※都合により来月は臨時休刊致します。次回は2012年6月号です。どうぞお楽しみに! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 2012年4月号    =====☆                    ☆=====   =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====    =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====                                 No.139 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ◆児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌◆ ◆http://www.yamaneko.org                         ◆ ◆編集部:mgzn@yamaneko.org     2012年4月15日発行 配信数 2370 無料 ◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●2012年4月号もくじ● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎賞情報:2012年国際アンデルセン賞発表 ◎賞情報:2012年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞候補作品発表  カーネギー賞ショートリスト作品レビュー:『灰色の地平線のかなたに』                       ルータ・セペティス作/野沢佳織訳 ◎賞速報 ◎イベント速報 ◎読者の広場 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●賞情報●2012年国際アンデルセン賞発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  3月19日、2012年国際アンデルセン賞の受賞者およびファイナリストが発表された。 この賞は、児童文学に貢献してきた作家/画家の全業績を称え、国際児童図書評議会 (IBBY)が2年に1度、西暦偶数年に発表するものである。2011年5月に、各国 から推薦された候補者が公表された後、スペインのマリア・ヘスス・ヒル審査委員長 のもと10か月かけて選考が重ねられてきた。そして、2012年3月12日のショートリス ト発表を経て、3月19日の受賞者/ファイナリスト発表となった。授賞式は、8月25 日ロンドンでのIBBY世界大会にてとりおこなわれる。  本誌は2011年11月号と2012年3月号の特別企画で「2012年国際アンデルセン賞の候 補者たち その1/その2」と題して、Bianca Pitzorno(イタリア)と Sevim Ak (トルコ)を紹介した。本号では、作家賞と画家賞に分けて、受賞者とファイナリス トを紹介していく。 ▼国際児童図書評議会(IBBY)公式ウェブサイト http://www.ibby.org/ ▼上記サイト内、2012年国際アンデルセン賞のページ(受賞者情報は未更新) http://www.ibby.org/index.php?id=1186&L=0.html ▽国際アンデルセン賞について(本誌1999年10月号情報編「世界の児童文学賞」) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/1999/10a.htm#a1bungaku ▽「2012年国際アンデルセン賞の候補者たち その1」                       (本誌2011年11月号「特別企画」) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2011/11.htm#kikaku ▽「2012年国際アンデルセン賞の候補者たち その2」                       (本誌2012年3月号「特別企画」) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2012/03.htm#kikaku ▽国際アンデルセン賞受賞者リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/andersen/index.htm  作家賞/画家賞の受賞者、およびファイナリストは以下のとおり。 ■作家賞■ 〜 the 2012 Hans Christian Andersen Author Award 〜  ★Winner  Maria Teresa Andruetto (アルゼンチン)  ☆Finalists  ・Paul Fleischman (アメリカ)  ・Bart Moeyaert (ベルギー)  ・Jean-Claude Mourlevat (フランス)  ・Bianca Pitzorno (イタリア) 【特殊文字】 「Maria Teresa Andruetto」:「Maria」の「i」の上にアクセント記号(´)がつく  昨年発表された2012年国際アンデルセン賞作家賞の候補者27人の中から、受賞者に は Maria Teresa Andruetto が選ばれた。アルゼンチンの作家が受賞するのは、作家 ・画家両部門で初めてのことだ。残念ながら日本で紹介された作品はまだないが、ス ペイン語圏では多数の受賞歴があり、著名な作家だ。