※こちらは「書評編」です。「情報編」もお見逃しなく!! ※1月は定期休刊です。次回は2003年2月号になります。どうぞお楽しみに! ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● 2002年12月号(書評編)    =====☆                    ☆=====   =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====    =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====                                  No.46 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌● ●http://www.yamaneko.org/mgzn/                      ● ●編集部:mgzn@yamaneko.org      2002年12月15日発行 配信数 2620 無料● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●2002年12月号(書評編)もくじ● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎特集:第5回やまねこ賞――会員が選んだ、今年の邦訳児童書ベスト5は? ◎賞情報1:2002年 全米図書賞発表 ◎賞情報2:2002年 スマーティーズ賞発表 ◎Chicoco の親ばか絵本日誌:第20回「楽しみクリスマス」(よしいちよこ) PR━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆☆ 時計で遊び心を。FOSSIL ☆☆ アメリカ生まれのフォッシル・ウオッチは、世界90カ国以上で愛されている人気ブラ ンド。オーソドックスなラインはもちろん、文字盤にドラゴンが現れたり、炎がメラ メラ燃えたり、漢字が描かれたりするユニークな時計もいろいろ揃っています。11月 には待望の「ハリー・ポッターと秘密の部屋」ウオッチも発売。蛇のレリーフ付きパ ッケージが迫力の数量限定品(!)です。 TEL 03-5428-3701 http://www.fossil.com       (株)フォッシルジャパン:やまねこ賞協賛会社 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●特集●第5回やまねこ賞            協賛:(株)フォッシルジャパン ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  過日、やまねこ翻訳クラブで、昨年11月から今年10月までに出版された邦訳児童書、 および、過去に海外で出版された未訳児童書を対象に、ベスト5の投票が行われまし た。以下にその結果をご報告します。大賞に輝いた邦訳作品の翻訳家の方には、賞状 と副賞が贈られます。なお、前回に引き続き、株式会社フォッシルジャパン(前社名 エス・エフ・ジェイ)より、副賞の時計をご提供いただきました。   「読み物」「絵本」の分類については、原則として(株)図書館流通センター(TR C)による分類種別に準拠していますが、一部の本については、当クラブの判断で種 別を変更しています。  記事中に記載した、本誌の過去のレビューについては、やまねこ翻訳クラブサイト に掲載のバックナンバーをご参照ください。 http://www.yamaneko.org/mgzn/  なお、すべての投票と感想はこちらでごらんいただけます。 http://www.yamaneko.org/yn_award/index.htm      ★☆★☆【2002年 第5回やまねこ賞 読み物部門】☆★☆★ ★大賞 『琥珀の望遠鏡』フィリップ・プルマン作 大久保寛訳 新潮社  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  真理計を手に探索の旅を続けるライラとウィル。しかし幾度となく危機が二人を襲 う。二人の運命やいかに。そしてライラたちを執拗に追う、教会の企みとは? 謎に 包まれていたダストや神秘の短剣など、すべての秘密が今解き明かされる。「ライラ の冒険」シリーズ完結扁。2001年度ウィットブレッド賞最優秀賞・児童文学賞受賞。 (本誌2001年6月号書評編「特集:カーネギー賞候補作レビュー」をご参照ください) ◎壮大なファンタジー。原書、訳書共に2年越しに楽しみました。完結したのがおし いくらいです。(Gelsomina) ◎1巻も2巻もおもしろかったけれど、3巻では本当にいろいろなことを考えさせら れました。死生観とか宗教観とか。(みーこ) ◎息子ともども挙げるならこれ。シリーズ1巻、2巻ともとてもよかったと思います が、これは桁違い。(えみりい) ◎読んでいる途中、自分の人生にとってとても大切な人を亡くし、いっそう心に深く 根付くことになりました。