メニュー「月刊児童文学翻訳」バックナンバー>2020年12月号   オンライン書店
※1月は定期休刊です。号外を1月下旬に発行予定です。どうぞお楽しみに!

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2020年12月号
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  =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====
   =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====
                                No.203
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児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌
http://www.yamaneko.org                         
編集部:mgzn@yamaneko.org     2020年12月15日発行 配信数 2500 無料
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●2020年12月号もくじ●
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◎特集:第23回やまねこ賞──会員が選んだ、今年の児童書ベスト5は?
◎賞情報:2020年全米図書賞児童書部門発表!
 受賞作品レビュー:"King and the Dragonflies" ケイセン・カレンダー作
◎世界の本棚(ドイツ語):"Schatten" ハインツ・ヤーニッシュ文/アルチョム絵
◎賞速報
◎イベント速報
◎読者の広場

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●特集●第23回やまねこ賞
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 さる11月1日から17日までの間、やまねこ翻訳クラブ恒例のやまねこ賞の投票が、
オンラインで開催されました。やまねこ賞は、前年10月から本年9月までに出版され
た邦訳児童書を対象に、会員がベスト5を選び、大賞作品を決定するものです(読み
物部門、絵本部門)。両部門の大賞に輝いた作品の翻訳者には、当クラブより賞状と
副賞の図書カードをお贈りします。
 また、会員が過去1年間に読んだ原書と、新刊以外の邦訳児童書を対象とする、別
賞(原書部門、オールタイム部門)も設けています。例年、会員の幅広い読書傾向を
反映して票がばらけるため、今年からは別賞の集計は行わず順位もつけないこととな
りました。
 なお、投票のあった全作品のタイトルを、やまねこ賞ポータルページ(下記)から
部門別にご覧いただけます。

▽やまねこ賞ポータルページ
http://www.yamaneko.org/yn_award/index.htm
※本号に掲載しているコメントは、投票時に任意で寄せられたものの一部で、原則と
して投票時のままです。投票の様子は「これまでのあゆみ
( http://www.yamaneko.org/yn_award/index.htm#ayumi )」の「過去の投票の様子」
をご覧ください。

「読み物」「絵本」の分類については、原則として各出版社、書店などの種別を参考
に、当クラブの判断で決定しています。
 やまねこ翻訳クラブは、会員・非会員を問わず、海外児童書を主とした本の話題が
書き込める「読書室掲示板」を運営しています。
http://www.yamaneko.org/dokusho/index.htm

     ★☆★☆【2020年 第23回やまねこ賞 読み物部門】☆★☆★

★大賞 『コピーボーイ』ヴィンス・ヴォーター作 原田勝訳 岩波書店
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 大学進学を目前に控えたヴィクターのもとに、人生の師ともいえる、年の離れた友
人スピロさんが亡くなったとの知らせが入った。ヴィクターは悲しみにくれながらも、
生前のスピロさんと交わした約束を果たすため、親に内緒で初めてのひとり旅に出る。
道中出会うのは、ちょっと風変わりだが人間味あふれる、愉快な人たちばかり。なか
でも船長の娘フィルはとびぬけて魅力的だ。目的地であるミシシッピ川の河口に近づ
くにつれ、ヴィクターの心に変化が訪れる。前作『ペーパーボーイ』(原田勝訳/岩
波書店)からひと回り成長した主人公のみずみずしい感性が光る、ひと夏の物語。

◎『ペーパーボーイ』の続編。前作より成長したヴィクターは、吃音の悩みは彼なり
に折あいをつけ小さくなっていたし、職場や道中でたくさんの理解者に出会って一皮
二皮むけていく姿もまぶしかった。(shoko)
◎拠り所だっただいじな人をなくした主人公がひとりでしっかり進みはじめる姿が丹
念にえがかれている。魅力的な登場人物がぞくぞく現れ、あたたかな絆がつながって
いくのが居心地いい。(NON)
◎主人公の一生懸命さが切ない。素晴らしい人生賛歌。(おちゃわん)
◎味わい深い前作の読後、反芻するように思い起こしてきたスピロさんの言葉が、さ
らに魂にぐっと刻み込まれた。(Incisor)
◎読み始めてすぐにスピロさんが恋しくなった。スピロさん、亡くなっているのに、
存在感がすごい。(hanemi)
◎ひたすらにまぶしく美しい、極上の青春小説。文句なしの年間ベスト。(からくっ
こ)

