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2009年3月号
   =====☆                    ☆=====
  =====★   月 刊  児 童 文 学 翻 訳   ★=====
   =====☆   ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄  ☆=====
                                No.108
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児童文学翻訳学習者による、児童文学翻訳学習者のための、電子メール版情報誌
http://www.yamaneko.org                         
編集部:mgzn@yamaneko.org     2009年3月15日発行 配信数 2430 無料
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●2009年3月号もくじ●
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◎プロに訊く:第31回 菱木晃子さん(翻訳家)
◎プロに訊く連動レビュー1:『シロクマたちのダンス』
                       ウルフ・スタルク作/菱木晃子訳
◎プロに訊く連動レビュー2:『フローラのにわ』
            クリスティーナ・ディーグマン文・絵/ひしきあきらこ訳
◎注目の本(未訳読み物):"Savvy" イングリッド・ロウ作
◎賞速報
◎イベント速報
◎お菓子の旅:第46回 あま〜いあま〜いアメリカの味 〜ブラウニー〜
◎ほんやく学習の羅針盤:第1回 英文をもっと正しく読むために
◎2月号「読者プレゼント」当選者発表!
◎読者の広場

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●プロに訊く●第31回 菱木晃子さん(翻訳家)
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 スウェーデン語の子どもの本を精力的に翻訳し、日本の子どもたちに質の高い読書
体験をと尽力なさる菱木晃子さん。今回は、スウェーデン文化が身近にあった子ども
時代のことから、ご親交のあるウルフ・スタルクさんのことまで、盛りだくさんのお
話をうかがうことができました。プロ魂と児童書を思う気持ち、そしてあふれるパワ
ーに、感銘を受けることしきりのインタビュー陣でした。ご多忙な中、長時間におよ
ぶインタビューに応じてくださった菱木さんに心から感謝いたします。

【菱木晃子(ひしき あきらこ)さん】
+――――――――――――――――――――――――――――――――――――+
|1960年生まれ。横浜市在住。本と漫画に囲まれ、「活字三昧」の子ども時代を過|
|ごす。慶應義塾大学法学部在学中にスウェーデンを訪れたことがきっかけで、児|
|童書翻訳家を志す。卒業後同大学文学部に学士入学、その後スウェーデンのウプ|
|サラでスウェーデン語を学び、1988年、『サーカスなんてやーめた』(トーマス|
|・ティードホルム作/アンナ‐クララ・ティードホルム絵/岩崎書店)で翻訳家|
|デビュー。訳書は『ニルスのふしぎな旅』(セルマ・ラーゲルレーヴ作/福音館|
|書店)など多数。                            |
+――――――――――――――――――――――――――――――――――――+

【菱木晃子さん公式ウェブサイト】
http://www.hishiki.all-hp.com/

【菱木晃子さん訳書リスト】
http://www.yamaneko.org/bookdb/int/ls/ahishi01.htm

【菱木晃子さんインタビュー ロングバージョン】
http://www.yamaneko.org/bookdb/int/ahishiki.htm

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Q★まず、スウェーデンという国と菱木さんとの「馴れ初め」を聞かせてください。

A☆父がスウェーデン法の研究者で何度も長期留学していましたし、スウェーデン語
も話せました。そのため小さなころからとても身近な国だったのです。ただ、わたし
自身が初めて現地を訪れたのは20歳の時でした。スウェーデンの空気にじかにふれて、
いい国だなとたちまち好きになってしまいました。

Q★スウェーデン文学との初めての出会いも子どものころでしたか?

A☆はい、そうです。わたしが5歳の時、スウェーデンに留学中の父がエルサ・ベス
コフの絵本の原書(※編注)を送ってくれたのですが、その美しい絵に驚きました。
日本が経済成長期の、まだそれほど豊かでないころのことですから、ほんとうに夢の
ような世界に思えました。また来日したスウェーデンの方に、岩波書店から出ていた
『長くつ下のピッピ』、『やかまし村の子どもたち』(ともに大塚勇三訳)などリン
ドグレーン作品をたくさん買ってもらい、夢中になって読みました。

※編注:後に邦訳の出た『もりのこびとたち』(おおつかゆうぞう訳/福音館書店)

Q★スウェーデン語を学びはじめたのはいつですか?

A☆高校時代までは、父のスウェーデン留学に家族でついていくことはありませんで
した。日本できちんと教育を受けたほうがいいという父の方針でしたが、いま振り返
ると、母語である日本語を培うという意味ではとてもよかったと思います。スウェー
デン語は、大学に入学してから父に少し教わっていましたが、本格的に勉強を始めた
のは、初めてのスウェーデン訪問の後です。父がボランティアで数人に教えることに
なったので、そこに約1年参加した後、家にあるスウェーデン語の本を辞書と首っ引
きで読みました。また休みのたびに現地にも行き、大学を終えてからはウプサラで集
中して勉強しました。

Q★翻訳家になりたいと思ったのはいつごろですか?

