※5月は休刊致します。次回は6月号です。どうぞお楽しみに! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 2015年4月号    =====☆                    ☆=====   =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====    =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====                                 No.163 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ◆児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌◆ ◆http://www.yamaneko.org                         ◆ ◆編集部:mgzn@yamaneko.org     2015年4月15日発行 配信数 2550 無料◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●2015年4月号もくじ● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎出版社シリーズ研究:第4回 小学館「SUPER! YA」 ◎出版社シリーズ研究連動レビュー:『ハートビートに耳をかたむけて』                     ロレッタ・エルスワース作/三辺律子訳 ◎賞情報:2015年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞ショートリスト発表 ◎賞速報 ◎イベント速報 ◎読者の広場 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●出版社シリーズ研究●第4回 小学館「SUPER! YA」 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  小学館の海外ヤングアダルト(YA)シリーズ「SUPER! YA」を取りあげる。リア リズム作品が中心のこのシリーズは、2009年の創刊以来、これまでに20数作品が発表 され、うち3作品が、やまねこ賞読み物部門の大賞に選ばれている。担当編集者であ る児童学習局児童文芸編集長の喜入今日子さんに、当シリーズの訳者2人を含めたや まねこ翻訳クラブ会員6名が、お話を伺った。 ■シリーズ創刊 「SUPER! YA」シリーズの出発点は、日本の中学生、高校生に、海外のYA作品を届 けたいという喜入さんの強い思いだった。日本の作品にも、思春期の悩みなどを取り あげた良書はたくさんあるが、身の回りの出来事を描いたものに偏りがちだと感じて いたという。 「若いときに世界を感じることが、視野を広げる上で重要だと思っています。ですの で、個人の悩みも重要なテーマだけれど、もっと広い世界が描かれ、社会的なことが 盛り込まれている作品も読んでもらいたいという気持ちがありました。そういうもの は海外の作品にたくさんあります。その中から、よりすぐりのものを手渡していきた いと考えたんです」  創刊時に出した3作のうちのひとつ、ヴァージニア・ユウワー・ウルフ作の『トゥ ルー・ビリーヴァー』(こだまともこ訳)は、IBBY(国際児童図書評議会)オナ ーリスト受賞図書の展示会を見にいった際に原書と出合い、心に迫るいい作品だと感 じたもの。ほかにもいくつか質の高いYA作品が見つかり、出版を検討したとき、単 発で出すよりもシリーズ化したほうが多くの読者に届くと考えた。鳴り物入りで大々 的に出すのではなく、地道にコツコツいい作品を増やしていけるようなシリーズにし よう。そんな思いで準備を始めた。具体的なイメージとして喜入さんが思い描いたの は、海外文学のシリーズである「新潮クレスト・ブックス」の子どもバージョンだ。 「『新潮クレスト』のように作品の質が高く、文学の香りがするもので、YA世代向 けをラインアップしたいと思いました」  シリーズ創刊に向けて作品数をそろえるために、アンテナをはりめぐらせ、さまざ まな形で情報収集をした。児童文学賞受賞作品や受賞作家をチェックしたり、翻訳者 やエージェントに声をかけて紹介してもらったりして作品を集め、文学的なテイスト のものと、エンターテインメントとして楽しめるものの2つを柱に据えた。そして、 準備を始めてから3年ほど経った2009年に、晴れて「SUPER! YA」シリーズを船出さ せた。 ■ブックフェアの魅力  ちょうどそのころから、海外のブックフェアに足を運ぶようになった。児童書の国 際見本市として有名なボローニャブックフェアには、絵本の発掘を主眼に出かけたが、 YAも手がけている話をして作品を紹介してもらった。「SUPER! YA」のラインアッ プを増やすという意味もあって、その後はYA作品の発掘にも力を入れるようになる。 毎年通ううちに海外のエージェントや出版社との関係も深まり、フェアの前にいち早 く作品を紹介してもらうことも増えてきた。 「ブックフェアのいちばんのメリットは、なんといっても、海外のエージェントや出 版社の人から、生の情報を直接聞けること! 現地の熱を肌で感じられることが、す ごく大きいと思います」  新作の発掘ばかりでなく、すでに契約した作品のプロモーションについて意見交換 したり、相談に乗ってもらえたりという意味でも、貴重な場だという。通信手段がめ ざましく発達した今も、やはり直接人と会うことの意義は大きいのだ。  