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月刊児童文学翻訳

─98年9月号(No.2)─

児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、
電子メール版情報誌<HP版>
http://www.yamaneko.org/mgzn/
編集部:mgzn@yamaneko.org
1998年9月15日発行 配信数180


「どんぐりとやまねこ」

     M E N U

◎巻頭特集
1998年コールデコット賞受賞作 Paul O. Zelinsky "Rapunzel" 研究

◎やまねこのおすすめ本(邦訳編)
『ミステリーホテル3 幽霊ツアーにいらっしゃい』

◎やまねこのおすすめ本(未訳編)
"Harry Potter and the Philosopher's Stone"

◎世界の児童文学賞
第1回 オーストラリア児童文学賞

◎特別企画
応募原稿の書き方徹底研究 〜絵本コンクールに向けて〜

◎コンテスト・トライアル情報
全3種(遊学館コンクール関連緊急情報付き)

◎展示会情報
グリム童話の絵本展、アフリカ展など、全3種

◎子どもの本を知るために
第1回『クシュラの奇跡――140冊の絵本との日々――』

◎お菓子の旅
第1回 イタリア cannoli(カンノーリ)



巻頭特集

―― 1998年コールデコット賞受賞作研究 ――
Paul O. Zelinsky "Rapunzel"

 

 コールデコット賞は、アメリカで前年に出版された絵本のうち、最もすぐれた作品の画家に対して年に一度贈られる賞である。今回は、今年1月に発表されたコールデコット賞の98年受賞作"Rapunzel"の内容を紹介しよう。

 

【あらすじ】

 昔あるところに、長年子どもに恵まれない夫婦がいた。しかしとうとう、妻が身ごもった。「ラプンツェル」をどうしても食べたいと言う妻のために、亭主はいけないと知りつつ、隣の庭園に盗みに入る。結局、庭園の持ち主である魔法使いに見つかり、亭主は、ラプンツェルを好きなだけ取る代わりに、生まれた子どもを引き渡す約束をさせられてしまった。

 子どもは、生まれるとすぐに魔法使いに連れ去られ、「ラプンツェル」と名づけられた。大事に育てられたラプンツェルは、12歳になると、森の中にあるドアも階段もない高い塔へと住みかを移される。唯一の出入り口は最上階の窓で、魔法使いは、ラプンツェルの長い髪をはしご代わりに、塔を上り下りしていた。

 ある日、ラプンツェルの美しい歌声に引き寄せられて、一国の王子がやってきた。王子は歌声の主を一目見たいと、魔法使いのまねをして塔に忍び込む。最初は驚いたラプンツェルも、王子の優しさにすぐに心を許す。やがてラプンツェルは身ごもり、そのことを知った魔法使いに、長い髪を切られて、荒野へと追いやられてしまうのだった……。

(瀬尾友子)

 

【解説】

◎作者あとがきより(Paul O. Zelinsky "Rapunzel" Dutton Children's Books)

 本書の最大の魅力は、イタリアルネサンスを意識した、格調高い絵柄にある。まず、遠くのものほど薄く描く「空気遠近法」の手法が、画面に広がりを持たせている。また、そこへ描かれる登場人物も圧巻であり、丹念に描き込まれた彼らの表情は、まるで生きているかのようだ。さらに木立、絨毯の柄から衣装の模様にいたるまで、細部にわたる描写が物語に一層のリアリティと重厚感を与えている。

 『ラプンツェル』はグリム童話に登場する物語として有名だが、ゼリンスキーのあとがきによれば、実はイタリア南部のナポリが発祥の地だ。物語はイタリアの民話集『ペンタメロン』に収められている。その後この民話の影響を受けて、フランスのド・ラ・フォルスという女流作家が『ペルシネット』(パセリの意)を書きあげ、さらにこれを、ドイツのフリードリッヒ・シュルツが独自に書き直して、植物も「パセリ」から「ラプンツェル」に変更した。グリム兄弟はこのシュルツ版をもとに、グリム版『ラプンツェル』を書いたのである。

 グリムの初版では、シュルツ版と(そしてこの絵本と)同じように、ラプンツェルが魔法使いに「ドレスがきつくなった」と訴えることで妊娠が明らかになるというストーリーになっていた。しかし、性的表現を極度に嫌ったグリム兄弟は、その場面を書き換え、単に「王子さまに比べておばあさんは重い」という言葉から王子の存在が露見するという話にしてしまう。このように『ラプンツェル』は、物語の世界的な変遷を示す好例なのだ。