Andruetto は1954年に生まれ、 アルゼンチンのコルドバ国立大学で文学を学んだあと、児童書センターの設立や雑誌 の編集など、国内の子どもや青少年の読書の推進活動に尽力。1990年代から作家とし て著作を発表し始めた。その作品は児童書だけでなく一般向けのものもあり、またジ ャンルも物語のみならず、詩、戯曲、エッセイと幅広い。移民や貧困、暴力などの社 会問題もはらんだ多彩な作品を深く詩的に描き、高く評価されている。代表作には7 つのおとぎ話の短編集 "El anillo encantado"、イタリアからアルゼンチンに移住し た青年を描く "Stefano"、詩のような文章とイラストが美しい絵本 "El arbol de lilas" などがある。今後、日本で翻訳作品が出版されることを強く望む。  ファイナリスト4名は、いずれも邦訳出版された作品のある作家がそろった。  アメリカの Paul Fleischman は作家として30年以上も活動し、1988年にニューベ リー賞を受賞したベテランだが、本賞の候補にあがったのは今回が初めて。幼年向き の絵本からヤングアダルトの小説まで、さまざまな年代向けの児童書を発表している。 "The Animal Hedge"(『おとうさんの庭』バグラム・イバトゥリーン絵/藤本朝巳訳 /岩波書店、本誌2006年12月号にレビュー掲載)、"Whirligig"(『風をつむぐ少年』 片岡しのぶ訳/あすなろ書房、本誌1998年8月号にレビュー掲載)などが邦訳出版さ れている。  Bart Moeyaert は2002年にもファイナリストに選ばれており、現在ベルギーを代表 する児童文学作家といえるだろう。デビュー作 "Duet met valse noten"(『調子っ ぱずれのデュエット』西村由美訳/くもん出版)は、16歳のときに執筆したラブスト ーリーで、そのみずみずしい感性がベルギーの青少年たちに強く支持された。ほかの 邦訳作品に "Afrika achter het hek"(『かきねのむこうはアフリカ』アンナ・ヘグ ルンド絵/佐伯愛子訳/ほるぷ出版)がある。  Jean-Claude Mourlevat は作家デビューが1998年と、キャリアはそれほど長くない が、フランス語圏でさまざまな賞を受賞したことがあり、評価は高い。架空の世界を 舞台にした作品には、シリアスなものもユーモラスなものもあり、読者を引き込む魅 力にあふれている。邦訳は "Le combat d'hiver"(『抵抗のディーバ』横川晶子訳/ 岩崎書店)が、今年の2月に出版されたばかり。  最後の Bianca Pitzorno は、イタリアのベテラン女性作家だ。本誌ではすでに、 2011年11月号で未訳作品のレビューとともに紹介したので、そちらをぜひご参照いた だきたい。女の子が冒険を経て成長する物語を得意とし、それらの作品は多くのイタ リアの子どもたちに長年愛されてきた。"Polissena del porcello"(『ポリッセーナ の冒険』長野徹訳/徳間書店)、"La casa sull'albero"(『木の上の家』長野徹訳 /汐文社)などの邦訳作品がある。 【参考】 ▼Maria Teresa Andruetto 公式ウェブサイト(スペイン語) http://www.teresaandruetto.com.ar/ ▼Paul Fleischman 公式ウェブサイト http://www.paulfleischman.net/ ▼Bart Moeyaert 公式ウェブサイト http://www.bartmoeyaert.com/ ▽ポール・フライシュマン作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/f/pfleisch.htm 【特殊文字】 「El arbol de lilas」:「arbol」の「a」の上にアクセント記号(´)がつく                                 (井原美穂) ■画家賞■ 〜 the 2012 Hans Christian Andersen Illustrator Award 〜  ★Winner  Peter Sis (チェコ)  ☆Finalists  ・Mohammad Ali Beniasadi (イラン)  ・John Burningham (イギリス)  ・Roger Mello (ブラジル)  ・Javier Zabala (スペイン) 【特殊文字】 「Peter Sis」:「Sis」の「i」の上にアクセント記号(´)がつく  今回の画家賞は、候補者30人の中から Peter Sis の上に輝いた。冷戦下のチェコ に生まれ育ち、35歳で米国に亡命した経歴を持つ Sis。故郷チェコから推薦されての 受賞には、感慨もひとしおであろう。これまでに携わった絵本や本は70冊を数え、30 もの国で出版されている。中でも "The Tree of Life: Charles Darwin"(『生命の 樹 チャールズ・ダーウィンの生涯』原田勝訳/徳間書店、本誌2005年9月号にレビ ュー掲載)と "The Wall: Growing Up behind the Iron Curtain"(『かべ 鉄のカ ーテンのむこうに育って』福本友美子訳/BL出版、本誌2008年4月号にレビュー掲 載)は、ともにボローニャ・ラガッツィ賞ノンフィクション部門を受賞し、国際的に 高い評価を得た作品だ。他にも、極北のエスキモーにインドネシアのコモドオオトカ ゲ、プラハの街にチベットの山の中、そしてガリレオ・ガリレイに現代のニューヨー クに住む少女――シスは、それぞれの世界を魔法のように絵本に仕立てあげ、長年に わたって読者を魅了しつづけてきた。  ファイナリストには以下の4人が残った。多くの作品を発表し、功績を残している 画家たちが名を連ねている。