とにかくラストがすべてです。(くるり) ◎今年読んだファンタジーのなかで一番はこれ。1巻から長い道のりをかけて、「あ あ、ここにたどり着くんだ」と思いました。(河まこ) ☆~~~~~~~~~~~~~~【受賞のことば】 翻訳家 大久保寛さん~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~☆ | じつは、うちの小学6年生の長女が『黄金の羅針盤』を読みはじめましたが、| |途中で挫折してしまい(『ハリー・ポッター』は3年生で読破したくせに!)、| |ガッカリしていたら、この前、小学6年生の男の子から「おもしろかったです」| |というかわいい手紙をもらい、やっぱり訳してよかった、と思っていたところで| |す。                                  | | それに続く今回の受賞も、たいへん大きな喜びで、元気づけられました。やま| |ねこ翻訳クラブのみなさん、本当にありがとうございます。         | ☆                                    ☆  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆2位 『影の王』スーザン・クーパー作 井辻朱美訳 偕成社  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  シェークスピア劇の公演のため、ロンドンを訪れた少年俳優のナット。しかし朝目 覚めてみると、なんとそこは16世紀のロンドンだった。ナットは本物のシェイクスピ アと出会い、彼とともに「真夏の夜の夢」の舞台に立つことに。ロンドンのグローブ 座を舞台に描いたタイムファンタジー。ボストングローブ・ホーンブック賞オナー (次点)作品。 (本誌2000年7月号書評編「特集:カーネギー賞候補作レビュー」をご参照ください) ◎時を越えてふれあう魂。よかったです。泣けました。(BUN) ◎「闇の戦い」シリーズファンには2度おいしい物語でした。シェイクスピア劇も楽 しめたから3度かな?(Blue Jay) ◎タイムスリップの謎ときだけでなく、16世紀のロンドン、シェイクスピア劇と幾重 にも楽しませてくれた。(ちゃぴ) ◎歴史とファンタジーとシェイクスピア作品が絶妙にブレンドされた作品。16世紀の ロンドンの匂いまで感じられ、主人公と一緒にタイムスリップした気分。(MOMO) ◆3位 『ライディング・フリーダム 嵐の中をかけぬけて』パム・M・ライアン作                           こだまともこ訳 ポプラ社  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  12歳のシャーロットは自分の牧場をもつという夢を胸に、孤児院を脱走。男装して 駅馬車の御者として働きながら、夢に向かってつき進む。19世紀のアメリカで男性と して生きた実在の人物、シャーロット・ダーギー・パークハーストの半生を描いた物 語。 ◎シャーロットの、夢に向かってひた走る姿に胸をうたれました。「自分の魂の声に 耳をすまして、そのとおりにすればいい」ということばが印象的でした。(yoshiyu) ◎困難を自分の力で乗り越えて生き抜いたヒロインの生涯に感動。(anya) ◎はらはらどきどきしながら、ずっと「がんばれ!」と心のなかで叫びながら読みま した。(Chicoco) ◎どんな不運にもめげず、前向きに突き進んでいく主人公の生き方に魅了された。 (ちゃぴ) ◆4位 『シャングリラをあとにして』マイケル・モーパーゴ作 永瀬比奈訳                                    徳間書店  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  一度も会ったことのなかったおじいちゃんが、突然セシーの家にやってきた。でも パパはなぜかおじいちゃんに冷たい。そんな折、おじいちゃんが病気で記憶をなくし てしまい……。おじいちゃんの過去を縦糸に、父と息子、祖父と孫娘の絆を温かな筆 致で描いた、心に染みる物語。 ◎老人と子どもの絆の話は、やっぱり好きだなあ。(麦わら) ◎家族愛の物語でありながら、冒険小説のような展開。とても面白かったです。 (ゆま) ◎船でフランスへ向かうシーンはみんなと一緒に航海しているような臨場感を味わい ました。わたしって、おじいちゃんものに弱いかも。(SUGO) ◎わたしの思ってるモーパーゴおじさんはこういう作者でした。もっとでろでろ、モ ーパーゴ。(NON) ◆5位 『ローワンと伝説の水晶』エミリー・ロッダ作 さくまゆみこ訳                                 あすなろ書房  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  3つの氏族が反目する海辺の国マリス。その国の使者から、ローワンは自分の家系 が受け継いできた驚くべき役目を知らされる。