☆~~~~~~~~~~~~~~~~~【受賞のことば】 翻訳家 原田勝さん ~~~~~~~~~~~~~~~~~☆
|                                    |
| あれから6年、ヴィクターももう17歳になりました。まっすぐでやさしいとこ|
|ろは変わらぬまま、少したくましくなった姿に胸が熱くなります。スピロさんと|
|新しい脇役たちも存在感抜群。彼らが実在の人物より身近に感じられるほど、作|
|品世界と長く深く関われたことは、翻訳者冥利につきます。そして、前作に続い|
|てこの作品を愛してくださったやまねこ翻訳クラブの皆さん、ありがとうござい|
|ました!                                |
☆                                    ☆
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆2位 『兄の名は、ジェシカ』ジョン・ボイン作 原田勝訳 あすなろ書房
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 中学生のサムがいちばん尊敬している人は、4歳離れた兄のジェイソンだ。政治家
であるお母さん、その秘書のお父さんは忙しく、家を空けることが多いため、幼い頃
からジェイソンがサムの面倒をみてくれていた。ジェイソンは優しいだけではなく、
サッカーが上手で、美人の彼女がいて、誰からも好かれる人気者だ。だが、ある日ジ
ェイソンは家族に向かってこう告げる。自分はサムの兄さんじゃなくて、姉さんだと
思う、と……。トランスジェンダーの人々に向けられる偏見や周囲の戸惑いを、弟の
視点から描いた作品。

◎トランスジェンダーに関する本人や身近な人の葛藤を想像するには、とても優れた
本だと思う。途中何気なく張られていた伏線が終盤に向かって見事に繋がっていき、
その点爽快。(なおじ)
◎トランスジェンダーをカミングアウトした少年の弟の視点から、本人と周囲の葛藤
と混乱が語られる。理想の姿ではなく、悩み傷つけあう現実の姿が描かれていてよか
った。(anya)
◎トランスジェンダーを知らせたことで、本人以上の反応をする家族。一番辛い人の
気持ちに寄り添うのってなかなか難しい。(あぐりんこ)
◎LGBTがテーマ。主人公が弟のサムであることや、母親が次期英国首相候補で、
EU離脱、難民などの問題が議論されるのが他のLGBT系作品と違う。(ちゃぴ)

◆3位 『ぼくだけのぶちまけ日記』
                スーザン・ニールセン作 長友恵子訳 岩波書店
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 13歳のヘンリーは、父さんと2人でバンクーバーに引っ越してきた。アパートの住
人はおせっかいだし、学校でできた友だち第1号はオタクだし、いいことはなにもな
い。元の町では、母さんと兄さんもいた。だけど、いじめの被害を受けていた兄さん
が、いじめっ子を銃で撃ち、自殺してしまったのだ。そのショックで母さんは精神科
病棟に入っている。そんなこと、誰にも知られてはいけない――。自らも心に傷を抱
えた主人公の日記形式でつづられる、苦悩と再生の物語。

◎最悪のシナリオを味わう主人公だが果敢に人生を乗り切ろうとする姿がとてもいい
です。(おちゃわん)
◎つらい場面も多いけれど、ときどきユーモアが織り込まれていて救われる。支えて
くれる友だちや隣人たちが素敵。(モーモー)
◎重すぎるほどのテーマを扱っているのに、ユーモアを含んだヘンリーの語り口で、
うまくバランスがとられている。一風変わった引っ越し先の面々が、温かいことに救
われた。途中何度かうるっとし、後半はついに涙がこぼれた。(shoko)
◎読んでよかった!と思った本です。つらい話だけれどユーモアもあって、声を出し
て笑ったところもありました。苦悩と希望のバランスがよい。脇役たちが類型的にな
りそうでならないところが好きでした。(匿名希望)

◆4位 『夜フクロウとドッグフィッシュ』
ホリー・ゴールドバーグ・スローン、メグ・ウォリッツァー作 三辺律子訳 小学館
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ニューヨークに住む生真面目なエイヴリーと、カリフォルニアで暮らす天真爛漫な
ベット。なにからなにまで正反対の2人の少女の共通点は、ゲイの父親に大切に育て
られていること。そして、その父親同士の結婚話に絶対反対だということ! 「断固
阻止!」のメールをやりとりするうちに、2人のあいだに友情が生まれ、いつしか家
族になりたい気持ちが芽生えていく。エイヴリーとベット、さらにはまわりの大人た
ちが交わすメールの文章で構成されたYA小説。「どうなるの!?」の展開に、ページ
をめくらずにはいられない!!