そのうち邦訳があるのはひとりだけであった。  イランの Mohammad Ali Beniasadi は、イラストレーターのほか、画家、彫刻家と しても活動しているベテランのアーティストだ。油絵からペン画まで様々な画法を用 い、テーマも抽象的なものから写実的なものまで幅広い。充実した公式ウェブサイト で彼の作品を堪能できるので、ぜひゆっくりと楽しんでほしい。  John Burningham は、1964年のデビュー作 "Borka: The Adventures of a Goose with No Feathers"(『ボルカ はねなしガチョウのぼうけん』木島始訳/ほるぷ出 版)と "Mr. Gumpy's Outing"(『ガンピーさんのふなあそび』(光吉夏弥訳/同上) で2度ケイト・グリーナウェイ賞を受賞した、イギリスを代表する絵本作家である。 あたたかみあふれる絵柄と魅力的なストーリーは長く世界中の人々に愛されてきた。  前回の2010年に続いてファイナリストに残ったブラジルの Roger Mello は、これ までに100冊以上の作品を手がけてきており、作家・脚本家としても活躍している。 インターネット上に掲載された絵本の表紙を見ると、スタイリッシュな色使いと構成 に心を奪われる。本を手にとってみたいと思わずにはいられない。  スペインの Javier Zabala は、落ち着いた色使いと独特の筆使いで、独自の世界 観を持つ絵本作家。2005年に "El soldadito Salomon" でスペイン国民イラスト賞を 受賞、また、Federico Garcia Lorca の詩を絵本にした "Santiago" では2008年ボロ ーニャ・ラガッツィ賞子どもの詩部門で特別賞に選ばれている。  Mello と Zabala はともに1960年代生まれで、今後のさらなる活躍が期待される。 【参考】 ▼Peter Sis 公式ウェブサイト http://www.petersis.com/ ▼Mohammad Ali Beniasadi 公式ウェブサイト http://www.baniasadi.com/ ▼John Burningham 紹介ページ(Gurdian サイト内) http://www.guardian.co.uk/childrens-books-site/gallery/2011/mar/21/john-burningham-illustrator-pictures ▼Roger Mello 紹介ページ(caracol.imaginario サイト内、ポルトガル語) http://caracol.imaginario.com/autografos/rogermello/index.html ▼Javier Zabala 公式ウェブサイト http://www.javierzabala.com/ ▽ピーター・シス作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/s/psis.htm ▽ジョン・バーニンガム作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/b/jburning.htm 【特殊文字】 「El soldadito Salomon」:「Salomon」の2つめの「o」の上に                          アクセント記号(´)がつく 「Federico Garcia Lorca」:「Garcia」の「i」の上にアクセント記号(´)がつく                                (植村わらび) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●賞情報●2012年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞候補作品発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  3月27日、カーネギー賞およびケイト・グリーナウェイ賞のショートリスト(最終 候補作品)が発表された。英国図書館協会が主催するこの賞は、イギリスで最も権威 ある児童文学賞である。昨年11月にロングリストが発表され、カーネギー賞に52作品、 ケイト・グリーナウェイ賞に55作品が挙がっていた。受賞作品の発表は、6月14日ロ ンドンのバービカン・センターでの授賞式にておこなわれる。ショートリストは以下 の通り。ロングリストは、やまねこ翻訳クラブウェブサイトの「速報(海外児童文学 賞)」コーナーに掲載中。  http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award ▼カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞公式ウェブサイト http://www.carnegiegreenaway.org.uk/home/ ▽カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞について                (本誌1999年7月号情報編「世界の児童文学賞」) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/1999/07a.htm#a1bungaku ▽カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品リスト                         (やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/uk/carnegie/index.htm