◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 2005年4月号    =====☆                    ☆=====   =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====    =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====                                  No.68 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ◆児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌◆ ◆http://www.yamaneko.org                         ◆ ◆編集部:mgzn@yamaneko.org     2005年4月15日発行 配信数 2380 無料 ◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●2005年4月号もくじ● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎特別企画:野球はこんなにおもしろい! 【1】邦訳作品の紹介    『イチローへの手紙』              ジーン・D・オキモト文/ダク・キース絵/吉池幹太訳    『サマーランドの冒険』 マイケル・シェイボン作/奥村章子訳 【2】アメリカの子どもたちが好きな野球の本    "Baseball Card Adventure" シリーズ ダン・ガットマン作    "The Babe & I" デイビッド・A・アドラー文/テリー・ワイドナー絵 【3】未訳作品の紹介    "Mudball" マット・タバレス文・絵    "Roberto Clemente: Pride of the Pittsburgh Pirates"                    ジョナ・ウインター文/ラウル・コロン絵    "Bobby Baseball" ロバート・キンメル・スミス作    "The Boy Who Saved Baseball" ジョン・H・リッター作    "A Billy Baggs Novel" シリーズ ウィル・ウィーヴァー作 【4】マット・クリストファー――子ども向けスポーツ読み物のパイオニア 【5】終わりに ◎賞速報 ◎イベント速報 ◎読者の広場:海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎特別企画:野球はこんなにおもしろい! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  球春到来――。熱戦がくりひろげられた春の高校野球につづき、プロ野球が開幕し た。海の向こうでもメジャーリーグが開幕し、連日、野球ファンを楽しませてくれて いる。アメリカの子どもの本には野球を題材にしたものがたくさんあるが、意外にも そのほとんどが未訳だ。今号では、数少ない邦訳、『イチローへの手紙』『サマーラ ンドの冒険』の2冊を含め、野球をテーマにした本の数々を紹介していこう。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【1】邦訳作品の紹介 『イチローへの手紙』 ジーン・D・オキモト文/ダク・キース絵/吉池幹太訳 河出書房新社 定価1,260円(税込) 2003.03.20 32ページ ISBN:4309266339  マリナーズの本拠地シアトル在住の作家とイラストレーターの思いがこもった絵本。  ヘンリーは親友のオリバーと大げんかした。もうオリバーなんか友だちじゃない! 頭にきたけれど、気をとりなおす。なんていったって今日は、大好きなマリナーズの 試合をおじいちゃんと観戦する日なのだから。試合がはじまり、球場内は、「イ・チ ・ロー! イ・チ・ロー!」と大歓声に包まれた。ヒットを打ち、走るイチローは、 まるで空を飛んでいるかのよう。大接戦となった試合も、最後はマリナーズの投手が ぴしゃりとおさえて終了した。その後、おじいちゃんは、アメリカと日本が戦争をし ていたころの話をしてくれた。  文章を書いたジーン・D・オキモトは日系人の夫をもつ。自らの境遇をいかして、 この物語を生みだした。球場での野球ファンの熱狂ぶりと、おじいちゃんの戦争話と をうまくからみあわせ、許すということについて丹念に描いている。その文章を彩る ダク・キースの絵は、線描をおりまぜ、選手の動きにいきいきとした躍動感を与えて いる。イチローが走るシーンでは、まるで風が感じられるようだ。  同世代として、高校生のときからイチロー選手をテレビなどで見て応援してきた。 あんなに細かったイチローが、メジャーリーグで活躍するなんて、アメリカの絵本に 登場するなんて……。この本を読んで胸が熱くなった。作者にインスピレーションを 与えた球場で、わたしもいつの日か観戦したい。「イ・チ・ロー! イ・チ・ロー!」 と声援を送りながら。                                 (早川有加) **************************************************************************** 『サマーランドの冒険(上・下)』 マイケル・シェイボン作/奥村章子訳 早川書房 定価各1,680円(税込) 2003.08 上334ページ 下316ページ ISBN:4152500115(上)4152500123(下)  11歳のイーサンは、ハマグリ島のリトルリーグのチーム〈ルースターズ〉に所属し ている。チームは、イーサンのエラーや三振で連敗記録を更新中。野球をやめたいと 思っていたある日、妖精があらわれて、イーサンを妖精の世界サマーランズへ連れて いった。イーサンが世界の救世主と予言されているというのだ。半信半疑で現実世界 に戻ってきたが、やがてイーサンの父が、世界を滅ぼそうとするコヨーテに連れ去ら れてしまう。父と世界を救うため、イーサンと仲間たちは旅にでる。  4つの世界が1本の樹を中心につながっているという設定のファンタジーだ。けれ ど、イーサンの武器は剣でも魔法でもない。古いトネリコの枝から作ったバット。す でにひとつの世界はコヨーテにより封印された。イーサンは3つの世界を行き来しな がら、キャッチャーとして、野球の試合で戦いながら旅をする。仲間たちの助けを借 りて成長していく姿が感動的だ。「球聖」タイ・カッブや往年の名捕手ウィリアム・ ユーイングなど実在の選手の名前がでてきたり、各章のタイトルが「一塁」「二塁」 となっていたりと、野球好きの作者のこだわりも楽しい。イーサンたちはとうとうコ ヨーテのチームと直接対決する。はたして世界を救うことができるだろうか!  マイケル・シェイボンは、"The Amazing Adventures of Kavalier and Clay" (『カヴァリエ&クレイの驚くべき冒険』菊地よしみ訳/早川書房)でピュリッツァ ー賞を受賞。初めての児童書である本書は、ローカス賞候補作となり、Mythopoeic Fantasy Award for Children's Literature を受賞した。 【参考】 ▼マイケル・シェイボン公式ウェブサイト http://www.michaelchabon.com/ ▼マイケル・シェイボンのインタビュー(野球と作品について) http://espn.go.com/mlb/columns/neyer_rob/1409085.html                                (竹内みどり) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【2】アメリカの子どもたちが好きな野球の本  ここカリフォルニアは、春夏晴天が続き、野球には最高の気候だ。当地で生まれ育 つ我が子、7歳のトシと10歳のケイの少年野球が今年もはじまった。トシは、昨年ま で止まったボールを打つティーボールをやっていたが、今年は動くボールを打つリー グに入れる年齢になり、大はりきり。晴天でも、絵本 "Mudball(本誌【3】参照)" 同様の事態が続出し、観客席の笑いが絶えない。ケイは、パパとのピッチング練習が 功を奏し、ばしばしストライクを決めている。  野球もいいけど読書も……と、私は学校の司書さんにお薦めの本を聞いた。「ケイ くんはじっと図書室にいるより外でボールを追いかけたい子でしょ。やっぱりスポー ツものね。それなら、なんといってもマット・クリストファー! 野球も他のスポー ツもいろいろそろっているわよ」スポーツ関係の児童書の棚の半分以上が彼の名前の ついた本という書店まであるほど、多くの人気作品がある(本誌【4】参照)。 「野球カードの冒険」シリーズなど、ベーブ・ルースやジャッキー・ロビンソンたち 名選手についての本も多い。彼らは多くのアメリカ人の心の支えなのだ。絵本 "The Babe & I" に、失業した父親が道端でリンゴ売りをする場面がある。我が家でこの本 を読んだ時は、たまたま私自身の職の行く末が心配な時期で、それを知ったトシが私 の不安顔を覗き込んだ。「ママ、道でリンゴ売るの? それでもきっと大丈夫だよ」 ぽろっと涙がこぼれた。  現在、日本人メジャーリーガーの活躍が日系、アジア系の子どもに自信を与えてい る。当地はアジア系住民が多いが、音楽や勉強に関するおけいこごとが好まれがちで、 少年野球は圧倒的に非アジア系が多い。夏休みの野球教室にサンフランシスコ・ジャ イアンツのシャツで行ったケイは、教室のみんなに新庄そっくりと言われたが、翌日 ヤンキースのシャツを着たら松井似とされ、その後松井と呼ばれ続けた。教室でたっ た1人のアジア系だったから起きた珍事だ。『イチローへの手紙』の原書を読み、折 り紙で作ったひげをつけてイチローのバッティングを真似るトシとケイを見ていると、 多人種の国で野球選手の活躍が意味することの大きさを痛感せずにはいられない。                    (アメリカ在住やまねこ会員:リー玲子) **************************************************************************** Baseball Card Adventure(「野球カードの冒険」シリーズ) by Dan Guttman ダン・ガットマン作 HarperCollins  "Honus & Me"『ホーナスとぼく』(仮題)1997, 144pp.  "Jackie & Me"『ジャッキーとぼく』(仮題)1999, 160pp.  "Babe & Me"『ベーブとぼく』(仮題)2000, 176pp.  "Shoeless Joe & Me"『シューレス・ジョーとぼく』(仮題)2002, 176pp.  "Mickey & Me"『ミッキーとぼく』(仮題)2003, 160pp.  ★新刊 "Abner & Me"『アブナーとぼく』(仮題)2005, 176pp.  ストッシュは野球の大好きな少年。あるとき、古い野球カードに触れたとたんタイ ムトラベルできる不思議な力を手にした。  "Jackie & Me" で、ストッシュは、相手チームの野次に惑わされて少年野球の試合 をしくじった日に、大リーグ初の黒人選手ジャッキー・ロビンソンのカードでタイム トラベルすることになる。そして、野次どころか、激しい人種差別にその身を脅かさ れても野球に集中し努力し続けたロビンソンと親しくなり、強い精神の力を知ってい く。"Babe & Me" では、1932年ワールドシリーズでのベーブ・ルースによる、有名な 投球直前の「予告」ホームランの真偽を確かめる旅をしようとするが、父親がルース のサインを手に入れて一儲けしようとついてきて、珍道中となる。新刊 "Abner & Me" では、野球の考案者とされるアブナー・ダブルデー将軍がほんとうに野球を始めたの かどうかを確かめに行くが、自分もタイムトラベルをしてみたいといって、今度は母 親がついてくる。そして、ふだん看護師の仕事をしている母親は、南北戦争の負傷者 を現代医学で救い続けて英雄になってしまう。  ふだん野球ばかりで読書をしない子まで夢中になると評判の人気シリーズ。過去の 偉大なヒーローに出会い、野球史上有名な場面を訪れる冒険は、ドキドキわくわくの 連続だ。各選手のかかえる葛藤と、それを乗り越えようとする強さ、努力には、野球 好きでない読者でも心打たれることだろう。綿密な調査に基づき、野球のみならず、 当時の社会状況や歴史上のできごとがわかりやすく描かれているので、楽しみながら 多くのことを学ぶことができる。ストッシュは、みずからが少年野球チームで経験す る子ども同士の問題を、タイムトラベルで知ったり感じたりしたことをもとにして乗 り越えていく。作者は、歴史を、単なる知識でなく、日常の問題を考えるときの味方 として子どもに提供し続けている。 【参考】 ▼ダン・ガットマン公式ウェブサイト http://www.dangutman.com/                                 (リー玲子) **************************************************************************** "The Babe & I"『ベーブ・ルースのおかげで』(仮題) text by David A. Adler, illustrations by Terry Widener デイビッド・A・アドラー文/テリー・ワイドナー絵 Voyager Books, 1999, 2004(PB), 32pp. ISBN 0152050264  大恐慌さなかの1932年、ニューヨーク。通りには職を失った人たちがリンゴを売る 姿が多く見られた。ぼくはその中に、会社に行っているはずの父さんの姿を見つけて しまう。ぼくも新聞売りの仕事をして少しでも家族を助けよう! 友だちのジェイコ ブと一緒にヤンキースタジアムの近くに陣取って、野球記事の見出しを叫ぶ。「ベー ブが25号ホームランを打ったよ!」「ベーブがさよならヒットを打ったよ!」その声 に引き寄せられるようにして、新聞は飛ぶように売れていった。  主人公の少年の生活は当時のヤンキースの救世主であるベーブ・ルースと共にあっ たといっても過言ではない。ベーブの毎日の活躍を体ごと受け止め、その活躍を叫ぶ ことで稼ぎを手にすることができた。厳しい時代だからこそ、少年だけでなく、大人 もみんな、野球によって一喜一憂し、野球によって希望の灯をともし続けることがで きたのだろう。そんな一般の人々の生活を描きながら、当時の国民的ヒーローであっ たベーブ・ルースの姿も垣間見せてくれる作品。さいごには、胸おどるエピソードも 入っていて、野球ファンならずとも楽しむことができる。  100作以上の著作があるアドラーには、ベーブと同時代に活躍したルー・ゲーリッ クを題材にした絵本もある。さすがヤンキースの大ファンだ。ワイドナーは当時のニ ューヨークの町並みやヤンキースタジアムを、落ち着いた色合いで丁寧に描きだして いる。少しデフォルメされた人物は、表情が生き生きして印象的。特に少年と父親を 描いた場面では、その表情から信頼関係が伝わってきて胸があたたかくなる。 【参考】 ▼デイビッド・A・アドラー公式ウェブサイト http://www.davidaadler.com/                                (植村わらび) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【3】未訳作品の紹介 ★新刊 "Mudball"『どろんこホームラン』(仮題) by Matt Tavares マット・タバレス文・絵 Candlewick Press 2005, 32pp. ISBN 0763623873  時は1903年。