理論社2002年ー2003年 刊行情報

11月『魔女の血をひく娘2』『狐笛のかなた』
10月『ゆきのともだち』『テーブルモンキーのココモ』
9月『ガールズ アンダー プレッシャー』
7月『ザ・ダークホース』 8月『11の声』
6月『トラベリングパンツ・セカンドサマー』『ぼくだけのこと』
3月・4月『死を運ぶ公開』『HOO』『ともだちからともだちへ』『マジョモリ』
2003年2月『ハッピー*ボーイ』『ガールズ・アンダー・プレッシャー』『蟹塚縁起』
2002年10月 『魔女の血をひく娘』 12月『ペンキや』『魔女が丘』

2003年11月刊行

Rironsha

魔女の血をひく娘・2:表紙 狐笛のかなた:表紙
魔女の血をひく娘・2

セリア・リーズ
亀井よし子 訳

ISBN 4-652-07736-X
本体1600円+税
狐笛(こてき)のかなた

上橋 菜穂子


ISBN 4-652-07734-3
本体1500円+税
魔女として村を追われたメアリーのその後の人生――。

時は現代のアメリカ。アリソン・エルマンは、メアリーのその後を調査しつづける博物館の学芸員だ。メアリー自身の情報がほとんど入ってこないのだが、その周辺の人たちの情報が徐々につなぎあわされていた。しかし、アリソンはメアリーの情報をのどから手がでるように欲していた。そこに、先住アメリカ人のルーツをもつ、アグネス・ハーンからe-mailが入る。アリソンとアグネス。2人が知り合いになるのは、まるで当然のことのように、それ以降はメアリーのその後を知る、旅がはじまった。アグネスは部族のもとに戻り、叔母で呪術師でもあるMおばさんの助けを借りながら、メアリーの声を聞く……。

前作で、キルトに隠された日記。その続きを知るための設定がみごとというしかない。現代と魔女狩りの時代がどうつながるか。物語と歴史が巧みに織りなす魅力をあじわってほしい。
「守り人シリーズ」の上橋菜穂子書き下ろし作品

小夜は12歳、産婆の祖母と2人っきりで暮らしている。ほかの里人たちとは距離のある暮らしだ。さびしくないと言えば嘘になる、しかしこの生活しか自分にはない。ある日、何かに追われている子狐を助けた。それがひとつめの出会い。その晩、もうひとつの出会いがあった。やはり何かから隠れるように暮らしている男の子、小春丸だ。2人はすぐに仲良くなったが、会えなくなる事情ができた。月日は流れ、祖母は亡くなり、小夜はとうとう1人っきりになった。運命は、幼い時に出会った、2人と狐らを、のろいの渦に巻きこんでゆく――。

作者は、「これは、私の心の底にある〈なつかしい場所〉の物語なのです」とあとがきで書いている。日本の野山の匂いに満ちている地での、人どうしの呪いと救い、そしてやはり人の温かさ。深く豊かな物語だ。
【作者】セリア・リーズ Celia Rees 1949年、英国のウォリックに生まれる。大学でアメリカ史と政治学を学んだあと、中学校の英語教師を務め、1993年に作家デビュー。2001年ガーディアン賞最終候補となった『魔女の血をひく娘』(小社刊)で世界的な評価を得る。続編である本書でも物語と歴史を巧みに織りなし読者を魅了している。

【訳者】亀井よし子 翻訳家。おもな訳書にリーズ『魔女の血をひく娘』(小社刊)、クロスリー=ホーランド「ふたりのアーサー」シリーズ、フィールディング『ブリジッド・ジョーンズの日記』(ともに、ソニー・マガジンズ)、フラナリー『16歳のセアラが挑んだ世界最強の暗号』(日本放送出版協会)、ウォーリス『掟を破った鳥娘の話』(草思社)などがある。