http://www.yamaneko.org/bookdb/award/uk/greenawy/index.htm 【カーネギー賞候補作品】〜 Carnegie Medal 〜(作家対象) "My Name is Mina"            by David Almond (Hodder) "Small Change for Stuart"        by Lissa Evans (Doubleday) "The Midnight Zoo"           by Sonya Hartnett (Walker) "Everybody Jam"             by Ali Lewis (Andersen) "Trash"                 by Andy Mulligan (David Fickling) "A Monster Calls"            by Patrick Ness (Walker) "My Sister Lives on the Mantelpiece"  by Annabel Pitcher (Orion) "Between Shades of Gray"        by Ruta Sepetys (Puffin)  本年は、52作品のロングリストの中から8作品がショートリストに残った。そのう ち実に4作品がデビュー作、あるいは作者にとって初の子ども向け読み物にあたる。 また、近年はYA向けの作品が候補に挙がることが多かったが、本年のショートリス トはそれより下の世代を対象とした読み物が中心となっている。  David Almond の "My Name is Mina" は、1998年の本賞受賞作 "Skellig"(『肩胛 骨は翼のなごり』山田順子訳/東京創元社)の前日談だ。"Skellig" では主人公の隣 家に暮らす少女として登場する Mina。彼女がつづったノートという形式をとる本書 は、自由な表現と豊かな感性が読者を引きつけ、単独の作品としても十分に楽しめる。 2011年ガーディアン賞ショートリストにも選ばれている。  "Small Change for Stuart" は、テレビやラジオ番組のプロデューサーとしても活 躍する Lissa Evans が手がけた初の子ども向け読み物。10歳の少年 Stuart が魔術 師の大おじをめぐる謎に迫る、ユーモアたっぷりの冒険ミステリーだ。2011年ガーデ ィアン賞ロングリスト、コスタ賞児童書部門ショートリストにも選ばれ、続編 "Big Change for Stuart" が今月刊行予定である。  15歳で作家デビューし、これまでに数々の児童文学賞を受賞した Sonya Hartnett は、"The Midnight Zoo" でショートリストに選ばれた。第2次世界大戦下の欧州で、 ドイツ軍の攻撃を逃れたロマ民族の子どものきょうだいが、爆撃で廃虚と化した町の 動物園にたどりつく。子どもと動物の視点から戦争と自由を描いた、2011年オースト ラリア児童図書賞高学年向け部門受賞作品。  "Everybody Jam" は、子どものころにテレビドラマで活躍していたこともある Ali Lewis のデビュー作。かつて世界を旅行し、オーストラリアの牧場で働いたときの経 験に着想を得た。オーストラリアの奥地で牧場を営む一家の13歳の少年 Danny が、 兄の事故死、14歳の姉の妊娠、両親の不和など、さまざまな問題と向き合いながら成 長していく姿を生き生きと描く。  "Trash" は、昨年 "Return to Ribblestrop" でガーディアン賞に輝いた Andy Mulligan による、パワフルでスリリングな物語。都会のごみ捨て場で暮らす3人の 少年が、ある発見を機に国家権力も絡んだ事件に巻き込まれていく。作品の舞台は明 記されていないが、現在作者が暮らすフィリピンを連想させる。2011年チルドレンズ ・ブック賞高学年向け部門ショートリストにも選ばれ、映画化の予定もある。  昨年本賞を受賞した Patrick Ness は、故 Siobhan Dowd の構想を引き継いで書い た "A Monster Calls"(『怪物はささやく』池田真紀子訳/あすなろ書房)で今年も ショートリスト入り。悩みを抱える13歳の少年 Conor の前に、ある夜、庭の木の姿 をした怪物が現れる。物語の世界をより豊かにする Jim Kay のイラストにより本年 のケイト・グリーナウェイ賞ショートリストに同時に選ばれているほか、2012年チル ドレンズ・ブック賞高学年向け部門および Overall Winner にも輝く。  "My Sister Lives on the Mantelpiece" は、脚本家、教師を経て作家になった Annabel Pitcher のデビュー作。10歳の少年 Jamie は、5歳のときロンドンの爆弾 テロで姉を亡くす。突然の悲劇に見舞われた家族の喪失と再生を少年の視点から描い た作品だ。2011年ガーディアン賞ロングリスト、2012年チルドレンズ・ブック賞高学 年向け部門ショートリストにも選ばれている。  Ruta Sepetys のデビュー作 "Between Shades of Gray"(『灰色の地平線のかなた に』野沢佳織訳/岩波書店)は、15歳の少女 Lina を語り手に、第2次世界大戦のさ なか祖国リトアニアを追放され、遠くシベリアへ送られた人々の姿を伝える物語。す でに世界各国で翻訳出版され、2012年ゴールデン・カイト賞フィクション部門にも輝 いている。詳しくは本誌今月号のレビューをご覧いただきたい。 ▼David Almond 公式ウェブサイト http://www.davidalmond.com/ ▼Lissa Evans 紹介ページ(Random House 内) http://www.randomhouse.co.uk/authors/lissa-evans ▼Sonya Hartnett 紹介ページ(British Council 内) http://literature.britishcouncil.org/sonya-hartnett ▼Ali Lewis 紹介ページ(Andersen 内) http://www.andersenpress.co.uk/authors/view/67752 ▼Andy Mulligan 公式ウェブサイト http://www.andymulliganbooks.com/ ▼Patrick Ness 公式ウェブサイト http://www.patrickness.com/ ▼Annabel Pitcher 公式ウェブサイト http://www.annabelpitcher.com/ ▼Ruta Sepetys 公式ウェブサイト http://www.rutasepetys.com/ ▽デイヴィッド・アーモンド作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://yamaneko.org/bookdb/author/a/dalmnd.htm ▽パトリック・ネス作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/n/pness.htm                                 (平野麻紗) 【ケイト・グリーナウェイ賞候補作品】〜 Kate Greenaway Medal 〜(画家対象) "Wolf Won't Bite"       by Emily Grabett (Macmillan) "Puffin Peter"         by Petr Horacek (Walker) "A Monster Calls"      by Jim Kay, text by Patrick Ness (Walker) "Slog's Dad"         by Dave McKean, text by David Almond (Walker) "Solomon Crocodile"     by Catherine Rayner (Macmillan) "The Gift"          by Rob Ryan, text by Carol Anne Duffy                               (Barefoot Books) "There Are No Cats in This Book"                by Viviane Schwarz (Walker) "Can We Save the Tiger?"   by Vicky White, text by Martin Jenkins (Walker) 【特殊文字】 「Petr Horacek」:「Horacek」の「a」の上にアクセント記号(´)が、                       「c」の上にハーチェク(v)がつく  2012年ショートリスト8作品には、常連に過去受賞者などベテランばかりが選ばれ た。ケイト・グリーナウェイ賞を2度受賞した Emily Grabett の "Wolf Won't Bite" で、今回の主役は旅サーカス一座の3匹のブタだ。蝶ネクタイやチュチュ姿のブタた ちが操っているのはオオカミ。「かまないよ。かまないよ」と触れ回るが……。鉛筆 の細いラインがきっちりとした輪郭を描き、そこに水彩の柔らかく温かな色が添えら れ、Emily Grabett のお茶目で愉快な世界が展開する。  チェコ生まれの Petr Horacek の "Puffin Peter" は、クレヨンや、水彩、アクリ ル絵の具を使った明るい色が印象的で、随所に見られるコラージュが効果的な絵本だ。 主人公のパフィン(ツノメドリ)Peter は、嵐に連れ去られてしまった友人 Paul を 探す旅にでる。パフィンは愛らしい顔を持ち、空も飛ぶが、海に浮かび時に潜って魚 を取る。Peter もさまざまな場所を冒険し、青いクジラに助けられ……。  "A Monster Calls" の挿絵で Jim Kay が描いてみせたのは、想像と現実が交錯す る世界に住む巨大な怪物の姿だ。黒一色のイラストは、深夜に目覚める怪物の漆黒の 世界と、悩みを抱えた少年の心象を重ねてみせ、荒々しく読者を揺さぶる。  2010年にも "Crazy Hair" でショートリストに残った Dave McKean の "Slog's Dad" は、絵のみで語られるページと、文字だけのページとで構成されている。写真 や CG など多彩な手法が用いられ、物語の奇妙さと不可思議さが際立つ。病に侵され てこの世を去った Slog の父親が、生前の言葉通りによみがえる。しかし友人の Davie は彼が本当に Slog の父親かどうか訝しく思う。さて真実は……?  2009年ケイト・グリーナウェイ賞受賞者 Catherine Rayner が、今回 "Solomon Crocodile" で主役に選んだのはやんちゃ坊主のワニ。大きな口に尖った歯をずらっ と見せ、どんぐり眼でいたずらっぽく笑っている。一緒に遊ぶ相手を探すのだけれど ……!? 主人公に合わせて(?)横長となった絵本の中で、Solomon は大騒動を繰 り広げる。これまでになく明るく活発な雰囲気とスピード感にあふれた作品だ。  Rob Ryan はキプロス出身のビジュアルアーティスト。彼の仕事ぶりはファッショ ン誌でも有名だが、近年最も注目を集めているのは、彼の太くたくましい腕から生み 出される繊細で美しい切り絵だ。"