A☆高校時代に、将来は日本語を書く仕事がしたいとぼんやり考えていました。でも
弁護士にも憧れていたので、大学では法学部に進みました。ところが、在学中に訪れ
たスウェーデンで、現地の書店に並ぶ昔なじみのベスコフの絵本などを見ているうち
に、この国の本を日本語に翻訳したいという思いがわいてきました。そこで帰国後、
次々と就職先を決める同級生を尻目に翻訳家になる方法を考え、まずは文学をいちか
ら勉強しようと文学部英米文学科への学士入学を決意したのです。スウェーデン語の
翻訳をするのに、英米文学を学ぶのは回り道では? と思われるかもしれませんが、
聖書やシェークスピアなど、西洋文学の基礎をみっちり学んだ2年間はとても有意義
でした。

Q★語学と文学の力を身につけられ、あとはきっかけを待つばかりになったのですね?

A☆語学や文学の力にこれで十分ということはありませんが、知り合いの作家の方に
自分の書いたエッセイを見ていただき、日本語の文章は磨けばなんとかなりそうとい
うことで岩崎書店に紹介してもらいました。そこで、現地に行くたびに買いためてお
いたスウェーデンの児童書を持ち込みました。でも、そのころの日本では、スウェー
デンの作家といえば、極端な話、リンドグレーンぐらいしか知られていない状態で、
なかなか新しい作家を受け入れてもらえませんでした。2年ほどは空振りが続きまし
たが、やっと『サーカスなんてやーめた』が編集者の目にとまり、出版が決まりまし
た。その後続けて2冊の幼年童話を出すことができました。

Q★今でも持ち込みはされますか?

A☆はい。自分で持ち込んだものはかなりあります。スウェーデン語という特殊性に
加えて、わたしは自分が読んでみておもしろいと思った作品しか訳さないことにして
いるので、自分で見つけた作品が出版に結びつくことが多いです。よくどの訳書が好
きかと聞かれますが、そういうわけで自分の訳書はどれも好きなんです。原書探しは
やはり現地ですると、いい作品に出会う確率が高いです。ボローニャのブックフェア
に行ったり、インターネットで探したりすることもあります。基準のひとつは、日本
人には書けない作品であること。一方、矛盾するようですが、日本人が共感できる要
素がないとたとえスウェーデンで売れている本でもだめですね。ファンタジー作品の
邦訳が少ないといわれますが、スウェーデンのファンタジーは空想世界を矛盾なく構
築できていない作品が多いので残念です。ファンタジーを紹介するなら、いろいろな
意味で「ハリー・ポッター」シリーズを超えるものでないといけないと思っています
(笑)。

Q★ウルフ・スタルクさんとのご交友について聞かせてください。

A☆スウェーデン文化交流協会が現地で開催している翻訳家セミナーに参加したとき
に、講師だったスタルクさんと初めてお会いしました。このときスタルクさんがみん
なの前で朗読なさったのが「シェーク vs. バナナ・スプリット」でした。数年後に
再度セミナーに参加したときには、ご自宅にうかがってパソコンに入っていた「うそ
つきの天才」の生原稿をいただきました。この2作品に、はたこうしろうさんの挿絵
がついて、ウルフくんが主人公のショート・ストーリーズ第1弾(※編注)が生まれ
ました。はたさんの挿絵はスタルクさんもお気に入りで、その後本国で出版となった
ときにも韓国語版でも、そのまま使われています。このシリーズは自伝的作品といわ
れていますが、スタルクさんは、今でもお話に出てくるウルフくんを思い起こさせる、
気さくで茶目っ気のある方です。ところで、ちょっと宣伝してもいいですか。スタル
クさんの代表作と呼べる『シロクマたちのダンス』(偕成社)が昨秋、久々に重版に
なりました。読み継がれていってほしい本の一冊ですので、本当にうれしく思ってい
ます。

※編注:『うそつきの天才』(小峰書店)

