●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      月刊      やまねこ      A C T I V A T O R (FA-TEXT)      やまねこ翻訳クラブ・アクチベーター                       (2013年9月20日)                           No.242 ●━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  編集・発行……やまねこ翻訳クラブ http://www.yamaneko.org/ ------------------------------------------------------------------------ 【目次】 ●「月刊児童文学翻訳」に「『障害』特集」組まれる! ●「読書探偵作文コンクール 2013」、まもなく締め切り! ●掲示板ア・ラ・カルト ●メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ 「月刊児童文学翻訳」に「『障害』特集」組まれる! ------------------------------------------------------------------------  すでにお読みくださった方も多いかもしれないが、今月15日に発行された「月 刊児童文学翻訳9月号」で、「障害」についての特集が組まれている。内容は、 障害をテーマにした作品のレビューや訳者からのメッセージのほか、視覚障害の ある子どもたちが楽しむことのできる絵本の紹介、障害を扱った本のリストや賞 の情報、そして難病と闘いながら不自由な体をおして、現在も執筆を続けている、 あるやまねこ会員の紹介などだ。また、同誌の発行と同時に障害と関わりのある 作品を集めたリストと、そのような作品に贈られる「シュナイダー・ファミリー ブック賞」のリストも公開された。  今回の特集は、リスト作成なども含め、準備に数か月を要した。それだけに、 当クラブのメンバーの思い入れも深い。クラブではこれまでも、障害をテーマに した作品をレビューなどで紹介したり、勉強会の課題にして深く読み込んだりし てきた。会員の手による邦訳も増えつつある。私たちは、そのような作品を通じ て、翻訳の勉強だけにとどまらず、障害について学び、考える機会をもってきた ように思う。小さな活動の積み重ねが、今回この特集として実を結んだことは、 一会員としてとても感慨深い。  物語の中で、障害のある登場人物と出会い、その生き方や考え方に触れること で、広がる世界がある。それは人と人同士の深い理解に、いつか結びつくだろう。 障害のある人も、ない人も、同じように幸せに暮らせる社会へ。今回の特集がそ の一助となればうれしい。まだの方は、ぜひとも、ご一読いただきたい。 ▽「月刊児童文学翻訳」2013年9月号「『障害』特集」 http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2013/09.htm ▽「障害を扱った翻訳作品リスト」 http://www.yamaneko.org/bookdb/gen/theme/syogai/index.htm ▽「シュナイダー・ファミリーブック賞 受賞作品リスト」 http://www.yamaneko.org/bookdb/award/us/schneider/index.htm ※便宜上、一般的に使用されている「障害」という言葉・表記を使わせていただ きました。                                 (muzu) ------------------------------------------------------------------------ 「読書探偵作文コンクール 2013」、まもなく締め切り! ------------------------------------------------------------------------  本誌7月号でご紹介した「読書探偵作文コンクール」。小学生を対象に7月上 旬から応募の受け付けが始まったが、いよいよ今月末、9月30日に締め切りを迎 える。送り先や原稿書式など、応募の詳細については公式ウェブサイトをご確認 いただきたい。なお、コンクールやウェブサイトの情報は、公式ツイッターでも 随時提供している。  締め切り後、1次審査を経て3名の翻訳家による最終審査が行われ、応募作品 の中から最優秀賞および優秀賞が選出される。結果は後日、公式ウェブサイトに て発表予定だ。翻訳書を読んで書いたものであれば作文の書き方に制約はなく、 絵や工作などをつけてもかまわない自由なコンクール。2010年に始まって以降多 くの力作が寄せられているが、今年はどんな作品が受賞するのか、今から結果発 表が楽しみだ。 ▼「読書探偵作文コンクール」公式ウェブサイト http://dokushotantei.seesaa.net/ ▼「読書探偵作文コンクール」公式ツイッター https://twitter.com/Dokusho_Tantei                                (asayaka) ------------------------------------------------------------------------ 掲示板ア・ラ・カルト ------------------------------------------------------------------------    「#」のうしろの数字は、各掲示板での発言番号を表しています。 ★読書室掲示板★ http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=dokusho 【主なトピック】 #3903〜 『モッキンバード』読みました(続き) #3904〜 『ブラック・ドッグ』読みました(続き) #3905〜 『マルセロ・イン・ザ・リアルワールド』読みました(続き) #3907〜 『ねこのピート だいすきなしろいくつ』読みました(続き) #3908〜 「混沌の叫び」シリーズ、完結編の刊行予定(続き) #3916〜 LIANZA児童図書賞発表! #3919〜 複数の女の子が主人公のYAを探しています #3930〜 オーストラリア児童図書賞発表! #3932〜 ガーディアン賞ショートリスト発表! #3942〜 『スピリットベアにふれた島』読みました(続き) #3944〜 全米図書賞児童書部門ロングリスト発表!  賞関連の情報は、速報掲示板もご利用ください。 ▽「速報(海外児童文学賞)」掲示板 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award 【新刊読み物】 #3910〜『アリブランディを探して』(メリーナ・マーケッタ作/神戸万知訳/ 岩波書店):ジョセフィン・アリブランディは、オーストラリアの女子高生。イ タリア系移民の家系で母親が未婚なため、周囲からさまざまなレッテルを貼られ がちで……。青春時代の心理や人間関係を鮮やかに描いたみずみずしい作品。 ▽このほかにも、メープルストリートで紹介されている新刊書の話題などで盛り 上がっています。掲示板の「トピック表示」もどうぞご利用ください。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?cmd=tpc;id=dokusho                                (モリー) ★喫茶室掲示板★ 〈お菓子の話題もこちらでどうぞ〉 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=kissa #849〜 ソーニャ・ハートネット作『銀のロバ』オペラ化 #850〜 映画「ネコのミヌ―ス」見ました→続き #851〜 映画「テラビシアにかける橋」テレビ放映情報(終了)と原作の紹介 #854〜 「月刊児童文学翻訳」9月号 html 版公開 ▽作品リストの更新情報などは「更新履歴」掲示板でどうぞ。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=rireki ▽リストに関する追加・訂正等の情報は「やまねこ資料室:メモ用掲示板」まで。 http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=siryo ▽「イベント情報掲示板」はこちら。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★広場掲示板★(会員限定) http://www.yamaneko.or.tv/member/c-board/c-board.cgi?id=hiroba ▽現在進行中または予定されている勉強会の情報はこちらでどうぞ。 http://www.yamaneko.org/gakushu/open/index.htm(勉強会の予定) ▽非会員で、勉強会に興味のある方は入会案内ページへ。 http://www.yamaneko.org/info/guide.htm                               (たろたろ) ------------------------------------------------------------------------ メープルストリート新刊情報 ------------------------------------------------------------------------ http://www.yamaneko.org/maplestreet/ <光村教育図書> http://www.yamaneko.org/maplestreet/p/mitumura/index.htm 『ちびはち』(エドワード・ギブス作/谷川俊太郎訳):はちが、かえるに追い かけられて、かえるが、へびに追いかけられて……。昔話によく見られる、玉突 きのような構造の物語。あらすじが単純だからこそ、ギブス氏の味わいのある線 と、谷川氏のリズム感ある訳文、そして最後の片観音の仕掛けが生きてくる。そ れにしても、この大胆な訳は谷川氏ならでは。原文がとても気になる。 『紙のむすめ』(ナタリー・ベルハッセン文/ナオミ・シャピラ絵/もたい な つう訳):切り絵は器用さを誇る日本のお家芸かとおもっていたが、なんのなん のイスラエルだって相当なもの。この絵本に使われている切り絵は、緻密な計算 の上になりたつ、すばらしく手のこんだ白い芸術だ。まずは美しさにくらっとし、 それから制作に要しただろう時間にめまいを覚える。本書が秀逸といえるのは、 この完璧なアートによりかかるのではなく、アートが物語展開に巧みに取り入れ られている点だ。白い紙がつぎつぎと変貌をとげる様が、心地よい物語のうねり となって読者の心をゆらす。                                  (NON) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ● 発行 やまねこ翻訳クラブ 編集 asayaka/たろたろ/tommy/NON/muzu/モリー/ラッテ 協力 出版翻訳ネットワーク管理人 小野仙内(http://www.litrans.net/)    ちゃぴ  昨日は十五夜。明るく輝くまんまるいお月様に、心もまあるくなりました。ま るい心で、人と人もつながっていけたらいいですね。さあ、新しいリストをもと に読書の秋を始めましょうか。(m) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●