◎現代っ子のメール小説、ハラハラドキドキ楽しみました。(mikkii)
◎ページをめくるたびに既成概念から心がどんどん自由になる。ご縁がご縁をよぶス
トーリー展開に、愛すること、生きることの喜びにあらためて気づかされる。
(Incisor)
◎メールだけで書かれた小説なのに、話がワイルドにころがってむちゃくちゃ楽しく
読んだ。主人公ふたりの距離感が変わるにつれてメールの口調が変化するあたりの訳
が、自然ですごい。(BUN)
◎LGBTの問題などを含みつつも、現代の中高生が楽しく読める今時のYAです。
主人公たちの友情にも感動するし、メールでのやりとりだから素直に表現できるよう
で、時々大人も顔負けの深いことを少女たちが考えていることに驚きを覚えます。
(いけだ)

◆5位 『おじいちゃんとの最後の旅』
       ウルフ・スタルク作 キティ・クローザー絵 菱木晃子訳 徳間書店
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 入院中のおじいちゃんは、口が悪く、怒ってばかり。パパはおじいちゃんと気が合
わず、お見舞いをいやがっている。「ぼく」はカンペキな計画のもと、家族と病院に
うそをつき、おじいちゃんを連れ出すことに成功! 島にある、かつての家で一晩を
過ごしたおじいちゃんは、亡くなったおばあちゃんのつくったコケモモのジャムを大
切に持ち帰るのだった。自身の祖父との思い出をベースとした本作が、スウェーデン
を代表する児童文学者ウルフ・スタルクの遺作となった。

◎こんなとんでもないおじいちゃんをどうして愛せるのだろうと最初は思ったが、だ
んだん切なくなっていって、いろんなことに思いをはせた。(みちこ)
◎ユーモアと愛情たっぷりで、それでいて切なくて、読んでいて胸がいっぱいに。ぼ
く、おじいちゃん、パパがそれぞれに抱えている思いがじわじわと伝わってくる。
(asayaka)
◎頑固で汚い言葉の好きなおじいちゃんが見せる亡き妻への愛にグッとくる。(あぐ
りんこ)
◎亡きおばあちゃんへの愛情ゆえに努力する姿を見て、一気におじいちゃんが大好き
になりました。(SUGO)

◆6位以下の作品
6位『影を呑んだ少女』
7位『死について考える本』
8位『囚われのアマル』
9位『ハロー、ここにいるよ』
10位『希望の図書館』『わたしの全てのわたしたち』(2作同点)

      ★☆★☆【2020年 第23回やまねこ賞 絵本部門】☆★☆★

★大賞 『梨の子ペリーナ イタリアのむかしばなし』
         イタロ・カルヴィーノ再話 酒井駒子絵 関口英子訳 BL出版
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 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 イタリアの各地には数多くの民話が残っています。その中の1編が、梨のかわりに
お城へやられた女の子、ペリーナのお話です。お城で王さまから理不尽な命令を受け
てペリーナは宝探しの旅に出ます。途中で出会った困っている3人の女の人や3頭の
番犬たちを助けながら、旅を続けます。さあ、ペリーナの行く末はどうなるのでしょ
うか? 幻想的な酒井駒子さんの絵も堪能してほしい1冊です。

◎ペリーナの愛らしさはもちろん、それぞれの場面が印象的で、ふくよかな詩情あふ
れるイラストにうっとり。昔話を語る文章には格調とユーモアがあって、翻訳がすば
らしいです。(キジトラ)
◎昔話のパターンを踏まえながら、どこかすこんと明るくて、ほのぼのしているのが
好き。酒井駒子さんの絵が、ただただゴージャス。(BUN)
◎酒井駒子さんの絵に関口英子さんの訳、贅沢な一冊です。(あぐりんこ)
◎巷では絵の美しさが取り沙汰されているようで、もちろん私もそう思うのですが、
やはり訳文が美しすぎて、溜息が出ました……。物語、子どもにも面白いみたいです。
静かな佇まいなのに、どっしりとした存在感の絵本。(なおじ)
◎美しい絵にうっとりしながら昔話の世界に浸れます。(おとむとむ)

