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やまねこ調査隊

第2回 東京国際ブックフェアで、見た! 聞いた! 買った!

<東京国際ブックフェア'99 開催概要>
会期 1999年4月22日(木)〜25日(日)
会場 東京ビッグサイト(有明・東京国際展示場)
総入場者数 約4万6000人
東京国際ブックフェア2000は、2000年4月20日〜23日に開催予定

会場の写真
「児童書出版社が20社以上? これはもう、行くしかないでしょう」隊長のこのひと声で、やまねこ調査隊は「東京国際ブックフェア'99」の会場、東京ビッグサイトへと向かった。国内・海外の出版社や出版関連企業など500社以上が出展する同ブックフェアでは、自然科学書フェア、マンガ・コミックフェアなど8つの専門フェアも同時開催。調査隊のお目当てはもちろん「児童書フェア」だ。

 まずは福音館書店、小峰書店など13社が共同出展しているブースをのぞいてみる。ジャンルごとに分けられた棚に本がズラリ。見ているだけでも楽しいが、これがすべて定価の2割引で買えるのだ。調査隊のメンバーは皆、目の色を変えた(このあと全品3割引の偕成社ブースでもさらに散財)。

「ヤン・ナッシンベンネの原画を展示」  太平社のブースでは『南仏の光、イタリアの風』などの絵本で知られるヤン・ナッシンベンネの原画が展示されていた。原画購入のいきさつや、絵の美しさを重視した絵本作りの姿勢について話を聞く。同社では原画の微妙な色合いを忠実に再現するために、印刷には特に気をつけているそうだ。発売間近のツヴェルガーの絵本も紹介してもらった。

 昨年から絵本の出版をはじめた光村教育図書では、翻訳絵本『みんなちきゅうのなかまたち』(I&D・シューベルト/よこやまかずこ訳)や創作絵本『ぼくのチョパンドス』(小林豊)などを展示。「日頃あまり本を読まない子どもたちにも手にとってもらえるような絵本、子どもたちの心をゆさぶるような絵本を作りたいんです!」という熱のこもった言葉に、同社の絵本出版に対する意気込みを感じた。

 各社がPRや版権交渉を行うブックフェアは、出版社の人から最新作の情報や出版にかける思いを直接聞くことのできるチャンスだ。しかも本が安く買え、出版目録も手に入るというおまけつき。来年もまた開催される予定なので、お近くの方はぜひ出かけてみてほしい。

(生方頼子)

「なぞなぞのたび」表紙

『なぞなぞのたび』
石津ちひろ作
荒井良二絵
(フレーベル館 本体1300円)

 児童書フェアでは、偕成社、ポプラ社、ミキハウスなど11社が単独ブースで出展。フレーベル館では、4月にボローニャ国際児童図書展賞を受賞した『なぞなぞのたび』(石津ちひろ&荒井良二)を早速アピール。

 とっても楽しいなぞなぞ絵本。さあ、おひさまがのぼってきたら、なぞなぞの旅に出発だ! ページをめくるたびに、場面は山や、公園、サーカス、海……と変わっていく。そこには、なぞなぞがいっぱいで、答えは絵のなかにかくれているってわけ。夜になって旅が終わるまでに、100このなぞなぞが全部とけるかな?

(ワラビ/1999.12.10)

●太平社の新作絵本

「鼻のこびと」表紙

『鼻のこびと』
リスベート・ツヴェルガー絵
ヴィルヘルム・ハウフ作
池内紀訳(本体2400円)

フェア当時は、まだ未完成で、表紙のみ見せていただいた。

 昔のドイツのお話。靴屋の息子のヤーコプは、母親が野菜を売るのを手伝っていた。ある日、ヤーコプが妙なおばあさんの家に野菜を運んでいくと、そこでは人間の服を着たネズミやリスたちが働いていた。そこで出されたスープを飲んだヤーコプはいつのまにか眠ってしまい、自分が小さくなってリスやネズミたちとともに働かされる夢を見る。目をさましたときには……。ちょっと恐くて不思議な話。ツヴェルガーの絵は、話の雰囲気をひきたてつつ、とてもお洒落。

(ワラビ/1999.12.10)

「キッズBOOKカフェ」(月刊『翻訳の世界』1999年8月号掲載)のホームページ版です。

表紙の画像は、出版社の許可を得て掲載しています(無断転載不可)。

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