●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2009年12月18日)                           No.201 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●「第12回やまねこ賞」発表! ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ 「第12回やまねこ賞」発表! ------------------------------------------------------------------------  恒例の「やまねこ賞」の投票結果が、12月15日発行のメールマガジン「月刊児 童文学翻訳」12月号誌上で発表された。読み物・絵本・原書・オールタイムの4 つの部門で、昨年10月から今年9月までに出版された邦訳児童書、未訳・既訳・ 言語を問わない原書、および、過去に国内外で出版された児童書の中から、会員 の支持を受けたベスト5が出そろった。注目の大賞受賞作は、読み物部門で『ト ゥルー・ビリーヴァー』(ヴァージニア・ユウワー・ウルフ作/こだまともこ訳 /小学館)、絵本部門で『リスとはじめての雪』(ゼバスティアン・メッシェン モーザー文・絵/松永美穂訳/コンセル)。そのほか、各部門受賞作品の詳細は 「月刊児童文学翻訳」12月号、または、やまねこ翻訳クラブ資料室「やまねこ賞 受賞作品リスト」でご覧いただきたい。 ▽「月刊児童文学翻訳」(12月号は近日公開予定) http://www.yamaneko.org/mgzn/index.htm ▽「やまねこ賞受賞作品リスト」(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/yn/index.htm  また投票用特設掲示板では、投票の様子を見ることができる。会員の熱い推薦 コメントが載っているので、本選びの参考にぜひどうぞ。 ▽やまねこ賞投票所(現在閲覧のみ可能) http://www.yamaneko.org/yn_award/index.htm                                (ラッテ) ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #2555〜 JBBY賞および2010年IBBYオナーリスト(日本)発表! #2556〜 全米図書賞受賞作発表! #2557〜 アウグスト賞発表! #2559〜 コスタ賞ショートリスト発表! #2560〜 フィンランディア・ジュニア賞発表! #2561〜 『ウィロビー・チェースのオオカミ』読みました(続き) #2574〜 「時の書」シリーズ(I、II)とても面白かったです! #2576〜 『ドラゴンキーパー 月下の翡翠龍』出ました! #2589〜 『1つぶの おこめ──さんすうの むかしばなし』 読みました(続き) #2590〜 『あくびばかりしていた おひめさま』読みました(続き) #2591〜 『むこう岸には』読みました(続き)  賞関連の情報は、速報掲示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award 【未訳読み物】 #2571〜 "Stitches"(by David Small, W. W. Norton & Company):幼いデイビ ットが過ごす家庭には、会話がなかった。彼が両親との意思の疎通に使ったもの は「病気」だった。医師の父親は、有り余るほど、治療という名の愛情を注いで くれた。彼の感じた寂しさや怖さをつぶさに描いた自伝的作品。全米図書賞ファ イナリスト作品。 ▽このほかにも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り 上がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                               (たろたろ) ★喫茶室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #613〜 映画「かいじゅうたちのいるところ」1月公開→原作の魅力再確認 ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★お菓子掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi #151〜 フラップジャックが「月刊児童文学翻訳」に掲載されました #152〜「お菓子の旅」画像集随時更新中→感想   ★おはなし小部屋掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=ohanashi ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?id=hiroba #4242〜 発言の際のご注意 #4243〜 新会長・副会長の紹介→(挨拶) #4245〜 10周年記念行事に関するお知らせ #4249〜 NZポスト賞候補作読もう会のお誘い #4251〜 新年会オフのお誘い(大阪) ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm                               (たろたろ) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <作品社>new! http://www.litrans.net/maplestreet/p/sakuhin/index.htm 『とむらう女』(ロレッタ・エルスワース作/金原瑞人選/代田亜香子訳): 「金原瑞人選オールタイム・ベストYA」シリーズ第一弾のこの作品は、南北戦争 直後のアメリカの草原を舞台にした物語。母の死を受け入れられない11歳の少女 は、家にやってきた「おとむらい師」のフローおばさんに反感をもつが……。大 いなる自然の中で、少女がじょじょに死と向きあう過程を静かに見つめる。 <光村教育図書> http://www.litrans.net/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『あまくて おいしい こいの ものがたり』(ジョナス・リベイロ作/タチア ナ・パイヴァ絵/おびかゆうこ訳):身分のちがうふたりのゆるされぬ恋……。 なのに、なぜかくすっとわらえてしまう、そしてちょっぴりかんがえさせられる、 お姫様とケーキ屋さんの新感覚の恋の話。コラージュにつかわれているテキスタ イルの質感がおもしろい。 『かあさんを まつ ふゆ』(ジャクリーン・ウッドソン文/E・B・ルイス絵/ さくまゆみこ訳):冬のあいだ、大黒柱のかあさんは、遠くの町に仕事をしにい く。残された少女と祖母は、淡々と日常をすごしながら、母の、娘の手紙をまつ。 さみしさをまぎらすために、家にやってきた野良猫をかわいがる少女。