重責を背負ってマリスに向かったロー ワンだが、そこでは恐ろしい出来事が待ちうけていた……。臆病なごく普通の少年ロ ーワンが、村のため、家族のために難局に立ち向かっていく姿を描いた冒険ファンタ ジー。シリーズ第3作。 ◎巻が進むにつれ、ストーリーに深みが増しているように思う。すがすがしい読後感 がいい。(ワラビ) ◎今年はファンタジー作品を数多く読みましたが、その中でもっとも好きなシリーズ。 (anya) ◎ローワンの成長ぶりが頼もしい。 シリーズの中で一番気に入っています。(タイ) ◎娘も大好きなローワンシリーズ、遂に全巻買うことに。(Blue Jay) ◆ 6位以下の作品:6位『家なき鳥』、7位『ふたりのアーサー1 予言の石』 『トニーノの歌う魔法』(2作同点)、9位『ジェイミーが消えた庭』、10位『モス フラワーの森』『ハリー・ポッターと炎のゴブレット』『天国までもう一歩』『心や さしく』(4作同点)      ★☆★☆【2002年 第5回やまねこ賞 絵本部門】☆★☆★ ★大賞 『コッケモーモー!』ジュリエット・ダラス=コンテ文              アリソン・バートレット絵 たなかあきこ訳 徳間書店  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ある朝、目を覚ましたおんどりくんが鳴こうとして、出てきたことばは「コッケモ ーモー」。鳴き声を忘れてしまったおんどりは……。鮮やかな絵と楽しい物語はおは なし会で大好評。 (本誌2001年12月号情報編「新人応援!」の訳者インタビュー記事をご参照ください) ◎バートレットの絵にこのおはなし。元気が出る組み合わせです。(NON) ◎動物たちのかけあいがすっごく楽しい。鮮やかな色使いもいいですね。(MOMO) ◎読後もお話の世界が広がる楽しい絵本。(SUGO) ◎これは親子で大好きになった絵本。絵もお話も楽しく、「これぞ絵本」。 (Chicoco) ◎何度見てもやっぱり「うわあ」って、楽しくなっちゃいますね。(えみりい) ☆~~~~~~~~~~~~~~【受賞のことば】 翻訳家 田中亜希子さん ~~~~~~~~~~~~~~~~~☆ |                                    | | すばらしい絵本に巡りあえた幸運に、ただただ感謝!です。それにしても、や| |まねこ翻訳クラブ誕生5周年の年に、会員のわたしがここにいるなんて、すごい| |ことではないでしょうか(と僭越ながら思いました)。今、自分がたくさんの | |方々にいろんな意味で助けていただいていることを実感しています。その方々の| |中にはもちろん、大切なやまねこの仲間たちがいます! みなさん、本当にあり| |がとうございました。                          | ☆                                    ☆  ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ ◆2位 『とどまることなく――奴隷解放につくした黒人女性ソジャーナ・トゥルース――』  アン・ロックウェル作 グレゴリー・クリスティー絵 もりうちすみこ訳 国土社  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  奴隷として生まれたひとりの女性が、解放されたことをきっかけに、学び、自らの 奴隷生活を語り始める。彼女の言葉は人びとのこころをとらえ、奴隷廃止へとつなが っていく。力強い文章と絵で19世紀のアメリカを生きた黒人女性の半生を描いた物語。 (本誌2002年7月号情報編「注目の本」のレビューをご参照ください) ◎ものすごい迫力。胸をわしづかみにされた気分。(MOMO) ◎使命感をもったソジャーナの強い生き方に圧倒された。斬新な色使いと構図の絵も 胸に迫ってくる。(ちゃぴ) ◎意志がみなぎった力強い絵がいつまでも印象に残ります。(さかな) ◎文だけでなく、絵からもソジャーナの強い意志が伝わってきました。これ以上、迫 力ある物語はないんじゃないかと思うくらい力強く描かれた作品。(yoshiyu) ◆3位 『あたまにつまった石ころが』キャロル・オーティス・ハースト文           ジェイムズ・スティーブンソン絵 千葉茂樹訳 光村教育図書  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  石を集めるのが好きだった少年は、大人になっても、大恐慌で仕事を失ってもその 情熱を燃やしつづけた。2001年度ボストングローブ・ホーンブック賞ノンフィクショ ン部門オナー(次点)作品。 (本誌2002年9月号書評編「注目の本」のレビューをご参照ください) ◎大人の自分がゆさぶられた作品。これから大人になっていく人にとっても、人生の どこかで、心の支えとなるかもしれない本。(河まこ) ◎しみじみと心に残る本。今からもうこんな生き方はできない……と思うと残念だけ ど、いやもしかしたら……と思いをつのらせる。