 人の心を動かし、共感を呼ぶ物語。ゼリンスキーが目指したのは、3ヶ国の物語を融合させたものだった。それを象徴するのが魔法使いの存在である。そこには邪悪な魔法使いの姿はなく、むしろ、愛しい娘に裏切られた養母という姿が浮かび上がってくる。作品全体から醸し出されてくるのは、大人のための絵本という印象である。

(瀬尾 友子)


◎受賞スピーチより(Horn Book July/Aug 98 P.433-441)

 長年構想をあたためていた『ラプンツェル』に取りかかるにあたって、ゼリンスキーは、まずラプンツェルという物語の来歴を調べ、イタリアでその原型が書かれていたことを知る。彼自身、イタリア的なものに惹かれていたこともあり、『ラプンツェル』の舞台背景をイタリアに設定、絵のトーンも、15〜16世紀すなわちルネサンス期のイタリア絵画に範を仰ぐことにした。

 それからが苦闘の連続だった。ルネサンスの画家たちのような筆遣いや造形を再現するためにはどうすればいいのか。衣服は、顔は、どう描けばよいのか。メトロポリタン美術館に通い詰め、ルネサンス芸術の本を買いあさり、ワークショップにも参加して、彼は一歩一歩這うように前進した。当時のハサミの形といった、こまごまとした調べものも必要だった。

 だが何よりも気を使ったのは、人の心をストレートに打つような「形」を描ききることだった。人物の姿、動き、線、色、質感、そういったものすべてを含めた「形」が適切なら、ごく自然に物語が生まれ、美が生まれるのだ。

 何かの足しになるかもしれないと考えて、ラプンツェル(英語では"rampion"=カブラギキョウ)の種を取り寄せ、実際に育てて食べてもみた。葉はサラダにすると、しゃきっとして香味があるという。97年夏、締め切りを何度も通り過ぎてようやく『ラプンツェル』を仕上げたとき、プランターのラプンツェルが花をつけた。ラプンツェルは、花の年と葉の年が交互に訪れる植物で、97年は葉の年だったのにもかかわらず、である。

 今振り返ってみると、あの花は何かを暗示していたのかもしれない、とゼリンスキーは思っている。

(内藤文子)

 

【ポール・O・ゼリンスキー】

 "Hansel and Gretel"で1985年度、"Rumpelstiltskin"で1987年度、そして"Swamp Angel"で1995年度と、これまで3回コールデコット・オナーブック(次席)に選ばれている。本書で初の大賞受賞。日本で紹介されている作品は、『世界一大きな女の子』("Swamp Angel" アン・アイザックス文 落合恵子訳 富山房1996年)、『みんなおやすみ』(ミラ・ギンズバーグ文 おおばみなこ訳 ほるぷ出版 1985年)、そして、『Dear Mr. Henshaw ヘンショーさんへの手紙』(講談社ワールドブックス版 ベバリー・クリアリー著 谷口由美子解説 1996年)。

 

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やまねこのおすすめ本(邦訳編)

 

『ミステリーホテル3 幽霊ツアーにいらっしゃい』

フィリス・R・ネイラー著  三枝祐士訳
偕成社 本体680円 1992.10発行

 

 バーニーの父親はベッスルドルフホテルの支配人で、一家もそこで暮らしている。ある日母親は、築125年以上で傷みが目立つようになってきたそのホテルの修理を、オーナーのフェアチャイルド氏に依頼した。ところが修理を終えて以来、姉のドロレスの部屋に少年の幽霊が出るようになる。新聞でこの騒ぎを知ったフェアチャイルド氏は、ホテルの呼び物として「幽霊ツアー」を企画するよう命じた。ツアーは連日大盛況で、売り上げも増えフェアチャイルド氏は大満足。しかし、幽霊のことが気にかかるバーニーは、町の図書館でホテルの歴史を調べ、当時11歳だったジョナサン・ベッスルドルフに起こった100年前の悲しい事故を知った。幽霊はジョナサンに違いない、彼は何かを訴えようとしている。バーニーはジョナサンの訴えを聞き、願いをかなえようと、二人の仲間とともに行動を開始した。