Q★新しい作家を紹介する一方、古典の新訳にも取り組んでいらっしゃいますね。

A☆『ニルスのふしぎな旅』は福音館書店から打診をいただいてから原書を再読し、
数か月後に訳す決心をしました。締め切りはなかったのでじっくり取り組み、足掛け
8年かかってしまいました。翻訳とはそれぞれの作品の雰囲気を日本語で伝えること
と思っていますので、女性作家ならではの母性豊かな文体を表現するために、敬体で
語りかけるような文章にしたいと思いました。また今の日本の子どもが楽しく読める、
そしてどこを朗読されても耐えられる訳にすることを目指しました。ですから訳文で
工夫し、注はつけていません。わたしはどの作品も必ず音読してチェックすることに
しています。もちろん膨大な量のニルスもすべて音読しました。校正の段階に入って
からは、しばらくはニルスに集中して仕事をしようと思っていましたが、そのころに
岩波書店から『長くつ下のピッピ ニュー・エディション』のお話をいただきました。
憧れのピッピですし、大好きなローレン・チャイルドの挿絵だったこともあり、一晩
悩んだ末にお受けしました。
 ピッピは訳していて楽しくて、楽しくて! 明日は一番好きな泥棒の場面を訳せる
と思うと興奮して眠れなかったり(笑)、おしまいのピッピのせりふに感動して訳し
ながら泣いたりしました。この作家は子どもに大きな夢を与えつづける方なのだと再
確認した涙です。子ども時代に読んだときとはまた違った感じ方ができた、これぞ児
童書の醍醐味だと思います。

Q★今後の出版予定について教えてください。

A☆春に「ステフィとネッリ」シリーズ(アニカ・トール作/新宿書房)の3作目
『海の深み』が、夏ごろに岩波書店から『日曜日島のパパ』という小学校中学年向け
の読み物が出ます。小峰書店からは「パーシー」シリーズの3作目が、はたさんの挿
絵で出るほか、絵本や読み物があと4作品ほど年内に出版される予定です。

Q★翻訳家を目指すみなさんへのアドバイスをお願いします。また、英語以外の言語
からの翻訳を目指している方に対しても、ひとことお願いします。

A☆翻訳で食べていくのは大変です。まして子どもの本はめったにベストセラーには
なりませんしね。ですから子どもの本が好きなこと、そして日本語を書くことが好き
でないと続かない仕事だと思います。訳す本に関しては手当たり次第でなく、読むの
は手当たり次第でも、自分が訳したい本と巡り合うことを心がけたらいいのではない
でしょうか。また、子どもが人生で初めて出会う本になるかもしれないというプロの
責任も感じてほしいです。それから初期投資は大事ですよ。原語・日本語間の辞書の
他に、原語・原語間の辞書、その国の植物などの図鑑、百科事典といった参考資料も
揃えておきたいですね。インターネットの情報はけっこう間違っていたりしますから。
 英語以外の言語を選ぶ場合、例えば英語では芽が出そうにないから他の言語でとい
う考えはどうかと思います。自分の人生をかけるのだから、その国や文化に興味がな
いとやっていけないでしょう。文学の翻訳は字面だけを訳すわけではないですから。

                           (取材・文/大塚典子)

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●特別企画連動レビュー1●ほんとうの自分って、なんだろう?
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『シロクマたちのダンス』 ウルフ・スタルク作/菱木晃子訳
偕成社 定価1,575円(税込) 1996.06 270ページ ISBN 978-4037265700
"Lat isbjornarna dansa" by Ulf Stark
Bonniers Juniorforlag AB,1986
bk1で詳細を見る

 主人公の少年ラッセは、勉強が苦手で、学校では問題児だ。そんな彼を、無口なと
うさんはシロクマのように大きな腕で、黙って優しく包み込んでくれる。ラッセにと
って、とうさんは心を許せる大切な存在だった。しかし、かあさんが他の男の子ども
を宿しているとわかり、両親は離婚。大好きなとうさんとは別々に暮らすことになっ
てしまった。
 一緒に暮らすことになったかあさんの恋人は金持ちの歯医者で、ラッセを優等生に
しようと躍起になる。おまけにその娘はラッセを嫌い、しつこくいじめる。それでも、
ラッセはどうにか新しい環境になじんでいった。だが、人が変わってしまった彼にか
つての友は背を向け、ラッセ自身も自分の変化に疑問を抱き思い悩むようになる。
 落ちこぼれの少年が、周囲の大人たちの価値観にふりまわされ、優等生に変わって
いく姿は、なんとも哀れである。いつしか「すごいやつ」と言われる優越感にも慣れ
てしまったころ、自分を見失っていることに気が付いた彼の複雑な気持ち。ラッセの
一人称で語られるがゆえに、すっかり感情移入していたこちらの心の中にまで、変わ
ってしまった自分に対するとまどいと嫌悪感がわっと広がってくるようだった。だか
らこそ、その胸に芽生えた「ほんとうのぼく」を探し求める気持ちも痛いほど伝わっ
てくる。ラッセの心の叫びにふれるにつけ、周囲の意向に押し流されてしまい、やむ
なく自分を変えて生きてきたわが身が悔やまれ、自らのアイデンティティーを求めて
もがき苦しむ彼にエールを送らずにはいられなかった。
 家庭の崩壊や新しい家族とのあつれきなど、ともすれば深刻で重くなりがちな題材
を、スタルクは軽快な文章でユーモアたっぷりに描いている。つらい現実に直面した
主人公の胸の痛みをもくるみ込んでしまうあたたかな語り口からは、子どもの心に寄
り添った作者の優しいまなざしが感じられた。言葉では表しきれない父子の思いを託
して、そこかしこに挿入されたエルビス・プレスリーの曲の数々も、作品にしゃれた
趣を添えている。読後はせつないけれど、澄みきった空をながめるようなさわやかさ
の残るすてきな物語である。