会期中は、フェアの公式行事のほかに、夜にはさまざまなパーティーが開かれる。 同じ作品を翻訳出版している各国の編集者が一堂に会する夕食会もあり、喜入さんも 何度か出席したそうだ。ゲストとして招かれた著者を囲み、世界各国から集まった担 当編集者たちと一緒に、作品についてやりとりする。 「すごく刺激的で、おもしろい経験でした」  目を輝かせてそんな体験談を語る喜入さんに、やまねこ取材班一同、あこがれのま なざしを注いでしまった。 ■読みやすい訳文にするために  出版する作品を選定し版権を取得したら、次に翻訳者を決める。作品を紹介してく れたのが翻訳者だった場合はその人にお願いするが、そうでない場合は、作品の雰囲 気に合った文章を書く人を喜入さんが選び、依頼する。理想の翻訳者とは?という質 問を投げかけると、「一言ではいい表せませんが、言葉選びが上手であることは、や はり重要ですね」とのこと。 「それと、原文の行間から作者の意図を読み取って、細かいニュアンスまでを日本語 に置き換えてくれる人。そういう訳者さんが理想かなあと思いますね」  編集過程での訳者とのやりとりについて話す中で、喜入さんは、海外文学を若い読 者に届けるにあたって、常日頃から考えていることを語ってくれた。 「最近の若者は翻訳物を敬遠しがちだといわれていますが、原因のひとつは、読みに くさではないでしょうか。イメージしにくい単語が多かったり、カタカナの固有名詞 が入れ代わり立ち代わり出てきたりすると、海外文学を読み慣れていない読者、特に 子どもは読みづらいと感じると思うので、わかりやすくする心遣いが必要です。訳稿 を読んで私が引っかかったところは、若い読者も戸惑うんじゃないかなと思うんです よ。だから訳者さんに伝えて、読みやすくするために何らかのケアをしてもらってい ます」  注をつけたり、文中に説明を盛り込んだりすることで対処できる場合もあるが、話 の流れを止めたり、文学性を失ったりすることがないような形にするには、柔軟な発 想での対応が求められる。訳者の腕の見せ所であり、編集者と訳者の連携がものをい うところだろう。細やかな工夫を積み重ねた末に世に送り出しているこのシリーズ、 「自分でいうのも何ですけど、どの作品をとっても、読みやすいことにかけては自信 があります」と、担当編集者として胸を張る。 ■装丁、デザイン  読者への配慮は、訳文だけでなく、デザインにも及んでいる。「SUPER! YA」シリ ーズは、基本的に挿し絵は入れない方針だが、文字がぎっしり詰まっていると読みに くいので、各章の始まりの部分に、ちょっとしたイラストやデザインを施すなどして 工夫している。息抜きのための遊びの部分でもあるが、読みやすくするための心配り の意味も大きい。たとえば、臓器移植がテーマの作品『ハートビートに耳をかたむけ て』(ロレッタ・エルスワース作/三辺律子訳)は、2人の少女が交互に語る構成な ので、章番号をハートのデザインにし、語り手ごとに白と黒に色を分けて、視覚的に わかるようにしている。『ジェンナ 奇跡を生きる少女』(メアリ・E・ピアソン作 /三辺律子訳)では、同じ一人称でも違った意識で書かれているページがあるので、 ほかの部分と区別するために、そのページだけ地の色を灰色にした。『靴を売るシン デレラ』(ジョーン・バウアー作/灰島かり訳)では、プロローグのページに、道し るべのイラストを入れた。原題の "Rules of the Road" は、直訳すると「交通規則」。 邦題にはこの意味を盛りこまなかったので、「人生に道路標識があったらいいよね」 という作者の思いを、イラストという別の形で表現した。これは読者への配慮である と同時に、作者への配慮ともいえるだろう。イラストやデザインは、目を楽しませる だけでなく、さりげない形でさまざまな役割を果たしているのだ。 「SUPER! YA」は、装丁も「新潮クレスト」を参考にしたそうだ。同じ製本方法(簡 易フランス装)は採用しなかったが、手軽に持ち運べるソフトカバーにして、裏表紙 にレビューを刷り込むなど、洋書の趣を持つデザインになっている。  装画はすべて日本版オリジナル。それぞれの作品の雰囲気にあった画家にお願いし、 訳稿を読んだ上で描いてもらうことが多い。依頼するときにどこまで具体的に注文を 出すのかは、作品によっていろいろだ。喜入さんはよく書店に足を運び、平積みの本 を眺めては、どんな装丁が魅力的だろうかと頭をひねるそうだ。 ■読者の反応  本シリーズには、切手不要の愛読者はがきがはさみこまれているが、返ってくるの は、12〜13歳の子どもたちからのものが圧倒的だという。それより年齢が上がると、 忙しくて本を読む時間がない子が多いのかもしれないし、こういう形での反応はあま りしなくなるのかもしれない。喜入さんはそう分析する。やまねこ取材班からは、案 外大人のほうが読んでいるのではないかという発言があったが、喜入さんは「そんな ことはない」と、きっぱり。 「中高生の読書離れの傾向は確かにありますし、インターネット上で発信されている 感想も、大人からのものが多いです。でも、中高生がこのシリーズを読んでいないわ けではありません。思春期の若者って、ひとりでこっそり本を読む子が多いですよね。 口コミでは、読んだという情報も伝わってきていますよ」  シリーズ20数作品の中では、どんなものが売れているのだろう? エンターテイン メント寄りの作品のほうが手に取りやすいように思えるが、実際は、むしろ、骨太の 作品のほうが人気があるそうだ。分厚くて内容が重いから敬遠されるというわけでも ない。そして、作品の完成度が高いものは、やはり売れている。 「SUPER! YA」のラインアップの中には、原書で続編が出ているものやシリーズとな っているものがいくつかあるが、1冊出して売り上げを見ながら、続編を出すかどう か検討することがほとんどだそうだ。