※こちらは「情報編」です。「書評編」もお見逃しなく!! ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ 2003年6月号(情報編)    =====☆                    ☆=====   =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====    =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====                                  No.51 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌■ ■http://www.yamaneko.org                         ■ ■編集部:mgzn@yamaneko.org     2003年6月15日発行 配信数 2620 無料■ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●2003年6月号(情報編)もくじ● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎特別企画:教文館「子どもの本新刊コーナー」に訊く ◎展示会情報:  絵本の樹美術館「武田美穂絵本原画展」と「いとうひろし絵本原画展」 ◎セミナー・講演会情報:  大阪府立国際児童文学館プラサンサさんを囲む会「スリランカの子どもの本」 ◎お菓子の旅:第23回 ドイツのパン屋さんの看板 〜プレーツェル〜 ◎読者の広場:海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●特別企画●教文館「子どもの本新刊コーナー」に訊く ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  児童書専門店に足を運んだことはあるだろうか。児童書を中心に、店によっては、 その関連書物やグッズまでそろっている。児童書を好きな人にはもちろん、翻訳学習 者にとってはうれしい店だ。本のラインナップが店によってかなり違う点も魅力のひ とつ。それぞれの店の特徴を知り、お気に入りの店を見つければ、一般書店やウェブ 書店、図書館と同様に、本の検索に購入に大いに活用できる。  今回は、開店して1年半になる児童書専門店「子どもの本の新刊コーナー」の方に お話をうかがった。  このお店は、東京・銀座で本の出版、販売などを手がける会社「教文館」の自社ビ ル内6階にある。ここには、8階に「ナルニア国(子どもの本のみせ)」があるが、 こちらはロングセラー中心に本が揃えられている。対して、「子どもの本新刊コーナ ー」は、新刊に特化した品揃えの児童書専門店だ。  2001年12月26日、プレオープンし、翌年1月15日に正式開店。半年後の6月には、 リニューアルオープンし、売り場面積は以前の3倍になった。この書店の開設には、 東京子ども図書館が少なからず関わっている。同図書館は、新刊の本選びをする書店 探しで難航していた。折りよく、その話が教文館中村義治社長の耳に入り、実現のは こびとなったのだ。「子どもの本新刊コーナー」には過去1年のあいだに刊行された 児童書が、すべて展示されている。椅子もおかれ、ゆっくり選書ができ、もちろんそ の場で購入することもできる。子どもの本に詳しいスタッフがいて、相談にも応じて くれる。「本を売る」ためだけに開設されたのではない。開設に関わったいろいろな 方々の“日本の子どもの本の状況全体がよりよくなってほしい”という願いを、中村 社長が受け止めて誕生した店なのだ。  このお店に、選書に強い力を発揮する方がいらっしゃる。その土屋智子さんと菅原 幸子さんのお2人に、書店の仕事、児童書新刊について聞かせていただいた。 Q★開店から関わられていますが、以前も児童書に関わるお仕事をされてきたのです か? A☆土屋:はい。学生時代に『児童図書館への道』(ロング著/日本図書館協会)と 出会い、児童図書館員をめざし、その職に就くことができました。結婚などで、いろ いろ中断はありましたが、公立図書館にいくつか勤め、一貫して子どもと本をつなぐ 仕事をしてきました。 A☆菅原:はい。まず7年ほど横浜市郊外の児童書専門店で、仕入れや通信の発行な どいろいろな仕事を担当しました。その後、私立中学校の図書室を2校、経験しまし た。どちらも中高一貫だったので、中・高生と直に接することができたことが何より です。 Q★1日の仕事の流れを教えていただけますか。 A☆日曜、月曜以外の日単位の仕事としては、朝、取次(本の問屋)から届いている 補充本(前日売れた本)の一部を、チェックして棚に並べます。午後2時前後に、ま とまった荷物が取次から届き、補充本は棚へ、新刊本は順次データ入力を行います。 週単位では、いわゆる一般書で学校図書館で使えそうな本を探す、取次が見落としそ うな本を拾うなどの新刊チェック作業、メールマガジンの作成、取次の担当者との打 ち合わせなどです。月単位の仕事がいちばん大変かもしれません。