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【作】ウルフ・スタルク(Ulf Stark):1944年スウェーデン生まれ。国際的に人気
の児童文学作家で、1988年『ぼくはジャガーだ』(いしいとしこ訳/ブッキング)で
ニルス・ホルゲション賞を獲得したのをはじめ、スウェーデン国内外で数々の文学賞
に輝く。邦訳作品に、『おじいちゃんの口笛』や『ミラクル・ボーイ』(いずれも菱
木晃子訳/ほるぷ出版)など多数。本作は1994年佑学社刊の再刊。

【訳】菱木晃子(ひしき あきらこ):本誌今月号「プロに訊く」参照。

【参考】
▼ウルフ・スタルク紹介ページ(Bonnier Group Agency 内、英語)
http://www.bonniergroupagency.se/200/201.asp?id=453

▼ウルフ・スタルク紹介ページ(Bonnier Carlsen 内、スウェーデン語)
http://www.bonniercarlsen.se/Upphovsman/Forfattarpresentationssida/?personId=127
01

▽ウルフ・スタルク邦訳作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/author/s/ustark.htm

                               (加賀田睦美)

【特殊文字】
 「Lat」:「a」の上に小さな o がつく
 「isbjornarna」:「o」の上にウムラウト(¨)がつく
 「Juniorforlag」:ふたつめの「o」の上にウムラウト(¨)がつく

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●特別企画連動レビュー2●スウェーデンの豊かな自然に、夢をさがして
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『フローラのにわ』 クリスティーナ・ディーグマン文・絵/ひしきあきらこ訳
福音館書店 定価1,260円(税込) 2009.03 32ページ ISBN 978-4834024166
"Floras kulle" by Kristina Digman
Raben & Sjogren Bokforlag, 2007
Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る

 緑の庭にかこまれた、小さな家のまえにたたずむ女の子。なんとも愛らしい表情で、
絵本の表紙からこちらを見つめる笑顔に、だれもが思わず話しかけたくなることでし
ょう。「あなたがフローラね? このすてきなお庭で、いつもどんなふうにすごして
いるの?」そして、その答えを知りたくてページをめくると……。可憐な少女は、小
さな家にたったひとりで暮らしているというではありませんか。さすが「長くつ下の
ピッピ」を生んだ国スウェーデンの女の子、と思わずにはいられません。さらに驚く
ことに、フローラの背丈は、庭の草花や小さな動物たちと同じほどしかないのです。
読者はたちまち、足もとに広がる小さな世界にすっと引きこまれ、気がつけば、野イ
チゴの実やタンポポのわたげを、ハリネズミやツグミのとなりで見あげていることで
しょう。
 さてフローラは、庭にすむなかよしの動物たちと、にらめっこやかくれんぼをして
楽しくすごしています。カエルに泳ぎを教えてもらったり、マルハナバチをひざで寝
かしつけたりすることもあります。また、風にそよぐ花がかなでる、かすかな音楽や、
動物たちのたてる小さな音に耳をかたむけ、豊かな時をおくっていました。けれども
あるとき、おしゃべりをしてくれる友だちが、どうしてもほしくなったのです。雨の
ふる日、庭であそべないフローラは、友だちをさがしに出かけてみることにしました。
すると困ったことに、だれもいない森にまよいこんでしまったのです。心細くてたま
らないフローラ。そのとき、ふいに目のまえにあらわれたのは――。
 ふんわりとした色合いで描かれる、小さいけれども豊かな自然。ブルーベリーの青、
スズランの白、テントウムシの赤などが、鮮やかな、ときに深みを帯びた緑の背景に、
やさしくとけこむように添えられています。ながめるだけで心なごむ植物や、フロー
ラを見まもる動物たちのおだやかなまなざしに触れるにつけ、読者は小さな小さな世
界のなかで、フローラとともに大きな大きな安堵感をおぼえることでしょう。
 さあ、緑芽吹く季節、フローラといっしょに、夢をかなえに出かけてみませんか。

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【文・絵】クリスティーナ・ディーグマン(Kristina Digman):1959年スウェーデ
ン生まれ。子どもの本のイラストレーターとして活躍し、2005年エルサ・ベスコフ賞
を受賞。邦訳に、絵を担当した『ちいさなふゆのほん』(ヨレル・クリスティーナ・
ネースルンド文/ひしきあきらこ訳/福音館書店)などがある。文も手がけた絵本が
邦訳されたのは、本作が初めて。また本作は去る3月12日、The Swedish Writers'
Union 主催の Slangbellan Award 受賞の栄誉に輝いた。4月には続編 "Floras
blommor" を出版予定。