▼『魔女の血をひく娘』(Witch Child)の作品ホームページ
http://www.witchchild.com/
【作者】上橋菜穂子 立教大学大学院博士課程単位取得。文化人類学専攻。オーストラリア先住民アボリジニを研究、現在は河村学園女子大学助教授。研究者としてフィールドワークを続ける傍ら、作家としての業績も重ねる。著書に『精霊の木』『月の守にカミよ眠れ』などがあり、「守人シリーズ」(偕成社)は30万部を突破、好評を博している。他に『隣のアボリジニ』(筑摩書房)がある。

2003年10月刊行

Rironsha

ゆきのともだち:表紙
ゆきのともだち

イアン・ホワイブロウ さく
ティファニー・ビーク え
木坂涼 やく

ISBN 4-652-00422-2
定価(本体1300円+税)
テーブルモンキーの
ココモ


ミヤハラヨウコ

ISBN 4-652-04027-x
定価(本体1000円+税)
 コブタは大きなオークの木の下で、大好きな本に囲まれ、ひとり静かにくらしていた。ある日、本の中に見つけたのは、3つの新しい言葉。“ねがい”“かわること”“ともだち”。さいごのことばは、とくにむずかしいなあ……。コブタは、目をとじて考えこんだ。
「ぼくのねがいかわることともだちいっぱいつくること」そして願いどおり小さな変化が起き、コブタは歩きはじめる……。
 短い文章で淡々とつづられるお話はシンプルで、驚くような展開も結末もない。だが何度も読むうちに、ゆるゆると心がほどけていく。画面いっぱいに広がる風景の、ブルーやオレンジの淡いグラデーションが、その心を優しく受けとめる。食物や本だけでは何かが足りないということをコブタに教え、新しい出会いを求めに行く勇気を与えてくれたのは、当の本だった。知らないうちに閉じこもっていたコブタの心を開いてくれた言葉。この絵本は、同じようにわたしの心をノックしてくれた。そして、きっと誰かの心も……。
 文を書いたイアン・ホワイブロウは、教師の傍ら作品を発表していたが、今は執筆に専念。邦訳に『オオカミチビ太のわるい子ノート』(トニー・ロス絵/なかがわちひろ訳/講談社)ほか。画家、ティファニー・ビークの邦訳には『ともだちからともだちへ』(アンソニー・フランス文/木坂涼訳/理論社)がある。ほんわかしたパステル調の色彩が持ち味。

copyright 菊池由美(やまねこ翻訳クラブ

おいしい絵本できました!

公園と郵便局のあいだに、小さなお店がありました。
そこには、ココモたち4きょうだいが、おいしいココアやケーキをつくるお手伝いをしています。きょうだいそれぞれに得意分野があり、お客様は楽しいひとときを過ごすことができるのです。ところがあるとき、ハプニングがおこり、それはそれは、すてきな形になったのです。

【作者】ミヤハラヨウコ 友禅の染め付け、グラフィックデザイナー等を経て1998年、イラストレーターとなる。動植物の絵を中心に、挿画、広告、雑誌等を手掛ける。自費出版の本に、「SNOWDOMES」(ピエールのスノードーム)http://www.1101.com/suso/snow01.html「ABC DOGS」「KAUKAU」(FLOW P.S.)等がある。

2003年9月刊行

Rironsha

ジャクリーン・ウィルソンの〈ガールズ〉シリーズ第3弾!
ガールズ アウト レイト:表紙
ガールズ アウト レイト

もう帰らなきゃ!!
Gilrs Out Late

ジャクリーン・ウィルソン作
ニック・シャラット画
尾高薫訳

ISBN 4-652-07733-5
定価(本体1200円+税)

〈ガールズ〉シリーズ、今回のテーマは門限?!

マグダとナディーンとエリーは大の大の大の親友どうし。
ある日の夕方、3人は待ち合わせしてショッピング。
エリーの門限は9時、だいじょうぶ、それまでには帰ってくる。
ところが、一息つくために入ったマクドナルドでエリーはラッセルと出会う。
大好きな美術のことでもりあがる2人、マグダとナディーンは気をきかせる。
時計をしてくるのを忘れちゃったエリー、いま何時?
11時10分
えーーーー!
大変!門限がすぎている。
あわてて帰宅したエリーを待っていたものは……。


帯にはこう書いてある。
門限は9時。「でもカレシといると9時なんてすぐだよ……」
そう、そのとおり。
10代まっただなかの方は身につまされ(?)、
その年代をすぎた方は郷愁をこめて、
門限とカレシの両立の難しさにため息をつくのでは。
さて、エリーあなたはどうクリアする?