これは、現在の出版業界全体にあてはまるとい っても過言ではないだろう。つまり、売れなければ続編は出せない。それが現実だ。 いい本は購入しようという意識を、私たちはもっと持つべきだろう。さもないと、売 り上げが見込める本しか出版されなくなり、子どもたちの本との出合いが限られたも のになってしまう。喜入さんの率直な発言から、そんな状況を打破する努力が必要だ と気づかされた。 ■海外のYA作品を読むということ  若者が海外のYA作品を読むことのメリットを尋ねると、「視野を広げられるとい うのが大きいと思います」と、喜入さん。狭い世界で悩みを抱えている子どもが、別 の世界、別の環境で自分さがしをしている子どもの存在を実感できることが、このジ ャンルの魅力だと考える。 「そして、悩みの根本はけっこう同じなんですよね。だから、海外のYAを読むこと が、自分の殻を破る手がかりになるだろうし、自分を見つめ直すことにつながるんじ ゃないかと思いますね。おもしろさも、そこにあるのではないでしょうか」  続いて、よいYA作品とは?という質問には、次のように答えてくれた。 「定義するのは難しいけれど、やはり心に残るものはいい作品だと思います。すごく おもしろかった!という単純な感動でもかまわないと思うんです。読み終わったあと、 もう1度読みたくなるような作品は、やっぱりいいですよね。編集過程で何度も原稿 を読みますが、読むたびに同じところでウルウルしてしまうことがあります。そうい うときに作品の持つ力を感じますね」 ■YA向けファンタジーも  リアリズム主体の「SUPER! YA」とは異なるテイストのシリーズとして、2014年秋 に、YA向けのファンタジーを創刊した。アレックス・スカロウ作の「タイムライダ ーズ」(金原瑞人・樋渡正人訳)と、ジョナサン・ストラウド作の「ロックウッド除 霊探偵局」(金原瑞人・松山美保訳)という2つの連作がまずはリリースされている。 どちらも世界中でヒットしている話題作だ。宣伝用にダイジェスト版を作成して書店 に配るなど、プロモーションにも力を入れた。ともに好評で、「タイムライダーズ」 は、すでに重版がかかっているそうだ。 ■「SUPER! YA」の新刊 「SUPER! YA」は、引き続き年に2〜3作のペースで、文学的で心に響く作品を中心 に出版していく。現在進めているものに、ノンフィクションの要素が強いもの、映画 化が決まっているものなどがある。5月半ばには、2013年にカーネギー賞を受賞した、 サリー・ガードナー作の "Maggot Moon" が、『マザーランドの月』という邦題で出 版される予定だ。独特の世界観が描かれた難解な作品だったため、訳者の三辺律子さ んと時間をかけて何度もやりとりを重ねたとのこと。カーネギー賞の発表以来、邦訳 を待ちかねていたファンも多いことだろう。満を持しての発行、たいへん楽しみだ。 ◆取材を終えて  今回のインタビューで強く印象に残ったのは、本作りの舵取り役である編集者の仕 事の幅の広さと、意識の高さだった。私たちはとかく文章のことばかり考えがちだが、 作品の魅力を最大限に引き出し、多くの読者に届けるために、デザインやプロモーシ ョンの面でも多大な労力が費やされているのだ。海外のYA作品を若い世代に手渡そ うとする喜入さんのひたむきさに、感銘を受けた。このジャンルの活性化のために私 たちに何ができるのかという課題についても、さまざまな示唆があったように思う。 【参考】 ▼小学館ウェブサイト http://www.shogakukan.co.jp ▼同ウェブサイト内「SUPER! YA」一覧ページ http://www.shogakukan.co.jp/books/series/_id_B10015                            (取材・文/大作道子) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●出版社シリーズ研究連動レビュー●移植がつなぐ少女2人のハートをめぐる物語 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『ハートビートに耳をかたむけて』 ロレッタ・エルスワース作/三辺律子訳 小学館 定価1,500円(本体) 2011.03 351ページ ISBN 978-4092905665 "In a Heartbeat" by Loretta Ellsworth Bloomsbury Publishing Inc., 2010 「わたしが幸せになるために、ほかのだれかが深い悲しみを味わわなければならない のだ」――心臓移植以外に生き延びる方法がない14歳のアメリアは、複雑な思いを抱 えながら、〈そのとき〉を待っていた。そんなある日、同じ年頃の女の子イーガンが、 フィギュアスケート大会で事故死し、心臓がアメリアに移植される。手術は無事成功 したものの、その日を境にアメリアは、知るはずのないドナーの記憶を感じるように なり、さらには、急に笑うことが苦手になったり、嫌いだった紫色に心惹かれたりと、 性格や嗜好が変化する。  心臓を提供したイーガンと移植を受けたアメリアが、一人称で交互に語るという形 で、物語は進んでいく。突然命を落としたイーガンは事実を受け止められず、一面灰 色の世界をさまよう。一方アメリアも、だれかの死によって生かされたという罪悪感 にも似た思いをぬぐいきれずにいた。命を手放せない少女と、命を受け入れられない 少女。そんなふたりが、文字通り「ハート」を通じて呼応し、塗り替えることのでき ない現実と、折り合いをつけていく。その過程が、家族との愛や確執、恋愛などを絡 めつつ、思春期の心のひだとともに丁寧に描かれている。  