舞台はアメリカ、マイナーリーグ。ミネアポリス・ミラーズのアンデ ィ・オイラーは、9回裏ツーアウト満塁の大チャンスで打席に立とうとしていた。チ ームは3対0で負けている。アンディが最後の頼みの綱だ。けれどもチームで一番、 いやリーグで一番小柄で力の弱いアンディは、さっぱり打てる気がしない。どうする、 アンディ。  口から口へと語りつがれてきた伝説をもとに作られた絵本だ。アンディ・オイラー は、1903年から7年間にわたってマイナーリーグでプレーした実在の人物。堅実なバ ッティングをする遊撃手だったようだが、7年間でホームランは1本しか打っていな い。それがこの日の「史上最短飛距離のホームラン」だった……。  ふりつづく雨で手元がくるったか、ピッチャーの投じた球は、アンディの頭めがけ て飛んできた。「あぶない!」。思わずよけた瞬間、ボールはバットにコツンとあた り、雨にまぎれて姿を消した。おろおろとボールを探す相手チームの選手たち。泥水 をはねかしながらホームにすべりこむミラーズの選手たち。ついには打ったアンディ までもがホームイン。そのとき、ホームベースからわずか数メートルのところで泥ま みれのボールが見つかった。やったぁ! 飛距離数メートルの逆転サヨナラ満塁ホー ムランだ!  作者マット・タバレスの画風は、リアルでちょっぴり重たいけれど、選手たちのう ろたえぶりや、してやったりの表情を、大げさに楽しく描いている。どしゃぶり、ど ろんこ、そして満塁ホームラン。しかも主人公はリーグで一番小さな選手。子どもの 心をとらえて離さない史上最大の珍プレーの物語だ。 【参考】 ▼マット・タバレス公式ウェブサイト http://matt-tavares.com/                              (ないとうふみこ) **************************************************************************** ★新刊 "Roberto Clemente: Pride of the Pittsburgh Pirates" 『ロベルト・クレメンテ――ピッツバーグ・パイレーツの誇り』(仮題) text by Jonah Winter, illustrations by Raul Colon (*Raul の u と Colon の2つめの o の上に「´」) ジョナ・ウインター文/ラウル・コロン絵 Atheneum 2005, 34pp. ISBN 0689856431  日本でロベルト・クレメンテと聞いてすぐにぴんと来る人は、かなりのメジャー通 かもしれない。知っている人も多くは、「ロベルト・クレメンテ賞」(積極的な社会 貢献活動をおこなったメジャーリーガーに贈られる賞)の名の由来となった人物とし て記憶している程度ではないだろうか。でもこの絵本のページをめくってゆくと、す ぐれた選手としてのロベルト・クレメンテに出会うことができる。  クレメンテは「野球をする人たちが、ジャングルの花のようにひしめく」プエルト リコの出身。少年時代からその能力は図抜けていて、やがてメジャーリーグにスカウ トされる。所属先は弱小球団ピッツバーグ・パイレーツ。彼は鮮烈なプレーでたちま ちファンの心をわしづかみにした。俊足、強肩、強打の右翼手。入団時に最下位だっ たチームも、クレメンテの活躍で5年後の1960年にはワールドシリーズ優勝に輝いた。  詩人でもある作者のジョナ・ウィンターは、静かに、しかし情熱を込めてクレメン テの生涯をつづってゆく。故郷の子どもたちとの交流、白人主体のマスコミからの低 評価、それをばねにさらなる高みを目ざしたこと。クレメンテのプレーを生で見たと いう画家のラウル・コロンも、そのしなやかで強靭な動きを生き生きと描いている。  1971年、2度目のワールドシリーズで最高の活躍を見せたクレメンテは、ついに白 人の記者たちの手でシリーズMVPに選ばれる。翌年には3000本安打を記録。しかし その年の暮れ、悲劇は起きた。ニカラグア大地震の救援に向かう途上で、彼の乗った 飛行機が墜落したのだ。38歳、選手として頂点を極めた刹那に閉じられた生涯だった。  現在「ロベルト・クレメンテ賞」は、MVPよりも名誉ある賞として、メジャーリ ーガーたちのあこがれの的になっている。また日本でも、この賞に範をとった「ゴー ルデンスピリット賞」が6年前に創設された。クレメンテの魂は今なお生きつづけて いる。しかしそれも、人々に愛されるすばらしいプレーと人柄があったればこそなの だと、この絵本はしみじみ感じさせてくれる。 【参考】 ▼MLB公式ウェブサイト ロベルト・クレメンテ賞のページ http://mlb.mlb.com/NASApp/mlb/mlb/official_info/community/clemente.jsp ▼ゴールデンスピリット賞のページ http://www.yomiuri.co.jp/hochi/event/spirit/index.htm                              (ないとうふみこ) **************************************************************************** "Bobby Baseball"『ボビー・ベースボール』(仮題) by Robert Kimmel Smith ロバート・キンメル・スミス作 A Yearling Book/Bantam Doubleday Dell, 1989, 165pp. ISBN 0440404177  ボビーは野球が大好き。