 言葉を話すことができない幽霊のジョナサンの願いを懸命に理解しようとするバーニー、そして、あきらめの心境が深まるにつれ姿かたちが薄くなっていくジョナサン。「がんばるんだ。たのむから、ぼくらにわかるまでいかないでくれ」いよいよ消えそうになるジョナサンにバーニーがそう言った時、時空を超えて二人の少年の心が結ばれる。ジョナサンの力が尽きるまでに、バーニーは彼を助けることができるのだろうか。

 この作品は「ミステリーホテル」シリーズの3作目。シリーズは6作品あるが、現在翻訳されているのは4作品で、いずれも偕成社から出版されている。謎の毒ガス魔を追う1作目『木曜日の毒ガス魔』や、ミステリ色の強い2作目『死体は遅刻する』、そしてエンタテイメント性の高い4作目『窓から死体がこんにちは』とは少し趣が異なり、どこかもの哀しいファンタジーになっている。

(影山実保)

 

【フィリス・レイノルズ・ネイラー】

 1933年アメリカ、インディアナ州生まれ。16歳の時、日曜学校の新聞に初めて執筆して以来、100冊近い作品を発表している。代表作は「ミステリーホテル」シリーズの他、『アリスの悩み』『アリスはひとりぼっち』『アリスのいじめ対策法』などの「アリス」シリーズ(いずれも講談社青い鳥文庫)や、1992年にニューベリー賞を受賞し、映画にもなった『シャイロー』(邦題『さびしい犬』/講談社)など。現在はメリーランド州ベスセダ市に在住。

 

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やまねこのおすすめ本(未訳編)

 

『ハリー・ポターと賢者の石』(仮題)
J.K. ローリング作

"Harry Potter and the Philosopher's Stone"
J.K. Rowling Bloomsbury 223pp. 6/97
ISBN 0-7475-3274-5 (8〜108歳)

 

 ハリー・ポターは、一見ごく普通の少年。みなしごで、意地悪な伯母夫妻といとこに虐げられる毎日を送っていた。ところが11歳の誕生日を境に、彼の世界は一変する。魔法と魔術の名門校ホグウォーツの学長から直々に入学案内が届き、それとともに彼の身の上が明らかにされたからだ。

 伯母夫妻は普通人だが、ハリーは実は魔法使いの卵だった。ハリーが1歳のとき死んだ両親が、強力な魔術師だったのだ。両親は、世界最強の魔術師ヴォルデモート(Voldemort)との戦いで殺されたという。邪悪なヴォルデモートは、さらに幼いハリーをも手にかけようとしたが、なぜか魔力をすべて失い、姿さえも消えてしまった。その際、稲妻型の傷を額に負ったハリーは、魔術の世界ではヒーロー的存在となっていた。

 ホグウォーツに入学したハリーは、親友もでき、勉学や、キディッチと呼ばれる魔術師たちのスポーツの練習などで忙しくも楽しい日々を送るが、ひとつ生活に影を落とすのが意地悪い先生のスネイプだった。

 そしてあるとき、悪者の手に渡れば世界を混乱に陥れかねない「あるもの」が学校の中に隠される。ハリーと仲間たちは、それを悪に走った魔術師たちから守らねばならない。命がけで……。

 ローリングの処女作である本書は、笑いと涙、愛と憎しみ、叡智と愚かさ、善と悪など、ありとあらゆる相反する要素を絶妙なさじ加減で盛り込んだファンタジー。まさに表題の"Philosopher's stone":「賢者の石」(すべてのものを金に変え、永遠の命を与える錬金術の最終目標)を思わせるような一作となっている。老若男女を問わず必ず楽しめる作品だ。

 今年6月にはシリーズ第2弾、"Harry Potter and the Chamber of Secrets"が出版され、英国で一般書のNo.1ベストセラーになった。これから先5年は毎年1冊ずつ出版され、計7冊のシリーズとなる予定だという。

 米国ではScholastic社が10万ポンドという児童書としては異例の高額で出版権を買い、題を"Harry Potter and the Sorcerer's Stone"に変更して、今月発売した。

(池上小湖)

 

【ジョアンナ・ローリング】

 32歳。3年で離婚したのち、生活保護を受けながら赤ん坊を乳母車にのせ、寒さしのぎにカフェに通ってこの作品を執筆。本書が処女作。97年スマーティーズ賞受賞。カーネギー賞でも次点。

