※5月は休刊致します。次回は6月号です。どうぞお楽しみに! ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ 2017年4月号    =====☆                    ☆=====   =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====    =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====                                 No.177 ◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆ ◆児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌◆ ◆http://www.yamaneko.org                         ◆ ◆編集部:mgzn@yamaneko.org     2017年4月15日発行 配信数 2580 無料◆ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●2017年4月号もくじ● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ◎出版社研究:第20回 マイティブック ◎出版社研究連動レビュー:『はね』曹文軒文/ホジェル・メロ絵/濱野京子訳 ◎賞情報:2017年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞ショートリスト発表  ケイト・グリーナウェイ賞ショートリスト作品レビュー:  "The Wolves of Currumpaw" ウィリアム・グリル文・絵 ◎賞速報 ◎イベント速報:★やまねこ翻訳クラブ協力企画のお知らせあり★ ◎読者の広場 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●出版社研究●第20回 マイティブック ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  株式会社マイティブックは、代表の松井紀美子さんがひとりで運営している出版社 だ。2月半ば、杉並区にあるオフィスにほど近い複合施設内のカフェでインタビュー を行い、その後、オフィスを見学させていただいた。終始笑顔で快活に語ってくださ った松井さんのお話を、記念すべき第20回を迎えた当コーナーでレポートする。 ■会社設立  30代の終わりごろ、大手企業で雑誌編集や海外と関わる広告営業の仕事をしていた 松井さんは、早期退職制度を利用して退職し、海外の出版社の日本支社を設立する準 備を進めていた。ところが、相手先の事情で計画が立ち消えになる。その後、旅行先 のイタリアで、美術館の子ども向けガイドブックの日本語版に出合ったことをきっか けに、その販売事業を軸にした会社を立ち上げようと思いつく。イタリアの出版社と の商談は順調に進み、2004年2月に株式会社マイティブックが誕生した。同じ年に子 育て応援絵本「いにみにまにも」シリーズの制作・出版も開始。また、日本国際児童 図書評議会(JBBY)に法人会員として入会し、子どもの本の世界で積極的に活動 し始める。 ■「ブックバード日本版」発行  マイティブックといえば、国際児童図書評議会(IBBY)機関誌 "Bookbird" (ブックバード)の日本版発行で注目を浴びたが、これは松井さんの熱い思いの結晶 だった。「JBBYに入会して "Bookbird" を見たときに、高校時代のことがフラッ シュバックしたんです。私はシンガポールのインターナショナルスクールに通ってい たのですが、図書館の先生が読んでいた雑誌だったんですよ」。誌面には日本人の投 稿もあり、高校生だった松井さんにとっても興味深い内容だったそうだ。当時とは表 紙や体裁はだいぶ変わったものの、世界各国の子どもの本事情が書かれていることに 変わりはなかった。この貴重な機関誌を多くの人に読んでもらいたいという思いから、 日本版の発行を提案。読者が集まるのか、年に4回出る専門誌を短期間で正確に翻訳 できるのかと、まわりからは懐疑的な意見が多く聞こえた。しかし松井さんの気持ち は揺るがず、事業計画を立ててブックバード社と版権交渉を重ね、マイティブックか ら出版することを決める。翻訳は確かに大きな課題だったが、それほど心配していな かったという。「雑誌畑に長年いた私は、雑誌に間違いはつきものという認識でした。 次の号でお詫びと訂正ができますしね(笑)。今考えると恐ろしいことをしたなとも 思いますが、翻訳が大変だという周囲の声の意味をあまり理解していなかったから出 せたというのはありますね」  準備から創刊まで約2年でこぎつけたが、2009年末に無料で配布した創刊準備号は、 完成に約1年を要した。翻訳を大勢で分担したところ、文体や表記の統一が大変でか えって時間がかかり、このやり方では年4回発行できないと判断。翻訳者は原則とし て1人にすると方針を変更した。第1号から担当してもらったのは、海外ニュース翻 訳で実績のある黒田幸世さん。とにかく速くてポイントをはずさない訳文を提出して くれる方で、大いに助けられた。文章を整える編集や校正作業も専門家にまかせ、質 の高い仕事をしてもらった。編集長を務めた百々佑利子さんは、直前まで大学の児童 学科で教壇に立っていた研究者であり、翻訳家であり、かつてIBBYの国際理事を 務め、"Bookbird" に掲載する論文の審査委員だった経験の持ち主だ。原文と訳文の 両方を読んで内容を確認し、編集過程でどうしても決着がつかないことがあれば、そ の最終判断を下す役割を果たしてくれた。「百々先生が引き受けてくれなかったら、 絶対に出版はできませんでした。どれだけ大変かを十分理解した上で、本気で指導し てくれました。創刊当時、私はおもに営業や統括役として関わったので、具体的な作 業はみな外部の人にお願いしたわけですが、本当に人に恵まれたと思います」  JBBYや多くの人の協力・応援を受けて、2010年3月に「ブックバード日本版」 は正式に創刊された。