将来はメジャーリーグに入って、大投手になって、殿堂入 りするんだと心に決めている。10歳になった今年、ボビーは、父さんが監督を務める リトルリーグのチーム〈ホークス〉に加わった。父さんは渋い顔をしたけれど、「グ ラウンドの中では父さんと呼ばない」「監督の言葉に従う」という約束のもとに入れ てもらったのだ。ポジションは、もちろんピッチャー。最初の3試合に勝って、ボビ ーは有頂天だ。でも、若いころマイナーリーグの選手をしていた父さんには、肩の弱 いボビーが投手に向かないことがわかっている。果たしてつぎの試合、ボビーは強い チームと戦ってめった打ちにされ、おまけに投手交代を告げに来た父さんに食ってか かってしまう。約束を守らなかったボビーに、父さんは激怒する……。  ボビーと父さんの真正面からのぶつかり合いが、すがすがしい作品だ。夢をめいっ ぱいふくらませ、破れて痛い思いをするボビー。みずからも挫折の痛みを知るからこ そ、ボビーに甘い顔を見せない父さん。その葛藤をつうじてボビーは、父さんだけで なく母さんやおじいちゃんが注いでくれる愛情に、そして自分の野球に対する本当の 思いに気づいていく。  作者のロバート・K・スミスは、『チョコレート病になっちゃった!?』(宮坂宏 美訳/ポプラ社)が日本でも紹介されているユーモア作家。温かく軽妙な語り口なが ら、この作品では「初めての挫折」のほろ苦さを描いていて新鮮だ。緑の芝生に赤土 のグラウンドの美しさ、フロリダで始まる春キャンプへの憧憬といった、作者の野球 への愛情を感じさせる描写が、そこここに盛り込まれているのもいい。  さて夢破れたボビーだが、そこは子ども。自分の可能性をどこまでも信じ、何度で も新たな夢をふくらませる力をそなえている。そんな強さも無理なく描かれた作品だ。                              (ないとうふみこ) **************************************************************************** "The Boy Who Saved Baseball"『町の未来をかけて』(仮題) by John. H. Ritter ジョン・H・リッター作 Philomel Books 2003, 216pp. ISBN 0399236228(HB)  サンディエゴ近郊のディロンタウン。百年前に建てられ、メジャーリーグの試合も 行われたことのある球場で、町の未来がかかった少年野球の試合が開催されることに なった。トムたち地元チームが負けたら、町長や少数の町民が推しすすめる開発に賛 同しなければならない。試合まであと6日。弱小チームにずっしりとプレッシャーが のしかかる。そこへ、チームに入れてほしいと、ひとりの少年が現れた。クルスとい う名のその少年は、町の事情を知っても立ち向かう姿勢をくずさなかった。クルスに 触発され、チームのメンバーや町の人々の闘いが始まる。地元出身の元メジャーリー ガーで偏屈な変わり者デル・ガトに監督を頼みこみ、毎日基礎の反復練習をみっちり 行う。日々の特訓のかいあって、何をやってもぬきん出ていたクルスはもとより、み んなは徐々に力をつけ、試合の前日には自信をもてるまでになった。だが、試合当日、 クルスが忽然と姿を消してしまった……。  練習法が細かく描写されているところは、野球小説家といわれる作者ならでは。野 球ファンにはうれしいが、ファンならずとも興味をもって読める要素もつまっている。 内気で弱腰だったトムは、クルスと出会ってから少しずつ勇気をもちはじめる。そし て、開発か現状維持かで町長と町の人々が対立するなかで、いろいろな人々と触れあ い、成長していくのだ。また、サンディエゴ近辺の自然や風土の記述もそこここに出 てきて、町の人々が開発したくないと思う気持ちが伝わってくる。  物語のキーポイントとなるのは、「死と運命の予言」といわれるディロンタウンの 町の伝説だ。「見知らぬ人が現れ、偉大な男の死をまねく。偉大な男の秘密が明かさ れなければ町はのっとられる」という。予言はあたるのか、クルスとその予言の関係 は? 最後には驚きと感動が待っている。 【参考】 ▼ジョン・H・リッター公式ウェブサイト http://www.johnhritter.com/                                 (早川有加) **************************************************************************** A Billy Baggs Novel(「ビリー・バッグズ」シリーズ) by Will Weaver ウィル・ウィーヴァー作 Harper Trophy  "Striking Out"『ストライク・アウト』(仮題)1993, 296pp.  "Farm Team"『ファームチーム』(仮題)1995, 279pp.  "Hard Ball"『ハードボール』(仮題)1998, 240pp.  1965年、夏。ビリーの兄はトラクターの事故で亡くなった。それも、8歳だったビ リーの過ちのせいで――。