 

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世界の児童文学賞 第1回

―― オーストラリア児童文学賞 ――
Children's Book Of The Year Awards

 

【概要】
 名 称 : オーストラリア児童文学賞
 部 門 : 高学年向け図書、低学年向け図書、絵本、ノンフィクション
 対 象 : オーストラリア国籍、またはオーストラリア在住の作家
 創 設 : 1946年
 選 考 : オーストラリア児童図書評議会
 発 表 : 児童図書週間の初日
関連サイト: オーストラリア児童図書評議会のホームページ

 

 オーストラリアで最も歴史と権威のある児童文学賞。創設当初は、図書部門のみだったが、1956年に絵本部門(Picture Book、以下PB賞)が設けられ、1982年には図書部門が高学年向け(Older Readers、以下OR賞)と低学年向け(Younger Readers、以下YR賞)に細分化、1993年にノンフィクション部門(Eve Pownall、以下EP賞)が創設された。OR賞作品には、大人にも読み応えのあるテーマを扱った作品も含まれる。各部門とも受賞作と次点(Honour Book)2作品が発表される。

 

■1998年の受賞作(8月21日発表)

OR賞: Jinks, Catherine "Eye To Eye"
YR賞: Forrestal, Elaine "Someone Like Me"
PB賞: Morimoto, Junko "The Two Bullies"
EP賞: Nicholson, John "A Home among the Gum Trees - The Story of Australian Houses"

 

 YR賞のElaine Forrestalは今回はじめての受賞。他の3人はそれぞれの賞で受賞経験がある。Cathrine Jinksの"Eye To Eye"は、ミステリータッチの作品。Junko Morimotoの"The Two Bullies"は、日本の仁王伝説をモチーフにしたものだ。

 

■過去の主な受賞作家

◎パトリシア・ライトソン(OR、YR賞)

 過去4回OR賞を受賞し、国際的にも評価が高い、オーストラリアを代表する児童文学作家。先住民族アボリジニの伝承をモチーフにした作品が多く、邦訳も多数出版されている。今年は久々の新作"Rattler's Place"でYR賞次点となった。


◎ロビン・クライン(OR、YR賞)

 OR、YR両賞を受賞している実力派。中でも1990年のOR賞、"Came Back To Show You I Could Fly"(『翼ひろげて』坂崎麻子訳・偕成社・1996)は、薬物中毒に悩む繊細な少女と、内気な少年の心の交流を瑞々しく描いた秀作として国外での評価も高い。


◎アンドリュー・マクリーン(PB賞)

 妻のジャネットと共作で多くの優れた絵本を出版しているほか、読み物の挿し絵も数多く手がけるなど、オーストラリアを代表する画家のひとり。柔らかなタッチと色合いのユーモラスな絵が魅力。今年は犬を主人公にした"Josh"でPB賞次点となった。

(森久里子/河原雅子)

 

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特別企画

―― 応募原稿の書き方徹底研究 ――
〜絵本コンクールに向けて〜

 

 さまざまな絵本コンクールの締切が毎月のようにあるこの季節、課題と日々格闘している人も多いことだろう。提出する原稿は応募要項に沿って書くのが基本だが、指定のない事柄については案外悩んでしまうものである。そこで今回は、特に原稿の書き方に的をしぼって考えてみることにした。

 

  1. 一般的な原稿の書き方のルール

 出版社によって原稿の書き方は微妙に違ってくるようだが、一般的なルールをここに挙げておく。


  • 文章の書き出し、段落の初めは、最初の1字を下げる。

  • 無意味な空白・空行を入れない。

  • 「、」「。」「・」「!」「?」などの符号は1マス使い、「!」「?」のうしろはカッコ類がくるとき以外、1マスあける。

  • 「…」は1マスに3つ点を入れ、「……」というように2マス使う。ダーシもこのように「――」2マス使う。

  • 句読点やとじる方のカギカッコは行頭におかず、前の行の最後に前の文字と一緒に書く。

  • 大人向けの文章でセリフにカギカッコをつけるとき、とじる方は句点を省略する。(児童向けの場合は出版社によって違うようである。)

  • かなづかいは「現代かなづかい」を、送りがなは「国語審議会」が発表した「送りがなの付け方」の本則・例外に従う(表記辞典、国語辞典等参照)。

 