同年9月にスペインで開催されたIBBYの世界大会では、松 井さんが発表を行ったほか、取り組み報告としても紹介され、世界各地から集まった 子どもの本に関わる人々から拍手を浴びた。その年、予定通りに第4号までを発行。 国内外での評判も上々で手応えを感じた。  翌年3月に創刊1周年のパーティーを開き、さあこれからと意気込んでいた矢先の こと。東日本大震災が発生した。その影響でスポンサーを失ったり読者が減ったりと 打撃を受けるが、ほかの仕事を着実にこなしながら、スポンサーや読者が戻ることを 信じて発行を続けた。しかし最終的には、ブックバード社や翻訳版に対するIBBY の方針が変わり、日本版の契約更新ができなくなったため、やむなく休刊となる。  2010年から2013年まで合計12号を発行。「お金にはならなかったけど、いい出会い があり、いい仕事でした。笑って泣いて、自分も成長した幸せな4年間だったなと思 います」と、松井さんは振り返る。やまねこ翻訳クラブでも、翻訳や編集に関わった 会員がいるほか、本誌「月刊児童文学翻訳」で「デイヴィッド・アーモンド特集」を 組んだ際や国際アンデルセン賞の記事を掲載した際には、貴重な日本語の情報源とし て参考にさせてもらった。資料としての価値が高い専門誌なので、これからも多くの 人が参照することだろう。バックナンバーは現在も入手可能で、全号まとめての注文 が入ることもあるそうだ。 ■アジア発の翻訳絵本  マイティブック刊行の翻訳絵本は、いずれもアジアの作品2冊。 『ニン どんなときも』(チーワン・ウィサーサ作/竹内より子訳)は、タイの作品。 タイ児童文学の研究者である竹内より子さんから紹介されて気に入り、2013年に出版 した。仏教の思想をベースにしたやさしい語りのこの絵本は、2010年IBBYオナー リストに選ばれている。「静かに」という意味の「ニン」という言葉をイメージした 絵もほのぼのとかわいらしく、親しみやすい。 『はね』(曹文軒文/ホジェル・メロ絵/濱野京子訳)は、2013年に中国で出版され た作品。自国の著名な作家と海外の勢いのある画家の共作絵本を出そうという中国の 出版社の挑戦的な試みが形になったものだ。絵を手がけたホジェル・メロ氏はブラジ ル人。松井さんは、「ブックバード」の記事を通じて作家と画家の両方と交流してい たおかげで、いち早く情報を得ていた。当初は邦訳をマイティブックから出すつもり はなく、販売力の高いほかの出版社に提案していたのだが、その時点では作者2人の 知名度が日本ではいまひとつだったこともあり、よい返事をもらえなかった。それな ら自社から出そうと決断し、版権を取得。中国の出版社は英訳された原稿を送ってく れたが、松井さんとしては、曹文軒氏の世界観を中国語から直接日本語に紡ぎ直した いという思いが強く、下訳者を立てた上で、中国語に親しみがある児童文学作家の濱 野京子さんに翻訳をお願いした。2014年4月、ホジェル・メロ氏が国際アンデルセン 賞画家賞を受賞。邦訳の刊行は翌2015年に実現した。そして2016年4月、今度は曹文 軒氏が国際アンデルセン賞作家賞を受賞。世界的なビッグネームの共作として、大き な話題となる。本書の内容は、このあとの記事「出版社研究連動レビュー」でご紹介 する。 ■マイティブックのこれから  現在は、さまざまな出版物の編集を請け負うほか、イベント企画の仕事にも積極的 に取り組んでいる。今年5月にバンコクで開催されるIBBYアジア・オセアニア地 域大会に協力するため、それに向けて小冊子「日本で出版されたタイの子どもの本」 の制作や、現地での基調講演の準備を進めているところだ。  新しい事業の構想もある。「ブックバード日本版」の巻末には、松井さんが企画し た「本のつばさ」という日本オリジナルコンテンツがあり、日本の児童書に関わる話 題やインタビュー記事を掲載していた。毎回英訳して海外の研究者にも配信し、喜ん でもらっていたそうだ。こういった情報の発信や共有をグローバルに展開したいとい う思いから、児童書のポータルサイトを作る計画を立てている。「ブックバード日本 版」の発行やIBBY・JBBYの活動を通して得たネットワークが生きる企画だ。 「私がやりたいことはこれだ!と、立ち返ってみて気づいたんです」と、松井さん。  前述のように、松井さんは中学・高校時代を、多民族・多言語国家シンガポールで 過ごし、インターナショナルスクールで世界各国出身の学友と机をならべていた。そ の経験から、国や言語の多様性をもっともっと意識する社会になってほしいという思 いがある。日本では世界の児童文学が数多く翻訳されているが、それぞれの作品が生 み出された国のことにももっと興味を持ってほしいし、日本の児童文学の海外発信も 盛んになってほしいという気持ちだ。日本の子どものためによい本を出すだけでなく、 子どもの本を通じて日本と世界をつなぐ活動をしたい。そんな松井さん独自の視点が、 マイティブックの基盤であるといえるだろう。 「子どもを見ていると楽しい気持ちになるし、新しいことを始めようというやる気が 出てくるんですよね」と語る松井さん。自身が子どものころは、『ツバメ号とアマゾ ン号』に始まる「ランサム・サーガ」シリーズや『モモ』など、外国の物語に親しん だ。シンガポールに移り住んで英語に自信がなかった中学・高校時代に、図書館の先 生に読みやすい児童書を教えてもらって英語での読書を楽しんだことも、今の松井さ んが子どもの本の世界で活動する原動力のひとつになっている。  マレーシアの絵本で気に入っているものがあるそうなので、いずれ邦訳出版される ことにも期待したい。 【参考】 ▼マイティブック ウェブサイト http://www.mightybook.net/ ▼マイティブック Facebook ページ https://www.facebook.com/mightybook.net ▼Bookbird(ブックバード)日本版公式ウェブサイト http://www.bookbird.jp/ ※バックナンバーも上記ウェブサイト内リンクより購入可。 ▼第3回IBBYアジア・オセアニア地域大会日本語ウェブサイト                            (マイティブック作成) http://ibbyasia2017thailand.webnode.jp/                            (取材・文/大作道子) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●出版社研究連動レビュー●わたしはいったい、だれの羽? ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 『はね』 曹文軒文/ホジェル・メロ絵/濱野京子訳 マイティブック 定価1,800円(本体) 2015.08 40ページ ISBN 978-4902617344 "A Feather" text by Cao Wenxuan, illustrations by Roger Mello China Children's Press and Publication Group, 2013  ある日、男の子と女の子が1枚の羽をひろった。女の子は羽をちょっと眺めるとす ぐに放りなげ、そして言った。「あの羽、どの鳥のかな?」――そうだ、わたしはど んな鳥の羽なんだろう? 本作の主人公はこの1枚の〈はね〉。風に舞ったり、草む らで休んだりしながらなんとなく過ごしてきた〈はね〉は、そのとき初めて自分とい うものを知りたくなった。〈はね〉は、会う鳥会う鳥にたずねてまわる。「わたしは、 あなたの羽?」カワセミ、カッコウ、アオサギ、ヒシクイ……。ところが、鳥たちは みな仕事に忙しく、ちっぽけな〈はね〉などにかまっていられない。勇気を出して繰 り返したずねても、「ちがう」とひと言、冷たくあしらわれるだけ。羽を広げた美し いクジャクには「おまえごときが」と愚弄されてしまう。風に乗って空をただよいな がら、鳥が鳥を襲うというおそろしい光景にも出くわした。心が折れそうになりなが らも〈はね〉は自分のルーツを探しつづける。  中国の児童文学作家とブラジルの絵本作家がタッグを組み、不思議な魅力の絵本を 生み出した。横に細長いこの本は、赤や緑、青などの背景からブラジルらしい大胆な 要素が感じられる。一方で、美しいつぼに細い線で描かれた単色の鳥たちや、高くそ びえる山の描写は、どこか中国の花鳥画や山水画を思わせるのだ。  曹文軒は本作の序文で、良い絵本とは哲学的なものだと述べている。哲学とは、物 事の本質を探究し答えを出す学問だ。自分はいったい何者なのか? どこに帰属すべ きなのか? 1枚の〈はね〉が自分の主を探す姿は、小さいころにみたアニメ「母を たずねて三千里」を彷彿させた。出会った鳥たちに冷たくあしらわれてしまう〈はね〉 にとって、自分の主とは、帰属すべき場所とは、自分を認め受け入れてくれる母親の ようなものなのかもしれない。  文を書いた曹文軒は2016年に、絵を手がけたホジェル・メロは2014年に、それぞれ 「小さなノーベル賞」とも称される国際アンデルセン賞を受賞している。2人の今後 の活躍に注目したい。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【文】曹文軒(ツァオ・ウェンシュエン):1954年生まれ。中国において第一線で活 躍中の児童文学作家。北京大学教授。国内外で数々の賞を受賞しており、多くの作品 が海外で翻訳出版されている。邦訳に『サンサン』(中由美子訳/てらいんく)、 『よあけまで』(中由美子訳/和歌山静子絵/童心社)がある。2016年、中国人作家 で初めて国際アンデルセン賞作家賞を受賞した。 【絵】ホジェル・メロ(Roger Mello):1965年生まれ。鮮やかな色彩で描くブラジ ルの画家・絵本作家。ブラジルの伝統的な文化を題材にした作品から、戦災や貧困な ど社会的なテーマにスポットを当てた作品まで、幅広い創作を続けている。『はね』 は初めての邦訳絵本。2014年、ブラジル人画家として初めて国際アンデルセン賞画家 賞を受賞した。 【訳】濱野京子(はまの きょうこ):熊本県生まれ、東京育ちの児童文学作家。 2006年「天下無敵のお嬢様!」シリーズ(童心社/全4巻)でデビューし、2009年 『フュージョン』(講談社)でJBBY賞、2010年『トーキョー・クロスロード』 (ポプラ社)で坪田譲治文学賞を受賞。『はね』は自身初の翻訳絵本となった。さい たま市在住。 【参考】 ▼曹文軒紹介ページ(China Publishing Group ウェブサイト内) http://en.cnpubg.com/enauthors/2016/0406/24430.shtml ▼ホジェル・メロ紹介記事(第35回IBBY世界大会公式ウェブサイト内) http://ibbycongress2016.org/roger_mello.html ▼ホジェル・メロ講演会記録(国立国会図書館国際子ども図書館ウェブサイト内) http://www.kodomo.go.jp/event/event/pdf/rogermello_lecture.pdf ▼濱野京子公式ブログ http://718jingzi-b.cocolog-nifty.com/blog/                                 (安田冬子) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●賞情報●2017年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞ショートリスト発表 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  3月16日、カーネギー賞およびケイト・グリーナウェイ賞のショートリスト(最終 候補作品)が発表された。英国図書館・情報専門家協会(CILIP: The Chartered Institute of Library and Information Professionals)が主催するこの賞は、イギ リスで最も権威ある児童文学賞で、本年カーネギー賞は80周年、ケイト・グリーナウ ェイ賞は60周年を迎える。