(りり) ◎しみじみ味わう大人の絵本。絵がまたいい。じんわりとよさがつたわってくる。 (NON) ◎父親の生き方を1冊の絵本にできるなんて、作者がうらやましい。(ワラビ) ◆4位 『ありがとう、フォルカーせんせい』パトリシア・ポラッコ作                            香咲弥須子訳 岩崎書店  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  トリシャは本が大好きなのに、なかなか読めるようにならない。みんなにからかわ れ学校に行くのもつらくなった5年生のとき、新しい担任のフォルカー先生は、絵の 才能を認めてほめてくれた。 ◎ポラッコの自伝的作品。子どもにとってどんなに先生が大切なものかを痛感しまし た。(SUGO) ◎「認めてもらえる」ということがどんなに大事なことか、改めて考えさせられまし た。(みーこ) ◎パトリシア・ポラッコの絵本が好きでしたが、これを読んで、もっと好きになりま した。トリシャの悲しみの表情を見ると、たまらなく、せつなくなります。 (Chicoco) ◆5位 『ぼく、もうなかないよ』サイモン・パトック文              アリソン・バートレット絵 ないとうふみこ訳 徳間書店  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  かばのおばあさんから、毎日楽しいお話を聞かせてもらい、さるは幸せだった。あ る日、死期を悟ったかばは、別れをつげてジャングルの奥へと消えていく。残された さるは毎日泣いてしまい……。 (本誌2002年4月号書評編「注目の本」のレビューをご参照ください) ◎難しいと思えるテーマを優しく包むような物語とイラストでした。私自身の思い出 とも重なるところがあり、じんと来ました。(ゆま) ◎カメレオンのさりげないやさしさが、胸にじんときました。(なおみ) ◎だれもが必ず直面する「最期の別れ」がテーマ。でも決して重苦しくなく、優しい お話に仕上がっています。なんだか、この頃こういうテーマに弱くて。(タイ) ◎さるの泣き顔が、心に残りました。やっぱり、バートレットの絵はいいなあ。 (yoshiyu) ◆6位以下の作品:6位『ぜったいたべないからね』、7位『人生の最初の思い出』、 8位『ナイトシミー 元気になる魔法』、9位『あたし クラリス・ビーン』『ハエ をのみこんだおばあさん』(2作同点)      ★☆★☆【2002年 第5回やまねこ賞 未訳部門】☆★☆★ ★大賞 "Mean Margaret" by Tor Seidler, Pictures by Jon Agee                             (1997年 アメリカ)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  社会風刺童話を得意とするサイドラーが、今までで最も楽しんで書いたという作品。 エイジーの表情豊かな絵がさらに華をそえる。 ◎かわいらしいお話なのに深い。キャラクターの描写が秀逸。(くるり) ◎勉強会で読んで、より深くあじわえました。(蒼子) ◎シノプシス勉強会で熟読できました。作品の深さにびっくり。(ちゃぴ) ◎かわいらしいお話の中に、深い人生哲学が詰まっている!?(どんぐり) ◆2位 "Duck on a Bike" by David Shannon                             (2002年 アメリカ)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  やまねこ会員たちがこよなく愛するシャノン。"No, David!"(『だめよ、デイビッ ド!』/小川仁央訳/評論社)は第2回やまねこ賞の未訳部門でも2位となった。今 回の新作絵本は、いたずら坊主デイビッドの代わりに、元気でめげないアヒルと1台 の真っ赤な自転車が主人公。現在、コールデコット賞の有力候補とも噂されている。 ◎眺めるたびに新しい発見があって楽しい絵本。オチも、ふふふ……。(どんぐり) ◎これも勉強会で教えていただいて、よりいっそう楽しめた。(蒼子) ◎こちらは、全訳勉強会で楽しかった。(ちゃぴ) ◎元気なアヒルと、毎日50通も届いた勉強会メールが思い出されます。(河まこ) ◆3位 "Time Stops for No Mouse: A Hermux Tantamoq Adventure"                    by Michael Hoeye (1996年 アメリカ)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  Detectives come in all shapes and sizes.そしてこの作品の名探偵は題名に察す る通りの姿。M・シャープ作、「ミス・ビアンカ」シリーズのバーナードとどことな く似た親しみやすい性格。続編も期待できそう。 ◎ちょっとオーバーリアクションで、大胆でとぼけたキャラのねずみのヘルムクス・ タンタモクがかわいらしく、とても楽しめました。