  1. 絵本原稿の書き方のルール

 たいてい絵本の対象読者は幼児から児童となるため、それに合わせた文字づかいが必要になってくる。ここでは、絵本や児童書の原稿を書く際に特に気をつけなければならない表記についていくつか挙げておく。

【わかち書き】

 絵本にはひらがなが多く使われる。ところが、ひらがなばかりの文章は読みにくい。そこで、語と語の間に空白を入れ、文章を細かく区切ることで、子どもに分かりやすいように(大人が読み聞かせしやすいように)書き表す工夫をする。これがわかち書きである。

 わかち書きには、単語によるものと、文節によるものと、単語をもととして文節を交えたものの3つがある。文節わかち書きは、1文節ずつに分ける、つまり、自立語は離して書き、付属語は上の語に続けて書くというやり方である。文節の区切れは、文章の途中に「ね」を入れて通じるかどうかで見分けることができる。例えば「わたしはたくさんのえほんをよんだ」は、「わたしはね」「たくさんのね」「えほんをね」で通じるので、4つの文節に区切れることになる。

 絵本コンクールの応募原稿をわかち書きにするかしないかは、応募要項に指定がない限り、その応募者の判断にゆだねられる。わかち書きは本来、翻訳者の仕事ではなく編集者の仕事であるという意見もあり、どちらで応募すべきか一概にはいえない。いずれにしても、書き方のルールを守って正しく表記することが大切だろう。


【漢字】

 未就学児を対象とした絵本の場合は基本的にすべてひらがなで表記するようだが、就学児を対象とした場合は漢字を使用することも多い。使用する漢字は対象となる学年によって当然異なり、小学2年生対象なら、小学2年生までに学校で習う漢字が基準となる。小学校学習漢字については、表記辞典や小学生用国語辞典などに学年別漢字配当表がついているので、それを参考にするとよい。

 また、文中に含まれる漢字の割合も考えなければならない。いくら対象読者に合った漢字を使用していても、その割合が多いためにページが見た目に黒くなりすぎてはやはり読みにくい。最近では、大人向けの小説でも漢字の使用率を減らす傾向にあるので、ひらがなにひらくことのできる漢字は極力ひらいた方がいいだろう。

 とはいえ、使用する漢字を限定したり、漢字の割合を事前に決めて原稿を書いたりすることは実際には難しい。ひらがなにすると分かりにくくなるために、どうしても漢字にしなければならない言葉もある。最も大事なのは、漢字を「意識して」使うことだろう。同じ言葉をページによって漢字にしたりひらがなにしたり、あるいは、大人の本でもひらがなになるような言葉を漢字にしたりすることのないよう、充分注意して原稿を作成したい。


【擬音語、擬態語】

 絵本を訳すときに擬音語や擬態語を使う機会は決して少なくない。しかし、このふたつを混同して考えている人は意外と多いのではないだろうか。

 擬音語とは、物音や声など実際に耳に聞こえるものを表した言葉で、「トントン」「ワンワン」「ザーザー」というようにカタカナにすることが多い。擬態語とは、物の状態・動き・変化や身振りなど実際には耳に聞こえないものを表した言葉で、「さっ(と)」「からり(と)」「のろのろ」というようにひらがなにすることが多い。

 ひらがなにするかカタカナにするかは、どのような雰囲気の訳文をめざすかによって訳者が判断するしかない(ひらがなのほうが、やわらかい雰囲気にはなるようである)。また、擬音語や擬態語の多用は作品を軽薄にしてしまうこともあるので、その点の注意も必要だ。

 

〜最後に〜

 「絵本コンクールに向けて」という観点から原稿の書き方について述べてきたが、絵本に限らず、翻訳家をめざす者なら原稿の書き方の基本ぐらいは押さえておくべきだろう。これを機会にぜひ参考資料等で再確認してほしいものである。

 

参考資料: 『日本語の正しい表記と用語の辞典 第二版』(講談社)
『翻訳の世界』98年1月号(バベル・プレス)
『表記の仕方』(NIFTY SERVE 翻訳フォーラム電子会議室/小野仙内)

(東京翻訳研修会絵本研究部 田中亜希子/宮坂宏美)

 

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コンテスト・トライアル/展示会情報

―― コンテスト・トライアル情報 ――
まだまだ続く絵本コンテスト!

