わないというんだから、大物だ。口をぎゅっとむすんだ顔に、意志がはっ きりあらわれている。よっぽどの変わり者にちがいない。親の顔がみてみたい。 と、ここで周りの大人をみてみると、なるほど、必死で赤ちゃんをあやす面々は いずれも個性派ぞろい。どれだけ個性的かは、本をめくってのお楽しみ。さてさ て、これはよほどのことでは笑わないと思われた矢先、やってきたのは……。木 坂氏の文章だけで、表情のないあかちゃんの顔も、とたんにぷくぷくっと色艶を おびてくるから不思議である。 『よぞらをみあげて』(ジョナサン・ビーン作/さくまゆみこ訳):ねむれない 夜、風にさそわれるままあるいていくと、そこには夜だけの、特別な世界がひろ がっていた。ふだんなにげなく見ている風景に、魔法がかかる時間。だれでもふ とそんな時に出会うことがある。小さな絵本だけれど、すみずみまで作者の心が ゆきとどいている。たとえば、娘をそっとみまもる目……。                                  (NON) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行人 大原慈省(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編 集 えみりい/ち〜ず/tommy/NON/ラッテ 協 力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内(http://www.litrans.net/)  今月は、児童文学賞発表や本の話題で読書室掲示板がにぎわっています。世界 の児童文学賞ラリーも、レビュー集を順次公開の予定です。どうぞお楽しみに! (ラ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● ・このメールマガジンは「まぐまぐ!」(http://www.mag2.com/)を利用して 配信しています。 ・購読のお申し込みと解除は http://www.yamaneko.org/mgzn/acti/index.htm でどうぞ。バックナンバーもご覧いただけます。 ・ご意見、ご感想は、このメールマガジン宛てに、お気軽にご返信ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●