「ブックトークの 会」などの恒例イベントや展示フェアの企画、それに伴う本の注文やチラシ類の作成、 印刷。そして講座「本づくりの舞台裏」も含めて、それらイベントの実施です。やは りお客様に大勢来ていただく企画はとても気を使います。  これ以外に、常連のお客様である学校図書館の方たちのリファレンスを求めるご質 問、「○○の本が必要なのだが」といったものは、対応するための時間を充分とるよ うにしています。  また、おかげさまで各社の営業や編集の方にも多く来ていただいております。新刊 のことや情報交換など、お話をうかがっていると、あっというまに時間がたってしま いますね。 Q★本の入荷はどのくらいあるのですか? それらの本にどのくらい目を通されてい るのでしょう? A☆昨年1年間でデータをとった数が、4350余冊でした。単純平均ですと月460冊で すが、児童書の出版は学校の年度や休み、課題図書に連動しており、3〜4月、7月、 12月は他の1.5倍くらいになります。絵本は入力時に全部、フィクションはメールマ ガジンに入りそうだなと思われるものは、土屋か菅原のどちらかは必ず読みます。シ ートンなど何度も出ているものや、怪談シリーズのようなものを除くと、目を通すの は8割くらいでしょうか。全体からだと6〜7割くらいです。  ノンフィクション(絵本・フィクション・詩以外)は、資料的なものは目を通すだ けですが、岩波ジュニア新書など、ストーリーがあり、メールマガジンに載せそうな 本は読みます。 Q★膨大な読書量になりますね! ところで、ご利用されるお客様はどんな方が多い ですか? A☆学校関係(司書・読み聞かせボランティアの方・先生)、公共図書館員、文庫関 係、保育関係、出版関係の順でしょうか。どの曜日でも、子どもと本に関わるお仕事 をされている方のご来店が目立ちますね。 Q★2002年8月からブックトークの会をはじめられましたが、きっかけはありますか? A☆「ナルニア国」には、おはなし会(月2回参加自由)という定期的な行事があり、 店の特色がよくでているものとなっています。そこで、「子どもの本新刊コーナー」 でも、何か特色を出せる定期的な行事をということで、ブックトークの会をはじめま した。これは、学校で行われている読み聞かせや、朝の読書運動などにも対応してい ます。 Q★現在、メールマガジンを毎週発行されていますが、どのような経緯ではじめられ たのですか? 大変なこと、読者の反応などもお聞かせください。 A☆日本国際児童図書評議会(JBBY)の会長、島多代さんが「子どもの本新刊コ ーナー」を見に来られた時にも、まずその質問を受けました。当初から、新刊コーナ ーの豊富な情報を偏在させてはいけない、できるだけ日本各地に届けたい、届けなけ れば、という思いはありました。入荷した本の全データはホームページで表紙画像付 で見ていただけますが、やはり、少しでも体温を感じられる届け方にしたかったので す。また、多すぎる本の交通整理という意味も込めて、2002年9月より発行しており ます。  大変なのは、なにしろ本が多いことです。常に新刊を読めるのはありがたいですが、 あまりにも出る本が多すぎます。     メールでの反応は少ないです。相当の反応をいただくのは、催し物や、プレゼント 企画を掲載した時ですね。それ以外はポツポツです。ご批判も含めて、もっといただ けると嬉しいのですが。ただ、来店時に「いつも読んでいます」、「役立っています」 などのお話は、特に最近ちょくちょくいただき励みになっています。 Q★フェアは、新刊に限定せず企画されていますね。今まで、そして今後はどのよう なものを考えていらっしゃいますか? A☆フェアの企画は、半分はブックトークに関連させて、半分は新刊で気になった本、 気になる流れを核に進めています。今までで、ご好評いただいたものには「恐竜のす べて」、「金魚・水の生きもの」、「東京を調べる」、「和の色・色のこころ」など があります。  現在は、「荻原規子の世界」、村上春樹訳の『キャッチャー・イン・ザ・ライ』 (白水社)関連の書籍展示フェアを行っています。予定しているものには、「“コワ イ”がいっぱい」(6月のブックトーク)、「イランなど中東関係」、「詩の本」、 「話のポイントに特定の植物が登場する本」などです。ただ、予定していても、担当 者の気持ちで変化する傾向が大いにあります(笑)。 Q★今年1月より開催されている連続講座「本づくりの舞台裏」は好評で、すぐ席が うまるようですが、印象に残ったお話はどんなものがありますか? A☆1月がアリス館の後路好章氏、2月は福音館書店の田中秀治氏、3月は童話屋の 田中和雄氏、4月は福音館書店の大和茂夫氏、5月は岩崎書店の飯野寿雄氏を、講師 にお招きしました。分野は、赤ちゃん絵本、科学絵本ときております。  お話をうかがっていて、当たり前のことですが1冊ごとにたくさんの思いを込めて 作っておられるし、自分の作られた本に強い愛情を持っておられることに、気づかさ れました。皆さん、我が子のように思っていらっしゃるのですね。 Q★児童書はロングセラーが多いですが、おっしゃるように、新刊も非常にたくさん 出ています。さまざまな種類の児童書が入荷され、日々接していて思うことはどんな ことでしょう? A☆「多すぎる!」それだけです(笑)。