あれから5年。ビリーは13歳になり、家の農場の仕事を手 伝う毎日を過ごしていた。好きな野球をすることもできない。だが、ひょんなことか ら、コーチに投手としての才能を見いだされ、町のチームに加わることに。チームの エースであるキングと対立したり、家の手伝いのため練習にあまり参加できなかった りしながらも、ビリーは実力を発揮していく。("Striking Out")  1971年春、父の留守を預かり、ビリーは家の農場の仕事を一手に引き受けることに なった。野球の練習に参加できないビリーは、母のすすめで、農場のチームをつくる。 集まったのは、近所の数人に加え、メキシコから来た兄弟、頭はきれるが野球はでき ない少年。このユニークなメンバーで、町のチームに戦いを挑む。("Farm Team")  同年、夏。ビリーとキングは、野球だけでなく恋のうえでもライバルになっていた。 ある日、ビリーは学校主催のメジャーリーグ観戦旅行に参加。初めて観るスーパープ レーに度肝をぬかれる一方で、恋の相手スージーとの距離を縮めた。旅行後、ふたり の仲を知ったキングと、ビリーは取っ組み合いのけんかをしてしまう。見かねたコー チの提案で、ビリーとキングは1週間いっしょに生活するはめになる。("Hard Ball")  冒頭から衝撃を受け、最初は読むのが少しつらかった。それが、あれよあれよとい う間に物語の世界に入りこんだ。短文でまとめられたユーモラスな文章で、すいすい 読めるのだ。登場人物のキャラクターづくりがしっかりとできていて、ああ、こうい う人いるな、とリアルに感じられたせいもある。保守的で頑固な父、時代についてい こうと仕事をはじめる母、成績優秀でスポーツ万能のキング、観察眼があり、子ども たちをあたたかく見守るコーチ……。そのほか、個性ある人物を登場させ、町に住む 人々と田舎に住む人々の対立や貧富の差をまじえながら、ときにはシリアスにときに はユーモラスに話が展開する。野球を中心に、友人関係、恋愛、将来の夢など普遍の テーマを扱っているが、主となるテーマは家族、親子関係だ。まるで映像を見ている かのように場面場面が浮かびあがってくるのが魅力の作品。                                 (早川有加) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【4】マット・クリストファー――子ども向けスポーツ読み物のパイオニア  マット・クリストファーという作家をご存じだろうか。「子どもの本と野球」の記 事でも触れられているように、アメリカで子ども向けのスポーツ小説といえば、まず 思い浮かべるのがこの人の作品。1954年に初めての子ども向け読み物を発表してから 1997年に80歳で亡くなるまでのあいだに120以上もの物語を世に送り出し、今もなお 子どもたちに読みつがれている老舗のような存在だ。(ちなみに Matt Christopher の名は現在では商標として登録されており、没後もこの名を冠したスポーツノンフィ クションなどが多数出版されている。まさに老舗たるゆえんだ。)  マット・クリストファーは、1917年ペンシルベニア州生まれ。みずからもスポーツ をよくし、若いころプロ野球選手としてヤンキース傘下のマイナーチームに所属した こともある。作家を志した当初は大人向けの短編などを書いていたが、地元の図書館 で「子ども向けのいいスポーツの本がない」という司書の嘆きを耳にしたのがきっか けで、自分の得意分野を生かした新たなジャンルを切りひらくことになった。野球に かぎらず、サッカー、アメフトからモトクロスやスノーボードにいたるまでさまざま なスポーツを扱っているが、ここでは野球を題材にしたいくつかの作品を紹介しよう。 (出版社はいずれも Little, Brown And Company) "The Lucky Baseball Bat"『ぼくのラッキーバット』(仮題)1954年  マーティンはこの町にひっこしてきたばかり。グラブもバットもなく、好きな野球 ができずにがっかりしていると、近所に住む親切な少年がお古のグラブとバットをく れた。ツキを呼ぶというこのバットで、マーティンはヒットを量産し始める。ところ が、ある試合で、バットはぽっきりまっぷたつに。著者最初の子ども向け読み物。 "The Kid Who Only Hit Homers"『ホームラン・キッド』(仮題)1972年  ぶきっちょなシルベスターは、野球が大好きなのにいつもへまばかり。そこへ丸顔 でだんご鼻のベルースさんという謎の人物が現れて、あれこれとアドバイスを授けて くれた。シルベスターはみるみる上達し、打席に立つたびにホームランをかっ飛ばす ように。ベルースさんって、いったい……? 著者が愛した作品。 Peach Street Mudders シリーズ(「ピーチストリート・マダーズ」シリーズ) "The Hit-Away Kid" 1988年、"Shadow Over Second" 1996年 ほか  リトルリーグのチーム「ピーチストリート・マダーズ」の子どもたちひとりひとり を主人公にした9冊のシリーズ。試合でのミスジャッジをきっかけにフェアプレーの 問題に気づかされる子や、ジンクスを気にしすぎて平常心を失ってしまう子など、子 どもが共感を寄せやすいテーマをうまく野球の話にからめて描いている。  