昨年10月21日にノミネート作品リスト(カーネギー賞114 作品、ケイト・グリーナウェイ賞93作品)が、続いて今年2月16日にそれぞれ20作品 のロングリストが発表されている。受賞作品の発表と授賞式は6月19日の予定。  本号では、ショートリストに選ばれた作品をご紹介するとともに、ケイト・グリー ナウェイ賞ショートリスト作品のレビューもお届けする。ロングリストは、やまねこ 翻訳クラブウェブサイトの「速報(海外児童文学賞)」コーナーに掲載中。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?cmd=tre;id=award#atop ▼カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞公式ウェブサイト http://www.carnegiegreenaway.org.uk/home/ ▽カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞について                (本誌1999年7月号情報編「世界の児童文学賞」) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/1999/07a.htm#a1bungaku ▽カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品リスト                         (やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/award/uk/carnegie/index.htm http://www.yamaneko.org/bookdb/award/uk/greenawy/index.htm 【カーネギー賞ショートリスト】           〜 The CILIP Carnegie Medal 2017 Shortlist 〜(作家対象) "Sputnik's Guide to Life on Earth"  by Frank Cottrell Boyce (Pan Macmillan) "The Bone Sparrow"          by Zana Fraillon                           (Orion Children's Books) "The Smell of Other People's Houses" by Bonnie-Sue Hitchcock (Faber & Faber) "The Stars at Oktober Bend"     by Glenda Millard (Old Barn Books) "Railhead"              by Philip Reeve                           (Oxford University Press) "Beck"                by Mal Peet with Meg Rosoff                                (Walker Books) "Salt to the Sea"          by Ruta Sepetys (Puffin) "Wolf Hollow"            by Lauren Wolk (Corgi Books)  2004年 "Millions"(『ミリオンズ』池田真紀子訳/新潮社)で本賞を受賞した、 脚本家の Frank Cottrell Boyce。今回の "Sputnik's Guide to Life on Earth" の 主人公は、言葉を話さない少年 Prez だ。祖父から引き離されて施設に預けられてい るが、夏の間をとある農家で過ごすことになった。そこへ宇宙人が現れて「地球上で するべき10のこと」を教えろという。さもないと、地球が大変なことに!? 他の人 には子犬にしか見えない宇宙人に振り回されながら、愛情と帰るべきところの大切さ に気づいていく、笑いあり涙ありの冒険物語。  "The Bone Sparrow" は、オーストラリア在住の作家 Zana Fraillon の作品だ。難 民キャンプ生まれで劣悪なキャンプ以外の暮らしを知らないものの、豊かな想像力を 持つ少年 Subhi。ある日、フェンスからもぐりこんできた地元の少女 Jimmie と出会 う。字を読めない Jimmie に代わって、Jimmie の亡き母親がノートに書きとめた物 語を Subhi が読んでやり、2人の友情が育まれていく。人が生きていくために、自 由と希望がどれほど重要か、深く訴えかけてくる1冊だ。  "The Smell of Other People's Houses" は、アラスカで生まれ育った Bonnie-Sue Hitchcock のデビュー作。永遠には隠しておけない秘密を抱えた Ruth、暴力的な父 親から逃れたい Dora、両親のために夢を諦めようとする Alyce、継父との暮らしか ら弟と抜け出そうとする Hank。この4人のティーンエージャーの視点で、物語は語 られる。大自然と独自の伝統と文化を持つ1970年代のアラスカを舞台に、悩みと苦し みを抱えた4人の人生が次第に絡み合っていく。すでにアメリカ、イギリス、ドイツ で紹介され、スペイン、ポーランドでも出版が予定されている。  "The Stars at Oktober Bend" の主人公は15歳の少女 Alice と、16歳の元少年兵 Manny。少女は脳に受けた損傷のためほとんど話すことができず、自分の思いを詩に 託している。一方、少年は家族を全員失い、当時の記憶から逃れようと夜中に走って いた。その2人が出会ったとき、お互いのうちに愛と癒やしが始まっていく。作者 Glenda Millard はオーストラリアの児童文学作家。国内外で高く評価されており、 2009年には "Perry Angel's Suitcase" でオーストラリア児童図書賞 Younger Readers 部門を受賞した。日本で紹介された作品に『ひなぎくの冠をかぶって』(伏 見操訳/くもん出版)がある。  "Railhead" は未来が舞台のSFだ。人間たちが住むのは、超空間鉄道で結ばれた 何百もの世界。しがないコソ泥の若者 Zen Starling は、謎の人物からある小さな仕 事を依頼されるが、なんとその裏には銀河を破滅へ導く陰謀が――。作者の Philip Reeve は、2002年に "Mortal Engines"(『移動都市』安野玲訳/東京創元社)でネ スレ子どもの本賞9〜11歳部門金賞、2008年には "Here Lies Arthur"(『アーサー 王ここに眠る』井辻朱美訳/東京創元社)でカーネギー賞を受賞したベテラン作家・ 画家である。"Railhead" の続編を出す一方で、"Mortal Engines" の映画化も予定さ れており、さらなる活躍に目が離せない。  20世紀初頭、リバプールの貧しい母と黒人兵の間に生を受けた少年を主人公とする "Beck"。孤児となりカナダに送られた Beck は、性的虐待を受け、奴隷として売られ たところを逃亡。数々の苦難を経験し、愛する女性に出会うドラマチックな作品だ。 大恐慌時代のカナダでアイデンティティーと居場所を求める主人公の姿が、美しい文 体で語られる本書は、"Tamar" で2005年カーネギー賞を受賞した Mal Peet の遺作。 Peet と深い親交のあった Meg Rosoff が、未完成の原稿を引き継ぎ完成させた。 Rosoff もまた、"Just in Case"(『ジャストインケース 終わりのはじまりできみ を想う』堀川志野舞訳/理論社)で2007年同賞を受賞している。  "Salt to the Sea" は、第2次世界大戦末期に起こった海事史上最悪の海難事故を モチーフとしたフィクションだ。1945年ドイツ、自由を求め、必死にバルト海の港を 目指す人々があった。だが、避難民の希望である船には、魚雷に撃沈される運命が待 っていた――。暗い秘密を抱えた4人の若者を語り手として、戦争と人間が描かれる。 著者は、リトアニア系アメリカ人作家の Ruta Sepetys。"Between Shades of Gray" (『灰色の地平線のかなたに』野沢佳織訳/岩波書店)で知られている。  Lauren Wolk の "Wolf Hollow" は、2017年ニューベリー賞オナー作品。内容は、 本誌2017年1月号外「2017年ニューベリー賞」の紹介記事(以下のリンク)を参照い ただきたい。 ▽本誌バックナンバー(2017年1月号外) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2017/01g.htm#sokuho1 《参考》 ▼Frank Cottrell Boyce 紹介ページ(Pan Macmillan ウェブサイト内) https://www.panmacmillan.com/authors/frank-cottrell-boyce ▼Zana Fraillon 紹介ページ(Hachette Book Group ウェブサイト内) https://www.hachettebookgroup.biz/authors/zana-fraillon/ ▼Bonnie-Sue Hitchcock 公式ウェブサイト https://hitchcockbs.com/ ▼"The Smell of Other People's Houses" 紹介動画                   (YouTube 内 Faber & Faber のチャンネル) https://www.youtube.com/watch?v=XGkVf_Dz1s8 ▼Glenda Millard 公式ウェブサイト http://glendamillard.com/ ▼Philip Reeve 公式ウェブサイト http://www.philip-reeve.com/ ▼Mal Peet 公式ウェブサイト https://www.malpeet.com/ ▼Meg Rosoff 公式ウェブサイト http://www.megrosoff.co.uk/ ▼Ruta Sepetys 公式ウェブサイト http://rutasepetys.com/ ▼Lauren Wolk 公式ウェブサイト http://www.laurenwolk.com/ ▽フィリップ・リーヴ作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/r/preeve.htm ▽メグ・ローゾフ作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/r/mrosoff.htm                       (森井理沙/牛原眞弓/小島明子) 【ケイト・グリーナウェイ賞ショートリスト】        〜 The CILIP Kate Greenaway Medal 2017 Shortlist 〜(画家対象) "Wild Animals of the North"    by Dieter Braun (Flying Eye Books) "Tidy"               by Emily Gravett (Two Hoots) "The Wolves of Currumpaw"     by William Grill (Flying Eye Books) "Harry Potter and the Philosopher's Stone: Illustrated Edition"                   by Jim Kay, text by J.K. Rowling                                 (Bloomsbury) "A Great Big Cuddle"        by Chris Riddell, text by Michael Rosen                                (Walker Books) "The Journey"           by Francesca Sanna (Flying Eye Books) "The Marvels"           by Brian Selznick (Scholastic) "There Is a Tribe of Kids"     by Lane Smith (Two Hoots)  2017年ケイト・グリーナウェイ賞ショートリストには、過去に本賞やコールデコッ ト賞の受賞経験のある大御所が多く並んだ。