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月刊児童文学翻訳

─2001年2月号(No.27 情報編)─

※こちらは「情報編」です。「書評編」もお見逃しなく!!

児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、
電子メール版情報誌<HP版>
http://www.yamaneko.org/mgzn/
編集部:mgzn@yamaneko.org
2001年2月15日発行 配信数 2,090


「どんぐりとやまねこ」

     M E N U

◎プロに訊く
第16回 中辻悦子さん(造形作家)

◎展示会情報
ギャラリー島田「中辻悦子 個展」ほか

◎セミナー・講演会情報
クレヨンハウス「いまどきの、こどもと、家庭と、学校」

◎世界の児童文学賞
第14回 ブラティスラヴァ世界絵本原画展(略称 BIB)

◎読者の広場
海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ!



プロに訊く 第16回

―― 中辻悦子さん(造形作家) ――

 

 今月は、99年の第17回ブラティスラヴァ国際絵本原画展(スロヴァキア)でグランプリを受賞された、造形作家、中辻悦子さんのお宅にうかがいました。ご夫君の画家、元永定正さんも同席され、おふたりの作品でいっぱいの室内でお話を聞きました。お忙しい中、終始にこやかに語ってくださった中辻さん、しゃれを交えながら楽しい話をしてくださった元永さんに、心よりお礼申し上げます。

 

『よるのようちえん』表紙

【中辻悦子(なかつじ えつこ)さん】

 1937年大阪府生まれ。兵庫県在住。オブジェ、タブロー、版画など多彩な分野で活躍する造形作家。98年現代版画コンクール展で大賞。絵本の作品は、『これめ』『いろいろしかく』『まるまる』など。98年刊の『よるのようちえん』(福音館書店)でブラティスラヴァ国際絵本原画展のグランプリを受賞(47か国296人参加)。日本人の同賞受賞は、第1回(67年)の瀬川康夫氏以来の快挙。2000年、ボローニャ・ブックフェアに出展。ご夫君は画家の元永定正氏。中辻氏は元永氏の絵本のグラフィック・デザインも手がけている(『もこもこもこ』/文研出版、『もけらもけら』/福音館書店など)。

【中辻悦子さん絵本リスト】
【中辻悦子さんインタビュー ノーカット版】

 

Q:インタビュアー A:中辻さん M:元永さん ( ):編集部注

Q★ブラティスラヴァ国際絵本原画展グランプリ受賞、おめでとうございます。受賞作『よるのようちえん』の制作過程についてお聞かせください。

ブラティスラヴァのトロフィーと、受賞作「よるのようちえん」
ブラティスラヴァのトロフィー(左)と、受賞作の「よるのようちえん」(右)

A☆『よるのようちえん』は、わたしの5冊目の絵本です。それまでの絵本は幼児対象の月刊誌(『こどものとも』など)の形でしたが、『よるのようちえん』は単行本として出すことになりました。それで、子どもも大人も両方視野に入れた絵本を作ろうと思ったのです。構想に3年かかりました。先に写真と絵のコラージュができましたが、文章は難しくてなかなか進みませんでした。編集者と相談して、谷川俊太郎さんに文章をお願いすることになりました。谷川さんは、ラフをご覧になってすぐに引き受けてくださいました。文章はたった1日か2日で書かれたそうです。キャラクターに「そっとさん」や「じっとさん」という名前がつき、文章もついて、キャラクターの性格がもっとはっきりしました。その時点で、顔や形を描き変えたものもあります。谷川さんの文章でキャラクターに命が生まれたのです。

M☆谷川さんとは古いつきあいで、気心も知れていた。谷川さんは、この人(中辻さん)の絵本のラフや展覧会を見て、そのイメージから文章を作った。それを受けて、この人の方も絵を変えた。ええ意味でのキャッチボールやったんやね。

 

Q★絵本の舞台を幼稚園にされたいきさつをお聞かせください。

A☆わたしの作品はこれまで、現実と非現実の間にいるような、別の世界にいるようなキャラクター(目と足だけのひとがた)を表現してきました。絵本にもこのキャラクターを登場させようと思い、まず舞台を「よるのキッチン」として、写真と絵のコラージュを作りました。自分ではこちらの方が好きだったのですが、子どもの絵本としては何となく大人っぽくなって……。そこで、もっと子どもに直接つながる場所として「幼稚園」を選びました。それも、昼の幼稚園とは違う雰囲気を持つ、夜の幼稚園にしたのです。