【訳】ひしき あきらこ(菱木晃子):本誌今月号「プロに訊く」参照。

【参考】
▼"Floras kulle" について
     (KISEK 内のクリスティーナ・ディーグマンのページ、スウェーデン語)
http://www.kisek.com/KISEK/Kristina_Digman.html

▼クリスティーナ・ディーグマン紹介ページ
(Raben & Sjogren Bokforlag 内、スウェーデン語〔英語サイトへのリンクあり〕)
http://www.norstedtsforlagsgrupp.se/templates/common/Author.aspx?id=15982&q_
context=Raben

▼クリスティーナ・ディーグマン紹介ページ(Plus Licens AB 内、英語)
http://www.pluslicens.se/index.php/site/art_and_design_details/floras_hill_art_a
nd_design/

▼Slangbellan Award 受賞の記事(Plus Licens AB 内、英語)
http://www.pluslicens.se/index.php/site/news/

▽エルサ・ベスコフ賞受賞作品&作家リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/sw/beskow.htm

                                (清水陽子)

【特殊文字】
 「Raben」:「e」の上にアクセント記号(')がつく
 「Sjogren」:「o」の上にウムラウト(¨)がつく
 「Bokforlag」:ふたつめの「o」の上にウムラウト(¨)がつく

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●注目の本(未訳読み物)●13歳の誕生日、少女はバスに乗りこんで……
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『サヴィ』(仮題) イングリッド・ロウ作
"Savvy" by Ingrid Law
Dial Books For Young Readers, 2008 ISBN 978-0803733060
352pp.
Amazonで詳細を見る
★2009年ニューベリー賞オナー(次点)作品
★2008年ボストングローブ・ホーンブック賞オナー(次点)作品

 ミブズの家族は一見ごく普通だが、実は大きな秘密がある。母方の家系が、サヴィ
とよばれる特別な力をもっているのだ。おじいちゃんは大地を動かすことができるし、
兄たちは電気を作る力や嵐を起こす力をもっている。ミブズのサヴィが明らかになる
のは13歳の誕生日、つまり明後日だ。期待と不安で落ち着かないミブズだったが、そ
こにパパが交通事故にあい、隣町の病院へ運ばれたという知らせが飛び込んできた。
ママはすぐに病院へ向かい、残された子どもたちは牧師夫妻の世話になることとなっ
た。そして迎えた誕生日、自分のサヴィがパパを救うと思いこんだミブズは、教会の
駐車場で、パパが入院する町からやってきた聖書販売会社のバスを見つける。これに
乗れば、きっとパパのところへ行けるはず。ミブズはバスに忍びこんだ。ところがそ
こへ兄や弟、牧師の子どもたちまで乗りこんできたからさあ大変。そのうえバスはあ
らぬ方角へと走り出し、珍道中が始まった!
 良質のロードムービーを思わせる物語だ。13歳を迎えた日、波乱万丈のバス旅行を
通して、ミブズは自分の力を自覚し、思春期の少女らしい葛藤を味わいながら一回り
成長する。その過程が主人公の心に沿って丁寧に描かれており、自分がミブズになっ
た気分で、共感しながら読み進めることができる。ミブズはやがて、自分のような特
殊能力のないパパも、実はサヴィをもっていることに気づく。誰にでも特技や取柄は
あるものだが、それもまた一種のサヴィと言えるのだ。私たちは皆サヴィをもってい
る。それを生かせば、人生で直面する困難にも立ち向かえる。そんな作者の前向きな
メッセージが伝わってきて、勇気づけられた。
 テンポのよい展開で、読み始めたら止まらないところも、本書の魅力のひとつだろ
う。物語の世界にどっぷりと浸る喜びを、間違いなく味わうことができる。ミブズと
旅を共にする仲間たちは、一癖ある面々ばかり。旅は思いもよらない出来事の連続だ。
ミブズはどんなサヴィの持ち主なのか? パパのもとに無事たどり着けるのか? そ
して何よりパパは助かるのだろうか? ミブズとともにバスに揺られ、数々のピンチ
を切り抜け、そして迎える結末には、ちょっと胸が痛むかもしれない。けれども本を
閉じるときには、深い満足感に包まれているはずだ。

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【作】Ingrid Law(イングリッド・ロウ):1970年ニューヨーク州に生まれる。6歳
のときにコロラド州に移り、現在も12歳の娘とともに同地に在住。数々の職業を経験
したのち、デビュー作 "Savvy" を出版。ニューベリー賞オナー、ボストングローブ
・ホーンブック賞オナーに選ばれるなど、高い評価を得る。現在、ミブズのいとこを
主人公とした物語を執筆中。