また本作は、母と娘の物語でもある。6年あまり闘病生活を送ってきたアメリアは、 常に穏やかなお母さんの庇護のもと、いわゆるいい子として育ってきた。そんな彼女 が、支援グループを通じて知り合った少年の助けを借り、親に内緒でドナーを突き止 め、イーガンの家族と面会を試みるシーンは、母親からの精神的な巣立ちの一歩を象 徴している。イーガンはイーガンで、過干渉なママと衝突が絶えず、愛情を実感でき ぬままこの世を去ったが、現世とあの世のはざまで過去を追想するうちに、大切なこ とに気づいていくのだ。  この本で扱われている現象、すなわち臓器移植により、ドナーの記憶がレシピエン トに移る現象は〈記憶転移〉と呼ばれ、臓器の細胞にも記憶する能力があるという考 えに基づき説明される。こういった症例は、実際に数多く報告されているという。  現代医療が内包する倫理的な問題に思いをめぐらせながら、対照的な二組の母と娘 の姿を追っていくと、その先にたったひとつの真実が見えてくる。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【作】ロレッタ・エルスワース(Loretta Ellsworth):米国アイオワ州生まれ。ス ペイン語教師の職を経て、作家に。未訳作品に、"In Search of Mockingbird"、 "Unforgettable"、邦訳作品に『とむらう女』(代田亜香子訳/作品社)がある。 【訳】三辺律子(さんべ りつこ):聖心女子大学英語英文学科卒業。英米文学翻訳 家。絵本から児童書、YA作品まで、幅広く活躍している。『だいじなおとしもの』 (サリナ・ユーン文・絵/岩崎書店)、「マジカル・チャイルド」シリーズ(サリー ・ガードナー作/小峰書店)、「龍のすむ家」シリーズ(クリス・ダレーシー作/竹 書房)、『マザーランドの月』(サリー・ガードナー作/小学館より刊行予定)など、 訳書多数。 【参考】 ▼ロレッタ・エルスワース公式ウェブサイト http://lorettaellsworth.com/                                 (相良倫子) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●賞情報●2015年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞ショートリスト発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  3月17日、カーネギー賞およびケイト・グリーナウェイ賞のショートリスト(最終 候補作品)が発表された。英国図書館・情報専門家協会(CILIP: The Chartered Institute of Library and Information Professionals)が主催するこの賞は、イギ リスで最も権威ある児童文学賞である。昨年10月20日にノミネート作品リスト(カー ネギー賞91作品、ケイト・グリーナウェイ賞70作品)が、続いて今年2月10日にそれ ぞれ20作品のロングリストが発表されている。受賞作品の発表と授賞式は6月22日。  本号では、ショートリストに選ばれた作品をご紹介する。ロングリストは、やまね こ翻訳クラブウェブサイトの「速報(海外児童文学賞)」コーナーに掲載中。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?cmd=tre;id=award#atop ▼カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞公式ウェブサイト http://www.carnegiegreenaway.org.uk/home/ ▽カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞について                (本誌1999年7月号情報編「世界の児童文学賞」) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/1999/07a.htm#a1bungaku ▽カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品リスト                         (やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/uk/carnegie/index.htm http://www.yamaneko.org/bookdb/award/uk/greenawy/index.htm 【カーネギー賞ショートリスト】           〜 The CILIP Carnegie Medal 2015 Shortlist 〜(作家対象) "When Mr. Dog Bites"         by Brian Conaghan (Bloomsbury) "Apple and Rain"           by Sarah Crossan (Bloomsbury) "Tinder"               by Sally Gardner                           (Orion Children's Books) "Cuckoo Song"            by Frances Hardinge                         (Macmillan Children's Books) "The Fastest Boy in the World"    by Elizabeth Laird                         (Macmillan Children's Books) "Buffalo Soldier"          by Tanya Landman (Walker Books) "The Middle of Nowhere"       by Geraldine McCaughrean                                (Usborne Books) "More Than This"           by Patrick Ness (Walker Books)  本年、ショートリストに残ったのは8作品。