The Gift" は女性の一生をたどりながら、人生に おける生と死、愛を描く。  Viviane Schwarz はドイツ出身。"There Are No Cats in This Book" は3匹のネ コたちがもっと広い世界を見たいと、絵本を飛び出そうとする仕掛け絵本。2010年シ ョートリスト "There Are Cats in This Book" の続編だ。くりくりした目の愛嬌た っぷりな赤・黄・青の猫たちが読者を楽しませようと待っている。公式ウェブサイト では本人による朗読で彼女の絵本が楽しめる。  動物園に6年間勤めた経験を持つ Vicky White の描く動物は、木炭、絵の具、パ ステルを使い、写真と見まがうほどの精密さだ。トラは大きくて、どう猛で、美しい 生き物だ。けれども絶滅の危機にさらされている。その事実が見るものをさらに魅了 する。多くの絶滅危惧種を救うためにできることはないかと考えさせられる。 ▼Emily Grabett 公式ウェブサイト http://www.emilygravett.com/ ▼Petr Horacek 公式ウェブサイト http://www.petrhoracek.co.uk/ ▼Jim Kay 公式ウェブサイト http://www.jimkay.co.uk/Jim_Kay_Illustrator/Welcome.html ▼Dave McKean 公式ウェブサイト http://www.mckean-art.co.uk/ ▼Catherine Rayner 公式ウェブサイト http://www.catherinerayner.co.uk/ ▼Rob Ryan 公式ウェブサイト http://www.misterrob.co.uk/ ▼Rob Ryan 公式ブログ http://rob-ryan.blogspot.com/ ▼Viviane Schwarz 公式ウェブサイト http://www.vivianeschwarz.co.uk/ ▽エミリー・グラヴェット作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/g/egravett.htm ▽キャサリン・レイナー作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/r/crayner.htm                                (尾被ほっぽ) **************************************************************************** ★2012年カーネギー賞ショートリスト作品 ★2012年ゴールデン・カイト賞フィクション部門受賞作品 『灰色の地平線のかなたに』 ルータ・セペティス作/野沢佳織訳 岩波書店 定価2,205円(税込) 2012.01 398ページ ISBN 978-4001156515 "Between Shades of Gray" by Ruta Sepetys Philomel Books, 2011  1941年、第2次世界大戦下のリトアニア。15歳の少女リナは、大学教授の父、母、 弟と暮らしていた。前年にソ連に併合されたリトアニアには不穏な空気が漂い始めて いたが、絵を描く才能に恵まれたリナは、画家の卵たちが集まる美術の講習会に参加 できることになり、将来への希望に胸を膨らませていた。  ところがある夜、父の留守中に突然ソ連の秘密警察がやってくる。リナたち家族が 強引に押し込められたトラックの荷台には、顔見知りも含め、すでに何人もの人の姿 があった。秘密警察は出産直後の母子さえも容赦なく捕え、郊外の駅に向かう。父の 行方も自分たちの行き先もわからないまま、リナたちは大勢の人々と共に家畜用の貨 車に乗せられた。しかし、それは長くつらい日々の始まりにすぎなかった……。  主人公の少女リナの語りでつづられる物語は、ソ連の秘密警察が家にやってくる冒 頭の場面から緊迫感に満ちている。先に原書で読んだとき、周囲を冷静に観察しなが ら、時には感情もあらわに訴えかけてくるリナの語り口に引き込まれた。今回邦訳出 版された本書を読み、リナの率直な言葉の数々が改めて胸に響いてきた。幸せな生活 を突然奪われ、国を追われたリナたちは、長い旅の末に連れて行かれたシベリアで強 制労働に従事させられる。尊厳を踏みにじられ、寒さや飢えと闘いながら重労働に耐 える日々。それでもリナは懸命に前を向き、離れた父にメッセージを伝えるべく、そ して自らの思いを形にするべく、絵を描き続ける。大切な人々への愛や祖国に対する 誇りを胸に今を生きようとする姿から、最後まで目が離せなかった。  リトアニア出身の父を持つ作者は、本書を書くにあたり、実際にリトアニアを訪れ て人々から直接話を聞いたという。国外に追放され、強制労働収容所や刑務所に入れ られた人々は、たとえ生きのびて祖国へ戻ることができても不当な扱いを受け、その 経験を語ることさえ命の危険があったそうだ。本書で書かれているような出来事がこ れまで多く語られてこなかったのは、過去のそういった状況が影響しているためだろ う。作者がこれらの人々の思いを受け止め、物語を通して広く伝えようとしたことの 意義は、計り知れないほど大きい。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【作】ルータ・セペティス(Ruta Sepetys):米国ミシガン州で生まれ育つ。父はリ トアニア出身。米国の大学でオペラ、国際金融を学んだのち、欧州に渡る。帰国後は 音楽業界に携わり、音楽プロデューサーとして活躍しながら大学の教壇にも立ってい たが、夫の勧めで小説を書くことを決意。