やまねこ翻訳クラブ
2004年やまねこ賞投票所(読み物部門)
【 投票する 】
ダストビン・ベイビー,1位,ジャクリーン・ウィルソン作,小竹由美子訳,偕成社
ルビーの谷,2位,シャロン・クリーチ作,赤尾秀子訳,早川書房
タトゥー・ママ,3位,ジャクリーン・ウィルソン作,小竹由美子訳,偕成社
アグリー・ガール,4位,ジョイス・キャロル・オーツ作,神戸万知訳,理論社
星空から来た犬,5位,ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作,原島文世訳,早川書房
1位 『ダストビン・ベイビー』
本当に感動しました。最後が泣かせます。原作ももちろんですが、邦訳の素晴らしさ
に感動しました。
2位 『ルビーの谷』
寄り添って生き抜くしかなかった双子の捨て子が、老夫婦と交流することで「大人と
の信頼の絆」をつむぎ始めたことに感動しました。
3位 『タトゥー・ママ』
一番感情移入してしまったのは、ずっとママと妹の面倒をみてきたおねえさんのスター
でした。すべてを投げ出したくなる気持ちがよくわかりました。
4位 『アグリー・ガール』
マットとアグリーガールがかわすメールがとっても切なくて、とてもよかったです。
高校生に戻りたいなって真剣に思いました。
5位 『星空から来た犬』
自己中心だった星人シリウスが、最後には自分の運命より大切なものをみつけたこと
にとても感動しました。
すごく悩みました。悩んだ次点は、
『ロラおばちゃんがやってきた』(フーリア・アルバレス作/神戸万知訳/講談社)
『バーティミアス―サマルカンドの秘宝』(ジョナサン・ストラウド作/金原瑞人・
松山美保訳/理論社)
『ライオンボーイ』(ジズー・コーダー作/枝廣淳子訳/PHP研究所)
どれもおもしろかったです。
モギ――ちいさな焼きもの師,1位,リンダ・スー・パーク作,片岡しのぶ訳,あすなろ書房
アグリーガール,2位,ジョイス・キャロル・オーツ作,神戸万知訳,理論社
七人の魔法使い,3位,ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作,野口絵美訳,徳間書店
チョコレート・アンダーグラウンド,4位,アレックス・シアラー作,金原瑞人訳,求龍堂
ママは行ってしまった,5位,クリストフ・ハイン作,松沢あさか訳,さ・え・ら書房
1位 『モギ――ちいさな焼きもの師』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4751521942/yamanekohonya-22/
好きなもののためにこんなにがんばれるということ、そして好きなことができる喜びが素直に伝わってきました。
2位 『アグリーガール』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4652077416/yamanekohonya-22/
アグリーガールがかっこいい。マットかわすメールのやりとりが切なくて、胸がキュンとなりました。
3位 『七人の魔法使い』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4198617856/yamanekohonya-22/
これだけたくさんの登場人物たちが自己主張をしながら、最後はみごとにおさまっていくところが快感。
4位 『チョコレート・アンダーグラウンド』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763004204/yamanekohonya-22/
チョコレートを食べたくなる。そして大切なメッセージをじっくりと考えました。
5位 『ママは行ってしまった』
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4378007851/yamanekohonya-22/
しあわせな時間の大切さを、しみじみと語っている本。
最後まで悩んだ次点作品は以下のとおりです。
『ワニてんやわんや』(ロレンス・イェップ作/ないとうふみこ訳/徳間書店)、『
『オシリカミカミをさがせ!』’リンデルト・クロムハウト文/アンネマリー・ファン・ハーリンゲン絵/野坂悦子訳/朔北社)
『ホエール・トーク』(クリス・クラッチャー作/金原瑞人・西田登訳/青山出版社)
『バーティミアス―サマルカンドの秘宝』(ジョナサン・ストラウド作/金原瑞人・松山美保訳/理論社)