これでは、どんなにいい本も埋もれてしま い、日々印象が薄れてしまうのです。それは、二番煎じ、三番煎じの本が多いという こともあると思います。このことは、1年以上毎日新刊を見続けたものとしてよく感 じることですね。例えば、昨今のブックスタート(*)に伴う「赤ちゃん向け」と称 する絵本や、英語を小学校に導入という指導要領を受けての、英単語絵本とか英文併 記の絵本などがそうです。  また、ハリー・ポッターブームに乗ってのファンタジーもすごい数が出版されてい ます。この分野は、本の質、翻訳者の選定に首を傾げることも多く、それでいて、こ の分野に限りませんが、これはという本が絶版・品切れであるのは、ご存知の通りで す。  短い子ども時代に、本とよりよい出会いをしてもらいたい。そのためにも、各社の 方々に、“子どものため”の出版を今後期待していきたいです。 (*) 地域の保健センターで行われる0歳児健診の機会に、すべての赤ちゃんと保 護者にメッセージを伝えながら絵本を手渡す運動 Q★たくさんの質問にお答えくださってありがとうございました。最後に、児童書の 翻訳学習者に期待することをお聞かせいただけますか。 A☆多くの翻訳書に目を通すことで、日本語としての美しさ、読みやすさをより求め るようになりました。書店として、また読み手として期待するのは、ひっかからずに 読める日本語の本です。実際に子どもと多くふれている人、自分の中にある子どもを 持ち続けている人ほど、子どもの本に対する言葉の感性がするどくなっているように 思えます。子どもの気持ちと翻訳者の言葉が近いほど、訳語に血が通い、素直な文章 になるのではないでしょうか。         〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜          「子どもの本新刊コーナー」を含めて、自分のお気に入りの児童書専門店を見つけて みてはいかがだろうか。実際に本を手にとりながら、児童書のプロである店の人と話 せるのは、得がたい機会になるにちがいない。 +――――――――――――――――――――――――――――――――――――+ | 教文館         住所 〒104-0061               | | 子どもの本新刊コーナー     東京都中央区銀座4-5-1       | |             電話 03-3563-0737 FAX 03-3561-8458     | |             ホームページ http://www.kyobunkwan.co.jp/   | +――――――――――――――――――――――――――――――――――――+                            (取材・文/林さかな) ▼新刊コーナーのメールマガジン購読希望の方は「新刊コーナーメルマガ希望」とお 書きの上、ご氏名とともに 下記メールアドレスまで。 shinkan@kyobunkwan.co.jp ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●展示会情報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎絵本の樹美術館「武田美穂絵本原画展」と「いとうひろし絵本原画展」  所在地:山梨県北巨摩郡大泉村西井出字石堂8240-4579  電 話:0551-38-0918  会 期:平成15年7月13日(日)まで  休館日:水曜日、木曜日  入館料:一般700円 3歳以上中学生以下300円      10名以上の団体は1人50円引き  内 容:武田美穂の代表作『ありんこぐんだん わはははははは』や『となりのせ      きのますだくん』の原画、いとうひろしの『だいじょうぶ だいじょうぶ』      の原画を紹介する。  参 考:http://www.cam.hi-ho.ne.jp/g-mama/ ◎広島市立安佐動物公園科学館「アンソニー・ブラウン絵本原画の世界」  所在地:広島県広島市安佐北区安佐町動物園  電 話:082-838-1111  会 期:平成15年7月13日(日)まで  休園日:木曜日  入園料:一般440円 高校生・中学生・小学生150円      学校教育活動の児童生徒、健康手帳(65歳以上)・身体障害者手帳などを      お持ちの方は割引。      土曜日は高校生・中学生・小学生無料。  内 容:『ボールのまじゅつしウィリー』(久山太市訳/評論社)でおなじみのイ      ギリスの絵本作家アンソニー・ブラウンの原画を展示。  参 考:http://www.asazoo.jp/ ◎柏崎市立図書館ソフィアセンター「国際アンデルセン賞受賞作家展」  所在地:新潟県柏崎市学校町2-47  電 話:0257-22-2928  会 期:平成15年7月4日(金)から7月27日(日)まで  休館日:7月20日(日)  入館料:一般500円 高校生300円 中学生以下は無料  内 容:国際アンデルセン賞を受賞した作家・画家全員の作品を見ることができる。  