【作者】ジャクリーン・ウィルソン (Jacqueline Wilson) 1945 年イギリス生まれ。ジャーナリストを経て作家に。児童書を中心に英国で約70冊以上の本を出版し、毎月5万部を売り上げる。犯罪小説、脚本なども手がけている。『バイバイわたしのおうち』(偕成社)でチルドレンズブック賞、『ふたごのルビーとガーネット』(偕成社)と『Lizzie Zipmouth』(未邦訳)でスマーティーズ賞を受賞。
【訳者】尾高 薫(おだかかおる) 
1959年北海道北見市生まれ。国際基督教大学卒業。東京都江戸川区に三人の子どもたちと住む。訳書に『ガールズ・イン・ラブ』『ガールズ アンダー プレッシャー:ダイエットしなきゃ!!』がある。
○メールマガジン「月刊児童文学翻訳」尾高薫インタビュー記事



2003年8月刊行

Rironsha
11の声
witness

カレン・ヘス 作
伊藤比呂美 訳

ISBN 4-652-07731-9
定価(本体1400円+税)

1920年代、アメリカ最北部にあるヴァーモント州
そこの小さな町に
黒いかげりができた。
KKK団がそれだ。
KKK団(クー・クラックス・クラン)とは、
南北戦争直後に結成されたテロ組織(訳者からの解説より)
この小さなな町で、11人の声が語る。
KKK団の少年、
アフリカ系の少女、
 ユダヤ系の少女、
レストラン経営者、駐在所の巡査、医者、新聞記者、
説教師、農場経営者、食料品店経営の夫婦。
声、また声からうかびあがる、ひとつのアメリカ。

小さな街で何が起こり、人々は何を考えたのか


11人の主人公たちは誰に語っているのだろうか。
それぞれが、考えたこと、思うことを声に出す。
できごとはすべて、彼らの話からひきだされ、私たちはただ耳をすます。
詩人、伊藤比呂美がカレン・ヘスの作品を日本語にして贈ってくれた小説だ。


【作者】カレン・ヘス Karen Hesse 米国バルティモアで育つ。メリーランド大学を卒業後、校正者、植字工、ウェイトレス、臨時教員、ホスピスのボランティアなどを経験したのち、若い読者に向けた詩や小説を書きはじめる。『ビリー・ジョーの大地』(理論社)で1998年ニューベリー賞、スコット・オデール賞などを受賞。ほかに『イルカの歌』(白水社)絵本『ふれ、ふれ、あめ!』(岩崎書店)"Stowaway密航者"(2002年)"Aleutian Sparrow アリューシャンのスズメ"(2003年)などがある。ヴァーモント州在住。

【訳者】伊藤 比呂美 
1955年東京生まれ。詩人、小説家。『ラニャーニャ』(新潮社)で1999年野間文芸賞新人賞受賞。詩集に『青梅』『わたしはあんじゅひめ子である』(思潮社)など、エッセイに『良いおっぱい悪いおっぱい』『おなかほっぺおしり』(集英社文庫)『なにたべた?』(枝元なほみ共著、マガジンハウス)『伊藤ふきげん製作所』(毎日新聞社)『またたび』(集英社)『万事OK』(新潮社)などがある。訳書の『ビリー・ジョーの大地』(カレン・ヘス著、理論社)で2002年産経児童出版文化賞ニッポン放送賞を受賞。1997年より米国カリフォルニア州在住。



2003年7月刊行

Rironsha
ザ・ダークホース:表紙 ザ・ダークホース

マーカス・セジウィック・作
唐沢則幸・訳 

ISBN 4-652-07730-0
本体価格 1500円
ガーディアン賞&カーネギー賞の候補作!