また、8作品のうち5作品が長編という、 例年にはない珍しい選出になった。  "Wild Animals of the North" は、ドイツ出身のイラストレーターで児童書作家の Dieter Braun が手掛けた生き物百科的作品。ドイツ語から翻訳された150ページ近い 長編だ。シロクマやオオカミ、ジャイアントパンダなど、北半球に生息する野生の生 き物が、立体的な美しいデザインで描写され、その生態についてコンパクトな説明が 添えられている。南半球の生き物を扱った "Wild Animals of the South" も刊行済 みだ。日本で紹介された Braun の作品はまだない。  本賞候補の常連で、過去に2度の受賞歴をもつ Emily Gravett が、"Tidy"(『き れいずき』福本友美子訳/フレーベル館)で今年もショートリストに選ばれた。きれ いにしていないと気がすまないアナグマが、森じゅうを徹底的に片づけていく様子を コミカルに描いた作品。秋色に彩色された森が印象的で、装丁も凝っている。本作で 3度目の受賞となるか?  2015年に "Shackleton's Journey"(『シャクルトンの大漂流』千葉茂樹訳/岩波 書店)で本賞に輝いた William Grill。今年のショートリストに選ばれた "The Wolves of Currumpaw" は、『シートン動物記』の1編「オオカミ王ロボ」を描いた 長編絵本。本年度中に岩波書店より邦訳が刊行される予定だ。作品の詳細は本誌今月 号のレビューをご覧いただきたい。  世界的ベストセラーとなった J. K. Rowling の「ハリー・ポッター」シリーズ。 そのイラスト版の刊行が始まり、第1巻 "Harry Potter and the Philosopher's Stone: Illustrated Edition"(『ハリー・ポッターと賢者の石〈イラスト版〉』松 岡佑子訳/静山社)がショートリストに入った。絵を手掛けるのは、2012年に "A Monster Calls"(『怪物はささやく』パトリック・ネス作/シヴォーン・ダウド原案 /池田真紀子訳/あすなろ書房)で本賞を受賞した Jim Kay。主人公ハリーと彼を取 り巻く魔法世界を、カラーイラストで描く豪華な絵本シリーズだ。なお、小説版から の物語の変更や省略などはされていない。現在、3巻まで刊行が進んでいる(邦訳は 2巻まで刊行済み)。  "A Great Big Cuddle" は、小さな子どもの生活に寄り添った36編の詩が収められ た詩集絵本。Michael Rosen の生き生きとしたリズム感と遊び心に溢れている詩と、 Chris Riddell のユーモアたっぷりの絵が組み合わされた、言葉と色彩の調和が見事 な作品だ。Riddell は去年、"The Sleeper and the Spindle" で、本賞史上初3度目 の受賞を果たし、今年選ばれるとその記録更新となる。偉業達成となるか。  "The Journey" は、戦争や紛争によってもたらされた混乱や悲劇から逃れるために、 自国を離れる選択をした家族を描いた作品。早くも14か国語に訳されている。難民危 機をテーマに取り上げたこの絵本は、色彩の明暗を丁寧に描くことで、日常を奪われ る理不尽さを際立たせている。デビュー作の本書でショートリスト入りした Francesca Sanna はイタリア生まれ。欧米各国で暮らし、スイスのルツェルンで本格 的に絵を学ぶ。現在はチューリッヒを拠点にイラストレーターとして活動している。  Brian Selznick の "The Marvels" は、1766年に難破船から生還しロンドンで暮ら す少年 Billy Marvel の、数世代にわたる家族の物語を描いた作品。実在の人物から 構想をふくらませたという本書は、600ページを超す大作で、前半はイラストのみ、 後半は文章のみという斬新な構成になっている。鉛筆だけで描かれた写真のような絵 は、まるで古いアルバムをめくるようにあらすじを伝え、後半の文章で、家族の愛と 喜び、失望と悲しみを語る。Selznick は2008年に、"The Invention of Hugo Cabret"(『ユゴーの不思議な発明』金原瑞人訳/アスペクト)でコールデコット賞 を受賞している。  "There Is a Tribe of Kids"(『こどものなかま』青山南訳/BL出版)は、仲間 を得た喜びとその心地よさに満ちた作品だ。自然界に存在するものにはそれぞれ自分 の居場所がある。そう、それは動物も草も石も、人間の子どもも同じだ。背景を切り 紙のようなモザイクで描くことで、あらゆるものに数え切れない仲間がいることを伝 え、その対比でひとりぼっちになったときの子どもの心細さも見事に描き出している。 作者 Lane Smith は『グランパ・グリーンの庭』(青山南訳/BL出版)など邦訳さ れた作品も多い。 