参 考:http://lib.city.kashiwazaki.niigata.jp/ ◎黒姫童話館「ミヒャエル・エンデ特別展―エンデとシュタイナー」  所在地:長野県上水内郡信濃町野尻黒姫高原3807-30  電 話:026-255-2250  会 期:平成15年7月15日(火)まで  休館日:6月30日(月)  入館料:一般600円 3歳以上高校生以下400円      20名以上の団体には割引きあり  内 容:ミヒャエル・エンデと、エンデの思想に大きな影響を与えたルドルフ・シ      ュタイナーとの関わりを紹介。  参 考:http://www.avis.ne.jp/~dowakan/kikakuten/kikakuten.html  上記以外のものも随時「速報(イベント情報)」で更新していますので、どうぞこ ちらもご覧ください。http://www.yamaneko.org/event/index.htm                            (笹山裕子/清水陽子) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●セミナー・講演会情報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎大阪府立国際児童文学館プラサンサさんを囲む会「スリランカの子どもの本」  講 師:プラサンサ・カルコッテゲ        (国際児童文学館客員研究員、スリジャヤワルデネプラ大学助教授)  場 所:大阪府立国際児童文学館セミナー室(大阪府吹田市千里万博公園10-6)  日 時:平成15年6月28日(土) 14:00〜16:00  参加費:300円  申込み:TEL(06-6876-8800)/FAX(06-6876-8686)/E-mail(info@iiclo.or.jp)      または国際児童文学館カウンターへ申込む。  詳 細:http://www.iiclo.or.jp/event/special/kouzakouenkai.htm ◎クレヨンハウス子どもの本の学校「人と出会って 絵本が生まれた」  講 師:西村繁男(児童文学作家)  場 所:クレヨンハウス東京店(東京都港区北青山3-8-15)      劇団ひまわりビル(大阪府吹田市江坂町1-18-2)  日 時:東京平成15年7月19日(土) 大阪7月12日(土) ともに16:00〜17:30  参加費:2500円(会員は無料)  定 員:東京 120名 大阪 120名  問合せ:東京店 TEL(03-3406-6492) 大阪店 TEL(06-6330-8071)  その他:非会員は、当日の朝11時から子どもの本売場にて販売される当日券を購入。      会員のみで定員に達した場合は立ち見になることもあり。  詳 細:http://www.crayonhouse.co.jp/kodomo-kouen.htm ◎板橋区立美術館講座「ひとりひとりの絵本論」  講 師:広松由希子(絵本コーディネーター) 今井良朗(武蔵野美術大学教授)      野坂悦子(翻訳家) 太田大八(絵本作家)      さくまゆみこ(翻訳家・編集者) いとうひろし(絵本作家)  場 所:板橋区立美術館(〒175-0092 東京都板橋区赤塚5-34-27)  日 時:平成15年8月12日(火)〜15日(金) 全4日間11:00〜15:00  参加費:4日間で4800円  定 員:大学生以上で4日間参加できる方 25名  申込み:往復はがきに「ボローニャ・集中講座」申込み、住所、氏名(ふりがな)、      電話番号、年齢、職業、学校名、「絵本のどんなことに興味があるか」      を明記して「ボローニャ・集中講座」係まで申込む。8月5日(火)必着。  詳 細:http://www.city.itabashi.tokyo.jp/art/lecture/lc2003-01.html#08                           (竹内みどり/早川有加) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●お菓子の旅●第23回 ドイツのパン屋さんの看板 〜プレーツェル〜 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  Die Jungen brachten dem kleinen Wassermann jedes Mal etwas mit: Apfel und Birnen zumeist, eine Quarkschnitte oder ein Honigbrot, hie und da eine 〈Salzbrezel〉oder ein Stuckchen Zucker.                              Otfried Preussler            "Der Kleine Wassermann" K. Thienemanns Verlag(1956)                (Apfel の A と Stuckchen の u にウムラウト) *-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-* 『小さい水の精』(オトフリート・プロイスラー作/はたさわゆうこ訳/徳間書店) が今年3月に新しい訳で復刊されました。