●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2010年4月20日)                           No.205 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●アニカ・トール氏来日講演会&オフ報告 ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ アニカ・トール氏来日講演会&オフ報告 ------------------------------------------------------------------------    スウェーデンで最も注目されている作家のひとり、アニカ・トール氏   が来日され、各地で講演会が開催された。またこの講演会をきっかけに、   会場近くで会員のオフも開かれた。去る4月9日と11日、東京と京都で   行われた講演会に出席したメンバーに、現地での様子やオフの感想を報   告してもらった。(ラ)  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ●東京篇  アニカ・トール氏の来日講演会に、幸運にも参加することができた。代表作の 「ステフィとネッリの物語」シリーズは、昨年の「やまねこ賞」で、熱いコメン トとともに多くの会員から投票があり、読み物部門2位に輝いている。著者のト ール氏と訳者の菱木晃子氏から直接お話を聞けるとは、この作品のファンにとっ て、なんとも魅力的な企画だ。  東京での講演会には、5人のやまねこ会員が集まり、そのうち3人がランチオ フ会に参加。人数は少なめながら、地方から上京中だった会員に会えたこと、現 在進行中の勉強会について話せたこと、そしてもちろん、「ステフィとネッリの 物語」の読者同士、顔をつきあわせて語りあえたことなど、とても意義深く、楽 しいひと時だった。  講演は、トール氏のスウェーデン語を菱木氏が通訳する形で行われ、「ステフ ィとネッリの物語」の時代背景や、執筆のプロセスなどの貴重なお話と、時折は さまれる両氏の朗読に、会場に詰めかけた約100人が熱心に耳を傾けた。続く質 疑応答は、英語の通訳者を介して行われ、トール氏も流暢な英語でにこやかに答 えてくださった。多くの手が挙がったため、最後の質問者は、なんと3人対抗の じゃんけんで決定。なごやかな雰囲気に包まれた。2時間以上にわたる講演会の あとは、トール氏と菱木氏のサイン会。長い行列が、人気の高さを物語っていた。                                (みちこ) ●京都篇  2日後の京都では、アルザス料理レストランでのランチオフから講演会へ。  オフは常連をはじめ、久々に参加の会員、初参加の会員、そして平日は多忙で 参加できない会員と、日曜日の京都開催ならではの顔ぶれとなり、ひと味違う盛 り上がり方だった。当日の講演に関する話はもちろんのこと、近況やクラブ入会 のきっかけ、最近の勉強や翻訳の仕事の話など、いつものようにあらゆる話題に 花が咲き、それぞれが熱く語ったり聞き入ったりしているうちに、気がつけばい つのまにやら講演開始30分前。そそくさと会計をすませて向かった講演会場は、 ホールいっぱいに並べられた150の椅子が満席となる盛況ぶり。長距離移動を伴 う連続3日講演の最終日、さぞやお疲れではと思っていたが、そんな様子はみじ んも無く、おだやかに、しかし力強くお話しくださった。質疑応答は、京都では 引き続き菱木氏が通訳を担当され、様々な質問や回答を丁寧に訳してくださる中、 トール氏に直接スウェーデン語で質問する強者も現れるなど、さすがの文教都市 京都を感じさせた。講演終了後は東京同様両氏のサイン会も行われ、列をなすフ ァンに笑顔で応対してくださり、会場をあとにする最後の一歩まで気持ちのいい 講演会だった。                               (ぎねびあ) ▽レビュー『海の島 ステフィとネッリの物語』(やまねこ10周年記念ラリー) http://www.yamaneko.org/dokusho/shohyo/tokusetsu/10th/jan_rv1a.htm#enoi ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #2689〜 ボローニャ・ラガッツィ賞訂正 #2690〜 ドイツ児童文学賞ノミネート作品発表! #2692〜 国際アンデルセン賞発表! #2694〜 アストリッド・リンドグレーン記念文学賞発表! #2696〜 ビスト最優秀児童図書賞ショートリスト発表! #2699〜 オーストラリア児童図書賞候補作発表! #2700〜 エズラ・ジャック・キーツ賞発表! #2704〜 『変わり者 ピッポ』読みました(続き)  賞関連の情報は、速報掲示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award 【新刊未訳絵本】 #2697〜 "Norris: The Bear Who Shared"(by Catherine Rayner, Orchard Books):かしこいクマのノリスは、木の下でおいしい実が落ちてくるのを待っ ている。木の上では、やはりその実が大好物のアライグマとノネズミがそわそわ、 うろうろ。