『駆けぬけて、テッサ』(K・M・ペイトン作/山内智恵子訳/徳間書店)
『木曜日に生まれた子ども』(ソーニャ・ハートネット作/金原瑞人訳/河出書房新社)
『ゲド戦記外伝』(ル=グウィン作/清水真砂子訳/岩波書店)
『ダルシマーを弾く少年』(トア・セイドラー作/ブライアン・セルズニック絵/大島英美訳/ポプラ社)
『エンジェル 翼をひろげる』(ジュディ・デルトン作/岡本浜江訳/朔北社)
『詩人たちの旅』(ダイアナ・ウィン・ジョーンズ作/田村美佐子訳/東京創元社)
笑いを売った少年,1位,ジェイムス・クリュス作,森川弘子訳,未知谷
モリー・ムーンが時間を止める,2位,ジョージア・ビング作,三好一美訳,早川書房
天才ネコモーリスとその仲間たち,3位,テリー・プラチェット作,冨永星訳,あすなろ書房
チョコレート・アンダーグラウンド,4位,アレックス・シアラー作,金原瑞人訳,求龍堂
ホリス・ウッズの絵,パトリシア・ライリー・ギフ作,5位,もりうちすみこ訳,さ・え・ら書房
1位 『笑いを売った少年』
だれもを魅了する笑顔を持った男の子が、どんな賭けにも勝てる力と引き替えにその笑顔を売ってしまい、自分の笑顔がいかに大切だったかに気づき、周りの人の協力を得ながら取り戻すまでの話。表紙が地味なので失礼ながら期待をせずに読み始めたら、おもしろくてやめられなくなりました。とても心に残る作品です。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4896420977/yamanekohonya-22/
2位 『モリー・ムーンが時間を止める』
『モリー・ムーンの世界でいちばん不思議な物語』の続編。孤児院で暮らしていたモリーは、ふとしたことから催眠術を会得し、今回は時間まで止めてしまいます。突拍子もない展開とモリーの前向きさがとても素敵な物語。http://www.molly-moon.jp/
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/437800786X/yamanekohonya-22/
3位 『天才ネコモーリスとその仲間たち』
はじめてプラチェットの作品を読みましたが、すごくおもしろかったです。「ディスクワールド」シリーズも挑戦してみようかしらん。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4751523511/yamanekohonya-22/
4位 『チョコレート・アンダーグラウンド』
ほんとにチョコが食べられなくなったらどうしようと心配になるほど、のめり込んで楽しみました。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/4763004204/yamanekohonya-22/
5位 『ホリス・ウッズの絵』
生後1時間で捨てられ、里親の元を転々とするホリス・ウッズの物語です。とてもせつなくてどうなるんだろうとハラハラしましたが、読後はとても心があたたかくなりました。
http://www.amazon.co.jp/exec/obidos/ASIN/04021785/yamanekohonya-22/
新刊は50冊近く読み、おもしろい本が多くて選ぶのに苦労しました。ジャクリーン・ウィルソンの『ダストビン・ベイビー』を読んでいたら順位がかわっていたかも。『魔女のこねこゴブリーノ』と『バーティミアス』『海のはてまで連れてって』『クリスピン』を入れたくて最後まで悩みました。自分で作ったリストを見ながら今年は金原先生が受賞かも、なんて予想しました。
サイレント・ボーイ,1位,ロイス・ローリー作,中村浩美訳,アンドリュース・プレス
ママは行ってしまった,2位,クリストフ・ハイン作,松沢あさか訳,さ・え・ら書房
エンジェル翼をひろげる,3位,ジュディ・デルトン作,岡本浜江訳,朔北社
タトゥーママ,4位,ジャクリーン・ウィルソン作,小竹由美子訳,偕成社
魔女の血をひく娘・2,5位,セリア・リーズ作,亀井よし子訳,理論社
1位『サイレント・ボーイ』
長く長く余韻にひたった作品。いまも本を手にとると、ぐぐっとくる。
2位『ママは行ってしまった』
ずんと大事なことをわからせてくれた本。
3位『エンジェル翼をひろげる』
ただただエンジェルが好き。こちゃこちゃ考えるこの少女に共感大!