☆~~~~~~~~~~~~~~~~【受賞のことば】 翻訳家 関口英子さん ~~~~~~~~~~~~~~~~☆
|                                    |
| 2年半近くかけて、じっくりと訳文を練りあげました。おそらく今までで最も|
|多く推敲を重ねた作品だと思います。できあがっていく絵を見ながらの作業は、|
|心地よい緊張感のある、このうえもなく幸せな時間でした。カルヴィーノの文 |
|章、酒井駒子さんの絵、鈴木加奈子さんの編集という、いずれも最高のクオリテ|
|ィーの仕事に見劣りしてはならないというプレッシャーがよい形で結実したのだ|
|と思います。海外の児童文学を愛する皆さんに評価していただけて、感慨も一入|
|です。                                 |
☆                                    ☆
 ~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

◆2位 『ジュリアンはマーメイド』
            ジェシカ・ラブ文・絵 横山和江訳 サウザンブックス社
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 ある日の地下鉄で、男の子のジュリアンはおしゃれなマーメイドの格好をしている
おねえさんたち3人に出くわし、思わず見とれました。家に帰ると、ジュリアンは、
家の中にあったものを使って、マーメイドに変身しました。それを見たおばあちゃん
が、マーメイドの姿のまま外へ一緒に出ようとジュリアンを誘います……。絵本を開
くと、1ページ目から最後のページまで、クラフト紙に描かれた水彩が美しい。2019
年ボローニャ・ラガッツィ賞オペラプリマ部門を受賞したほか、同年のケイト・グリ
ーナウェイ賞ショートリストにも選ばれています。また、2020年10月には続編
"Julian at the Wedding"(未訳)が刊行されました。

◎絵の色彩、曲線と構図が美しい。男の子の頭の中で想像と現実がまざっているのが、
うまくあらわされている。否定せずにそのままを受け入れてくれるおばあちゃんが素
敵。(ちゃぴ)
◎自分の気持ちに正直なジュリアンと、それをまるごと受け入れるおばあちゃんがス
テキ。絵も美しい!(ベス)
◎繊細で色とりどりなイラストと、優しいストーリー。うっとりさせられた。(ゆま)

◆3位 『セント・キルダの子』 ベス・ウォーターズ文・絵 原田勝訳 岩波書店
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 荒れる海に囲まれたスコットランドのセント・キルダ諸島。4000年前から人々はこ
の島に暮らし、独自の文化を作り上げてきました。昔から少なかった島の人口はだん
だんと減っていき、1930年、とうとう老人と子どもの36人になり、島民は島を去るこ
とになりました。実在した少年を中心に厳しい島の暮らしを描く絵は、特殊な版画の
技法を用いて手作業で制作された原画をもとにしています。2020年ケイト・グリーナ
ウェイ賞ショートリスト作品。

◎表紙にも使われているピンク色が印象的。セント・キルダ島の厳しくも素朴な暮ら
しにぴったりの絵です。(mikiron)
◎セント・キルダ諸島で生まれ育ったノーマン・ジョンの物語。厳しくも美しい島の
自然と暮らしに圧倒された。(モリー)
◎「数奇な」といってもいいほどの島の歴史を軸に、海鳥や動物、風土、島民のひと
りだったノーマン・ジョンの思い出などをあざやかに描いた絵本。絵もとてもいいで
す。(BUN)

◆4位 『せんそうがやってきた日』
        ニコラ・デイビス文 レベッカ・コッブ絵 長友恵子訳 鈴木出版
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 どこにでもいる普通の家族の穏やかな暮らしが、突然やってきた戦争によって奪わ
れてしまいます。この絵本はひとりぼっちになってしまった「子どもの難民」がテー
マです。家族や家を奪われた難民の話を、ひとりの女の子が体験した逃避行を通して
描いています。たどりついた新天地でも苦難が待ち受けています。世界の難民の半数
が18歳以下の子どもという現実に目を向けてほしいという作者の願いを素朴ながらも
美しい絵が支えています。2019年ケイト・グリーナウェイ賞ショートリスト作品。

