●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2009年4月20日)                           No.194 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●「お菓子の旅」画像集ページ完成! ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ 「お菓子の旅」画像集ページ完成! ------------------------------------------------------------------------    メールマガジン「月刊児童文学翻訳」で人気のコーナー「お菓子の旅」   で取り上げたお菓子の画像集が、このたび喫茶室のコーナーに開設され   た。「お菓子の旅」は2人の担当者が毎回交替で執筆にあたっているが、   その1人が今回、HTML 作業は初めてという状況で、画像集作成に挑戦   してくれた。そこで、その奮闘ぶりとコーナーの魅力を、息の合ったコ   ンビの相方担当者に紹介してもらった。(ち)  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~  メールマガジン創刊時に第1回が掲載されたこのコーナーは先月で46回を迎え、 今回、試作品画像を出版翻訳ネットワーク(LTN)サイトから当クラブ内へ引 っ越すことになった。そのページ作成のために大活躍してくれたのが、わが頼れ る相方だ。「色をつけたり画像を入れたりする HTML 文書の作業はこれが初めて だったので、見よう見まねと試行錯誤の日々でした。それでもなんとかできあが ったのは、やまねこの諸先輩の的確なご指摘と心強いアドバイス、コーナー相方 の細かいチェックのおかげです。いろんなことに一気に初挑戦できたので、とて も〈おいしい〉作業でした」とは本人の感想だが、慣れれば簡単な作業でも初心 者ならではの不安があったはず。持ち前の前向きなパワーでレイアウトから画像 整理までを短期間で仕上げた腕は、お見事の一言につきる。喫茶室コーナーに素 敵なページが仲間入りしただけでなく、「月刊児童文学翻訳」発行10年の歩みを 振り返るうえでも、画像集の価値は大きいだろう。  画像集のページには、おなじみのドーナツやアップルパイからフィンランドの プッラやオランダのオーリボレンなど珍しいものまで、歴代執筆担当者の力作が 勢ぞろい。「このお菓子作ってみたいけど、むずかしくないの?」というときは 画像をクリック。HTML 版バックナンバーに掲載されているレシピへ飛ぶことが できる。お気に入りのお菓子を見つけたら、それが登場した作品と由来について、 もう一度、目を向けていただきたい。お菓子の誕生には、それぞれの国の歴史や 文化が関わっていることが多く、想像以上に奥の深い世界が広がっている。この 常に新しい発見に満ちた旅の楽しさが読者にも伝わるよう、これからもコーナー をさらに充実させ、画像集を増やしていきたい。  見て楽しい、作っておいしい、やまねこ翻訳クラブ一甘いページに、ぜひお越 しを。 ▽お菓子の旅 画像集ページ(喫茶室) http://www.yamaneko.org/kissa/cake_pc/okashi_1.htm                               (はるはな) ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #2278〜 「世界の児童文学賞ラリー」レビュー集、第12弾公開! #2280〜 オーストラリア児童図書賞候補作発表! #2285〜 『永遠に生きるために』読みました(続き)  賞関連の情報は、速報掲示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award 【新刊読み物】 #2288〜『ラッセとマヤのたんていじむしょ サーカスのどろぼう』(マッティ ン・ビードマルク作/枇谷玲子訳/主婦の友社):ラッセとマヤの住む町にサー カスがやってきた。ところが、どうやらこのサーカス団にスリ事件の犯人がいる らしい! ちびっこ探偵、ラッセとマヤはさっそく捜査を開始した……。 #2288〜『ラッセとマヤのたんていじむしょ カフェ強盗団』(マッティン・ビ ードマルク作/枇谷玲子訳/主婦の友社):町のカフェが、なんと連続3回も強 盗に襲われた。店内のだれかが共犯者とにらんだラッセとマヤ。はたして、犯人 は? 共犯者は? #2289〜『13の理由』(ジェイ・アッシャー作/武富博子訳/講談社):主人公 のハンナは自殺した。生きているときに言えなかった言葉をテープに残し、関係 者に送りつけて。その衝撃の行為から受けるとまどいや恐怖、嫌悪の情は、読み 進むにつれ、じわじわと別の思いへと変化するだろう。米国のベストセラー小説。 