4位『タトゥーママ』
ウィルソン作品で一番好き。出てくる人がみんな愛しくて。
5位『魔女の血をひく娘・2』
1も好きでしたが、2も物語への吸引力はすごく、魅力に満ちている。
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次点はてんこもり。『ワニてんやわんや』(ロレンス・イェップ作/ないとうふみこ訳/徳間書店)、『スピーク』(ローリー・ハルツ・アンダーソン作/金原瑞人訳/主婦の友社)、『バッド・ボーイズ』(ウォルター・ディーン・マイヤーズ作/金原瑞人訳/小峰書店)、『ダルシマーを弾く少年』(トア・セイドラー作/大島英美訳/ポプラ社・第三編集部)、『ロラおばちゃんがやってきた』(フーリア・アルバレス作/神戸万知訳/講談社)、『ルビーの谷』(シャロン・クリーチ作/赤尾秀子訳/早川書房)。
ダルシマーを弾く少年,1位,トア・セイドラー作,大島英美訳,ポプラ社
ヒーラーズ・キープ上・下,2位,ヴィクトリア・ハンリー作,金原瑞人&石田文子訳,あかね書房
クリスピン,3位,アヴィ作,金原瑞人訳,求龍堂
名画で見る世界のくらしとできごと,4位,アントニー・メイソン作,熊谷淳子、武富博子、木村尚美、八木恭子訳,国土社
ホエール・トーク,5位,クリス・クラッチャー作,金原瑞人&西田登訳,青山出版社
1位『ダルシマーを弾く少年』
弾き方を習わなかったという主人公ウィリアムの奏でるダルシマーの音色は、どんどん深く豊かになっていく。過去だけでなく、瞬間瞬間のさまざまな命の息吹に心をかたむけ、奏でているからだろう。弟を思いそして、自然の鼓動につねに心をよせるウィリアムの演奏をきくと鳥や森も歌いはじめる。音をつくり、奏でるということはこういうことなのかもしれない。音楽をきくということも同じかも。本を閉じ、いつもより身の回りの風景に心をひらくと、今まできこえなかったメロディーを感じた。きっとこの本を読み返すたびにダルシマーは私のなかで豊かな音色になっていくはず。ダルシマーの奏でる音を私は耳ではきいたことはないけど、心で存分に味わえた。挿絵もまた音楽を奏でているのか、ダルシマーの音色が挿絵を描くのか、川とそこを流れる水のようにぴったりととけあっていた。
2位『ヒーラーズ・キープ上・下』
とにかくひきこまれた。こんなにもページをめくりたく、でも閉じたくない本に出会えることはめったにない。
3位『クリスピン』
自分の名前すら知らず、ぬけがらのようだった主人公の少年に、魂がふきこまれていくようなさまに目が離せなくなった。気がつけばページをめくりながら読者である自分もクリスピンの心に必死に息をふきこんでいた。呼吸をしていなかった魂がやがて自分で息をし始めるような、力強い鼓動が伝わってきたとき、なんともいえない喜びを感じた。
4位『名画で見る世界のくらしとできごと』
大好きな美術鑑賞の大きなよりどころとなった。人生を豊かにしてもらったといっても大げさでない。この出会いに感謝。
5位『ホエール・トーク』
人とのつながりというものの悲しさ、不思議さ、尊さが伝わってきた。断ち切り乗り越えたいような悲しいつながりと、支えられ生きていく力になっていくつながり。その両方を受け入れていく主人公のまなざしはやっぱり思いっきりかっこいい。
ホエール・トーク,1位,クリス・クラッチャー作,金原瑞人・西田登訳,青山出版社
ママは行ってしまった,2位,クリストフ・ハイン作,松沢あさか訳,さ・え・ら書房
ワニてんやわんや,3位,ロレンス・イェップ作,ないとうふみこ訳,徳間書店
クローン羊のつくりかた,4位,ヘイゼル・リチャードスン著,千葉茂樹訳,晶文社
ダストビン・ベイビー,5位,ジャクリーン・ウィルソン作,小竹由美子訳,偕成社
1位 『ホエール・トーク』
私の本を勝手に読む小6の長女は、この本も手に取ったが、「わかんなかった」そうで……。う〜ん残念。
2位 『ママは行ってしまった』
この題材なのに、湿っぽくならなくて、ユーモアがあって、あたたかくて……。うん、よかったです。
3位 『ワニてんやわんや』
笑えて、おまけにお腹がすいて、最後にはほろり……。続編の邦訳を心待ちにしています。
4位 『クローン羊のつくりかた』
高校時代の生物の教科書(1,2とも)、未だに手元にある私。「遺伝」は面白かったなあ。読みながら、そんなことを思い出しました。
5位 『ダストビン・ベイビー』
今年出たウィルソンの邦訳では一番好き。
3位までしか選べなかった絵本部門とは違って、読み物部門はどれ入れようか、何位にしようか、とてもとても迷いました。次点は『ホリス・ウッズの絵』(パトリシア・ライリー・ギフ作/もりうちすみこ訳/さ・え・ら書房)、『駆け抜けて、テッサ!』(K・M・ペイトン作/山内智恵子/徳間書店)。
こちらは、サンプルです。
やまねこの森,1位,ワイルド・キャット作,山根こね子訳,こねまや出版
やまねこの林,2位,〜作,〜訳,〜
やまねこの木,3位,〜作,〜訳,〜
やまねこの本,4位,〜作,〜訳,〜
やまねこの体,5位,〜作,〜訳,〜
1位 『やまねこの森』
(コメント)感動しました。わたしもあの森に帰りたい……
2位 『やまねこの林』
(以下略)
こちらは、サンプルです。
やまねこの森,1位,ワイルド・キャット作,山根こね子訳,こねまや出版
やまねこの林,2位,〜作,〜訳,〜
やまねこの木,3位,〜作,〜訳,〜
やまねこの本,4位,〜作,〜訳,〜
やまねこの体,5位,〜作,〜訳,〜
1位 『やまねこの森』
(コメント)感動しました。わたしもあの森に帰りたい……
2位 『やまねこの林』
(以下略)
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