 

Q★ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)に出品された経緯や、グランプリを受賞された時の感想をお願いします。

A☆まず日本国内の選考委員会で、出品作品として選ばれたようです。わたしはそれまで、 BIBのことは何も知りませんでした。選定後に打診があり、自分で10点の原画を選んで出品しました。で、そのまま忘れていたんですね。そこへいきなり「グランプリだ」と留守電が。ブラティスラヴァに審査員として行かれていた、ちひろ美術館館長の松本猛さんからでした。わたしは何だか人ごとみたいで……。留守電の明くる日が授賞式でしたが、当然間に合わないので、メッセージを送って松本さんに代わりに出ていただきました。トロフィーと賞状は、10月に東京でスロヴァキア大使からいただきました。だからまだ、ブラティスラヴァには行ったことがないんですよ。でも、グランプリを取った人が次回に特別展をすることになっているので、今秋行く予定です。人形のオブジェやタブロー、原画などを準備しています。

 

Q★BIBは絵本の原画だけを対象にした賞ですが、ストーリーや構成が評価の対象にならないことについて、どう思われますか。

A☆絵本には絵が与える感覚的な力がとても大切だと思います。『よるのようちえん』の原画は、わたしのふだんの仕事である、造形の延長線上からできたものです。それを評価されたというのは、単純にうれしかったですね。

M☆ぼくら、絵本作家というより画家やからね、だからかえって、無心の気持ちで作れるのやないかな。BIBの賞も一生懸命やったから、宝くじに当たったようなもの。もらおうとして、もらえるものではない。欲出したら、よくないのよ。

 

『まるまる』表紙
『まるまる』
中辻悦子さく
福音館書店

Q★ご自身の絵本は、どのようなスタンスで作られているのでしょうか。

A☆『まるまる』の時は孫を意識して作りました。でもほんとうのところ、子どもの気持ちになりきれるわけではないですから、自分が楽しくおもしろい、と思うものを作ります。パツォウスカーやムナーリのように自分の考えがはっきりしているものが好きです。自分もそういうものを作りたいと思っています。言葉はあってもなくてもいい、視覚的に子どもの心に深く訴えられたらいいですね。もちろん、絵と言葉がある絵本に対しても、肯定的に考えています。でも自分では、そうでないものを作ってみたい、感性に強く訴えかけられるような絵本が作れたら、世に問うてみたいのです。

 

Q★ご自身の絵本をふくめ、子どもと絵本とのかかわりをどう考えておられますか。

A☆子どもにとって、いろんなものがあった方がいい。普通の絵本だけが絵本だと思わないで、こんなのも絵本か、と思うのがあったらいいですね。「えー、こんな絵本!」とびっくりするような絵本を作りたい。何か、突き抜けたようなもの。子どもの感性にいい意味で残っていくようなもの。

M☆うちに来る銀行のお姉さん、ぼくの絵は難しいねって言うよ。「わけわからんもん描くな」という投書もあったしね。でも子どもはおもしろがるんやなあ。

 

Q★翻訳についてのお考えもあれば、お聞かせいただけますか。

A☆どういう翻訳がいいか、絵本にのせる言葉として何がいいか、難しいですね。たとえば、犬の鳴き声も鳥の声も、国によって言葉での表現は全然違うでしょう。それを日本語に置き換えるのはたいへんですね。その国と日本の生活習慣の違いを考えて、言葉を選ぶ必要があると思います。『よるのようちえん』を英語に翻訳するとすれば、谷川さんが「自分で書く」と言っておられました。「翻訳は難しいだろう」って。

M☆(元永氏の絵本『カニ ツンツン』を出されて)これは蟹の絵本やないのよ。アイヌ語で鳥の鳴き声をこう言うんやね。金関寿夫さんが、アイヌやアメリカ先住民の言葉で文を書いた。意味はわからなくても、音として言葉を読むのはおもしろいね。音のセンス、いうのかな。

 

中辻さん(左)と元永さん(右)
中辻さん(左)と元永さん(右)

Q★元永さんとのコラボレーションなどは考えておられますか?