【参考】
▼イングリッド・ロウ公式ウェブサイト
http://www.ingridlaw.com/

▼"Savvy" 公式ウェブサイト(音を聞くことができます)
http://us.penguingroup.com/static/packages/us/yreaders/savvy/index.html

▽ニューベリー賞受賞作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/us/newbery/index.htm

▽ボストングローブ・ホーンブック賞受賞作品リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/award/us/bghb/index.htm

                                (佐藤淑子)

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●賞速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★2009年チルドレンズ・ブック賞候補作発表(受賞作の発表は6月6日)
★2008年度アガサ賞ショートリスト発表(受賞作の発表は5月2日)
★2008年度アンドレ・ノートン賞最終候補作品発表(受賞作の発表は4月25日)
★2009年ニュージーランド・ポスト児童書及びヤングアダルト(YA)小説賞
                    候補作発表(受賞作の発表は5月20日)
★2009年ボローニャ・ラガッツィ賞発表
★2009年(2008年度)ゴールデン・カイト賞発表
★2008‐2009年ビスト最優秀児童図書賞ショートリスト発表
                         (受賞作の発表は5月20日)
★第14回日本絵本賞発表

 海外児童文学賞の書誌情報を随時掲載しています。「速報(海外児童文学賞)」を
ご覧ください。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=award

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●イベント速報━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

★展示会情報
 国立国会図書館国際子ども図書館「ゆめいろのパレットIV」
 ちひろ美術館「ミュンヘン国際児童図書館 架空の絵本展」 など

★セミナー情報
 イーズ「枝廣淳子さん 夢に一歩近づく!『翻訳上達法』セミナー」 など

★イベント情報
 出版文化産業振興財団(JPIC)「子どもの本まつり in とうきょう」 など

★コンテスト情報
 『通訳・翻訳ジャーナル』誌上翻訳コンテスト など

 詳細やその他のイベント情報は、「速報(イベント情報)」をご覧ください。なお、
空席状況については各自ご確認願います。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event

                           (笹山裕子/冬木恵子)

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●お菓子の旅●第46回 あま〜いあま〜いアメリカの味 〜ブラウニー〜
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Phoebe's mother was sitting at the kitchen table when we walked in.
In front of her was a pan of burned brownies. She blew her nose.
         "Walk Two Moons" by Sharon Creech
                     Macmillan Children's Books(1994)
         Amazonで詳細を見る

         『めぐりめぐる月』
          シャロン・クリーチ著/もきかずこ訳/偕成社(2005年再版)
         Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る

*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*-*

 アメリカのパーティーや学校のベイクセール(手作りお菓子のバザー)で必ず登場
するブラウニーは、クッキーとケーキの中間のようなしっとりとした食感が魅力です。
 引用は、主人公サラの友だちフィービィのお母さんが、少し焦げたブラウニーを前
に座っているところです。あれこれ話しかけてくるお母さんをフィービィ姉妹はじゃ
けんに扱いますが、サラは自分の母親が出て行った前日の様子を思い出し、フィービ
ィのお母さんにもなにかあったのではと感じます。この先が気になる場面です。
 ブラウニーは、高級な飲み物だったチョコレート(※)が固形化され、大量生産に
よって庶民の食べ物となった20世紀初頭にアメリカで生まれました。メーン州バンゴ
アの主婦がチョコレートケーキを床に落とし、もったいないので一部を拾って四角く
切ったのが始まりという話が一番有名ですが、他にも、ケーキの生地にベーキングパ
ウダーを入れ忘れた、小麦粉の量を間違えた、クッキーの生地に溶かしたチョコレー
トが落ちてしまったなど、実にさまざまな説があります。どれをとっても「あの失敗
があればこそ」なのがユニークで、ブラウニーを愛してやまないアメリカ人は「由来
はどうあれ、おいしくてやめられない!」と、今日もその味を楽しんでいるのです。
 今回は、カリッとしたくるみの歯触りも楽しいブラウニーの作り方をご紹介しまし
ょう。チョコレートを溶かすのはたいへんというイメージがありますが、実は電子レ
ンジを使えばとっても簡単! 失敗から生まれた名品に、あなたもぜひ挑戦を。

※チョコレートの起源については、第17回〜チョコレート〜をご覧下さい。
http://www.yamaneko.org/mgzn/dtp/2002/02a.htm#okashi

*-* ブラウニーの作り方 *-*

                  画像はこちら(やまねこ翻訳クラブ喫茶室)

材料(10センチ×20センチの金属バット1枚分)
 ミルクチョコレート    100g    卵               1個
 無塩バター         60g    薄力粉              45g
 砂糖            70g    ココアパウダー       大さじ1
 くるみ(刻んだもの)    40g