嵐のあと、 波打ち際で黒砂とともに小さな木の箱があった。
見つけたのは、ネズミとよばれる少女。
一緒にいたのは、ネズミにとって兄のようなシグルド。
彼ら、ストーン部族のあいだでは見かけない木地でできた、赤い箱。
そこから、シグルドたちの運命が変わっていく。

その頃から、村は不作に見舞われ、
伝説として怖れられていた〈漆黒の馬(ダークホース)〉が現れたという噂が広まっていた。

最初に出てくる〈ネズミ〉は、だれ? 
大きな疑問符がページを繰り始めてすぐでてきた。
そして読みすすめていくと、〈ネズミ〉の存在感はぐんぐん増してくる。
謎の出生、秘めた能力、そして、ストーン部族に決定的なものを与える〈ネズミ〉。
物語は、叙述体とシグルドの独白体が交互に繰り返される(訳者あとがきより)。
それらが織物のように、物語を重ねていき、ラストを静かに飾る――。

【作者】マーカス・セジウィック Marcus Sedgwick 1968年イギリス、ケント州生まれ。英語教師をへて児童書の出版の仕事にたずさわりながら、小説を書く。初めて書いた"Floodland"が注目され、オライオン社から出版。その後、『魔女が丘 Witch Hill』(小社刊)はエドガー賞、本作『ザ・ダークホース』は2002年度ガーディアン賞とカーネギー賞の最終候補となった。若者向けのサスペンススリラーの書き手として「ヤングアダルト界のスティーヴン・キング」と評される。

【訳者】唐沢則幸 からさわ・のりゆき 
翻訳家。1958年東京生まれ、長野で育つ。青山学院大学卒。訳書にセジウィック著『魔女が丘』(理論社)、ピール著「2099恐怖の年」シリーズ、スチュワート著「崖の国物語」シリーズ(ポプラ社)、ヒントン著『アウトサイダーズ』(あすなろ書房)、ディキンソン著『エヴァが目ざめるとき』(徳間書店)、「ウォーリーをさがせ!」シリーズ(フレーベル館)など多数。



2003年6月刊行

Rironsha
セカンド・サマー:表紙 ぼくだけのこと:表紙
トラベリング・パンツ
セカンドサマー


アン・ブラッシェアーズ
大嶌双恵/訳

ISBN 4-652-07729-7
本体価格 1480円
ぼくだけのこと

森絵都 作
スギヤマカナヨ 絵

ISBN 4-652-04026-1
本体価格 1200円

トラベリング・パンツ
セカンドサマー
The Second Summer of the sisterhood

不思議なジーンズが奇跡を起こす!
2002年に刊行された『トラベリング・パンツ』、待望の続編です。


カルメン、レーナ、ブリジット、ティビーの4人は
古着屋でみつけた不思議なジーンズと共に
16歳の夏を過ごした。
それから1年、
17歳の夏、〈トラベリング・パンツ〉の季節がやってきた。
どんなすてきなことが起こるのだろう……。

臆面もなくまっすぐな愛と友情がつまってます。
 大人が読むと恋のノスタルジーをかきたてられる?
なににせよ、
人を好きになるっていいなと、素直に思える物語です。

【作者】アン・ブラッシェアーズ Ann Brashares 作家。 メリーランド州チェビー・チェイスで生まれる。コロンビア大学で哲学を学び、大学院で学ぶ学費をためようと編集者として働くが、本の世界に魅了され, そのままニューヨークで編集者として活躍。その後作家に転身し、『トラベリング・パンツ』が大ヒットとなった。現在は3人の子どもとアーティストの夫とともにブルックリンに暮らす。

【訳者】 大嶌双恵 おおしま・ふたえ 翻訳家。北海道生まれ。主な 訳書に、ブラッシェアーズ『トラベリング・パンツ』(理論社)、ハリスン『死ぬにはもってこいの日。』(柏艪舎)、ハルピン『彼女が乳がんになって考えた』(ソニー・マガジンズ)などがある。