《参考》 ▼Dieter Braun 公式ウェブサイト http://www.brauntown.com/ ▼Emily Gravett 公式ウェブサイト http://www.emilygravett.com/ ▼William Grill 公式ウェブサイト http://www.williamgrill.co.uk/ ▼Jim Kay 公式ウェブサイト http://www.jimkay.co.uk/ ▼"Harry Potter and the Philosopher's Stone: Illustrated Edition" 関連動画               (YouTube 内 Bloomsbury Publishing のチャンネル) https://www.youtube.com/watch?v=GmhDRHIix48 ▼Chris Riddell 公式ウェブサイト http://www.chrisriddell.co.uk/ ▼Francesca Sanna 公式ウェブサイト https://francescasanna.com/ ▼Brian Selznick 紹介ページ(Scholastic ウェブサイト内) https://www.scholastic.com/teachers/authors/brian-selznick/ ▼"The Marvels" 作品公式ウェブサイト(作品紹介動画) http://www.themarvelsthebook.com/about_book.htm ▼Lane Smith 公式ウェブサイト http://www.lanesmithbooks.com/ ▽エミリー・グラヴェット作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/g/egravett.htm ▽ブライアン・セルズニック作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室) http://www.yamaneko.org/bookdb/author/s/bslznck.htm                            (蒲池由佳/三好美香) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★2017年ケイト・グリーナウェイ賞ショートリスト作品 "The Wolves of Currumpaw" 『カランポーのオオカミたち』(仮題) by William Grill ウィリアム・グリル文・絵 Flying Eye Books, 2016, 76pp. ISBN 978-1909263833 (HB)  その昔、北米の大地では50万匹ものオオカミたちが、自由気ままにうろつきまわっ ていた。そこにヨーロッパから入植者がやって来て、動物たちの生活を変え始めた。 西部開拓時代の訪れとともに消えていったオオカミたちの生き様を描いた物語、と聞 くとすぐに、ああ、あの話かとピンとくる方もいるのではないだろうか。そう『シー トン動物記』の中の一つ、オオカミ王ロボのお話だ。カランポーの谷で恐れられてい たオオカミたちの中心的存在であったロボが、伴侶の雌オオカミ、ブランカを殺され 失意のうちにたどる運命はせつなく、心に残る。  従来の『シートン動物記』が写実的なら、本作はロボとの長い頭脳戦を詩的で温か みのある色鉛筆画で描いているのが特徴だろう。少し大判に作られた絵本の表紙は、 ネイティブアメリカンをイメージしたのか民族的なデザインで、トルコの可愛らしい キリム刺繍も思わせ、存在感たっぷりだ。全体を通して物語に寄り添った抒情的な雰 囲気があるのに、まるで車窓から眺めた風景のように軽やかに感じるのは、作者が広 告イラストレーションを手掛けるイラストレーターだからなのかもしれない。小さな コマを並べたページ、画面いっぱいに街並みやロボの表情を描きこんだページ、刺繍 のようにモチーフを並べただけのページ、次々と変化していくページが、とても洗練 されていて心地良い。まるで緻密に構成された無声映画でも見ているようだ。オオカ ミ王ロボの物語が、こんなに素敵な絵本となり、子どもたちの手元に届くとは、なん て嬉しいことだろう。  本作は作者ウィリアム・グリルにとって2作目の絵本。南極大陸の横断に挑んだ仲 間たちの冒険を描き高い評価を得たデビュー作 "Shackleton's Journey"(『シャク ルトンの大漂流』千葉茂樹訳/岩波書店)と同様、史実に基づいた作品だ。本作と前 作が異なるのは、本作にはこれまでの『シートン動物記』にはない後日談が添えられ ていること。その後のオオカミたちと人間がどのような関係を結ぶようになったかが 描かれ、オオカミ王ロボの物語がいまだ終わらないことを告げてくれる。ホッとする ような心温まる後日談にたどりつくまで、歴史の重みを感じながら何度も何度も繰り 返しページをめくりたくなる、そんな美しい絵本だ。 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~ 【文・絵】William Grill(ウィリアム・グリル):ファルマス大学で学んだあと、 ロンドンで広告や新聞のイラストレーターとして活躍。アートクラブを運営するほか、 小学校や大学などでワークショップを開き精力的に活動している。初めての絵本 "Shackleton's Journey" で史上最年少の25歳にして2015年ケイト・グリーナウェイ 賞を受賞。同作は多くの言語に翻訳され世界中の子どもたちに親しまれている。 【参考】 ▼ウィリアム・グリル公式ウェブサイト http://williamgrill.co.uk/ ▼ウィリアム・グリルのインタビュー記事(Publishers Weekly ウェブサイト内) http://www.publishersweekly.com/pw/by-topic/childrens/childrens-authors/article/70842-q-a-with-william-grill.html ▼"The Wolves of Currumpaw" のスケッチ(The Guardian ウェブサイト内) https://www.theguardian.com/childrens-books-site/gallery/2016/may/13/william-grill-the-wolves-of-currumpaw-sketchbooks ▽"Shackleton's Journey" 原書レビュー(本誌2015年7月号「特集」) http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2015/07.htm#mehon                                 (岡田衣央) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●賞速報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★2017年ゴールデン・カイト賞およびシド・フライシュマン賞受賞作品発表 ★2017年CBI最優秀児童図書賞(旧ビスト最優秀児童図書賞)ショートリスト発表                      (受賞作品の発表は5月23日の予定) ★2017年度アストリッド・リンドグレーン記念文学賞発表 ★2018年国際アンデルセン賞候補者発表        (2018年1月のショートリスト発表を経て、受賞者が決定する予定)  海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を ご覧ください。