◎戦争ですべてを失った女の子を、「いすがない」という理由で入学拒否する冷たさ。
女の子の悲しみがひしひしと伝わってくる。(モーモー)
◎ひとりぼっちで難民になるつらさ……。日本は難民の受け入れが少ないだけに、こ
の絵本を通して多くの人に知ってほしいと思いました。(ベス)
◎未来までもとざされている現状が少しでもひらけるように、目を、心を向け続けて
いきたいと強く思うようになった。声に出して読んだら、ますます心に響きいった。
(Incisor)

◆5位(2作同点) 『内なる町から来た話』
              ショーン・タン文・絵 岸本佐知子訳 河出書房新社
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
『遠い町から来た話』(岸本佐知子訳/河出書房新社)の姉妹編ともいえる絵本。動
物を題材にした25の物語が収められている200ページ超の大作です。都会の風景の中
にいる動物たちを油絵でシュールに描いています。例えば、ビルの高層階に住むワニ、
誰もいない教室で教師に抱きしめられるヒツジ……。2020年ケイト・グリーナウェイ
賞受賞作品。
(本誌2020年7月号「ケイト・グリーナウェイ賞受賞作品レビュー(原書レビュー)」
をご参照ください)
▽本誌バックナンバー(2020年7月号)
http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2020/07.htm#mehon

◎絵と文章の調和がすばらしく、作者が創りあげた独特の世界にどっぷり浸れます。
どこかにあるような、でもどこにもないような、不思議な世界観が大好きです!(ま
りっぺ)
◎字が語る物語も絵が語る物語も完璧な世界を構築しているのに、合わせると互いに
許容しあい突きぬけた新しい物語となる。読んでからみますか? みてから読みます
か?(NON)
◎25の動物の物語。街の背景にいるわけない動物がいる絵や、デフォルメされた動物
の絵は美しく、強烈な印象を残す。人間界を揶揄するような話もあれば、人と動物の
関係をいとおしむ話もあり、読み応えたっぷり。(Chicoco)

◆5位(2作同点) 『ねえさんの青いヒジャブ』
         イブティハージ・ムハンマド&S・K・アリ文 ハテム・アリ絵
                            野坂悦子訳 BL出版
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
 ヒジャブとはイスラム教徒の女性が髪を隠すためのスカーフのことです。海と空の
青が好きと、青いヒジャブをつけて通学する姉を、妹は誇りに思います。そして学校
で差別に果敢に立ち向かう姉と勇気を分かちあいます。子どもの頃からヒジャブをつ
けることでいじめにあい、宗教や外見で人を差別すべきではないと考えるようになっ
た作者の思いがこもった1作です。

◎初めてヒジャブのことを知る機会がこの絵本だったら、こんなに心強いことはない
と思う。家族や友達を思う気持ち、夢や希望や悩みをもつ心は同じなのだから。
(Incisor)
◎ヒジャブをつけて学校にいく姉を見つめる妹。姉を誇らしく思うと同時に心配する
気持ちがまっすぐに描かれている。(モリー)
◎表紙にひとめぼれしていた作品。きりっとしたおねえさんの表情がすてき。(SUGO)

◆7位以下の作品
7位『ありがとう、アーモ!』
8位『子どもの本の世界を変えたニューベリーの物語』
9位『スモンスモン』
10位『ぼくといっしょに』

 見事大賞に輝かれました原田勝さん、関口英子さん、おめでとうございます! お
忙しいところ、快く「受賞のことば」をお寄せくださったおふたりに、心から感謝申
し上げます。
 今年のやまねこ賞では、読み物部門40作品、絵本部門60作品に投票がありました。
本誌に掲載したタイトルは10位までですが、「これまでのあゆみ
( http://www.yamaneko.org/yn_award/index.htm#ayumi )」の「過去の投票の様子」
で、投票があった全作品のタイトルをご確認いただけます。バラエティー豊かな作品
への投票が並ぶ別賞(原書部門、オールタイム部門)もあわせて、ぜひご覧ください。

【参考】
▽やまねこ賞受賞作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/yn/index.htm

▽やまねこ賞大賞受賞作品一覧(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/yn/ichiran.htm

                      (山本みき/小島明子/長友恵子)

