河出書房新社 新刊情報

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2009年12月刊行

 かいじゅうたちのいるところ

 デイヴ・エガーズ
小田島恒志・小田島則子 訳

ISBN 978-4-309-20530-4
定価 本体1600円+税

 2010年1月15日(金)に全国ロードショー 「かいじゅうたちのいるところ」――モーリス・センダックのつくった絵本『かいじゅうたちのいるところ』の実写版が公開される。アメリカではすでに公開され大ヒットしており、センダック自身も映画のできに満足しているそうだ。
 本書は、その映画の脚本を担当したひとり、デイヴ・エガーズが、センダックから直接の依頼によって書いたものである。
 著者あとがきによると、映画のままのところもあれば、そうでないところもあるそうだ。
 絵本を親子2世帯で楽しまれている人もいるほど、多くの子どもたち、大人たちに読まれてきた作品がどんな小説になるのか――。

 私も子どもとともに長く親しんできた絵本が、どんな風に実写化されるのか、短いストーリーがどんなふくらみをもつのか、そして小説はどんな展開がと正直ドキドキして読んだのですが、よかった! あらすじは映画をこれから観る人のためにあえて書かないが、マックスもかいじゅうも、絵本のスピリッツを生かしていると思う。

 設定として、少年マックスにはどんな両親がいて、どんな姉がいてなど絵本で描かれていないことはたくさんあるけれど、「オオカミと風ででてきている男の子」としてのマックスが爽快に動いている物語になっている。かいじゅうたちのキャラクターもよく立っている。映画とともに、ぜひこの小説の世界もおおくの人に楽しんでもらいたい。

関連本として次の2冊も刊行されている。
かいじゅうたちのいるところ ストーリーブック:表紙 かいじゅうたちのいるところ ストーリーブック

スパイク・ジョーンズ 著
デイヴ・エガーズ 著
モーリス・センダック 原作

小田島 恒志 訳
小田島 則子 訳


ISBN978-4-309-27149-1
定価 本体933円+税
かいじゅうたちのいるところ お絵かきブック:表紙 かいじゅうたちのいるところ お絵かきブック

サディー・チェスタフィールド 文
キャロライナ・ファリアス 絵
モーリス・センダック 原作

小田島 恒志 訳
小田島 則子 訳


ISBN 978-4-309-27148-4
定価 本体750円+税

 
デイヴ・エガーズ Dave Eggers
1970年生まれ。作家。2000年に『驚くべき天才の胸もはりさけんばかりの奮闘記』が40週連続で全米ベストセラーリスト入りし、ピュリッツアー賞候補になるなど大きな話題に。映画『かいじゅうたちのいるところに』ではスパイク・ジョーンズと共に脚本を担当した。

小田島恒志(おだしまこうし)
1962年生まれ。早稲田大学文学学術院教授。戯曲翻訳により1995年湯浅芳子賞受賞。主な翻訳戯曲に『エヴァ、帰りのない旅』『メッカへの道』などがある。

小田島則子(おだしまのりこ)
翻訳家、大学非常勤講師。小田島恒志との共訳書に『シェイクスピア・ミステリー』『ビューティフル・ボーイ』『エミリーへの手紙』『ファイアベリー』『三人姉妹』などがある。


2009年11月刊行

ラウィーニア:表紙 ラウィーニア

アーシュラ・K・ル=グウィン
谷垣暁美 訳

ISBN 978-4-309-20528-1
定価 本体2200円+税


イタリアのラティウムの王女ラウィーニアは、
礼拝のために訪れた一族の聖地アルブネアの森で、
はるか後代の詩人ウェルギリウスの生き霊に出会う。
そして、トロイア戦争の英雄アエネーアスの
妻となる運命を告げられる――


 この小説の設定、あらすじ、登場人物は、ウェルギリウスの叙事詩『アエネーイス』の後半の六歌に基づいている。――著者あとがきより


 ウェルギリウスの叙事詩を知っているとより深く楽しめるだろう。けれど、知らなくても、物語を楽しめる。かくいう私もそのひとり。設定におじけづいてしまったものの、一文一文に豊饒なイメージをかきたてられ、味わうように読む楽しさにすっかり時を忘れてしまう。読み進めるうちに、少しずつ、ラウィーニアが誰なのか、どんな風に物語が動いているのか、視界が開けてくる。そうなってくると、あとはその世界を堪能すればいい。

 訳者あとがきにこう書かれている。
 
ル=グウィンは詩についても翻訳についてもよく知っており、小説という表現形式を熟知している。小説ではできないことは何か、逆に小説だからできることは何かを知っている。ウェルギリウスに愛を捧げる行為として、『アエネーイス』を小説という、異なる形式に翻訳するにあたって、ル=グウィンは小説について自分がもっている技のすべてを投入したに違いない。だからこそ、「秋の一日のように、極上のワインのように」(*)読む人を幸せにする作品が生まれた。
(*)ある書評者が「Lavinia」をこのように完璧だと讃えた。Lavinia, by Ursula K.Le Guin:A Review by Guy Haley (「Death Ray」誌、2009年6月)

 ぜひこの小説を味わって下さい。


【作】アーシュラ・K・ル=グウィン Ursula K.Le Guin
1929年カリフォルニア州バークレーに生まれる。1962年に作家としてデビュー。斬新なSF/ファンタジー作品を次々に発表し、ほどなく米国SF界の女王ともいうべき輝かしい存在となる。SF/ファンタジー以外の小説や、児童書、詩、評論などの分野でも活躍。主な作品に、『闇の左手』、『所有せざる人々』、「ゲド戦記」シリーズ、「空飛び猫」シリーズ、「西のはて年代記」三部作など。ネビュラ賞、ヒューゴー賞、ローカス賞を何度も受賞しているほか、ボストングローブ=ホーンブック賞、全米図書賞、マーガレット・A・エドワーズ賞など数々の賞に輝く。最近では、『パワー(西のはての年代記III)』でネビュラ賞(長編部門)を、また本書『ラウィーニア』でローカス賞(ファンタジー長編部門)を受賞し、変わらぬ健筆ぶりを印象づけた。

【訳】谷垣暁美
1955年生まれ。1988年から雑誌記事や英米の小説、ノンフィクションの翻訳に従事。訳書にアーシュラ・K・ル=グウィン『なつかしく謎めいて』『ギフト』『ヴォイス』『パワー』(いずれも河出書房新社)、ジョゼフ・ルドゥー『シナプスが人格をつくる』、デイヴィッド・ヒーリー『抗うつ剤の功罪』(ともにみすず書房)ほか。

【装画】 丹地陽子


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Last Modified: 2009/12/09
担当:さかな

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