死・戦争・逆境など難しい問題をテー マにしたものが多く、作家の顔ぶれは3人の受賞経験者を含め、実力派ぞろいである。  "When Mr. Dog Bites" は、さまざまな職歴を持つ異色の作家、スコットランド出 身の Brian Conaghan の作品。トゥレット症候群の少年 Dylan の毎日は、チック症 状や、勝手に口から出る汚い言葉、犬のようなうなり声を抑えることで精一杯だった。 でもある時、自分の命があと数か月だと知り、「やるべきことリスト」を作って新た な挑戦を始める。障害、人種差別、いじめなどをリアルに描きながらも、スラングを 多用したユーモラスな作品で、2015年CBI最優秀児童図書賞候補にもなっている。  "Apple and Rain" の作者 Sarah Crossan はアイルランド生まれ。デビュー作の "The Weight of Water" で、2013年CBIエイリース・ディロン賞を受賞した新進気 鋭の作家である。13歳の少女 Apple は、厳格な祖母とふたり暮らし。そこへ家出し ていた母親が11年ぶりに帰ってくる。はじめは喜んだ少女だが、やがて失望を感じる ようになり、もっと寂しい境遇の Rain との出会いのなかで、本当の愛とは何かに気 づいていく。2015年CBI最優秀児童図書賞候補にも選ばれた感動作。  "Tinder" の作者は、世界中にファンをもつ Sally Gardner。"Maggot Moon"(『マ ザーランドの月』三辺律子訳/小学館より刊行予定)でカーネギー賞とコスタ賞を受 賞しており、2度目の本賞受賞の期待がかかる。本作にはケイト・グリーナウェイ賞 とのダブル受賞の可能性もあり、注目の的だ。戦争で負傷した兵士 Otto は、半人半 獣の男に命を救われ、不思議な魔法の国へと旅立った。美しく勇敢な姫 Safire に出 会って恋に落ちるが、やがて引き裂かれてしまう。姫を求めて旅を続ける Otto は、 火打ち箱の力と狼の秘密を知ることに。アンデルセンの童話 "Tinderbox"(『火打ち 箱』)を題材にして、戦争によるトラウマや、愛と喪失への深い洞察を描いている。  "Cuckoo Song" は、デビュー作 "Fly By Night" で話題をさらった Frances Hardinge の作品。事故にあった11歳の少女 Triss は、目ざめたときに異常なものを 感じる。たまらないほどの空腹感をおぼえるうえに、妹には怖がられ、両親の態度も おかしい。自分は本物の自分なのだろうか? やがて衝撃的な事実を知った少女は、 さらなる真実を求めて、邪悪な未知の世界へと足を踏み入れていく。謎と脅威に満ち、 作者のミステリアスな持ち味が十分に発揮された作品。  Elizabeth Laird は、本賞の候補に何度も選ばれ、チルドレンズ・ブック賞など多 くの賞を受賞しているベテラン作家である。"The Fastest Boy in the World" の主 人公 Solomon は、エチオピアに住む11歳の少年で、走ることが大好き! 夢はオリ ンピックで優勝することだ。ある日、祖父とふたりで旅をするが、途中で祖父が倒れ てしまった。Solomon は助けを求めて、はだしで20マイルの道をひた走る。エチオピ アに寄せる作者の熱い思いと、貧しくても夢をもつことの大切さが伝わってくる。  "Buffalo Soldier" は、多くの著作と受賞歴をもつ Tanya Landman による作品。 南北戦争直後の混乱期、米国南部の若い黒人女性が、奴隷解放により自由の身となっ た。ところが、唯一の身寄りである養母が、暴徒にレイプされたうえに殺されてしま う。無法地帯でわが身を守るため、彼女は男装して Charley と名のり、軍隊に入っ た。やがて「どう猛なインディアン」との戦線に送られるが、アパッチ族と接するう ちに、自分が何者であり、真の自由とは何かについて考えるようになる。実話から刺 激を受け、米国の歴史についての深い知識をもとに著した意欲作。  Geraldine McCaughrean は、"A Pack of Lies"(『不思議を売る男』金原瑞人訳/ 偕成社)でカーネギー賞とガーディアン賞を受賞するなど、多くの受賞歴をもつ人気 作家。今回選ばれれば、2度目の受賞となる。"The Middle of Nowhere" の舞台は、 19世紀のオーストラリア奥地。両親を相次いで亡くし、ひとりぼっちになった少女 Comity は、先住民アボリジニの少年 Fred と友だちになった。ところが、先住民を いたぶって楽しむ残忍な男がやってきて、Fred に狙いをつける。少女は友だちを守 れるだろうか? 緻密な自然描写とともに、人種差別と友情という重いテーマに挑む。  Patrick Ness は、数々の賞に輝くベストセラー作家。2011年、"Monsters of Men" (『人という怪物』金原瑞人・樋渡正人訳/東京創元社)で本賞を受賞し、また2012 年には "A Monster Calls"(『怪物はささやく』ジム・ケイ絵/池田真紀子訳/あす なろ書房)で2度目の受賞を果たした。