彼の作品が日本で未紹介なのは、日本の強力な野球漫画の数々が子どもたちの需要 を満たしてきたせいもあるかもしれない。しかし根性やチームワークが強調されがち なそれらの漫画に比べて、マット・クリストファーの作品は、あくまでもひとりの子 どもと野球とのつき合いを日常レベルで描いていて、そのさらりとした感触が逆に新 鮮だ。いつか野球好きの子どもたちに読ませてあげられたらと思う。 【参考】 ▼マット・クリストファー公式ウェブサイト http://www.mattchristopher.com/ ▼参考図書 "Behind the Desk with Matt Christopher: A Biography" by Dale Christopher Little, Brown And Company, 2004, 117pp.                              (ないとうふみこ) ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【5】終わりに  今回、野球への愛がつまった作品の数々を紹介してきた。「野球っておもしろい」 と少しでも思っていただけたら、幸いだ。このほかにも、野球を題材にした作品はた くさんある。機会があれば、今後も紹介していきたい。  この特集を組んでみて、アメリカで、子どもの生活にどれだけ野球が深く関わって いるか、子どもにどれだけ野球が愛されているかをあらためて実感した。日本にも、 野球好きの子はあまたいる。そんな子どもたちの手に、今回とりあげたような野球を テーマにした本がたくさんいきわたっていってほしいものだ。              (企画・構成:早川有加/ないとうふみこ/リー玲子) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●賞速報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★2004年度日本絵本賞発表 ★2005年ボローニャ・ラガッツィ賞 ★2004年度ゴールデン・カイト賞 ★2005年フェニックス賞  海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を ご覧ください。 http://www.yamaneko.org/award/index.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●イベント速報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★展示会情報 松屋銀座「ミッフィー展」他 ★イベント情報 倉敷チボリ公園「H・C・アンデルセン生誕200年祭」他  詳細やその他のイベント情報は、「速報(イベント情報)」をご覧ください。なお、 空席状況については各自ご確認願います。 http://www.yamaneko.org/event/                       (笹山裕子/清水陽子/井原美穂) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●読者の広場●海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  このコーナーでは、海外児童書にまつわるお話、ご質問、ご意見等を募集していま す。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せください。 ※メールはなるべく400字以内で、ペンネームをつけてお送りください。 ※タイトルには必ず「読者の広場」とお入れください。 ※掲載時には、趣旨を変えない範囲で文章を改変させていただく場合があります。 ※回答も読者のみなさまから募集し、こちらに掲載させていただきます。原則的に編 集部からメールでの回答はいたしませんので、ご了承ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●お知らせ●  本誌でご紹介した本を、各種のインターネット書店で簡単に参照していただけます。 こちらの「やまねこ翻訳クラブ オンライン書店」よりお入りください。 http://www.yamaneko.org/info/order.htm  本号の html 版を4月18日に公開予定です。以下の URL よりお入りください。 http://www.yamaneko.org/mgzn/bncorner.htm#html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▽▲▽▲▽   海外児童書のシノプシス作成・書評執筆を承ります   ▽▲▽▲▽    やまねこ翻訳クラブ(info@yamaneko.org)までお気軽にご相談ください。 PR━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ☆☆ FOSSIL 〜 Made in USA のカジュアルウオッチ ☆☆ 「FOSSILは化石って意味でしょ?レトロ調の時計なの?」。いえいえ、これは創業者 の父親がFOSSIL(石頭、がんこ者)というあだ名だったことから誕生したブランド名。 オーソドックスからユニークまで様々なテイストの時計がいずれもお手頃価格で揃い ます。