A☆阪神大震災の被災者を励ますプロジェクトのために、ふたりでモニュメントを作っています。長さ30mのベンチで、安藤忠雄さん設計のアジア防災センターにある公園に置かれます。被災地の子どもたちの描いた絵も、はめ込む予定です。(模型を見せてくださる。おふたりの絵本に登場するキャラクターが、デザインに盛り込まれている。インタビュアー4人、思わず、かわいい! と叫んでしまう。公園は神戸市に5月オープン予定。)

 

 物静かな語り口の中辻さんを応援するように、元気いっぱいの関西弁で言葉を添えてくださる、元永さん。ニューヨークで知り合い、その後も友人となった谷川俊太郎氏、故金関寿夫氏に関して、「ふたりに出会っていい絵本ができた。やっぱりお風呂に入らんといかんのや――ニューヨーク、にゅうよく、わかってぇ」。すると中辻さんが「ブー」。おふたりはすばらしいアーティストであると同時に、すてきなカップルでした。予定時間の倍以上もお話ししていただき、おいとますると、外は雪。息は白くても、わたしたちの心はポカポカでした。

(取材・文/中務秀子)

 

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展示会/セミナー・講演会情報

―― 展示会情報 ――

 

◎ギャラリー島田「中辻悦子 個展」
所在地: 兵庫県神戸市中央区山本通2-4-24 リランズゲートB1
電 話: 078-262-8058
会 期: 平成13年2月22日まで
休館日: 会期中は無休
入場料: 無料
内 容: 独自のキャラクターがモチーフの、平面作品を中心にした個展。
ギャラリー案内:http://www.gallery-shimada.com
 
◎軽井沢絵本の森美術館「えほんのレシピ展」
所在地: 長野県北佐久郡軽井沢町塩沢182-1
電 話: 0267-48-3340
会 期: 平成13年3月3日から6月25日まで
休館日: 火曜日(ただし祝祭日に重なった場合は翌日)
入場料: 一般800円 高校生・中学生500円 小学生400円
内 容: 「1冊の絵本はどんな手法で作られるのか」「絵本を作る秘訣は何?」そんな疑問に対して、ディック・ブルーナやマーシャ・ブラウン、中辻悦子らの絵本を使いながら、具体的に答える。
 
◎安曇野絵本館「ガブリエル・バンサン展」
所在地: 長野県安曇野郡穂高町有明2186-117
電 話: 0263-83-6173
会 期: 平成13年2月28日まで
休館日: 火曜(ただし2月は土曜日・日祭日のみ開館)
入場料: 一律700円
内 容: 昨年亡くなった、ヨーロッパを代表する絵本作家、ガブリエル・バンサンの展示会。
 
◎国際子ども図書館
  「第6回展示会 Hola amigos! やぁ ともだち! ――中南米の子どもの本展――」
所在地: 東京都台東区上野公園12-49
電 話: 03-3827-2053
会 期: 平成13年2月10日から4月8日まで
休館日: 月曜・祝祭日
入場料: 無料
内 容: 2000年国際アンデルセン賞作家アナ・マリア・マチャドやノーベル賞受賞詩人ガブリエル・ミストラルなど、中南米を代表する作家の作品展。ブラジルやチリなどの絵本、詩が紹介されている。

(瀬尾友子)

 

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―― セミナー・講演会情報 ――

 

◎クレヨンハウス「いまどきの、こどもと、家庭と、学校」
講 師: 重松清(作家)
場 所: クレヨンハウス(東京 港区北青山3-8-15 大阪 吹田市江ノ木町5-3)
日 時: 東京 平成13年3月3日 大阪 平成13年3月10日(いずれも土曜)16:00〜17:30(15:30開場)
参加費: 非会員 2,500円 会員は無料(年会費に含まれる)
内 容: 自分の小説にはいつも〈いまどき〉となんらかの形でかかわってほしいという重松氏。講師とともに〈いまどき〉を考える。
問合せ: クレヨンハウス(東京 03-3406-6492 大阪 06-6330-8071)
その他: 非会員は、当日の朝11時から子どもの本売場にて販売される当日券を購入。会員のみで定員に達した場合は立ち見になることもあり。
 