知りたがりやの小さい水の精は、ある日人 間の男の子たちと仲よくなり、いろいろな食べ物をもらいます。ここにでてくるプレ ーツェル(Salzbrezel)は、塩をかけて焼いたハードタイプのパンのことです。  プレーツェルの起源は、7世紀初頭の南フランスや北イタリアといわれています。 もともとは、キリスト教の復活祭前の準備期間である四旬節に食べるパンでした。15 世紀ごろドイツに伝わり、今ではパン屋の紋章の形としても知られるようになりまし た。8の字とも「め」の字とも似ている独特の形は、子どもが祈る時の手の形である とか、中央の3つの穴には、三位一体の意味があるなど、さまざまないわれがありま す。その形からラテン語の bracchia(腕輪を表す)や、brazula(組んだ手を表す記 号)が時代とともに変化して brezel になったといわれています。  小さい水の精もすっかり気にいったプレーツェル。これからの季節には、塩をきか せた焼きたてが、冷たいビールとよく合います。ぜひお試しください。 *-* プレーツェルの作り方 *-* 材料:(6個分) 強力粉       250g       ぬるま湯        150cc ドライイースト   小さじ2     砂糖          大さじ1 塩         小さじ1/2    サラダ油        大さじ2 ベーキングパウダー 大さじ1と1/2  水           500cc 溶き卵(つやだし用)適宜       粗塩(トッピング用)  適宜 1.強力粉をふるってボールにいれ、中央をくぼませる。そこにドライイースト、砂   糖をいれ、ぬるま湯75ccを少量ずついれる。粉をかけラップをして15分発酵。 2.残りのぬるま湯と塩、サラダ油をいれ、全体をまぜあわせ、なめらかになるまで   こねる。倍の体積まで発酵したら、打ち粉(分量外)をした台で10分ほどこね、   ラップをして30分発酵させる。 3.生地を6等分して、30〜40cmの棒状にのばす。両端をもって交差して1回ねじり、   手前にある輪に両端をつけて、プレーツェル形に成形する。15分発酵させる。 4.アルミ以外の鍋に水とベーキングパウダーを入れて沸騰させ、成形したプレーツ   ェルを30秒湯にくぐらせる。水を切って溶き卵をぬり、好みの量の粗塩をかける。 5.200度に熱したオーブンで15〜20分、濃い焼き色がつくまで焼く。 ★参考文献・ウエブサイト 『百菓辞典』(山本候充編/東京堂出版) 『伝統と新しさ 本場ドイツパン入門』       (グラフェ・ウント・ウンツァー編集/ホートップ真理訳/旭屋出版) "Lenten Pretzels" http://www.geocities.com/joelle109/Lenten_Pretzels.html "How the Brezel came to be" http://www.mstarz.de/brezel.htm                           (竹内みどり/早川有加) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●読者の広場●海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  このコーナーでは、海外児童書にまつわるお話、ご質問、ご意見等を募集していま す。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せください。 ※メールはなるべく400字以内で、ペンネームをつけてお送りください。 ※タイトルには必ず「読者の広場」とお入れください。 ※掲載時には、趣旨を変えない範囲で文章を改変させていただく場合があります。 ※回答も読者のみなさまから募集し、こちらに掲載させていただきます。原則的に編 集部からメールでの回答はいたしませんので、ご了承ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▽▲▽▲▽   海外児童書のシノプシス作成・書評執筆を承ります   ▽▲▽▲▽    やまねこ翻訳クラブ(info@yamaneko.org)までお気軽にご相談ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     ☆★姉妹誌「月刊児童文学翻訳あるふぁ」(購読料/月100円)☆★ 洋書ビギナーにおすすめの、楽しく読める未訳書ガイド。クイズに答えてポイントを ためると、プレゼントももらえます。詳細&購読申し込みはこちらから(↓)。                      http://www.yamaneko.org/mgzn/alfa/ (第20号は7月5日発行。申し込み手続きは前日までにおすませください。) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。  「子どもの本だより」メルマガ版   渋谷の「子どもの本の店」の閉店後、引き続きお店のスタッフだった吉田さん   が、楽しい児童書を毎月数冊ご紹介しています。   