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●賞情報●2020年全米図書賞児童書部門発表!
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 11月18日、2020年全米図書賞の受賞作品が発表された。本号では、全5部門のうち
児童書部門の受賞作品を紹介するとともに、そのレビューをお届けする。なお、同部
門のファイナリストおよびロングリストに選ばれた作品は、本誌2020年10月号「賞情
報:速報! 2020年全米図書賞児童書部門 ファイナリスト発表!」を参照のこと。

The National Book Awards 2020 Winner

★児童書部門(Young People's Literature)

"King and the Dragonflies" by Kacen Callender (Scholastic Press)

 2020年全米図書賞児童書部門は、米領ヴァージン諸島出身の作家 Kacen Callender
が手がけた "King and the Dragonflies" が受賞した。同作は今年のボストングロー
ブ・ホーンブック賞フィクションと詩部門にも輝いている。詳しくは、本誌今月号の
レビューをご参照いただきたい。

【参考】
▼2020年全米図書賞発表ページ(National Book Foundation ウェブサイト内)
https://www.nationalbook.org/awards-prizes/national-book-awards-2020/

▼上記ウェブサイト内、児童書部門発表ページ
https://www.nationalbook.org/awards-prizes/national-book-awards-2020/?cat=ypl

▽全米図書賞児童書部門について(本誌2003年12月号情報編「世界の児童文学賞」)
http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2003/12a.htm#bungaku

▽本誌バックナンバー(2020年10月号)
    「賞情報:速報! 2020年全米図書賞児童書部門 ファイナリスト発表!」
http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2020/10.htm#sokuho

▽全米図書賞児童書部門受賞作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/us/nba/index.htm

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★2020年全米図書賞児童書部門受賞作品
★2020年ボストングローブ・ホーンブック賞フィクションと詩部門受賞作品

"King and the Dragonflies" 『トンボの舞う入り江』(仮題)
by Kacen Callender ケイセン・カレンダー作
Scholastic Audio, 2020, ASIN B07ZFZ1M1C (Audible)
Scholastic, 2020, 272pp. ISBN 978-0702302817 (PB)
(このレビューはオーディオ版を参照して書かれています)
Amazonで検索する:ISBN  Amazonで検索する:書名と作品名

 ルイジアナ州に住む12歳の黒人少年キングは、急死した兄カリードをトンボの舞う
入り江で探し続けている。葬式で棺に止まったトンボが兄の生まれ変わりだと信じて
いるのだ。文武両道に秀で人気者だったカリードを敬愛していたキングだが、生前兄
に「おまえもそうだと思われたくないだろ?」と、ゲイの親友サンディと縁を切るよ
う忠告されたことには深く傷ついていた。なぜならキング自身、性の自己認識が曖昧
だったからだ。男友だちのようには女子に興味が持てず、仲良しの女の子に告白され
付き合ってみても違和感がぬぐえない。兄に軽蔑されたくない一心で、サンディと縁
を切ってしまった自分にも腹が立っていた。サンディの「ぼくの家族を人種差別主義
者だと責めるけど、君だって同じことをぼくにしてる」という言葉が胸に突き刺さる。
混乱するキングは、だがその思いを吐き出す場所がない。家では両親も長男の死に打
ちのめされているからだ。そんななか、サンディが行方不明になり捜索が行われる。
キングは、父親の虐待から逃れてきたサンディを自宅の裏庭で見つけ、入り江の廃屋
へと連れていってかくまう。誰の目も気にせず過ごす穏やかな時間。だが、それは長
くは続かなかった……。
 人種や性的マイノリティーへの差別、性自認、虐待、死といった生々しいテーマを
扱いながらも、豊かな詩情を漂わせている作品だ。薄い羽を輝かせて宙を舞うトンボ
などの情景描写はもちろんのこと、生前夢うつつの兄が夜に語った幻想的な話――宇
宙の神秘や時間の概念――がところどころ挿入されているからだろう。捜索中にこみ
あげる不安と冴え渡る青空、クライマックスの緊張とニューオーリンズの陽気なマル
ディグラ祭など、主人公の感情と外界のコントラストも強く印象に残る。
 繰り返し出てくる言葉がある。Anger(怒り)と immaturity(未熟さ)だ。本作は、
immaturity から maturity(成熟)の過渡期にある少年が、怒りという形を取った悲
しみや苦しみを経て成長していく姿を、その心の機微を丁寧に拾いながら描き出す。
だが変わっていくのはキングだけではない。「男はこうあるべき」といった考えに固
執する父親もまた苦悩を経験し変化していく。カリードの死をきっかけに家族が別の
形に再構築されていく物語でもあるのだ。