◎子どもの本から「世界」が見える――児童書作家による国際シンポジウム
講 師: ジャミル・シェイクリー(クルド人児童文学作家)
ゲスト: 東京 きどのりこ(児童文学作家・評論家)
   ピョンキジャ(在日朝鮮人二世・翻訳家)
   野坂悦子(オランダ語児童文学翻訳家・通訳)
   新藤悦子(作家・エッセイスト 専門:西アジア)
大阪 ひこ・田中(児童文学作家・評論家)
   マーニー・ジョーレンビー(米国児童文学作家・研究者)
   野坂悦子(オランダ語児童文学翻訳家・通訳)
場 所: 東京 東京芸術劇場 5階中会議室  TEL:03-5391-2111
大阪 大阪府立中央図書館(東大阪市荒本北57-3)
日 時: 東京 平成13年4月21日(土)14:00〜16:30
大阪 平成13年4月22日(日)13:30〜14:00
参加費: 東京会場 1,000円(当日、会場にて受付)
大阪会場 参加無料
定 員: 東京 80名、大阪 100名
内 容: ベルギーで活躍中のジャミル・シェイクリー氏をメインスピーカーに迎え、世界の子どもたちの生活、本との出会いについて、各国の作家・翻訳家・専門家たちからの意見を聞く。
申込先: 東京 梨の木舎 TEL:03-3291-8229 FAX:03-3291-8090
大阪 こども資料室 TEL:06-6745-0170(内線111)
主 催: 東京 親子読書地域文庫全国連絡会
共 催: 大阪 大阪府立中央図書館、親子読書地域文庫全国連絡会、大阪府子ども文庫連絡会

(横山和江)

 

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世界の児童文学賞 第14回

―― ブラティスラヴァ世界絵本原画展(略称 BIB) ――
〜世界最大規模の絵本原画審査展示会〜

 

■概要
名 称 : ブラティスラヴァ世界絵本原画展(Biennale of Illustrations Bratislava)
対 象 : 子どものために出版された世界各国の絵本の原画
創 設 : 1967年
主 催 : BIBIANA(スロヴァキア国際児童芸術館)、スロヴァキア共和国文化省など
協 力 : ユネスコ、IBBY(国際児童図書評議会)
選 考 : BIB 国際審査委員会
発 表 : 奇数年9月(同じく隔年発表の国際アンデルセン賞と交互に発表される。次の第18回展は2001年)。展示会は9月から10月にかけて行われる。
関連サイト: http://www.bib-slovakia.sk/uvod_e.htm(BIBIANA)

 

 スロヴァキア共和国の首都ブラティスラヴァで開催される、絵本原画の審査と展示会。東西冷戦のなか、当時のチェコスロヴァキア連邦共和国のスロヴァキア共和国で第1回が開催され、1993年にスロヴァキアが分離独立後も、同国で継承されてきた。

 審査では、すでに出版されている絵本を対象とし、原画の美術的価値を評価する。絵本を総合芸術作品としてみなさず、その要素のひとつである「原画」だけをとりあげることには、設立時に反対意見も出た。だが、印刷技術や言語の違いをこえて、より多くの国の作品を公平に評価するため、この方式が採用された。その結果この原画展は、すでに豊かな文化基盤のある国のものだけではなく、さまざまな国の優れた絵本を、各国の専門家や出版社、そして子どもたちに紹介してきた。これまでの出展国は、約90か国にのぼる。

 各国からの出展作家は20名まで。作家ひとりにつき、過去2年以内(初出展作家は過去5年以内)に出版した2冊までの絵本から計10枚までの原画を出展できる。現在贈られる賞はグランプリ(Grand Prix)が1名、金のりんご賞(Golden Apple)が5名。他に金牌(Plaque)が5名、出版奨励賞(Honourable Mentions to Publishers)が1名に与えられる。グランプリ受賞者は次回の BIB 展で独立展示ができ、受賞後のボローニャ・ブックフェアのイラストレーション展に招かれる。