(ゆずみ) ◎すこぉし中だるみするところもあったけれど、なんともいえない独特の世界を作り あげていて、とても楽しめました。キャラも立ってるし。続編も読みたいと思ってい るのですが、積ん読本だらけで果たせず。(BUN) ◎ネズミが主人公の冒険ものです。とっても楽しめました。(コアラン) ◆4位 "True Believer" by Virginia Euwer Wolff              (2001年 アメリカ: プリンツ賞次点、全米図書賞)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  昨年の4位に引き続き、今年も入賞。ラヴォーンのはじめての恋、愛そして成長は なんど読んでもいい。 ◎『レモネードを作ろう』(こだまともこ訳/徳間書店)の続編。思春期の女の子の せつない思いが、見事に描かれています。(yoshiyu) ◎ひたすら胸に迫ってきた1冊。(anya) ◆5位 "Amazing Maurice and his Educated Rodents" by Terry Pratchett                     (2001年 イギリス: カーネギー賞)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ 世界中に熱烈なファンをもつディスクワールド・シリーズの初めての児童向け作品。 (本誌2002年6月号書評編『カーネギー賞・グリーナウェイ賞候補作』のレビューを ご参照ください) ◎プラチェットのディスクワールドにはまるきっかけとなった作品です。ユーモアと wisdom のバランスが絶妙。(小湖) ◎とてもとても面白くて好みの作品だけど、まさかカーネギーをとるとは思わなくっ て、発表のときにはびっくり。まるでわがことのように鼻が高くなった。(りり) ◆5位 "Carver: A Life in Poems" by Marilyn Nelson (2001年 アメリカ: ボストングローブ・ホーンブック賞、ニューベリー賞次点)  ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  貧しい黒人農民の救済のために一生をささげたジョージ・ワシントン・カーバー。 アフリカ系アメリカ人版宮澤賢治といえよう(文学者ではなかったが)。そのカーバ ーの人柄と生涯を、詩人である作者が詩集の形でつづる。 (本誌2002年4月号書評編『注目の本』のレビューをご参照ください) ◎詩の本。音がとても美しい。添えられた写真もとてもいいです。(Gelsomina) ◎美しい詩で声に出すのがうれしかったです。(さかな) ◆7位以下の作品: 7位 "Antonio S and the Mystery of Theodore Guzman" by Odo Hirsch 8位 "Baloney (Henry P.)" by Jon Scieszka, pictures by Lane Smith 9位 "Love that Dog" by Sharon Creech      ★☆★☆【番外編 第5回やまねこ賞 オールタイム部門】☆★☆★  出版年を問わず、過去1年間にやまねこ翻訳クラブ会員が読んだ児童書の中から、 ベスト6を選出しました。さて、本年度の傾向は―― 1位『指輪物語』       J・R・R・トールキン作 瀬田貞二/田中明子訳 寺島龍一挿絵      評論社 1972〜75 2位『ホビットの冒険』       J・R・R・トールキン作 瀬田貞二訳 岩波書店 1965 3位『預言の子ラノッホ』      デイヴィッド・クレメント・デイヴィーズ作 多賀京子訳      徳間書店 2001 4位『緋色の皇女アンナ』      トレーシー・バレット作 山内智恵子訳 徳間書店 2001   『青い丘のメイゾン』      ジャクリーン・ウッドソン作 さくまゆみこ訳 ポプラ社 2001   『ディア ノーバディ』      バーリー・ドハティ作 中川千尋訳 新潮社 1994  当クラブ「ファンタジー作品読破マラソン」企画や映画公開の影響が大きかったよ うだ。1、2位はトールキンの名作、「今年は映画化や復刊を機に前から好きな本を じっくりと読んで、結局トールキンとクーパー(「闇の戦い」シリーズ)の年となり ました」(Blue Jay)、「こんな終わり方だったんですね。最後はしみじみしました」 (えみりい)と新旧のファン。3位には昨年10月末発行のため1日違いで読み物部門 の対象からはずれた『預言の子ラノッホ』が入った。「この厚さを夢中で読みました。 完璧な世界観に圧倒されます」(くるり)などの熱いコメントが寄せられた。  4位3作品のうち、『緋色の皇女アンナ』は昨年やまねこ賞第2位。「重厚な歴史 物でしたが内容はスリルがあり面白かったです」(ゆま) 『青い丘のメイゾン』、 『ディア ノーバディ』はともにティーンの心の問題を扱った作品。