本書がデビュー作となる。現在は、テネシ ー州ナッシュビル在住。 【訳】野沢佳織(のざわ かおり):1961年東京生まれ。上智大学文学部英文学科卒 業。最近の訳書に『ロス、きみを送る旅』(キース・グレイ作/徳間書店)、『転落 少女と36の必読書(上・下)』(マリーシャ・ペスル作/金原瑞人共訳/講談社)、 『隠れ家 アンネ・フランクと過ごした少年』(シャロン・ドガー作/岩崎書店)な どがある。 【参考】 ▼ルータ・セペティス公式ウェブサイト http://www.rutasepetys.com/ ▼"Between Shades of Gray" 作品公式ウェブサイト http://www.betweenshadesofgray.com/                                 (平野麻紗) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●賞速報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★2012年ビスト最優秀児童図書賞ショートリスト発表 ★2012年度アストリッド・リンドグレーン記念文学賞発表 ★第17回日本絵本賞発表 ★2012年ドイツ児童文学賞ノミネート作品発表  海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を ご覧ください。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●イベント速報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★展示会情報  安曇野ちひろ美術館「アンソニー・ブラウン展」  アサコムホール「イタリアの絵本と子どもの本展」 など ★講座・講演会情報  岡山子どもの本の会「西村由美さん講演会」 など ★イベント情報  上野公園「上野の森親子フェスタ」  呉市立美術館「スペインの絵本会」 など    詳細やその他のイベント情報は、「速報(イベント情報)」をご覧ください。なお、 空席状況については各自ご確認願います。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event                            (冬木恵子/笹山裕子) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●読者の広場● 海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  このコーナーでは、本誌に対するご感想・ご質問をはじめ、海外児童書にまつわる お話、ご質問、ご意見等を募集しています。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せ ください。 ※メールはなるべく400字以内で、ペンネームをつけてお送りください。 ※タイトルには必ず「読者の広場」とお入れください。 ※掲載時には、趣旨を変えない範囲で文章を改変させていただく場合があります。 ※質問に対するお返事は、こちらに掲載させていただくことがあります。原則的に編 集部からメールでの回答はいたしませんので、ご了承ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●お知らせ●  本誌でご紹介した本を、各種のインターネット書店で簡単に参照していただけます。 こちらの「やまねこ翻訳クラブ オンライン書店」よりお入りください。 http://www.yamaneko.org/info/order.htm  本号の html 版を4月18日頃公開予定です。以下の URL よりお入りください。 http://www.yamaneko.org/mgzn/bncorner.htm#html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━            ・☆・〜 次 号 予 告 〜・☆・  詳細は10日頃、やまねこ翻訳クラブHPメニューページに掲載します。           http://www.yamaneko.org/info/index.htm  どうぞお楽しみに! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▽▲▽▲▽   海外児童書のシノプシス作成・書評執筆を承ります   ▽▲▽▲▽   やまねこ翻訳クラブ(yagisan@yamaneko.org)までお気軽にご相談ください。 PR━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━      ☆☆ FOSSIL 〜 Made in USA のライフスタイルブランド ☆☆  独創的なデザインで世界100ヶ国以上で愛用されているフォッシルはアメリカを代 表するライフスタイルブランドです。1984年、時計メーカーとして始まったフォッシ ルは時計をファッションアクセサリーの一つと考え、カジュアルな「TREND」ライン からフォーマルなシーンにも使える「CERAMIC」など、年間300種類以上のモデルを発 売し続けています。またフォッシル直営店では、時計以外にもレザーバッグ、革小物、 ファッションサングラスなどのラインも展開しています。 TEL 03-5992-4611 http://www.fossil.co.jp/     (株)フォッシルジャパン:やまねこ賞協賛会社 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