猫は飼え ないと口でいいながら、おいだそうとはしない祖母。冬の静けさの中で、寂しさ とやさしさがまじりあい、春をまつふたりの時間がながれていく。 『ふゆの ようせい ジャック・フロスト』(カズノ・コハラ作/石津ちひろ訳): 子どもと犬は雪ではしゃぐと相場がきまっている? いや、コリンと犬のサミィ は冬がきらい。だが、ジャック・フロストと友達になってからは、3人で冬を満 喫する。けれども楽しい日々はまたたくまに過ぎていき……。デビュー作で2008 年度ニューヨークタイムズ・ベストイラスト賞を受けた、イギリス在住の日本人、 コハラ氏の邦訳絵本第二弾。前作同様、石津氏とのコンビで、かわいく元気な絵 本ができた。 <くもん出版> http://www.litrans.net/maplestreet/p/kumon/index.htm 『時の書I 彫刻された石』、『時の書II 七枚のコイン』(ギヨーム・プレヴォ ー作/伊藤直子訳/建石修志画):サムは、行方不明になった父親をさがすうち、 父のいとなむ古書店に秘密の小部屋があるのを発見する。そして、そこで見つけ た、穴のあいたコインと不思議な石碑に導かれ、時空をこえる旅にでる。正確な 歴史と地理の知識で下塗りしたキャンバスに、めくるめく壮大なドラマが描かれ る。訳者はやまねこ会員。 <偕成社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/kaisei/index.htm 『人形劇場へごしょうたい』(サリー・ガードナー作・絵/村上利佳訳):「公 園の小さななかまたち」シリーズの第二弾。前回、公園に残されて、不安でいっ ぱいだった人形たちも、もうすっかり外での暮らしになれて、ゆかいな毎日をす ごしている。ところが、もうすぐやってくる冬が、みんなの心にじょじょに影を なげかけ……。今回も、はらはらどきどきの展開と、おしみなく配されたコラー ジュの挿絵に、ページを繰る手がとまらない。一度よみおわったら、また初めに もどり、こんどは挿絵のディテールを追いたくなる。訳者はやまねこ会員。 『マルベリーボーイズ』(ドナ・ジョー・ナポリ作/相山夏奏訳):1892年、ナ ポリ育ちの9歳の少年が、たったひとりで新天地アメリカに放り出された。まわ りをよく見なさいという母の教えを心にきざみ、機転と勇気で力強く生きぬくす がたを、ストーリーテラーの作者が鮮やかに描く。テンポのいい訳が、物語の臨 場感を後押しする。感動のラストまで一気にどうぞ。訳者はやまねこ会員。 <岩波書店> http://www.litrans.net/maplestreet/p/iwanami/index.htm 『ピーターと象と魔術師』(ケイト・ディカミロ作/長友恵子訳):天涯孤独の ピーターには、心のなかでかすかに燃える望みがあった。あるとき、占い師がそ の火をあおった。「生きているよ、あんたの妹は。象が妹のいる場所へとつれて いってくれるよ……」その日から、ピーターのまわりでは不思議なことがつぎつ ぎとおきて……。信じることの強さと喜びを教えてくれる物語。訳者はやまねこ 会員。 <河出書房新社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/kawade/index.htm 『かいじゅうたちのいるところ』(デイヴ・エガーズ作/小田島恒志、小田島則 子訳):噂は耳にはいるものの、なかなか完成の声が聞こえなかったあの絵本の 実写版映画が、この秋やっと公開され、全米一位に輝いた。本書は、同映画の脚 本家エガーズ氏による小説。絵本とは違った魅力満載だ。日本での映画の公開は 来春1月予定となっている。 『ラウィーニア』(アーシュラ・K・ル=グウィン作/谷垣暁美訳):古代イタ リアの王女ラウィーニアは、一族の聖地で、後にトロイア戦争の英雄アエネーア スの妻となるという自分の運命を知る。ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』 を基にした、ル=グウィンのヴィンテージともいえる力作。舐めるように味わっ てほしい。 <セーラー出版> http://www.litrans.net/maplestreet/p/sailor/index.htm 『ねぇママ、どうしてきょうりゅうはがっこうへいかないの?』(カンタン・グ レバン作/スギヤマカナヨ訳):ベルギーからやってきた、とぼけた味の絵本、 『ねぇパパ、どうしてシマウマはローラースケートをはかないの?』の続編。子 どもは好奇心のかたまりで、なんでもかんでも質問してくる。でも、親たるもの、 ここで窮してはいられない。つぎつぎとでてくる機転のきいた答えに、あっぱれ! と声をあげたくなったあなた、さては子どもの質問にうんざりした経験ありとみ た。 <鈴木出版> http://www.litrans.net/maplestreet/p/suzukipub/index.html 『みんながそろう日 モロッコの風のなかで』(ヨーケ・ファン・レーウェン、 マリカ・ブライン著/野坂悦子訳):モロッコにすむジマは、貧しいながらも、 あたたかな家族にかこまれてくらしていた。ところが、政治的な活動にかかわっ た兄さんが、ある日すがたを消してしまう。逆境にあっても、明るい未来を信じ て待つ家族の物語。 『リキシャ★ガール』(ミタリ・パーキンス著/ジェイミー・ホーガン絵/永瀬 比奈訳):ナイマは、バングラデシュの伝統的絵画をかけば、右にでる者のいな 腕前の少女。だが、絵がかけてもお金にはならない。稼ぎ手の父は、リキシャで 客を運んでいるが、因習的な村では、それは男の仕事。女のナイマが手伝うこと は許されない。父を助けるために自分にできることはないか? 考えたすえにナ イマがしたことは……。ノーベル平和賞を受けたグラミン銀行総裁のムハマド・ ユヌス氏が考案した、マイクロファイナンス。このシステムで自立しようとする 女性も登場する本作は、女性が経済的に目覚めはじめたこの国の今を伝えている。 訳者はやまねこ会員。                                  (NON) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行人 美馬しょうこ(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編 集 えみりい/たろたろ/tommy/NON/muzu/ラッテ 協 力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内(http://www.litrans.net/)     ぎねびあ/ぐりぐら  まもなく冬休み。メープルストリートでは、年末年始のお休みにゆっくり読み たい魅力的な新刊がたくさんとりあげられていますね。現在読書室では、訳者を まじえて、会員たちが感想を楽しく語りあっています。みなさんも、ぜひ参加さ れてみてはいかがでしょうか?(t) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●