後者は、一昨年 も同部門入賞と根強い人気がある(当クラブ1998年6月のおすすめの本)。  復刊、新訳にからむコメントも目立った。「子どもとして生きることのせつなさが、 ひじょうに繊細な文章で語られています」(Gelsomina)と評された『夜のパパ』 (マリア・グリーペ/偕成社/1980)は現在品切中、復刊を望む声が高い。『魔女と 暮らせば』(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ/徳間書店/2001)と『魔女集会通り26 番地』(偕成社/1985)は同じ原書から訳された本で、それぞれに票が投じられた。 得点を合計すれば上位入賞だが、訳の違いを重んじて別作品として扱った。 【参考】 やまねこ翻訳クラブおすすめの本 レビュー集 http://www.yamaneko.org/dokusho/shohyo/osusume/index.htm                 (蒲池由佳/竹内みどり/池上小湖/河原まこ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●賞情報1●2002年 全米図書賞発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  11月20日、全米図書賞が発表された。この賞は、1950年に全米出版協会により創設 され、米国在住の作家が米国で出版した作品が対象となる。当初は詩、フィクション、 ノンフィクションの3部門であったが、1969年に児童書部門が加えられた。本誌では 児童書部門のみ取り上げた。受賞者は以下の通り。 The National Book Award ★児童書部門(Young People's Literature) "The House of the Scorpion" by Nancy Farmer (A Richard Jackson Book/Atheneum Books for Young Readers)  栄光に輝いたのは、過去2回ニューベリー賞のオナーブックに選ばれた経験のある ナンシー・ファーマーだった。受賞作品はアメリカとメキシコの間につくられた大麻 王国が舞台となっている。クローン人間という難しいテーマを描いた近未来小説。                                 (西薗房枝) 【参考】 ◇この賞を主催する The National Book Foundation の発表記事 http://www.nationalbook.org/ ◆Nancy Farmer 作品リスト(やまねこ翻訳クラブ データベース) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/f/nfarmer.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●賞情報2●2002年 スマーティーズ賞発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  12月5日、英国で最大規模の児童文学賞、第18回スマーティーズ賞の結果が発表さ れた。この賞は英国に住む11歳以下の子ども達の中から選ばれた、約6千人の審査員 が、大人の審査員があらかじめ選出したリストをもとに投票で決定する。対象年齢別 の、各部門の受賞者は下記の通り。 The Nestle(´) Smarties Book Prize 2002              ※アクサン・テギュ(´)は、直前の文字の上につく。 ★Gold Award 5 and under  "Jazzy in the Jungle" by Lucy Cousins (Walker Books) 6-8      "That Pesky Rat" by Lauren Child (Orchard Books) 9-11     "Mortal Engine" by Philip Reeve (Scholastic) ◆Silver Award 5 and under  "Pizza Kittens" by Charlotte Voake (Walker Books) 6-8      "Pirate Diary- The Journal of Jake Carpenter" by Richard Platt,        illustrated by Chris Riddell (Walker) 9-11     "Cold Tom" by Sally Prue (Oxford University Press) ◆Bronze Award 5 and under  "Oscar and Arabella" by Neal Layton (Hodder) 6-8      "The Last Wolf" by Michael Morpurgo, illustrated by Michael        Foreman (Doubleday) 9-11     "Stop the Train" by Geraldine McCaughrean (Oxford University        Press) ◆Kids' Clubs Network Special Award "That Pesky Rat" by Lauren Child (Orchard)  金賞を受賞した作家のうち、ルーシー・カズンズは、「メイシーちゃんのしかけ絵 本」でお馴染み。