今年の候補作は "More Than This"(『まだ なにかある』三辺律子訳/辰巳出版より刊行予定)。海で溺れ死んだはずの少年 Seth が、遠く離れた故郷の村で目をさました。一体何が起こったのか? 答えを求 めて少年の冒険が始まる。ゲイであるために苦しむ現実の世界と、冒険に満ちたもう ひとつの世界を行き来しつつ物語は進んでいく。3度目の受賞が期待される話題作。 【参考】 ▼Brian Conaghan 紹介ページ(Bloomsbury Publishing 内) http://www.bloomsbury.com/author/brian-conaghan/ ▼"When Mr. Dog Bites" についての Brian Conaghan インタビュー動画               (YouTube 内 Bloomsbury Publishing のチャンネル) https://www.youtube.com/watch?v=LZITedqJS0Y ▼Sarah Crossan 公式ウェブサイト http://www.sarahcrossan.com ▼Sally Gardner 公式ウェブサイト http://www.sallygardner.net/ ▼Frances Hardinge 公式ウェブサイト http://www.franceshardinge.com/ ▼Elizabeth Laird 公式ウェブサイト http://www.elizabethlaird.co.uk/ ▼Tanya Landman 公式ウェブサイト http://www.tanyalandman.com/ ▼Geraldine McCaughrean 公式ウェブサイト http://www.geraldinemccaughrean.co.uk/index.htm ▼Patrick Ness 公式ウェブサイト http://www.patrickness.com/ ▽エリザベス・レアード作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/l/elaird.htm ▽パトリック・ネス作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/n/pness.htm                                  (牛原眞弓) 【ケイト・グリーナウェイ賞ショートリスト】        〜 The CILIP Kate Greenaway Medal 2015 Shortlist 〜(画家対象) "The Promise"           by Laura Carlin, text by Nicola Davies                                (Walker Books) "Jim's Lion"            by Alexis Deacon, text by Russell Hoban                                 (Walker Books) "Shackleton's Journey"       by William Grill (Flying Eye Books) "Dark Satanic Mills"        by John Higgins & Marc Olivent,                   text by Marcus Sedgwick & Julian Sedgwick                                (Walker Books) "Smelly Louie"           by Catherine Rayner                         (Macmillan Children's Books) "Goth Girl and the Ghost of a Mouse"                   by Chris Riddell                          (Macmillan Children's Books) "Tinder"              by David Roberts, text by Sally Gardner                            (Orion Children's Books) "Rules of Summer"         by Shaun Tan (Hodder Children's Books)  2015年ケイト・グリーナウェイ賞ショートリストの8作品は、ノミネート常連から 新人まで幅広い顔ぶれが揃い、作品もグラフィックノベル、ノンフィクション、物語 の挿絵などバラエティに富んだものとなった。  Laura Carlin は雑誌を中心に活躍するイラストレーター。雑誌や児童書の挿絵の ほか、商業デザインなど幅広い分野で受賞経験のある注目の若手だ。"The Promise" では、ボローニャ・ラガッツィ賞の優秀賞、ニューヨークタイムズ・ベストイラスト 賞を受賞している。荒廃した街でスリを繰り返す少女は、とある「やくそく」と引き 換えに、見知らぬおばあさんのカバンを手に入れ……。すさんだ街と笑顔のない人々、 その変わってゆく姿を、水彩絵の具や色鉛筆を組み合わせた柔らかなタッチで描く。  "Jim's Lion" の Alexis Deacon は、今回で2度目のノミネートだ。グラフィック ノベル調に描かれたページと、簡潔な文章だけのページを織り交ぜた構成で物語は進 んでゆく。