ぼくだけのこと

『カラフル』「DIVE!!」4部作など、話題作を書いている森絵都さん。
スギヤマカナヨさんとのコンビを組んでの絵本です。

ぼくには、きょうだいがいて、それはお兄ちゃんと妹。
3人きょうだいの中で、ぼくだけえくぼがある。
これはぼくだけのこと。
これだけじゃない、ぼくだけのことはまだまだあるんだ。

スギヤマカナヨさんのすっきりした絵と森さんのテンポある文章。
ぼくだけのことがたくさんたくさん書かれています。
 これを読んだら、
よしよし私も私だけのこと、どれだけあるかなあと探したくなるはず!


作者】森絵都 もり・えと 1968年東京に生まれる。講談社児童文学新人賞を受賞した『リズム』でデビュー。ほか作品に『宇宙のみなしご』『つきのふね』(ともに講談社)『ショート・トリップ』『あいうえおちゃん』(ともに理論社)がある。現在、理論社ホームページ上に公開日記を連載中。

【画家】スギヤマカナヨ
 1967年静岡県に生まれる。東京学芸大学初等科美術卒業後、ステーショナリー会社へデザイナーとして入社。1990年よりフリーランスとなり、アート・スチューデント・リーグ・オブ・ニューヨークでエッチングを学ぶ。絵本に『K・スギャーマ博士の動物図鑑』(絵本館)、『ゾウの本』、『ペンギンの本』(ともに講談社)などがある。デザイナーとしても、本の装幀、グッズデザインなど幅広い分野で活躍している。



2003年3月・4月刊行

Rironsha
死をはこぶ航海:表紙 HOO:表紙 ともだちからともだちへ:表紙 マジョモリ:表紙
死をはこぶ航海

イアン・ローレンス/作
三辺律子/訳

ISBN 4-652-07726-2
本体価格 1,500円
HOOT ホー

カール・ハイアセン/作
千葉茂樹/訳

ISBN 4-652-07727-0
本体価格1,380円
ともだちからともだちへ

アンソニー・フランス/作
ティファニー・ビーク/画
木坂涼/訳

ISBN 4-652-004
21-4
本体価格 1,300円
マジョモリ

梨木香歩/作
早川司寿乃/画 

ISBN 4-652-04025-3
本体価格 1,300円

死をはこぶ航海
原題:The Smugglers

海洋冒険ミステリー第2弾!
船に流れ着いた死体。
隠れていた密告の手紙。
裏切り者はだれなのか?
暗い海に隠された意外な結末とは?


前作『The Wreckers 呪われた航海』に引き続き、ジョン少年が海と帆船を舞台に活躍。
航海の描写に臨場感たっぷり!
しかし、美しい海を舞台に繰り広げられるのは、死体、密告、密輸……。ジョン少年が果敢にみえない難敵と立ち向かう。
毎年数ヶ月は海で過ごし、無線しか届かないブリティッシュ・コロンビア沖の島に暮らしている作家ならではの海洋冒険!
第3弾の『The Buccaneers 海賊をよぶ風(仮題)』(理論社、近刊予定)とあわせ、シリーズで30万部を越えるヒット作となっている。


HOOT ホー
原題:HOOT

2003年度ニューベリー賞オナー作品!
全米書店員が選んだ「いちばんお気に入りの本」!


「ホー」は、この物語の影(?)の主人公、アナホリフクロウの鳴き声。
このフクロウはちょっと変わっていて、草原の土の下に好んで生息している。それがそもそもの発端……。
中学校1年のロイはフロリダに引越てきたばかり。登校中のスクールバスに乗っているとき、裸足の少年が走っているのを見る。
彼はだれ? その少年を捜しているうちに、大手チェーン店建設予定地で起きている不思議なできごとにかかわってゆく。
作者はコラムニストでミステリ作家として活躍。この作品は若い読者を意識した初めての作品。


ともだちからともだちへ

原題:From Me to You
(絵本)