 

◎山形県遊学館「外国絵本翻訳コンクール」――絵本翻訳
課題: "Pushkin Meets the Bundle" by Harriet M. Ziefert / Donald Saaf
"When I Was Little Like You" by Paton Walsh / Stephen Lambert
締切: 1998年9月30日(消印有効)
応募: 課題絵本(書店で販売)に添付されている応募要項あり
(事務局 0236-25-6411または0236-31-2523)
 
◎いたばし「国際絵本翻訳大賞」――絵本翻訳
課題: "The First Red Maple Leaf" by Ludmila Zeman(英語)
"IL PAESE DEI SILENZI" by Sandra Bersanetti(イタリア語)
締切: 1998年11月30日(必着)
応募: 事務局へ問い合わせのこと(03-3265-7691)
 
◎FMC「新人翻訳家コンテスト イギリス絵本」――絵本翻訳
課題: "The Midnight Feast" by Lindsay Camp / Tony Ross
締切、応募については、FMC機関誌Amelia10月号に掲載予定
(事務局 03-3475-5820)

 

★遊学館絵本コンクール関連緊急情報

 東京翻訳研修会絵本研究部の調べにより、遊学館絵本コンクールの課題図書"When I was Little Like You"の表記が、イギリス版とアメリカ版とでは一部異なることが判明しました。応募要項で指定されている紀伊國屋書店(あるいは発売元紀伊國屋書店)のものはイギリス版(ISBN0-670-86799-3)ですが、インターネット等の別ルートで購入したものはアメリカ版(ISBN0-670-87608-9)である可能性があります。応募する際は充分注意するようにしてください。

 以下にイギリス版とアメリカ版で異なる部分をリストアップします。本作品にはページ数がふられていないため、文章のあるページのみに便宜的に番号をつけました。"Look, Gran," said Rosie. "Look at the Train, Gran." のページを1とします。

ページ番号 【イギリス版】
(紀伊國屋版)
【アメリカ版】
5行目 the headland the point
2〜3行目 the quay the dock
2行目 the sweets the candy
10 2行目 the sweets the candy
10 5行目 penny, or one for a farthing penny

(田中亜希子)

 

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―― 展示会情報 ――
原画にふれてみよう!

 

◎軽井沢絵本の森美術館「グリム童話の絵本展 〜口伝えから世界の絵本〜」
所在地: 長野県北佐久郡軽井沢町塩沢182-1
電 話: 0267-48-3340
会 期: 平成10年10月4日まで
休館日: 火曜
入場料: 大人800円 中・高校生500円 小学生400円
内 容: 口伝えの物語の広がりと絵本への発展を紹介
 
◎絵本の樹美術館「太田大八絵本原画展、『絵本西遊記』全点」
        「なかえよしを+上野紀子『絵本への試み展』」
所在地: 山梨県北巨摩郡大泉村西井出字石堂8240-4579
電 話: 0267-48-3340
会 期: 平成10年11月23日まで
休館日: 水曜・木曜
入場料: 大人600円 3才−中学生300円
内 容: 『絵本西遊記』の原画展示他
 
◎東武美術館(東武池袋店)「アフリカ・アフリカ」
所在地: 東京都豊島区西池袋1-11-1
電 話: 03-3272-8600(NTTハローダイヤル)
会 期: 平成10年11月24日まで
休館日: 水曜日(祝日の場合はその翌日、年末年始及び展覧会準備期間中)
入場料: 一般1100円 大・高生900円 中・小生400円
内 容: 日本初の本格的なアフリカ現代アーティスト展

(担当:瀬尾友子)

 

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子どもの本を知るために 第1回

 

『クシュラの奇跡――140冊の絵本との日々――』封\紙

『クシュラの奇跡――140冊の絵本との日々――』
ドロシー・バトラー著 百々佑利子訳

のら書店 本体3000円
97年12月第34刷(84年5月初版)

 

 この作品は、染色体異常のためにいくつもの障害を持って生まれたクシュラという少女の成長の記録であり、その成長を手助けした数多くの絵本の物語である。

 クシュラの異常は、生後まもないうちから両親の目にも、祖母である著者の目にも明らかとなった。指が6本あり、呼吸が不規則で、泣いてばかりいるうえに、乳を吸うことすらうまくできなかったからである。近くのものにしか目の焦点を合わせることができず、腕を自由に動かすこともままならなかった。また、睡眠時間が極端に少なく、昼も夜もむずかり続けるので、四六時中、手が離せなかった。