購読申込みはhttp://www.litrans.net/maplestreet/kodomo/info/index.htmにて   ★竹村たか子さんの洋書セール開催中です。★   http://www.litrans.net/maplestreet/kodomo/info/takemura/index.htm 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 PR━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇  出版翻訳ネットワーク  ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇         「出版翻訳ネットワーク週報」配信開始!     購読手続きは→http://www.litrans.jp/mag/mag04/index.cgi              出版翻訳のポータルサイト ◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ http://www.litrans.net/ ◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇  -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ☆PR☆ 小野出版翻訳勉強会     会員募集中! 入会無料。初心者には翻訳教室(有料)あり。        http://www.litrans.jp/101/               ☆PR☆  -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-= ****************************************************************************        ●週刊メールマガジン「やまねこActivator」●   やまねこ翻訳クラブのHOTな話題を、毎月第2、第4金曜日にご提供します!   ・忙しくて、クラブの掲示板をまめにチェックできない。   ・会員になろうか迷っているので、限定エリアでの話題を知りたい。   ・児童文学界の「今」を知りたい。           ▼思い当たる方は今すぐクリック▼      http://macky.nifty.com/cgi-bin/bndisp.cgi?M-ID=fishpower **************************************************************************** ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★☆       出版翻訳ネットワーク・メープルストリート       ☆★         http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm 新刊情報・イベント情報などを掲載いたします。詳しくはmaple@office-ono.comまで ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆次号予告は毎月10日頃、やまねこ翻訳クラブHPメニューページに掲載します。◆         http://www.yamaneko.org/info/index.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●編集後記●今月の「お菓子の旅」、冷たいビールにという言葉にとてもそそられ ました(^^;(さ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発 行 やまねこ翻訳クラブ 発行人 竹内みどり(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編集人 林さかな(やまねこ翻訳クラブ スタッフ) 企 画 蒼子 えみりい 河まこ キャトル きら ぐりぐら くるり ケンタ     さかな 小湖 Gelsomina sky SUGO Chicoco ち〜ず ちゃぴ つー     月彦 どんぐり なおみ NON hanemi ぱんち みーこ みるか 麦わら     めい MOMO ゆま yoshiyu りり りんたん レイラ ワラビ      わんちゅく 協 力 出版翻訳ネットワーク 管理人 小野仙内     ながさわくにお ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・このメールマガジンは、「まぐまぐ」( http://www.mag2.com/ )を利用して配信 しています。購読のお申し込み、解除もこちらからどうぞ。 ・バックナンバーは、http://www.yamaneko.org/mgzn/でご覧いただけます。 ・ご意見・ご感想はmgzn@yamaneko.orgまでお気軽にお寄せください。 ■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■■ ■無断転載を禁じます。