 日本は第1回から出展。同回のグランプリを瀬川康男氏が受賞し、99年には、中辻悦子氏が日本人としては32年ぶりにグランプリを獲得した。金のりんご賞受賞者は、田島征三氏、安野光雅氏(2度)、谷内こうた氏(2度)など、数多い。また、初回以来、国際審査員も毎年日本から派遣している。1996年からは、ブラティスラヴァでの展示の翌年に、日本でも展示会が開かれることになった。昨年には、受賞作・日本人出展作だけでなく、BIB が所有する歴代受賞作家たちの名作を集めて国内巡回展が行われた。

 社会主義時代、イデオロギーに縛られていた作家たちが唯一自由に活躍できた場が、絵本であった。そのため当時スロヴァキアの絵本芸術は水準の高いものとなり、こうした作家たちの活動から、BIB が生まれ、今にひきつがれている。

 

■1999年の受賞作

グランプリ 『よるのようちえん』中辻悦子(日本)福音館書店(本号「プロに訊く」の記事参照)

金のりんご賞 『オホーツクの海に生きる』関屋敏隆(日本)ポプラ社
       "WC-Papier in de wind Laten Wapperen" Janneke Derwig(オランダ)
       "Josefine" Heidi Stoellinger(オーストリア)
       "Gulliver's Travels" Peter Uchna(`)r(スロヴァキア)
       "Marta et la Bicyclette" Arbertine Zullo(スイス)

※(`)は直前の文字の上に付く

 

■主な受賞作家

●Dusan Ka(`)llay(ドゥシャン・カーライ)(s の上にハーチェク記号)
 スロヴァキア生まれ。BIB で73年と75年に金のりんご賞を、83年『不思議の国のアリス』(矢川澄子訳/新潮社)でグランプリを受賞。88年には国際アンデルセン賞に輝いた。グラフィック、タブロー、アニメ制作など活躍の場は広い。最近の作品に『カエルのおんがくたい』(アーサー・ビナード文/福音館年少版こどものとも2001年3月号)がある。

●Roberto Innocenti(ロベルト・インノチェンティ)
 イタリア生まれ。85年、『白バラはどこに』(長田弘訳/みすず書房)で金のりんご賞受賞。91年にも金のりんご賞、97年には金牌を受賞している。緻密な画面と独特の空間構成が特徴。

 

参考サイト:http://www.akuti.com/slovakia/
参考:『ブラティスラヴァ世界絵本原画展(BIB)』日本国内巡回展図録(2000年発行)

(菊池由美)

 

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読者の広場

―― 海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ! ――

 

☆2000年12月号のきゃべつさんへ

 本って世の中に出たとたん、作者からある意味、ひとり歩きしはじめると思っています。ですから、あとは、読んだ人がどう思おうとそれは自由。「クール」についても、たとえばわたしが「こう」と思えば、それは「間違い」「正解」の次元ではなく、「こう」でいいのだと思います。と前置きをした上で、わたしが思う「クール」について一応書きますと、きゃべつさんがお持ちのイメージとほとんど同じようです。『少女神』も『ウィーツィ』も舞台はLAですから、出てくる「クール」もアメリカ英語の "cool(カッコイイ)" の意味で使われているのだと思います。実際に文中に出てくるところをみても、ファッションから生き方まで、自分の「好き」を通している「カッコイイ」人を評して使われている印象を受けました。(かなた)

 

 このコーナーでは、児童書の翻訳にまつわるお話、ご質問、ご意見等を募集しています。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せください。

 

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やまねこ翻訳クラブ(会員数214名)

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●編集後記●

 今回は日本人として32年ぶりに BIB グランプリを獲得した中辻悦子さんに取材するため、関西のスタッフががんばってくれました。感謝します。(み)


発 行: やまねこ翻訳クラブ
発行人: 吉井知代子(やまねこ翻訳クラブ 会長)
編集人: 宮坂宏美 (やまねこ翻訳クラブ スタッフ)
企 画: 河まこ キャトル きら くるり こべに さかな 小湖 Gelsomina sky SUGO Chicoco つー どんぐり NON BUN ベス みーこ みるか MOMO YUU りり Rinko ワラビ わんちゅく
協 力: @nifty 文芸翻訳フォーラム
小野仙内 ながさわくにお Mkwaju


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