【新刊絵本】 #2227〜『エレンのりんごの木』(カタリーナ・クルースヴァル文・絵/ひだに れいこ訳/評論社):エレンとオッレは仲良し。いつもふたりで、エレンの家の 庭のりんごの木にのぼって遊んでいる。ところがある夜、嵐が来て、大好きなり んごの木がたいへんなことに! スウェーデンの四季が美しく描かれた絵本。 【未訳読み物】 #2282〜 "The Mysterious Benedict Society"(by Trenton Lee Stewart, Little, Brown and Company):レイニーは孤児院で暮らす、聡明な少年。ある 日、奇妙なテストを受けたレイニーは、個性的な3人の仲間とともに、世界征服 をたくらむ悪の組織に挑むことに! 続編も刊行された、米国で人気の冒険物語。 #2283〜 "The Underneath"(by Kathi Appelt, Atheneum):古い森に捨てられ た身重の猫がたどりついたのは、傾いた家でしいたげられて暮らす猟犬のもとだ った……。現在、25年前、そして千年前の物語がみごとに紡ぎあわされていく。 2008年全米図書賞児童書部門ファイナリスト、2009年ニューベリー賞オナー作品。 ▽このほかにも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り 上がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                               (えみりい) ★喫茶室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #549〜 映画になった児童文学 4月公開予定作品 #551〜 メールマガジンについての意見 #552〜 「月刊児童文学翻訳」4月号 html 版公開 ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★お菓子掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi ★おはなし小部屋掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=ohanashi #207〜 4月・池袋・ジュンク堂 ミニおはなし会 ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?cmd=tre;id=hiroba #3697〜 やまねこの大先輩、受賞祝賀オフ→ありがとうございました #3711〜 翻訳コンクール開催要項 #3712〜 新会長・副会長の紹介 #3718〜 国際絵本展(全国巡回) ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm                                 (tommy) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <偕成社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/kaisei/index.htm 『ぼくだけの山の家』(ジーン・クレイグヘッド・ジョージ文・挿絵/茅野美ど 里訳):家出をしてみたい、または文明をはなれてくらしてみたい。子どものこ ろどちらかにあこがれた人は多いのではないか。本書は、そのどちらをも実行し てしまう頼もしい少年の話だ。ニューヨークに住むサムは、家族がだれも真に受 けなかった家出宣言を実行する。そして木のうろの家をつくり、食料も衣料も調 達し、野性児として立派に生活してしまう。火起こし、大きな葉っぱに水を入れ た鍋、動物をつかまえるわななど、作者の実体験に基づいたスキルは、アウトド アをかじった者なら読むだけでわくわくと心が躍り、野外にとびだしたくなるだ ろう。1960年のニューベリー賞オナーブックとなった、児童書版『森の生活』が、 約半世紀の時を経て、ついに邦訳された。 <あかね書房> http://www.litrans.net/maplestreet/p/akane/index.htm 『ゴーストアビー』(ロバート・ウェストール著/金原瑞人訳):建築士の資格 をもちながら、別の仕事に甘んじるマギーの父に、絶好の仕事が舞いこんだ。元 修道院だった建物の修理だ。一家はその建物に引っ越すが、どうも様子がおかし い。ある夜、闇のなかから歌声が聞こえてきて……。巨匠ウェストールのぞくぞ くさせるゴシックホラー。その「修道院」がもとめるものとは……。 『バウンド ― 纏足』(ドナ・ジョー・ナポリ著/金原瑞人・小林みき訳): 昔話を下敷きに、的確な時代背景を加えながら独自のストーリーを構築するジョ ー・ナポリ氏。今回の話は中国に伝わるシンデレラ系伝承が元になった。主人公 のシンシンは両親を亡くし、継母と義理の姉と3人で暮らしている。姉は良家に 嫁ぐことを夢見て無理な纏足をしているため、ほぼ寝たきり。