 そんなクシュラとの長い時間を埋めるために、母親は、生後4ヶ月の頃から絵本を見せはじめた。顔にくっつけるようにすれば対象物がはっきり見える、と分かった時期である。クシュラは本を見ようとする意志を示し、全身を耳にして聞いた。本によって豊かな言葉を知り、本によって自分の知らない外の世界を体験するようになった。本に集中することで、両手両腕の障害などをわずかながらも克服し、3歳になる頃には、健常児をしのぐほどの得意分野を持つに至ったのである。

 はじめ論文として書かれた記録だけに、文体には少し固い印象を受けるが、客観的に淡々と語られているため、かえって絵本と共に成長していくクシュラの一挙一動が手に取るように理解できる。クシュラが読んだ本の年齢別リストや、絵本を一場面ずつ紹介したカラーページ、および、日本で出版されている絵本の写真入りリストなどもあり、幼い時にいい本に出会うことの大切さを知ることができるばかりでなく、世界名作絵本の素晴らしい手引書としても役立つ1冊となっている。

(中山篤子)

 

【ドロシー・バトラー】

 ニュージーランド、オークランド市で児童書専門店を経営。主な作品に、『あかちゃんの本箱――0歳から5歳の絵本』(ブック・グローブ社)、『5歳から8歳まで――子どもたちと本の世界』(のら書店)などがあり、幼い子どものための詩集の編集も手がけている。子どもと母親を支援する様々な活動と『クシュラの奇跡』により、1980年、英国のエリナー・ファージョン賞を受賞。

 

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お菓子の旅 第1回

―― イタリア ――
☆ cannoli カンノーリ(カノーリ) ☆

 

"One cannoli please, Signor Pagliani," Gabriella told the baker.

("Gabriella's Song" by Candace Fleming / Giselle Potter 1997 より)

 

 この作品はバベル・プレス主催第7回絵本翻訳コンテストの課題作でしたのでご存じの方も多いかと思います。イタリアのヴェニスを舞台に繰り広げられる音楽の物語で、主人公の少女Gabriellaが市場からの帰り道にパン屋で買ったのがこのカンノーリでした。

 正確にはカンノーリ・アラ・シシリアーナ(cannoli alla siciliana)という、イタリア南部シチリア島の代表的なお菓子です。中世以降、イタリアのお菓子はキリスト教の祭事に深くかかわり合うようになりました。カンノーリも昔は2月の謝肉祭に作られる特別なお菓子で、親しい友人や親戚に1ダース以上贈る習慣がありました。今ではいつでも作られ、店でも売られるようになっています。

 そもそも、cannoliの単数形であるcannoloとは「円筒形」のこと。その名の通り、カンノーリは生地を筒に巻いて揚げた円筒形の皮にリコッタチーズのクリームを詰めたお菓子です。本来は生地を巻く筒に長さ約13cm、直径約2cmの葦や竹を使うようですが、アルミホイルを棒状に丸めたものでも十分代用になるでしょう。

 