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【作】Kacen Callender(ケイセン・カレンダー):米領ヴァージン諸島出身。自ら
の性を「Q」とし、自分を表す三人称代名詞に「she」でも「he」でもなく「they」
を好む。日本語の学位を持っており、本作には「NARUTO(ナルト)」など日本のアニ
メが出てくる。著書に "Hurricane Child"、"Felix Ever After"(共に未訳)などが
ある。

【参考】
▼ケイセン・カレンダー公式ウェブサイト
https://www.kacencallender.com/

                                (相良倫子)

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●世界の本棚(ドイツ語)●居眠りする午後に、躍動する影たち
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『かげ』(仮題) ハインツ・ヤーニッシュ文/アルチョム絵
"Schatten" text by Heinz Janisch, illustrations by Artem
Bajazzo Verlag, 2007, 24pp. ISBN 978-3907588802 (Switzerland)
Amazonで検索する:ISBN  Amazonで検索する:書名と作者名

 太陽が照りつける真夏の日。静けさとけだるさで、とろけるように眠くなるお昼す
ぎ、庭のデッキチェアで一休みしている人、ネコや庭の木、みんながうとうとし始め
る。男の子スヴェンは、両親がお昼寝をして退屈になり、町に散歩に出るが、そこで
奇妙な現象に出合う。ベンチでは、1人のおじさんが目を閉じて静かに座っている。
でもよく見れば、その影は、頭の上を舞う鳥におじさんが楽しそうに話しかけている
姿だ。途中で出合った大きくて太ったイヌは、影がひどくやせて細い。そして、スヴ
ェンの前をさっと自転車で通り過ぎた女の子の背後には、プロペラ機に乗って笑って
いるパイロットの影。さらにスヴェンがお気に入りの場所、動物園を訪れると、なん
だかいつもと様子が違う。ライオン、ゾウ、キリンたちの影が、それぞれ違う形でお
りの外に長く伸びている――。
 各ページでわずか数行に収まったヤーニッシュの簡潔な文章は、彼独特の詩的なス
タイルで無駄がない。そして、アルチョムのユーモラスで温かみのある絵が印象的だ。
黄褐色と深い黄緑色を基調に、町の温度や空気を感じさせる風景がていねいに描かれ
ている。ページからはみ出すくらいに大胆に描かれた影の大きなイラストは、少し怖
いけれどどこかおかしくて、私たちをどきどきわくわくさせる不思議な魅力がある。
 影は普通、隠されている別の顔、抑え込んでいるもうひとつの面を映し出すのかも
しれない。そして時には、その人の暗くて、ふたをしたくなるように嫌な部分なのか
も――。でもこの本では、そんな否定的な負の部分は全く感じない。むしろ人や動物
が、なりたいと思う姿や形、こうありたいと思う欲求や心の中で温めている願望が、
自由に描かれている。ひょっとしたら影こそが本来の姿なのかもしれないと、あれこ
れと想いを巡らしながら、ページをめくるのが楽しい。
 散歩から戻ったスヴェンが、自宅のドアの前で長く伸びた自分の影に気付く場面が
印象的だ。今日の午後、彼が見たものは本当にあったことなのか、幻なのか。それと
も長い夢なのか。現実と想像が混ざったやさしい魔法の時間を、主人公と一緒に過ご
してみたい。

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【文】Heinz Janisch(ハインツ・ヤーニッシュ):1960年、オーストリア生まれ。
子どもの頃からお話を書くのが好きだった。30年以上にわたり、児童書を含む多数の
本を出版している。2020年、ドイツ児童文学アカデミー大賞(下記概要を参照)受賞。
現在はウィーンおよびブルゲンラント在住。最近の邦訳作品に『アンデルセンの夢の
旅』(マーヤ・カステリック絵/天沼春樹訳/西村書店)がある。

【絵】Artem[正式名:Artem Kostyukevich](アルチョム・コスチュケビッチ):
1971年、ロシアのオムスク生まれ。サンクトペテルブルクの美術学校と教育大学で学
ぶ。1999年からドイツ在住。2006年、ボローニャ国際絵本原画展入選。2007年、本作
品で、ハンブルク応用科学大学とスイスの出版社が共催した絵本コンテストに入賞、
出版に至る。現在は、ハンブルクを拠点に活動を続けている。