とってもいい天気なのに、クマネズミは“パジャマまんま”。
なんにもしたくないし、つまんない。そこへ手紙が一通届いた。
「きみはすてきなともだちです」でも差出人が書いてない。
よし、誰が書いたのか探しに行こう、カヤネズミかな、カエルかな?
あれ、ぼくみたいな“パジャマまんま”のコウモリくんがいる……。

誰かが自分のことをおもってくれている、それがどんなに勇気づけられることでしょう! 
色鮮やかな絵が、クマネズミくんらの友情を光らせます。


マジョモリ

絵本シリーズ3冊目は梨木香歩作品の装画を多く手がけている画家、早川司寿乃。

ちいさな女の子の永遠(とき)が重なり花咲く桃源郷(パーティ)――

 はっとするような美しい絵がいつまでも目に残る。
そこには時をとめ、そこにとどまった女の子の姿が、空気が、くっきりとふちどりされている。


2003年2月刊行

ハッピー*ボーイ:表紙 ガールズ・アンダープレッシャー:表紙 蟹塚縁起:表紙
ハッピー*ボーイ
ジェリー・スピネッリ
千葉茂樹 訳

ISBN 4-652-07723-8
本体 1280円+税

ガールズアンダープレッシャー
ジャクリーン・ウィルソン
尾高薫 訳

ISBN 4-652-07725-4
本体 1200円+税
蟹塚縁起
作:梨木香歩
絵:木内達朗

ISBN 4-652-04023-7
本体 1300円+税

『ハッピー*ボーイ』
原題:Loser


大ヒット作『スター★ガール』に続く、スピネッリの心温まる最新作!

ジンコフはいつも楽しいことをみつける
一番前の席でははりきり
おもしろいことがあると笑いが止まらない
ものすごく字がへたで、しょっちゅう吐いている
運動は苦手――でも、走るのは楽しい
学校の外にもジンコフには大事な知りあいがいる
ある雪の日、小さな事件がおきて……。

少年の成長をスピネッリはみずみずしく物語に仕立てた。
そこには、ちょっぴり痛い気持ちと清々しさが共存している。


『ガールズ アンダー プレッシャー:ダイエットしなきゃ!』
原題: Girls under pressure

イギリスの女の子がいちばんハマってる「ガールズ・シリーズ」第2弾!

女の子の気持ちを書かせたら天下一品のウィルソン!
『ガールズ イン ラブ』につづく2作目。

「ガールズ」の1人がモデルのオーディションを受けることになり、それがきっかけで、自分が太っている、ヤセなくちゃとダイエットに走るエリー。セクシーさを看板にかっこいいBFをゲットしたいマグダ。モデルデビューしたいナディーン。3人の友情とそれぞれの願いをからめて物語はすすんでいく。エリーのダイエットは成功するか!?


『蟹塚縁起』
梨木香歩絵本シリーズ第2弾


梨木氏の端正なテキストに木内氏の絵が重厚にそして幻想的に寄り添います

……あなたがその恨みを手放さぬ限り……
とうきち自身気づかずにいた前世の無念は、律儀な蟹の群れと共に月夜に昇華される。


2002年12月刊行

ペンキや:表紙 魔女が丘:表紙
ペンキや
作・梨木香歩
絵・出久根育

ISBN 4-652-04022-9
本体 1300円+税
魔女が丘
マーカス・セジウィック
唐沢則幸訳

ISBN 4-652-07722-X
本体 1500円+税

『ペンキや』
梨木香歩の絵本シリーズ創刊!