*カンノーリ・アラ・シシリアーナの作り方*
「カンノーリ・アラ・シシリアーナ」
※1 本来はオレンジの花のエッセンス油を使用。
オレンジキュラソーでも可。
材料:18個分
リコッタチーズ 250g 辛口の白ブドウ酒 適量
小麦粉 約200g グラニュー糖 大さじ1
粉砂糖 150g 1個
オレンジピール 50g バニラリキュール※1 適量
板状のチョコレート 30g ピスタチオ 適量
ラード 15g 落花生油 適量
コーヒー、ココアの粉 各小さじ1弱 適量
  1. ボウルに小麦粉150g、ココア、コーヒーの粉各小さじ1弱、塩少々、グラニュー糖  大さじ1を入れて混ぜ合わせます。
  2. 1にラードを加えてよく混ぜたら、さらに卵1個弱(6で使うので卵白を少し残して  おきます)、白ワインの順に加えて数分練ります。白ワインは生地がまとまるようになるまで少しずつ入れていくようにしてください。
  3. 2を球状に丸め、ふきんにくるんで涼しい所で約1時間休ませます。
  4. この間にカンノーリの詰め物を作ります。リコッタチーズを裏ごしし、粉砂糖、バニラリキュール、さいの目に切ったオレンジピール、細かく刻んだチョコレートを入れてよく混ぜます。出来上がったものは涼しい所に置いて下さい。
  5. 生地をめん棒で1mmの厚さにのばし、9cm四方の正方形に切ります。
  6. アルミホイルを直径2〜3cmの棒状に丸め、生地の対角線の長さに合わせて切ったものを2つ用意します。5の生地の、正方形の対角線をアルミホイルの棒の縦に合わせて、そのまま生地をアルミホイルに巻き付けます。合わせ目は少量の卵白で閉じます。
  7. よく熱した落花生油に6を2つずつ入れ、きつね色になるまで揚げます。油をよくきって、さましてからアルミホイルの芯をはずします。
  8. 7が十分冷めてから、食べる少し前にリコッタチーズのクリームを詰めます。ピスタチオの細片を両端のクリームのところにのせ、全体に粉砂糖をかけたら出来上がり。

 

参考文献: 『イタリア料理探訪』吉川敏明監修 柴田書店
『イタリア料理100のおいしいキーワード』落合務著 講談社
『基本イタリア料理』林茂著 TBSブリタニカ
『百菓辞典』山本侯充編 東京堂出版
『南イタリアのキッチンから』加藤美由紀著 講談社

(田中亜希子/森久里子)

 

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●読者だより● ご意見・ご感想は編集部まで!

『月刊児童文学翻訳』の創刊号、ありがとうございました。すっごくおもしろかったです! 特に「特別企画」は読み応えあってよかったと思います!! これまで自分が知らなかった児童文学翻訳の世界を、ちょっぴりだけかいま見せてもらった気がしました。(こべに)
お役に立てたようでうれしいです。特別企画(山形県遊学館「外国絵本翻訳コンクール」徹底研究)の記事を書いた田中さんも喜んでおりました。今後ともよろしくお願いします。(み)
   
作品を読まずに質問して申し訳ないのですが、巻頭特集の"Out of the Dust" についておうかがいしたいことがあります。火災が起きた具体的な原因は何だったのでしょうか。「灯油バケツの置き場所が悪かった」からなのか、「水と灯油を間違えた」からなのか、また、その原因を作った主は最終的に父なのか母なのかを教えていただけるとすっきりいたします。(神上靖子)
このエピソードの部分、確かに分かりにくかったですね。実は、父親がコンロ脇に置いた灯油を、母親が水と勘違いしてコーヒーを沸かそうとするのです。それがきっかけでバケツの灯油に引火。びっくりした母親は火をそのままにして外へ逃げていってしまいます。そのあと主人公のビリー・ジョーが台所にやって来て、燃えているバケツをとっさに外に放り投げるのですが(この時ビリーは手にやけどを負います)、そのバケツが、ちょうど外から戻ってきた母親に運悪くぶつかってしまうというわけです(母親は全身やけどを負って、まもなく死にます)。
これからも、何か疑問がありましたらどんどん質問してくださいね。(み)
   
今までずっと絵本に携わることをしたいと思いながらもなかなか前へ進むことが出来なかったのですが、この『月刊児童文学翻訳』を読んだ途端に「自分が本当に好きなものはこれなんだ!」と再確認できました。月刊というのがおしいくらいですね。これからも、このマガジンで得た情報をもとに、いろんな絵本や文学の世界を広げていこうと思っています。(YOSHIKO)
ありがとうございます。このようなご感想をいただくと本当に励まされます。これからも応援してください。(み)


●編集後記●

 21年の歴史を持つ東京渋谷の児童書専門店「童話屋」が10月に閉店することになったそうです。子どもの本に対する店長の深い愛情が感じられる書店だったのに本当に残念です。出生率の低下、子どもの本離れ、大型書店での児童書売場面積の減少等、児童書業界はますます厳しい状況になってきています。わたしたちのメールマガジンが、少しでも業界を盛り上げる手助けになればうれしいのですが。(み)


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―― 9月の予定 ――

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未訳作品の全訳勉強会(Sharon Creech "Pleasing the Ghost")
翻訳児童書編集者を囲む会「翻訳児童書出版の現状と未来」(9/28)


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