受賞作 "Jazzy in the Jungle" は、すでに『ベイビー・ジャジー のかくれんぼジャングル』(なぎともこ訳/偕成社)として出版されている。ローレ ン・チャイルドは、今年も昨年同様、キッズ・ネットワーク特別賞も併せて受賞した。 人気の高さが伺われる。なおチャイルドについては、本誌増刊号第3号で特集し、受 賞作のレビューも掲載しているので、ぜひご一読いただきたい。フィリップ・リーブ は、銀賞を受賞したサリー・プルーと本年のブランフォード・ボウズ賞を争った。そ の時栄冠を射止めたのはプルーであったが、本賞では逆転する結果となった。受賞作 はリーブの初作品で、今後の活躍が期待される。  銀賞を受賞のシャーロット・ヴォークは、1997年にグリーナウェイ賞の最終候補に 挙がった。そのときの作品は、『ねこのジンジャー』(小島希里訳/偕成社)として 出版されている。"Pirate Diary" は、今年のグリーナウェイ賞を受賞した作品(本 誌7月号にレビュー)。また、同じプラットとリデルの作品 "Castle Diary" は、 1999年、カート・マシュラー賞の候補となっている。  銅賞のニール・レイトンは、派手な色使いで楽しい絵柄だが、邦訳はまだ『宇宙人 のしゃしん』(まつかわまゆみ訳/評論社)のみ。今後、他の作品も邦訳が出版され ることを期待する。マイケル・モーパーゴは、ウィットブレッド賞など数多く受賞し ている作家である。今年も "Out of the Ashes" でチルドレンズ・ブック賞を受賞し た。今年9月には、2000年のチルドレンズ・ブック賞に輝いた作品『ケンスケの王国』 (佐藤未果夢訳/評論社)が出版されている。ジェラルディン・マコーリアンの受賞 作品は、今年のカーネギー賞の最終候補作となったもの(本誌6月号にレビュー)。                                 (西薗房枝) 【参考】 ◇この賞を主催するブックトラストの発表記事 http://www.booktrusted.com/nestle/win2002.html ◆"That Pesky Rat" のレビュー(本誌増刊号 NO.3 ローレン・チャイルド特集) http://www.yamaneko.org/mgzn/plus/html/z03/#rat ◇"Pirate Diary- The Journal of Jake Carpenter" のレビュー (本誌2002年7月号書評編) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2002/07b.htm#pirate ◆"Stop the Train" のレビュー(本誌2002年6月号書評編) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2002/06b.htm#stopthe ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●Chicoco の親ばか絵本日誌●第20回「楽しみクリスマス」     よしいちよこ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 「クリスマス・ツリーだして!」今年はしゅんにいわれてからツリーを出しました。 しゅんは毎日、どこかで聞き覚えたクリスマス・ソングを歌い(ただし、でたらめな 歌詞です)、4度めのクリスマスをとても楽しみにしています。「いい子にしていま すから、仮面ライダーのおもちゃをください」と、サンタクロースに手紙を書きまし た(ただし、ミミズのような文字です)。 『サンタクロースのいそがしい日』(ジュリー・サイクス文/ティム・ワーンズ絵/ うぶかたよりこ訳/文溪堂)は、サンタが準備をするところから始まり、プレゼント を配って北極に帰ってくるまでの忙しい1日を描いた楽しいしかけ絵本です。どのペ ージにも子どもの指で開くのにぴったりな扉がたくさん隠れています。しゅんは、つ ぎつぎパタパタとめくって大喜びです。わたしが先にめくると、「ぼくがしたかった のに!」と半べそ。しゅんは小さなものが大好きで、とくにねずみがお気に入りです。 長靴のなかのねずみを見つけると、目を細めて「ねずみちゃん、かわいい〜」と声が 高くなります。本を読んだあと、ねずみちゃんごっこをしようといいだしました。し ゅんがねずみで、わたしは絵本に出てきた車のおもちゃの役。「ねずみくん、ドライ ブしようよ」という台詞を何度も何度もいわされました。 『急行「北極号」』(クリス・ヴァン・オールズバーグ作/村上春樹訳/河出書房新 社)をいっしょに読みました。