【ドイツ児童文学アカデミー大賞(Grosser Preis der Deutschen Akademie fur
Kinder- und Jugendliteratur)について】
ドイツ児童文学アカデミー(Deutsche Akademie fur Kinder- und Jugendliteratur)
は、ドイツ児童文学の促進と発展のために、フランケン地方のフォルカッハを拠点に
1976年に発足した団体。アカデミーが主催する大賞は、これまでの功績に対して作家
に贈られるもので、1976年から毎年発表されている。

【参考】
▼ハインツ・ヤーニッシュ公式ウェブサイト(ドイツ語)
https://heinz-janisch.com/

▼アルチョム・コスチュケビッチ公式ウェブサイト(ロシア語/英語)
http://kostyukevich2007.narod.ru/

▼ドイツ児童文学アカデミー大賞紹介ページ
           (ドイツ児童文学アカデミー ウェブサイト内、ドイツ語)
https://www.akademie-kjl.de/preise-auszeichnungen/grosser-preis/

【特殊文字】
「Deutsche Akademie fur Kinder- und Jugendliteratur」:「fur」の「u」の上に
ウムラウト(¨)がつく
「Grosser Preis der Deutschen Akademie fur Kinder- und Jugendliteratur」:
「Grosser」の「ss」はエスツェット、「fur」の「u」の上にウムラウト(¨)がつ
く

                                (大隈容子)

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●賞速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★2020年オーストラリア児童図書賞発表
★2020年ドイツ児童文学賞発表
★2021年度アストリッド・リンドグレーン記念文学賞候補者発表
                   (受賞者の発表は2021年4月13日の予定)
★2020年シャドワーズ・チョイス賞(カーネギー、ケイト・グリーナウェイ)発表
★2021年カーネギー賞、ケイト・グリーナウェイ賞ノミネート作品発表
   (ロングリストの発表は2021年2月18日、ショートリストの発表は3月18日、
                      受賞作品の発表は6月16日の予定)
★2020年ニルス・ホルゲション賞発表
★2020年エルサ・ベスコフ賞発表
★2022年国際アンデルセン賞候補者発表
     (ショートリストの発表は2022年1月、受賞者の発表は2022年春の予定)

 海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を
ご覧ください。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award

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●イベント速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★展示会情報
 新潟市美術館
「原作出版75周年 きかんしゃトーマス展
               ソドー島のなかまたちが教えてくれたこと」
 PLAY! MUSEUM
「企画展『がまくんとかえるくん』誕生50周年記念 アーノルド・ローベル展」など

★講座・講演会情報
 千葉市美術館「ブラチスラバ世界絵本原画展
         こんにちは!チェコとスロバキアの新しい絵本&関連イベント」
 芦屋市立美術博物館「迷路絵本 香川元太郎の世界展&講演会」 など

★イベント情報
 オンラインフォーラム「子どもの本の現在(いま)と未来(これから)」 など

 新型コロナウイルス感染拡大の影響で、イベントは中止や延期になる場合がありま
す。最新の開催情報は「児童書関連イベント情報掲示板」掲載の各参考ウェブサイト
でご確認ください。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event

                          (山本真奈美/冬木恵子)

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●読者の広場●海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ!
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お話、ご質問、ご意見等を募集しています。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せ
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月を3月、4月、6月、7月、9月、10月、12月の年7回とさせていただきます。ま
た、1月には号外を発行する予定です。毎月の発行とはなりませんが、毎号、充実し
た内容でお届けできるよう、編集部一同、努力してまいります。今後ともご愛読のほ
ど、よろしくお願い申し上げます。

                         「月刊児童文学翻訳」編集部

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こちらの「やまねこ翻訳クラブ オンライン書店」よりお入りください。
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           ・☆・〜 次 号 予 告 〜・☆・

 ニューベリー賞・コールデコット賞・プリンツ賞の発表にともなう号外を1月下旬
に発行する予定です。どうぞお楽しみに!

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なる作品はあったでしょうか? どれも会員お勧めの作品です。ぜひ手に取ってみて
ください。今年も「月刊児童文学翻訳」をお読みいただき、ありがとうございました。
2021年もどうぞよろしくお願いいたします。(も)
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