レトロといえば、時計のパッケージにブリキの缶をお付けすることでしょうか。 数十種類の絵柄からお好きなものをその場で選んでいただけます。選ぶ楽しさも2倍 のフォッシルです。 TEL 03-5428-3701 http://www.fossil.com/      (株)フォッシルジャパン:やまねこ賞協賛会社 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。           吉田真澄の児童書紹介メールマガジン              「子どもの本だより」      http://www.litrans.net/maplestreet/kodomo/info/index.htm  。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。。 PR━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★☆       出版翻訳ネットワーク・メープルストリート       ☆★         http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm 新刊情報・イベント情報などを掲載いたします。詳細はmaple2003@litrans.netまで。        出版翻訳ネットワークは出版翻訳のポータルサイトです ★☆★☆★☆★☆★☆★☆ http://www.litrans.net/ ★☆★☆★☆★☆★☆★☆★ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ =- PR -=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=      ★☆メールマガジン『海外ミステリ通信』 毎月15日発行☆★                http://www.litrans.net/whodunit/mag/           未訳書から邦訳新刊まで、あらゆる海外ミステリの情報を厳選して紹介。翻訳家や 編集者の方々へのインタビューもあります!    〈フーダニット翻訳倶楽部〉 =-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=-=- PR -= ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ *=*=*=*=*=*= やまねこ翻訳クラブ発行メールマガジン&ウェブジン =*=*=*=*=*=* ★やまねこActivator(毎月20日発行/無料)   やまねこ翻訳クラブのHOTな話題をご提供します!                  http://www.yamaneko.org/mgzn/acti/index.htm ★英文ウェブジン "Japanese Children's Books (Quarterly)"   英語圏に日本の児童文学情報を発信! 自由閲覧です!                  http://www.yamaneko.org/mgzn/eng/index.htm *=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=*=* ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◆次号予告は毎月10日頃、やまねこ翻訳クラブHPメニューページに掲載します。◆         http://www.yamaneko.org/info/index.htm ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●編集後記●野球特集、いかがでしたか? 野球とアメリカの子どもたちの生活の結 びつきの強さを、今さらながらに感じます。こんな特集をやってほしい!というもの がありましたら、編集部までお寄せください。(あ) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発 行 やまねこ翻訳クラブ 発行人 井原美穂(やまねこ翻訳クラブ 会長) 編集人 赤塚きょう子/竹内みどり(やまねこ翻訳クラブ スタッフ) 企 画 井原美穂 植村わらび 蒲池由佳 笹山裕子 清水陽子 ないとうふみこ     早川有加 村上利佳 リー玲子 協 力 出版翻訳ネットワーク 管理人 小野仙内     あんこ ながさわくにお ハイタカ ラッテ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ・このメールマガジンは、「まぐまぐ」( http://www.mag2.com/ )を利用して配信 しています。購読のお申し込み、解除もこちらからどうぞ。 ・バックナンバーは、http://www.yamaneko.org/mgzn/ でご覧いただけます。 ・ご意見・ご感想は mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せください。 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ◆無断転載を禁じます。