色といい、形といい、レイナーの描く果実のおいしそうなこと! ▽このほかにも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り 上がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                               (えみりい) ★喫茶室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #633〜 世界の文学賞について #635〜 中村悦子さんの絵本原画展 #639〜 札幌で翻訳勉強会はありますか? #640〜 「月刊児童文学翻訳」4月号 html 版公開 ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★お菓子掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi ★おはなし小部屋掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=ohanashi ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?id=hiroba #4459〜、#4486〜 アニカ・トール講演会@東京・新潟・京都(続き) #4512〜 オフ会のお誘い(東京)→ありがとうございました #4525〜 オフ会のお誘い(京都)→ありがとうございました #4545〜 翻訳講座のお知らせ #4559〜 新会長・副会長の挨拶 #4579〜 オフ会のお誘い(東京)→ありがとうございました #4597〜 ★発言の際のご注意★ ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm                               (たろたろ) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm <早川書房> http://www.litrans.net/maplestreet/p/hayakawa/index.htm 『勇気の季節』(ロバート・B・パーカー作/光野多惠子訳):父が亡くなり、 母とふたりでくらす15歳の少年テリーは、ボクシングジム通いに夢中だ。トレー ナーのジョージについて、ボクシングを丸ごと体でおぼえようとするテリー。そ んなある日、同じハイスクールのジェイソンが自殺する。だが、その死に事件性 を感じたテリーは、ガールフレンドのアビーとともに調査を開始する。今年1月 に帰らぬ人となったロバート・B・パーカーのYA小説第二弾。原書はアメリカ で、2008年に出版されたもの。 <作品社> http://www.litrans.net/maplestreet/p/sakuhin/index.htm 『希望(ホープ)のいる町』(ジョーン・バウアー作/金原瑞人選/中田香訳): あたしはホープ。パパはだれだかわからない。ママは、あたしをおばさんに預け っぱなしで、都合のいいときだけ会いにくる。高校が夏休みにはいるころ、あた したちは引越しをした。コックをしているおばさんの、新しい職場がある小さな 町に……。こうしてホープの新しい生活がはじまった。ところが、おばさんの食 堂の店主が、町長の不正を告発したうえ、町長選挙に立候補してしまう。店主は 政治についてはずぶの素人。そのうえ彼の後援会は、選挙オタクを筆頭にした高 校生ボランティアときている。なんとも先行き不安な選挙活動がはじまった。だ が、さまざまな奇蹟を信じて、ホープと仲間たちは町の不正にたちむかう。派手 でも高級でもないけれど、料理がおいしく居心地がいい。そんなレストランで食 事をした気分にさせてくれる青春小説だ。 <光村教育図書> http://www.litrans.net/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『アンナの あたらしい じてんしゃ』(カタリーナ・クルースヴァル作/菱木 晃子訳):アンナは、新しい自転車をかってもらったのがうれしくて、かごにつ ぎつぎと仲よしの動物たちをいれてあげる。ただし、キリンのペッテルは別。い じわるしているのではなく、体が大きすぎて、かごにはいらないから。仕方がな いのはわかっていても、どうにもあきらめきれないペッテル。だけど、つぎにブ ランコであそびはじめたら……。気負いのないイラストに、さらりとつけた色、 そこにアンナのあっさりとした性格も手伝って、軽やかな印象の絵本となってい る。思いなやむペッテルも、それを軽くうけながすアンナも、みんな自然体なの がいい。子どもの日常で、あたりまえにおきている心の動きをすくいあげ、物語 に織りこむセンスがすばらしい。                                  (NON) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行人 大塚道子(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編 集 えみりい/たろたろ/tommy/NON/muzu/ラッテ 協 力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内(http://www.litrans.net/)     ぎねびあ/ちゃぴ/みちこ/林檎  本屋でいわむらかずおさんの『もりのあかちゃん』(ドイツ語版)を見つけ、 手に取りました。ページいっぱいに描かれたさくらにおもわずうっとり。春を感 じたひとときでした。(ラ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●