病院で手術を待つ男の子 Jim は、麻酔をかけられれば夢の世界へ迷い込 み、二度と戻って来られないのではないかとおびえている。しかし、看護師がしてく れた話によると、夢の世界に迷い込んだ自分を見つけ出してくれる "Finder" が存在 するという。Jim にとって、それは白い歯に琥珀の瞳のライオンだった。  "Shackleton's Journey" は、アーネスト・シャクルトンとその探検隊の遠征を描 いたノンフィクション絵本。今からちょうど100年前に、人類初の南極大陸横断をめ ざして出発した一行が、氷の海で遭難し、1年8か月後に生還を果たすまでの壮絶な 日々を、イラストとその解説で伝えている。乗組員や道具の紹介など、小さな絵を並 べたページも、見開きいっぱいに描かれた雄大な風景のページも、臨場感たっぷりだ。 文も手掛けた William Grill のデビュー作である本書は、2014年ニューヨークタイ ムズ・ベストイラスト賞にも選ばれている。  "Dark Satanic Mills" は、本賞では異色のグラフィックノベル。カーネギー賞候 補の常連 Marcus Sedgwick とその兄 Julian Sedgwick が話を書いたと聞けば、興味 をひかれる人も多いだろう。近未来のイギリスを舞台に、少女と元医師の男が狂信的 な権力に追われ、半分水没したロンドンから灼熱の砂漠と化した北部へバイクで旅を する。グラフィック化はアメリカン・コミックの金字塔ともいわれる "Watchmen" に カラリスト(彩色の専門家)として参加した John Higgins と、同じくコミック作家 の Marc Olivent が担当し、まさにコミック調の仕上がりとなっている。第1章を、 Marcus Sedgwick の公式ウェブサイトで見ることができる。  毎年のように本賞の候補にあがってきた Catherine Rayner。トラ、ノウサギ、ム ース、ワニなどさまざまな動物を絵本の主人公にすえてきたが、今回の "Smelly Louie" に登場させたのはイヌの Louie。体を洗われ、シャンプーの良いにおいがす るようになった Louie は、自分の元のにおいを取り戻すために家を出てかけまわる。 のびのびとした線画と美しい色彩で、小さな子どもの切実な思いをユーモアいっぱい に描き出した作品。  Chris Riddell は、これまでに本賞を2度受賞し、画家としての評価が高いが、作 家や風刺漫画家としても広く活躍している。文と挿絵の両方を手掛けた "Goth Girl and the Ghost of a Mouse" は、18世紀末のイングランドを舞台にしたファンタジー。 タイトルや表紙のドクロの絵などから、ゴシックファンタジーを想像するが、読んで みると、奇天烈なストーリーに驚かされる。作中の随所に盛り込まれている挿絵はユ ーモアたっぷりで、超個性的な登場人物の風貌や、妙ちきりんな小道具など、緻密に 描かれたペン画のあちこちに笑いが散りばめられている。  これまでに数々の絵本で本賞の候補にあがってきた David Roberts。今回は Sally Gardner による読み物 "Tinder" の表紙絵および挿絵が評価された。吹雪の中でうな る白い狼の表紙をめくると、物語の冒頭まで戦争で亡くなった人々が横たわる描画が 続く。物語の途中にも見開きの挿絵が効果的に挟まれている。黒の背景に主にモノト ーンで描かれた絵は、戦争のトラウマをモチーフのひとつにしたこの作品の世界観を あますところなく伝えてくれる。  Shaun Tan はオーストラリア生まれのイラストレーターで、その圧倒的な画力と想 像力から生み出される作品は、世界中で翻訳出版されている。今回、初めて本賞にノ ミネートされた "Rules of Summer"(『夏のルール』岸本佐知子訳/河出書房新社) は、ズシンと重たい印象をまとう油絵が主体となっており、彼らしいシュールでミス テリアスな内容だ。小さな兄弟たちの風変わりなひと夏の経験を、持ち前の想像力で 描きだす。オーストラリア児童図書賞絵本部門受賞作品。 【参考】 ▼Laura Carlin 紹介ページ(Heart Agency 内) http://www.heartagency.com/artist/LauraCarlin/biog ▼Alexis Deacon 公式ブログ http://alexisdeacon.blogspot.jp/ ▼William Grill 公式ウェブサイト http://williamgrill.co.uk/ ▼John Higgins 公式ウェブサイト http://www.turmoilcolour.com/ ▼Marc Olivent 公式ウェブサイト http://marcolivent.wix.com/marcolivent ▼Catherine Rayner 公式ウェブサイト http://www.catherinerayner.co.uk/ ▼Chris Riddell 公式ウェブサイト http://www.chrisriddell.co.uk/ ▼David Roberts 公式ウェブサイト http://www.davidrobertsillustration.com/home.html ▼Shaun Tan 公式ウェブサイト http://www.shauntan.net/ ▽キャサリン・レイナー作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/r/crayner.htm ▽"Goth Girl and the Ghost of a Mouse" レビュー                       (本誌2014年3月号「注目の本」) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2014/03.htm#myomi                 (植村わらび/大作道子/蒲池由佳/安田冬子) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●賞速報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★2015年CBI最優秀児童図書賞ショートリスト発表                      (受賞作品の発表は5月19日の予定) ★2015年LIANZA児童図書賞候補作品発表(受賞作品の発表は6月15日の予定) ★2016年国際アンデルセン賞候補者発表        (2016年3月のショートリスト発表を経て、受賞者が決定する予定) ★2015年度アストリッド・リンドグレーン記念文学賞発表  海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を ご覧ください。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●イベント速報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★展示会情報  そごう美術館  「『イメージの魔術師』と呼ばれた絵本作家 エロール・ル・カインの魔術展」  伊丹市立美術館・工芸センター「誕生50周年記念 ぐりとぐら展」 など ★講演会情報  はつかいち美術ギャラリー  「佐藤英和さん講演会『絵本のなかに秘められた力』」 など  詳細やその他のイベント情報は、「速報(イベント情報)」をご覧ください。なお、 空席状況については各自ご確認願います。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event                            (笹山裕子/冬木恵子) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●読者の広場● 海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  このコーナーでは、本誌に対するご感想・ご質問をはじめ、海外児童書にまつわる お話、ご質問、ご意見等を募集しています。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せ ください。 ※メールはなるべく400字以内で、ペンネームをつけてお送りください。 ※タイトルには必ず「読者の広場」とお入れください。 ※掲載時には、趣旨を変えない範囲で文章を改変させていただく場合があります。 ※質問に対するお返事は、こちらに掲載させていただくことがあります。原則的に編 集部からメールでの回答はいたしませんので、ご了承ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●お知らせ●  本誌でご紹介した本を、各種のインターネット書店で簡単に参照していただけます。 こちらの「やまねこ翻訳クラブ オンライン書店」よりお入りください。 http://www.yamaneko.org/info/order.htm  本号の html 版を4月18日頃に公開予定です。以下の URL よりお入りください。 http://www.yamaneko.org/mgzn/bncorner.htm#html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━            ・☆・〜 次 号 予 告 〜・☆・  詳細は10日頃、出版翻訳ネットワーク内「やまねこ翻訳クラブ情報」のページに掲 載します。どうぞお楽しみに!           http://litrans.g.hatena.ne.jp/yamaneko1/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▽▲▽▲▽   海外児童書のシノプシス作成・書評執筆を承ります   ▽▲▽▲▽   やまねこ翻訳クラブ(yagisan@yamaneko.org)までお気軽にご相談ください。 PR━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━     ☆☆ FOSSIL 〜 Made in USA のライフスタイルブランド ☆☆  独創的なデザインで世界120ヶ国以上で愛用されているフォッシルはアメリカを代 表するライフスタイルブランドです。1984年、時計メーカーとして始まったフォッシ ルは時計をファッションアクセサリーのひとつと考え、カジュアルでポップなライン からフォーマルなシーンにも使えるアイテムまで、年間300種類以上のモデルを発売 し続けています。またフォッシル直営店では、時計以外にもレザーバッグ、革小物、 ファッションサングラスなどのラインを展開しています。 TEL 03-5992-4611 http://www.fossil.co.jp/     (株)フォッシルジャパン:やまねこ賞協賛会社 PR━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★☆     出版翻訳ネットワークは出版翻訳のポータルサイトです     ☆★              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