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●イベント速報● ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ★展示会情報  青猫書房「〈25周年〉朔北社展〜173冊の玉手箱〜 展示&特別対談」  大阪タカシマヤ「新刊刊行記念 リサとガスパールの絵本の世界展」 など ★講演会情報  千葉市美術館  「ウォルター・クレインの絵本〜ヴィクトリア時代に現代の絵本の源流をたどる」  絵本の店 あっぷっぷ「齋藤惇夫さん講演会『薮内正幸さんと宮沢賢治』」 など ★イベント情報  上野公園「上野の森親子フェスタ」 など  詳細やその他のイベント情報は、「速報(イベント情報)」をご覧ください。なお、 空席状況については各自ご確認願います。 http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event ★★やまねこ翻訳クラブ協力企画のお知らせ★★ 「読書探偵作文コンクール」が本になります!  いつも「読書探偵作文コンクール」にご協力いただき、ありがとうございます。  このたび、企画をさらに広く知っていただこうと、これまでのコンクールで最優秀 賞を受賞した作文を本にするクラウドファンディングのプロジェクトが立ち上がりま した。  本の仮タイトルは『外国の本っておもしろい! 〜子どもの作文から生まれた翻訳 書ガイドブック〜』。作文とともに、ジャンルごとの翻訳書案内や、選考委員と事務 局メンバーによる座談会などを収録します。公式キャラクター「読書探偵ニャーロウ」 がナビゲートする、とても楽しい本になる予定です。  収益が出た場合は、コンクールの運営資金に充てさせていただきます。参加賞、賞 品をはじめ、諸経費はすべてみなさまからのカンパで成り立っているこの企画を長く 続けていくためにも、応援をよろしくお願いいたします。  詳しくは下記のサイトをご覧ください。 サウザンブックス公式ウェブサイト http://thousandsofbooks.jp/ 上記ウェブサイト内「読書探偵作文コンクール」プロジェクトのページ http://thousandsofbooks.jp/project/dokutan/ プロジェクトのクラウドファンディングのページ https://greenfunding.jp/thousandsofbooks/projects/1879/  読書探偵作文コンクールのウェブサイト、ツイッター、フェイスブックページでも 随時情報を提供していますので、どうぞご利用ください。 読書探偵作文コンクール公式ウェブサイト http://dokushotantei.seesaa.net/ 読書探偵作文コンクール公式ツイッター https://twitter.com/Dokusho_Tantei 読書探偵作文コンクールフェイスブックページ https://www.facebook.com/dokushotantei                           (冬木恵子/山本真奈美) ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●読者の広場● 海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ! ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━  このコーナーでは、本誌に対するご感想・ご質問をはじめ、海外児童書にまつわる お話、ご質問、ご意見等を募集しています。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せ ください。 ※メールはなるべく400字以内で、ペンネームをつけてお送りください。 ※タイトルには必ず「読者の広場」とお入れください。 ※掲載時には、趣旨を変えない範囲で文章を改変させていただく場合があります。 ※質問に対するお返事は、こちらに掲載させていただくことがあります。原則的に編 集部からメールでの回答はいたしませんので、ご了承ください。 ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ●お知らせ●  本誌でご紹介した本を、各種のインターネット書店で簡単に参照していただけます。 こちらの「やまねこ翻訳クラブ オンライン書店」よりお入りください。 http://www.yamaneko.org/info/order.htm  本号の html 版を4月18日頃に公開予定です。以下の URL よりお入りください。 http://www.yamaneko.org/mgzn/bncorner.htm#html ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━            ・☆・〜 次 号 予 告 〜・☆・  詳細は10日頃、出版翻訳ネットワーク内「やまねこ翻訳クラブ情報」のページに掲 載します。どうぞお楽しみに!           http://litrans.g.hatena.ne.jp/yamaneko1/ ━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▽▲▽▲▽   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