深い夢をどこまでも彷徨うような
出久根さんの絵にのせて
しんやの「はけ」が、
 どうか必要とされる場所に
 まっすぐ届きますように ―― 梨木香歩


ペンキやに生まれ、ペンキやとして生き、一生を終えた、ある職人の物語。

2003年2月『蟹塚縁起』絵・木内達朗 2003年4月予定『マジョモリ』絵・早川志寿乃 以下続刊


『魔女が丘』
原題 Witch Hill

ヤングアダルト界のスティーブン・キングと評されるマーカス・セジウィックが描くサスペンス・ホラー

炎と老婆の悪夢におびえる少年、
クラウンヒルの村に埋もれた遺跡、突然死に隠された秘密。
ヴァルプルギスの夜、すべての謎がひとつになり、伝説はよみがえる……

作者】マーカス・セジウィック Marcus Sedgwick 1968年生まれ。英語教師を経て、児童書の出版にたずさわりながら小説を書く。初めて書いた小説"Floodland"が注目され、出版。その後、本書"Witch Hill"、"The Dark Horse"と話題作を次々発表。木版や石版画も得意とし、最初の2作ではイラストも手がけた。またバンドのライブでイギリス各地を回ったりと、才能あふれる作家。

【訳者】唐沢則幸(からさわのりゆき) 1958年長野県生まれ。青山学院大学卒。訳書にポール・スチュワート著「崖の国物語」シリーズ(ポプラ社)、ヒントン著『アウトサイダーズ』(あすなろ書房)など多数。



2002年10月刊行

魔女の血をひく娘・表紙

魔女の血をひく娘

セリア・リーズ
亀井 よし子訳

ISBN 4-652-07714-9
本体 1500円+税


内容紹介
 17世紀半ば、イギリスでは異端撲滅の名の下に、恐ろしい魔女裁判が行われていた。 少女メアリーの祖母は有能な産婆だったが、魔女の汚名を着せられ惨殺される。祖母 の処刑の日、孫娘メアリーの身にも危険が迫った。間一髪、見知らぬ貴婦人に救われ、 メアリーは新教徒のもとへ逃走する。新教徒たちはイギリスでの弾圧から逃れて、アメリカに渡り新しい生活を始めようとしていたのだ。その船旅は辛かったが、メアリーは産婆マーサの見習いになり、自分の将来の役割を見いだす。メアリーは過去を捨 て、アメリカで新しい生活を築こうと希望を抱くのだった。

レビュー
 物語はメアリーの手記の形で語られている。淡々としたその口調から、どこにいて もよそ者として生きねばならなかった、少女メアリーの孤独が骨に沁みるほど強く伝 わってくる。彼女はアメリカの原生林に生きる一匹狼のように、孤独という崖っぷち に、自らのやり場のなさに苛立ちながら、立っていた。後半に登場するネイティブ・ アメリカンの少年とメアリーとの友情により、物語はさらに深みを増す。入植者に故 郷の地を荒らされた少年もまた、行き場を失った存在だったのだ。
 作者リーズは史実に基づき、リアリティのある作品に仕上げながら、単なる歴史も のにはしていない。主人公メアリーの姿を通して、現代の若者にも通じる、孤独な心 情や生きる上での居心地の悪さを、創造性あふれる筆致で描き出している。メアリー は、不安の多い今の時代を生きる者にとっても、心優しい寂しい友になるだろう。甘 い癒しを許さない、痛切な物語である。

作者】Celia Rees(セリア・リーズ) 1949年、英国のワーウィックシャーに生ま れる。ワーウィック大学でアメリカ史と政治学を学ぶ。その後、中学校で国語教師を 務め、1993年に最初の作品 "Every Step You Take" を出版する。他の作品に "The Vanished"、"Truth or Dare" など がある。ワーウィックシャーに夫と娘とともに住んでいる。

訳者】亀井よし子(かめい よしこ) 1941年生まれ。翻訳家。おもな訳書に『ふたりのアーサー』シリーズ(クロスリー=ホーランド作)『ブリジッド・ジョーンズの日記』(ヘレン・フィールディング作)(ともにソニー・マガジンズ刊)など多数。


                                     訳者紹介以外はすべてやまねこ翻訳クラブ会員、中務秀子によるものである。
                                                    全文紹介は「月刊児童文学翻訳」2001年9月書評編まで



▼『魔女の血をひく娘』(Witch Child)の作品ホームページ
http://www.witchchild.com/


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Last Modified: 2003/12/25
担当:さかな
HTML編集: 出版翻訳ネットワークやまねこ翻訳クラブ