とうぜん仕事はす べてシンシンにまわってくる。辛い毎日だったが、水汲みのときに見つけた美し いコイが、シンシンの心の支えとなっていた。 『ソードハンド ― 闇の血族』(マーカス・セジウィック著/西田登訳):舞 台は17世紀のルーマニア。放浪暮らしをしていた木こりの父と息子が、村はずれ の森に住みはじめる。父は息子に仕事を伝授すると、ただの飲んだくれになりさ がった。やがて、村で奇怪な事件が起きはじめ……。ルーマニアというと、思い 浮かぶのはやはりヴァンパイア伝説だろう。数多くの伝説のなかから、この物語 をつむぐためにセジウィック氏が選んだのは、現在だれもがもっているイメージ とはかけはなれた、亡霊のようなヴァンパイアだった。 『ホワイト ダークネス(上下)』(ジェラルディン・マコックラン著/木村由 利子訳):14歳のシムは、南極がなにより好きという変わった女の子だ。それは、 父のいないシムをかわいがってくれる、ビクターおじさんの影響だった。そのお じさんが、ある時パリ旅行の話をシムにもちかける。ところがおじさんには、あ る目論見があった。そしてシムのホワイトダークネスへの冒険が始まったのだ。 <講談社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/kodansha/ehon/index.htm 『オルガ ストロングボーイTシャツのはなし』(イリヤ・グリーン作/ときあ りえ訳):オルガはすごいTシャツを手に入れる。その名も「ストロングボーイ Tシャツ」(ちなみにオルガは女の子)。着た者は隊長になって、だれにだって 命令できてしまうのだ。この世の春! と思いきや……。シュールな話の展開と イラストの洒落たディテールが、いかにもフランスの絵本らしい。 <BL出版> http://www.litrans.net/maplestreet/p/bl/index.htm 『アンデスの少女 ミア ――希望や夢のスケッチブック』(マイケル・フォア マン作/長田弘訳):ミアはアンデスの少女。住んでいるのは、廃材をうまく利 用した家がたちならぶ集落だ。不用品をリサイクルして街で売る父が、ある日、 ミアに子犬をひろってきてくれた。その子犬のおかげで、ミアはすばらしいもの を見つける。ミアたちの家がさまざまな材料で建てられているように、この絵本 もさまざまなイラストで構成されている。やさしい色調で、アンデスの雄大な自 然を描いた見開きがあるかと思えば、鉛筆描きの、素朴だけれど表情豊かなスケ ッチがちらばるページもある。希望や夢とは、ミアの家やこれらのイラストのよ うに、さまざな断片を集めてかなえていくものなのかもしれない。 『栄光への大飛行』(アリス&マーティン・プロヴェンセン作/今江祥智訳): ブレリオパパは、ドライブの途中で見た飛行船がきっかけで、空の魅力にとりつ かれてしまう。それからパパはお金もおしまず、骨身もおしまず、怪我をしたっ てなんのその、とにかく飛ぶ夢をかなえようとする。その執念と、そんなパパを 応援する家族のあたたかさに拍手をおくりたい。おっと、それからひとりの男の 実話をみごとな絵本にしたてあげた作者と、時代のおおらかさと男のロマンを日 本語で表現した訳者にも大きな拍手を。 『ダッシュだ、フラッシュ!』(ドン・フリーマンさく/なかがわちひろやく): シャッセとフラッシュはダックスフント。だが、シャッセは働き者の犬で、フラ ッシュは残念ながら、その反対。ところが、あまりのなまけぶりに業を煮やした シャッセは、フラッシュに喝をいれる。するとフラッシュは、なんと天職を見つ けてしまい……。途中はらはらするが、おなじみのフリーマン氏の絵とあたたか な結末にはほっとさせられる。                                  (NON) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行人 武富博子(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編 集 えみりい/ち〜ず/tommy/NON/ラッテ 協 力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内(http://www.litrans.net/)     「月刊児童文学翻訳」お菓子の旅コーナー担当 はるはな 「お菓子の旅」の画像集、ぜひお楽しみください! お菓子掲示板でも紹介して いますので、そちらからもアクセスできます。「食べたことあるよ!」「作って みたよ!」などの声もお待ちしておりま〜す。(ち) ▽「お菓子の旅」画像集公開のお知らせ(お菓子掲示板) http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=one;no=144;id=okashi ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●