1.耐熱のガラスボウルにチョコレートを細かく刻んで入れ、角切りにしたバターと
  混ぜる。電子レンジにかけ、20秒ごとに混ぜて様子をみながら溶かす。形が残っ
  たやわらかい状態で加熱をやめ、よく混ぜて余熱で全体を溶かす。
2.1に砂糖を加えてよく混ぜ、溶いた卵を少しずつ加えながらさらによく混ぜる。
3.薄力粉とココアを合わせて、ふるいながら2に加え、木べらでさっくりと混ぜる。
4.くるみを加えてクッキングシートを敷いた型に流し、表面にもくるみをおく。
5.170度に予熱したオーブンで20〜30分、串をさしてなにもつかなくなるまで焼く。

★参考図書、ウェブサイト
"Baking at Home with The Culinary Institute of America"(Wiley, 2004)
『アメリカンホームメイドスイーツ』(城川朝著/柴田書店)
グレーターバンゴア観光協会
http://www.bangorcvb.org/content/4062/Bangor_Brownie/

★「やまねこ翻訳クラブお菓子掲示板」
        http://www.yamaneko.or.tv/open/c-board/c-board.cgi?id=okashi

                         (冬木恵子/かまだゆうこ)

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●ほんやく学習の羅針盤●第1回 英文をもっと正しく読むために
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 本誌をご愛読くださっている読者のみなさまの中には、翻訳家をめざしている方、
翻訳に興味のある方が大勢いらっしゃいます。今月から不定期掲載として始まるこの
コーナーでは、そういった方々のために翻訳に役立つ資料や書籍などを紹介していく
予定です。

 ************************************************************************

『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文』 越前敏弥著
ディスカヴァー・トゥエンティワン 定価1,050円(税込) 2009.02 223ページ
ISBN 978-4887596894
Amazonで詳細を見る  bk1で詳細を見る

 翻訳に誤訳はつきものと言いますが、できれば誤訳は減らしたいもの。今回は、ど
うして誤訳してしまうのか、誤訳しないためには何に気をつければいいのかを教えて
くれる本、『越前敏弥の日本人なら必ず誤訳する英文』をとりあげます。
 著者は、ミステリを中心に多数の訳書をもつ翻訳家として知られていますが、本書
は翻訳のノウハウを扱った本ではありません。長年にわたって英語や翻訳を教えてき
た講師としての経験をもとに、「日本人」がまちがいやすい英文ばかりを選んで、誤
訳のパターンと原因、誤訳を防ぐために注意すべき点をじっくり解説した、英文読解
力アップのための本です。
「必ず誤訳する」という英文は全部で140。まず英文を訳し、その後、訳例と解説を
読む構成になっています。後半にいくほど難易度が高くなり、終盤には翻訳学習者の
正答率が5%という超難問も控えています。簡単そうに見える英文にも、実は思わぬ
落とし穴がひそんでいたりするので、どの問題も気が抜けません。自分が誤訳した個
所が解説でずばり指摘されていて、たびたびどきっとさせられました。
 著者は、「英文を左から右へ読む」ことがいかに重要かを繰り返し説いています。
日本人の誤訳の多くは、それができていないために起こるというのですが、この一見
あたりまえに思えるルールにどんな意味があるのか、ぜひ本書で確かめてください。
 また、著者自身がどんなふうに英語や翻訳を学んできたかを語ったインタビューも
掲載されています。効果的な学習法や上達のヒントがちりばめられていて、こちらも
参考になります。
 最後に、著者の越前敏弥さんから本誌にいただいたメッセージをご紹介しましょう。

*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*
 ずいぶん大げさなタイトルやキャッチコピーがついてしまいましたが、本の中身に
ついては自信をもってお薦めできます。翻訳学習者はもちろん、大学受験生以上のす
べての英語学習者に向けて書いた本です。これに載せた140の英文と取り組むことで、
自分の弱点を見つけ、原文を正確に読みとるための一助としてください。一気に読む
のもいいですが、実際に訳文を作ってゆっくり進めるほうが、より効果があがると思
います。
*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*〜*

【参考】
▽越前敏弥さん座談会記事(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/int/techizen.htm

▽越前敏弥さん訳書リスト(やまねこ翻訳クラブ資料室)
http://www.yamaneko.org/bookdb/int/ls/techizen.htm

※4月に本書の刊行記念講演会が開かれます。詳しくは、「速報(イベント情報)」
をご覧ください。
http://www.yamaneko.org/cgi-bin/sc-board/c-board.cgi?id=event

                                (熊谷淳子)

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●2月号「読者プレゼント」当選者発表!━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━

