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国際アンデルセン賞(世界)
レビュー集 |
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最終更新日 2008/10/01 メスガーリのレビューを追加
このレビュー集について
10周年記念「世界の児童文学賞ラリー」においてやまねこ会員が個々に書いたレビューを、各児童文学賞ごとにまとめました。メ ールマガジン「月刊児童文学翻訳」や「やまねこのおすすめ」などに掲載してきた〈やまねこ公式レビュー〉とは異なる、バラエティーあふれるレビューをお楽しみください。
なお、レビューは注記のある場合を除き、邦訳の出ている作品については邦訳を参照して、邦訳の出ていない作品については原作を参照して書かれています。
Astrid Lindgren(アストリッド・リンドグレーン) 『さすらいの孤児ラスムス』『やねの上のカールソン』 /
Margaret Mahy マーガレット・マーヒー 『危険な空間』『ポータブル・ゴースト』
Farshid Mesghali(ファルシード・メスガーリ) 『赤ひげのとしがみさま』←追加
1958年国際アンデルセン賞作家賞受賞 国際アンデルセン賞リスト
| Astrid Lindgren(アストリッド・リンドグレーン) | スウェーデン |
『さすらいの孤児ラスムス』(尾崎義訳/岩波書店/1965年)で受賞 (1960年までは作品が受賞の対象であった。それ以降は全業績が対象) |
ストックホルムのふつうの町の、ふつうの家に、ふつうの家族が住んでいました。両親と、兄のボッセに姉のベッタン。そして末っ子のリッレブルールは、ことし七才のふつうの男の子です。この家でただひとつ変わっていたのは、やねの上にカールソンが住んでいること。カールソンはまるまる太った男の人で、せなかにつけたプロペラで空を飛べるんです。リッレブルールは、カールソンと友だちになりますが、家族のだれもそんなことを信じてくれません。
やねの上のカールソンは、ちょっとずるくて、自信家で、いつも自分が世界一だとじまんしています。おまけに食いしん坊で、よくばりで、ほらふきでで、とても、うちの子供部屋には来てほしくないようなおじさんです。でも、なぜかリッレブルールはカールソンが大好き。それはカールソンといると楽しいからかな? この突拍子もないキャラクターと、暖かい愛情にあふれた一家の様子が目に浮かんできて、読後には心がほっこり暖かくなりました。 (大塚道子) 2008年4月公開 |
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2006年国際アンデルセン賞作家賞 国際アンデルセン賞リスト
| Margaret Mahy(マーガレット・マーヒー ) | ニュージーランド |
両親を失った11歳のアンシアは、同じ年のいとこフローラの家に引き取られるが、なかなかなじめずにいた。そんなアンシアは、大叔父ヘンリーの残した立体鏡の中の世界、ヴィリディアンに毎晩迷い込むようになる。ヴィリディアンでは、若くしてこの世を去ったヘンリーが、死の世界へ行くことができずにさまよっていた。寂しいヘンリーは、アンシアを自分の世界に引きずり込もうとする。一方、いとこのフローラには、ヘンリーの兄である祖父ライオネルの霊が見えることがあった。ライオネルは、自分が精魂込めて建てた家が改築されないよう子孫を見張っているのだ。それぞれが「幽霊」と対峙することで、初めはギクシャクしていたアンシアとフローラの関係が少しずつほぐれていく。
ヴィリディアンの世界に入り込んだ当初は、その広い空間に居心地の良さを感じていたアンシア。ところが、現実の世界が充実していくことにより(フローラやその家族と絆を深めていくことにより)、その世界は収縮しはじめる。主人公の精神状態を空間の伸縮で表すというアイデアがユニークだ。自分を取り巻く現実の世界が厳しいと、空想の世界に逃げ出したくなるものだが、そういった誰にでも起こりうる心情をヴィリディアンという立体鏡の中の世界を設定することでファンタジックに描いている。 (相良倫子) 2008年4月公開 |
この2週間というもの、ディッタがみかけるたび、あの男の子は図書館のあの席で、いつもぶあつい大きな本を覆いかぶさるようにして読んでいる。すみの机の、窓から日がさしこむと、いつも外の木の葉の影がうつってチラチラしているあの席で。ディッタがみていると、今日はいつもと違うことがおこった。男の子は、目をあげると、こっちを見てニッと笑い、そして一瞬のうちにうちに消えてしまったのだ。ディッタは寒気がした自分に腹を立て、嫌がる足をひきずって、もう一度現れた男の子の方へ向かった。「あたし、あんたが見えるのよ」「まじめに答えてよ。あんた、幽霊なの?」男の子は答えた。「もちろん、そうさ」
ポータブル・ゴースト、持ち運べる幽霊。いったいどんなものだろうと興味をそそられて読んだ。幽霊の正体を調べようと、ディッタは、図書館のお手伝いをしたり、マックスの家に乗りこんだりして奮闘し、マックスの様子がおかしかった理由も、別の幽霊が原因だとつきとめる。図書館の幽霊と、マックスの幽霊。この二つがうまくからみあい、さらに幽霊にコンピューターが関わってくる。あちらとこちらがつながって、うまく物語になっているところはさすがマーヒーと舌を巻いた。 (美馬しょうこ) 2008年4月公開 |
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1974年国際アンデルセン賞画家賞 国際アンデルセン賞リスト
| Farshid Mesghali(ファルシード・メスガーリ) | イラン |
赤い髪の毛、赤いひげのとしがみさまは、毎年春になると、町にお正月を運んできてくださいます。春の最初の日、1人のおばあさんが、としがみさまのおいでを待っていました。ベランダに広げた絹の敷物の上に、Sの頭文字のつく7つの品物をきれいに並べ、髪にはバラのにおいの水をふりかけて、準備は万端。ところが、敷物に座って待つうちに、おばあさんは眠り込んでしまいます。ちょうどそこに現れたとしがみさまは、眠っているおばあさんを見て……。
翻訳ものの絵本を読みなれた人がこの作品を手に取ったら、間違っておしまいのページから読み始めようとするかもしれません。そう、この本は、最初から日本語で書かれた作品と同じように、右綴じなのです。この絵本が生まれた国イランの言葉は、ペルシャ語。アラビア文字を用いて右から左へ書く言語なので、ペルシャ語の書物は右綴じなのですね。日本語の訳文は、縦書きで印刷されています。外国のお話なのに手になじむ、不思議な感触の絵本です。 (古市真由美) 2008年10月公開 |
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国際アンデルセン賞リスト(やまねこ資料室) 国際アンデルセン賞の概要
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