〈僕〉は、家の前にとまった汽車に乗って、街をこえ、 森をぬけ、山をのぼり、北極点に行き、これから世界中の子どもたちにプレゼントを 配りに行くサンタに会います。今年のプレゼント第一号をもらうのは、汽車に乗った 子どものなかの誰かです。しゅんは、自分も汽車に乗ってきたような気分になってい て、「ぼく! ぼくが一番!」と叫びます。サンタが〈僕〉を選び、「君はクリスマ スに何がほしいかね?」とたずねると、しゅんは「ぼくやったらな、仮面ライダーの おもちゃ」と鼻をふくらませていいます。〈僕〉の望むプレゼントがサンタの袋のな かにないというところで、「えー、どうしてないの?」。自分のほしいプレゼントも はいってなかったらどうしようと思っているのでしょう。しゅんは本を閉じるといつ も、目に見えない鈴をふり、「おかあさん、きこえる?」とききます。わたしが「聞 こえない」とこたえると、しゅんは得意げな顔で「ぼくはきこえる!」といい、また、 わたしには見えない鈴をふります。いつまでも鈴の音が聞こえるといいね、しゅん。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●お詫び●11月号で、以下の誤りがありました。お詫びして訂正いたします。 ◆賞情報 「2002年 カナダ総督文学賞発表」の記事中、"Parvana's Journey" by Deborah Ellis の邦訳を『生きのびるために』(デボラ・エリス作/もりうちすみこ 訳/さ・え・ら書房)としましたが、"Parvana's Journey" は『生きのびるために』 (原題 "The Breadwinner")の続編でした。こちらの邦訳も、同じくさ・え・ら書房 から来春刊行予定です。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●お知らせ●  本誌でご紹介した本を、各種のインターネット書店で簡単に参照していただけます。 (今号掲載の本の情報は、12月15日から反映される予定です。)こちらの「やまねこ オンライン書店街」よりお入りください。 http://www.yamaneko.org/mgzn/shop/index.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▽▲▽▲▽  海外児童書のシノプシス作成・書評執筆を承ります  ▽▲▽▲▽ やまねこ翻訳クラブ(info@yamaneko.org)までお気軽にご相談ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━    ☆★姉妹誌「月刊児童文学翻訳あるふぁ」(購読料/月100円)☆★ 洋書ビギナーにおすすめの、楽しく読める未訳書ガイド。クイズに答えてポイントを ためると、プレゼントももらえます。詳細&購読申し込みはこちらから(↓)。                      http://www.yamaneko.org/mgzn/alfa/ (第15号は2月5日発行。申し込み手続きは前日までにおすませください。) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●編集後記●今月号で書評編の編集人が交替することになり、わたしが編集後記を書 くのはこれで最後です。書評編の発行開始以来3年半もの間、ご支援くださった読者 の皆様に心から感謝いたします。今後も新しく発展し続ける「月刊児童文学翻訳」の ご愛読をよろしくお願いします。いつも支えてくれたスタッフの皆にも感謝!(き) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発 行 やまねこ翻訳クラブ        発行人 吉村有加(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編集人 菊池由美(やまねこ翻訳クラブ スタッフ) 企 画 蒼子 河まこ キャトル きら くるり こべに さかな 小湖     Gelsomina sky SUGO Chicoco ちゃぴ つー 月彦 どんぐり     なおみ NON ぱんち みーこ みるか 麦わら MOMO YUU ゆま      yoshiyu りり ワラビ わんちゅく 協 力 出版翻訳ネットワーク 管理人 小野仙内 ながさわくにお ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・このメールマガジンは、「まぐまぐ」( http://www.mag2.com/ )を利用して配信 しています。購読のお申し込み、解除もこちらからどうぞ。 ・バックナンバーは、http://www.yamaneko.org/mgzn/でご覧いただけます。 ・ご意見・ご感想はmgzn@yamaneko.orgまでお気軽にお寄せください。 ●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●●● ●無断転載を禁じます。