 2月15日発行の本誌「読者プレゼント」に、たくさんのご応募をいただきありがと
うございました。厳正なる抽選の結果、下記の方が当選されました。

            ★☆★ おんたまさん ★☆★

 おめでとうございます!
 作者のアレックス・シアラーさんと翻訳者の金原瑞人さんのサイン入り『チョコレ
ート・アンダーグラウンド』を、おんたまさんにお送りしたところ、さっそくご感想
をいただきましたので、ご本人に承諾いただいたものを下記に掲載いたします。
 なお、おんたまさんは4月から中学生とのことです。喜びのコメントの端々にフレ
ッシュな感性が光っていますね。

【おんたまさんより】

 わたしの好きな本をたくさん書いているアレックス・シアラーさんのサイン本が当
たったと聞いたときは、とても信じられなかったしびっくりしました。なので、実際
にこの手に取ったときは、言い表せないくらい興奮し、「ワオ!」と「すごい……」
の言葉しか出ませんでした。有名なシアラーさんや金原さんが触ったのと同じものを
今持っているなんて、とても信じられなかったです。もちろん、もう1回読もうと思
いました。今も、サインを指でなぞっています。ありがとうございました。とっても
うれしいです。

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●読者の広場● 海外児童文学や翻訳にまつわるお話をどうぞ!
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 このコーナーでは、本誌に対するご感想・ご質問をはじめ、海外児童書にまつわる
お話、ご質問、ご意見等を募集しています。mgzn@yamaneko.org までお気軽にお寄せ
ください。

※メールはなるべく400字以内で、ペンネームをつけてお送りください。
※タイトルには必ず「読者の広場」とお入れください。
※掲載時には、趣旨を変えない範囲で文章を改変させていただく場合があります。
※質問に対するお返事は、こちらに掲載させていただくことがあります。原則的に編
集部からメールでの回答はいたしませんので、ご了承ください。

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●お知らせ●

 本誌でご紹介した本を、各種のインターネット書店で簡単に参照していただけます。
こちらの「やまねこ翻訳クラブ オンライン書店」よりお入りください。
http://www.yamaneko.org/info/order.htm
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           ・☆・〜 次 号 予 告 〜・☆・

 詳細は毎月10日頃、やまねこ翻訳クラブHPメニューページに掲載します。
          http://www.yamaneko.org/info/index.htm
 どうぞお楽しみに!

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▽▲▽▲▽   海外児童書のシノプシス作成・書評執筆を承ります   ▽▲▽▲▽

  やまねこ翻訳クラブ(yagisan@yamaneko.org)までお気軽にご相談ください。
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     ☆☆ FOSSIL 〜 Made in USA のカジュアルウオッチ ☆☆
「FOSSIL は化石って意味でしょ? レトロ調の時計なの?」 これは創業者の父親が
FOSSIL(石頭、がんこ者)というあだ名だったことから誕生したブランド名。オーソ
ドックスからユニークまで様々なテイストの時計がいずれもお手頃価格で揃います。
2005年より新しいスローガン "What Vintage are you?" を掲げ、更にパワーアップ
した商品ラインナップでキャンペーンを展開。Vintage を表現する重要なツールが
TIN CAN(ブリキの缶)のパッケージです。年間200種類以上の新しいTIN CAN が発表
され、時計のデザイン同様、常に世界中のコレクターから注目を集めています。
http://www.fossil.co.jp/      (株)フォッシルジャパン:TEL 03-5981-5620
                             やまねこ賞協賛会社
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          吉田真澄の児童書紹介メールマガジン
             「子どもの本だより」
     http://www.litrans.net/maplestreet/kodomo/info/index.htm
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★☆       出版翻訳ネットワーク・メープルストリート       ☆★
        http://www.litrans.net/maplestreet/index.htm
新刊情報・イベント情報などを掲載いたします。詳細はmaple2003@litrans.netまで。

       出版翻訳ネットワークは出版翻訳のポータルサイトです
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編集者の方々へのインタビューもあります!    〈フーダニット翻訳倶楽部〉
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★やまねこアクチベーター(毎月20日発行/無料)
  やまねこ翻訳クラブのHOTな話題をご提供します!
                 http://www.yamaneko.org/mgzn/acti/index.htm

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●編集後記●「プロに訊く」菱木晃子さんのインタビューに同席させていただきまし
た。おもしろくて、つい声を出して笑ってしまうお話や、真顔になるお話のあちこち
に見え隠れする、プロの魂とスウェーデンへの尽きぬ思い。心に残りました。(い)
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発行人 大原慈省(やまねこ翻訳クラブ 会長)
編集人 井原美穂/植村わらび(やまねこ翻訳クラブ スタッフ)
企 画 大塚典子 加賀田睦美 かまだゆうこ 熊谷淳子 児玉敦子 笹山裕子
    佐藤淑子 清水陽子 冬木恵子 古市真由美 村上利佳
協 力 出版翻訳ネットワーク 管理人 小野仙内
    ながさわくにお 林檎
    html版担当 ぐりぐら
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